魔族掃討作戦

去竜歴一八九年の一月から一九九年の十二月に掛けて、若き剣王ハルッサムが展開した作戦の名称。
バーマード地方に巣食う魔物の群れを主な目標として、騎士団の精鋭が根絶を目的の戦いを挑んだ。
ロトッカ地方のイ=サードと協力して行われたこの戦いは十年近くも続いた。
結果、バーマード地方とロトッカ地方のほとんどから、強力な魔物の群れは姿を消したが、人族たちのほうも、総勢2万を越える命を失った。
(この世界では、大都会と呼ばれる町でもその人口は10万足らずであり、2万という戦死者は相当な数である)
特に被害が大きかったのは、常に先陣を切って戦っていたシルヴァード騎士団だった。
作戦開始時に十五名いた上級騎士は、作戦終結時には三名、終結後ニ年後に、一名となっていた。作戦で負った傷が原因で死去したのだ。
中級以下の騎士達も半数以上が戦死した。毎年、彼らの霊を慰める為に国をあげての儀式が行われる。