シルヴァードのフーリーズ平野に突如現れたというグリフォン。 奇妙なことに、ひどく獰猛な性質で、道行くものたちを手当たり次第に襲うという。 バントは近々ここの付近を訪れるという行商人の依頼を受け、グリフォンの退治にやってきた。 |
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GM |
さて。 こうして、バントは行方不明の冒険者と合流し、その命を救った。 ……これからどうするべきか? とりあえず休憩するか、それとも? |
バント |
シュラ< 「止血もうまくいったし、今すぐどうこうってことは無いだろうが… 不安げなシュラにそう答えると、ふぅっと大きく息を吐いて洞窟の壁にもたれ掛かる。 |
GM |
バントは素早くオットーに処置を施す。 止血を行い、傷を洗い、薬剤を塗布し、包帯でくるむ。 充分な道具と薬があったために、適格な治療を行うことができた。 治療には三十分もかかったが、その甲斐あって、出血は大体抑えられたようだった。 薬の効果か、オットーの呼吸も落ち着き、表情も和らいだようだ。 それでもまだ、横で、シュラは不安げな顔をしている。 大丈夫なの? とでもいうように、バントをみた。 |
バント |
「こいつは酷いな…」 たとえ医術の心得のない人間が見ても、目の前の青年が危険な状態にあることは、一目で分かるだろう。 特に胸の裂傷からの出血が酷い、一刻も早く止血しなければ… 「とくかくやって見よう。」 青年に負けないくらい血の気の引いた表情のシュラに声を掛けると、荷物の中から治療のための道具を取り出し始める。 医療具とキュアポーションを使用 バント技能判定「手当て」:1/86%
身体治療:1D6+2D8+5
オットー
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GM |
洞窟の冷たい地面に敷いた毛布の上に、男は寝かされていた。 引き締まった身体つきに、やや不似合いに幼げな顔がある。 苦悶の表情ではないが、ただ、ひどく青ざめている。 身体中に包帯が巻かれているが、特にひどいのは胸部に受けた傷の部分で、今も出血が止まらないようだ。重ねた包帯の上にも鮮やかな血の色が広がっている。 バント医術判定「手当て」:1/75%
バントは、オットーの傷の具合を判断する。 HP:-18/65
手当てやその他の技能の使用の場合、〜判定というふうに行為の成功が判定されます。どれくらいの成功率になるかは、事前に判断できますので、慎重に行動したい場合は「**がどれくらいで成功できるか調べてみる」などのように記述してください。行為の成功判定を行う前に、その成功率をお教えします。 |
シュラ |
バント< 頷いて、シュラはバントをオットーの元へと誘う。 |
バント |
シュラ< 「ああ、なんとかな。」 |
シュラ |
洞窟の中まで到達したバントに、急いで駆け寄る。 森色の髪と瞳をもった冷たい美貌の狩人の顔に、不安の表情がある。 それがこの女性にはひどく珍しいことだということを知りうるものは、今は起きていない。 バント< 「無事?」 |
戦闘 |
「来る―早い!」 バントが駆け出すや否や、シュラが声をあげる。 グリフォンは鋭敏な視力を持ち、バントが森から抜けたのを確かに見抜いたのだ。同時に、グリフォンは翼を羽ばたかせて彼目掛けて急降下を開始する。 「後ろ、頭上から!」 が、ざ――ッ! 翼と、何か鋭いものが風を斬る音が間近で聞こえ、過ぎていく。
「もう一度!」 一瞬視界に移り、そしてまた上に消えていった影。 ザ、ザザザ! バントに速度をあわせて狙いをつけてきたグリフォンは、また、彼が尋常ではない反応で身をかわすのを見て、口惜しげに鳴き声をあげる。 15mは短い。 バント 回避:85+20% <バントに12ダメージ! ≪戦闘終了≫
≪情報≫
≪状態≫
迫り来る圧力を背後に感じながら、一度も後ろを振り返るという無駄な事をしなかったバントは、その肩を後ろから浅く抉られていた。 |
バント |
こいつは凄いな…」 体の隅々にまで行き渡る不思議な感触に思わず呟きをもらす。 まるで鳥になったようとはこんな感じのことを言うのだろう、明らかに体が軽くなったのを感じる。それに五感までもが研ぎ澄まされ、木々の間を風が吹き抜ける僅かな音さえ聞こえるようだ。 シュラ< 「これなら行けそうだな。 そういって静かに押し黙ると呼吸を整える。 |
GM |
シュラのその言葉通りに、その直後、バントは自らの身体の変化に気が付いた。 感覚が研ぎ澄まされ、肉体に生気が満ちてくる。 バント |
シュラ |
バント< 「ええ、…魔法をかけるために、いったんこの交信を断つわ。 |
バント |
シュラ< 「そりゃあ有難いな…少し待ってくれるか。」 口を閉じると背を屈めて暫し下生えの間を進み、こちらから洞窟の見渡せる位置までいくと低い潅木の間から僅かに身を乗り出す。 「どうだ、そちらから俺が見えるか?」 |
シュラ |
バント< 「ごめんなさい。ありがとう」 |
バント |
シュラ< 「まぁ、そういう話は互いに生き残ってからでいいんじゃないか? 半ば諦め顔でさかやきを掻きながら、シュラの懇願に答える。 「いいか、合図したら俺は森から出て洞窟まで走る。 |
シュラ |
バント< 「夜までは、……保たないかもしれない。 |
バント |
シュラ< 「重傷の怪我人を連れてここまで走るってのは、ちょいと厳しいだろうな、夜まで待てれば暗闇に紛れてって手もあるが…。 |
シュラ |
バント< 「…そうね。 |
バント |
シュラ< 「多少は心得があるし、治療に使う道具もいくらか持ち合わせがあるよ」 |
シュラ |
バント< 「そう…」 |
バント |
シュラ< 「俺は、ミネアンの狩人バント」 |
"氷眼の弓"シュラ・フ・ルー |
バントの声にしばらく沈黙してから、女性は続ける。 バント< 「洞窟の奥にいて、…昏倒している」 |
バント |
突然の呼びかけに身を堅くするが、その声が多分先ほどの女性であることに思い当たり、こちらもその声に答えるように話し始める。 女性< 「ああ、なんとかな。それよりそっちの状況は? 相棒の姿が見えなかったみたいだが…」 |
GM |
森の中へと逃げ込んだバントのところへ、どこからともなく声が響く。 「援護、助かった。そちらは無事?」 |
戦闘 |
バントは、愛用の合成弓を取り出し、慣れた動作で矢を番えてグリフォンの翼の付け根を狙って射放つ。 バント
狙いは外れ、胴体の辺りに命中する。 戦闘一時終了 |
GM |
バントが符丁の方向に移動し始めて、それを見つけるまで、それほどの時間は掛からなかった。 ちょっとした森の中に、飛び散る羽や木の幹にうがかれた深い爪あと。 先日も見た、グリフォンとの戦いの後だ。 そこで、大きな羽音、甲高い鳴き声、人の怒声が聞こえる。 木々の間をすかして先を見ると、森の領域から15mほど手奥に断崖がそそり立っている。30mほどの高さのある崖だ。そして、その崖と地面の間にぽっかりと小さな穴が空いている。その穴の前で、今まさに、グリフォンと冒険者が戦いを演じていた。 小柄な人間の女性が、片手に棒状を持って、グリフォンに立ち向かっている。必至にこの魔獣の攻撃を避け続け、時折、魔法の一撃を繰り出している。だが、力の差は歴然で、女性が何度も魔法を直撃させてもグリフォンが小揺るぎもしないのに対し、女性はグリフォンの一撃で、簡単にその命を終わらせてしまうだろう。 いざとなれば、彼女は穴に逃げ込めばなんとかなるだろうが…。 今、バントがいるのは、崖から向かって東側の森の中だ。
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バント |
(急いだ方がよさそうだな・・) 険しい表情で最後の火矢が空に吸い込まれたのを見届けると、足早に移動を再開する。 |
GM |
バントは、他にも符丁がないかどうか探すが、見当たらなかった。 そのため、彼からも符丁をあげることにした。 薪を集め、定位置に並べてから火をつける。 その位置に並べられた煙は、道に迷ったものや遭難した狩人に対して上げるもので、自分が救援者であることと、自分の位置を示し、更に相手側から信号を求める符丁だった。互いに煙が混ざらないようにそれぞれ離れた場所に仕掛ける必要があるが、その場所があり、雨天でなければかなり有効な符丁だった。 そうしてから、彼は急いで南へと向かっていく。 この煙に興味を引かれたグリフォンが襲い掛かってくる可能性もあるからだ。 …。 彼が山林地帯に足を踏み込んですぐのことだった。 ピィィィイイィィィィィィ! 甲高い音があたり一帯に響く。突然の音に驚いて、その方向を見た番とは、何かが細い煙を引きながら、天に向かっていく姿が何個か見られた。 最初の甲高い音は“ホイッスルアロー”だろう。射ると甲高い笛の音を響かせて飛んで行く矢だ。あとのものは、やはり狩人の符丁だった。 火矢を使って上げる符丁で、それは、バントのあげた符丁に対して応じるということ、それから、相手の位置に対して南西に自分がいるということ、自分たちが窮地にあること、最後に、これ以上の信号をあげられないことを告げていた。 |
GM |
バントはそこで、つぶさに周囲の状況を改め始めた。 ふたり(恐らく)と戦っていたのは何者なのか、辺りに、獣毛や鳥の羽などが落ちていないか…。 そこで、バントは大きな鳥の羽を、何本も発見する。 |
バント |
焼け焦げた草は、手に取った途端にボロボロと崩れ去る、どうやら芯まで炭化しているようだ。 (こりゃあ・・・) 周囲に残る痕跡から見て、ごく最近何らかの戦いが起こったのは間違いない。 ――それに辺りに散乱する無数の折れた矢、フーゲルから聞いた情報だと探している二人は弓を使っていたらしい。 野営中にグリフォンに襲われて戦闘になった、そういう事だろうか? |
GM |
バントは続いて移動を開始した。 グリフォンの襲撃があったといわれる場所の辺りにたどり着く。 地図では、大体の位置しか判別できなかったが、それだけで十分だった。草原の中に、馬車との残骸が転がっていた。 よく調べてみると、付近に土饅頭ができている。その上に小振りの岩が置かれているため、何かの墓のつもりだろう。土の感じから新しいものだと思える。 バントは、またそこで野営の跡を発見する。 その近くで、奇妙なものを発見した。草むらの一部分が、ぽっかりと焼け焦げたようになっている。土までが黒く乾いている。さらに、折れた矢が何本も転がっていた。 |
GM |
グリフォン遭遇確率:10% ...79 ...58 ...17 遭遇しない。 通常遭遇確率:5%
バントは単身、平原中央部分の山林地帯へと向かった。 |
バント |
フーゲル< 「こりゃあ…大したもんだな。分かった、大事に使わせてもらうよ」 |
商人フーゲル |
バント< 「ああ、…ふむ、シルヴァードに宿は取ってあるが、じゃあ、これを貸そうかね」 |
バント |
フーゲル< 「グリフォンは縄張りを侵さなきゃ人を襲わないって話だし、確かに何か引っかかる気はするが… |
商人フーゲル |
バント< 「この赤いバツ印が、グリフォンの襲撃があったといわれる場所だ。 |
商人フーゲル |
バント< 「おお、そうだな」 |
バント |
フーゲル< 「『森人の弓』の使い手か…」 |
商人フーゲル |
バント< 「ああ、そうか。そうだな…。 |
バント |
商人< 「まぁ、そうぼやかないでくれ。 |
GM |
今日はいい陽気で、空は晴れ渡っていた。 シルヴァードの南に広がる広大なフーリーズ平野に流れる風は澄み、気分を高めてくれる。だがこの商人の男はひどく憂鬱そうな表情だった。 「まったく、参りますよ、グリフォンだなんて。 しかし、大丈夫なんですか。 この間、ふたりの冒険者が向かったんですけどね。返り討ちにでもあったのかいまだに戻ってこないんですよ。 …、ああ、本当にどうすればいいのやら」 陰々鬱々と泣き言混じりの台詞ばかり洩らす。 彼は、先に行商隊から派遣されてきた承認だった。オッシュからは、この依頼について、とりあえず聞きたいことを聞くようにといわれている。 |