PBeM
〜Dragon Pursurs〜
竜追い達の唄

シナリオ
20
「竜追いの探索1“ソードノート地方西部”」

 アウラとプリネラは、大陸の南西部を調査するために、大森林フィアヌスにある月の幻想亭を出立した。
 宿屋の主パークッストに教えられた道順でエルフの里へ行き、まずは荒野についての情報を心づもりだ。
 
投稿
戻る



GM

 技能判定:分類/鑑定・宝飾品
  プリネラ:通常の成功!
   耳飾り>琥珀のイヤリング[?]


 プリネラが拾った耳飾りは、彼女が見る限りは琥珀をあしらった宝飾品で、かなり古いもののようだ。専門家に見せたら他に何か分かるかもしれない。
 飾りの付け方に特徴があり、遙か昔の古代の品のように思える。汚れを落とすと、不思議なくらい綺麗に輝いた。


プリネラ

 拾った耳飾りの砂を丁寧に落とすと日の光に透かして仔細に観察してみる。
 どんな物で出来あがっているのかな?何か面白い特徴がないかな?

 しばらくすると、アウラの所に行って、耳飾りを見せる。

アウラ<

「ねぇ、こんなもの拾ったよ。綺麗でしょう。」


アウラ

 日差しが強い間は移動は出来ない。黒岩の日陰の中に休憩に適した場所を見つけるとゆっくりと腰を下ろして休み始める。
 午後やや日が傾き始めたら出発しよう。それまでは、休憩して体力の回復に努めることにする。

 プリネラも休ませなければ・・・そう思ってプリネラを探す。


GM

 残念だが、黒岩の周辺に水場のようなものは見あたらなかった。

 幸運判定:分類/幸運な発見
  アウラ:成功!
  プリネラ:優秀な成功!


 プリネラが地面に光るものを見つけた。
 前にここを訪れた何ものかが落としていったものだろうか?
 それは、砂に汚れた耳飾りだ。


プリネラ

アウラ<

「はーい」

 アウラに先行して、黒岩の周りを探索し始める。
 プリネラは、どんな環境でも遊びを見出そうとする。何か面白いものを発見出来るかもしれない。


アウラ

独り言<

「確か、ここから西に進んで、振り返って見た時に一つの塔の みが見えたら、さらに三日三晩だったな・・・」

 プリネラの方をゆっくりと振り向くと

プリネラ<

「これから日中までは、ここの大岩の陰で休んでいようか。それに水もあるかもしれない。探してみよう。」

 大岩の周りをまわって水がないかどうか調べる。
 無ければ、適当な陰に入って 昼過ぎまで休息する。


GM

 アウラはロングホーンの角と毛皮を持って、進んでいく。
 そして、導きの黒岩らしきものの足元までやってくる。
 この二本の岩は、まるで黒曜石のように艶のある黒色で、ごつごつとしているが、感触は滑らかだ。
 人為的に作られたのか自然にできたのかは分からないが、天に向かって聳えている様子は、自ずと畏怖の念を呼び起こすものだった。
 さて、ここからどのようにして進むのだったか。


プリネラ

 導きの黒岩からアウラに視線を戻す。

アウラ<

「あ、うん・・」

 アウラの後について黒岩に向かって急ぐ。


アウラ

 角は切断して毛皮に包んで持っていく。後でくっつければ良いだろう。
 そして導きの黒岩に湧水でもあれば、きれいに洗ってなめすことも出来よう。

プリネラ<

「行くよ。」

 ただ一言そういうと、足早に黒岩に向かう。


プリネラ

アウラ<

「うん・・・」

 導きの黒岩の方に少し歩いていく。モンスターがいた辺りをそれとなく眺めている。



アウラ

プリネラ<

「少し、向こうに行っていた方が良い。」

 ぶっきらぼうにそういうとモンスターの解体をソードブレイカーで始める。
 頭部からすっぽりと被れるように丁寧に毛皮を剥ぎ取っていく。
 角の生えたフード付きの毛皮のコートのようなものになるはずだ。

 技能判定:分類/狩猟
  アウラ:優秀な成功!


 剥いでみると、ロングホーンの角は骨質で、頭蓋骨から直接生えているものだということが分かる。角ごと毛皮を剥ぐことはできなさそうだ。角だけ切断して持って行くことは可能だろうが……?
 また、皮はなるべく早くなめしてやらないと、悪臭を放ってくるはずだ。流水があれば良いのだが……。



GM

 見た限りでは、ロングホーンはとりあえずこれ以上ないくらいに死んでいるようだった。
 歯茎を剥き出したようにした表情の顔は、飢餓と怒りに彩られている。
 間近で戦っていたアウラには感じられたが――平均的な魔物というものの物差し通り――この魔物とは少しのコミュニケーションも成立できそうになかった。彼が飢えていたからというだけでなく。魔物は人族を憎悪するものだし、良くても食料か、よっぽど好意的な例でも奴隷としてしか見てこないものである。


プリネラ

 アウラの傍らにやってくると、恐々と倒れたモンスターを顔を覗き込む。まだ、生きているのだろうか?そして、どのような感情がそこに去来しているのか読み取ることが出来るだろうか。
 どうして生き物同士は、出会うと戦う必要があるのだろうか・・・プリネラは複雑な心境になった。


アウラ

 モンスターが倒れても暫く戦闘態勢を緩めない。そのうちに、だんだんと暗い闘争本能が静まり人間的な感覚が戻ってくる。
 無言のまま倒れたモンスターの様子を見ている


GM

 見た限りでは、ロングホーンはとりあえずこれ以上ないくらいに死んでいるようだった。
 歯茎を剥き出したようにした表情の顔は、飢餓と怒りに彩られている。
 間近で戦っていたアウラには感じられたが――平均的な魔物というものの物差し通り――この魔物とは少しのコミュニケーションも成立できそうになかった。彼が飢えていたからというだけでなく。魔物は人族を憎悪するものだし、良くても食料か、よっぽど好意的な例でも奴隷としてしか見てこないものである。


プリネラ

 アウラの傍らにやってくると、恐々と倒れたモンスターを顔を覗き込む。まだ、生きているのだろうか?そして、どのような感情がそこに去来しているのか読み取ることが出来るだろうか。
 どうして生き物同士は、出会うと戦う必要があるのだろうか・・・プリネラは複雑な心境になった。


アウラ

 モンスターが倒れても暫く戦闘態勢を緩めない。そのうちに、だんだんと暗い闘争本能が静まり人間的な感覚が戻ってくる。
 無言のまま倒れたモンスターの様子を見ている


戦闘

 アウラはフェイントが効かなかったと咄嗟に判断し、間髪を入れずにフェイントを入れたソードブレイカー側(左側)の手を地面につけて前転の受身を取る。

  命中判定:分類/殴りつける > アウラ
   ロングホーン:優秀な成功!
    < 辛うじて回避!

 アウラは危ういところでその一撃を躱し、地面に転がる。

 プリネラはアウラが前方に受身を取ったのを見て、迷わず援護のためモンスターめがけて三の矢を発射する。

  命中判定:分売り/森人の弓 > ロングホーン
   プリネラ:完全な成功!
    クリティカルヒット!
     > 25ダメージ!
     > 撃破!


 アウラの危険に対してプリネラが放った矢は、狙いをほんのわずかも外れずに中を裂き、ロングホーンに突き刺さった。
 ぐらり、と魔物の巨体が傾ぎ、音を立てて倒れる。

 戦いは終わったようだ。


プリネラ

 アウラとモンスターが接触したのを見て、三の矢を発射するのを控える。
 アウラが危機に陥ったら直ぐに援護出来るように、矢はぴったりとモンスターに照準させている。
 何時でも発射できる態勢で待つ。


アウラ

 モンスターはまだ戦意喪失していないのか。
 ならば、ゆっくりと右回りに円を描きながらモンスターの突進から右手方向に移動する。モンスターの突進に対して左手のソードブレイカーでフェイントをかける。モンスターの意識がソードブレイカーに集中した所で、思いっきり右にステップしてタルワールで袈裟懸けに切り下ろす。
 これでも、たじろがないようであればソードブレイカーで突き刺す。


戦闘

  技能判定:フェイント(ソードブレイカー) > ロングホーン
   アウラ:通常の成功!

 アウラは意味ありげにソードブレイカーを動かす。
 相手が人間か、それか少なくとも通常の魔物であれば惑わされただろう。しかし、このロングホーンは完全に狂乱していた。
 ロングホーンはアウラの動きを全く意に介することなく、腕を振り上げた。

  命中判定:分類/殴りつける > アウラ
   ロングホーン:優秀な成功!

 放たれたロングホーンの拳は、まっすぐにアウラに突き出されている。今、一瞬の空白の時間の間、アウラはどのようにこの攻撃を対処するかを選択しなければならない。受けるか、避けるか、あるいは?


プリネラ

 アウラとモンスターが接触したのを見て、三の矢を発射するのを控える。
 アウラが危機に陥ったら直ぐに援護出来るように、矢はぴったりとモンスターに照準させている。
 何時でも発射できる態勢で待つ。


アウラ

 モンスターはまだ戦意喪失していないのか。
 ならば、ゆっくりと右回りに円を描きながらモンスターの突進から右手方向に移動する。モンスターの突進に対して左手のソードブレイカーでフェイントをかける。モンスターの意識がソードブレイカーに集中した所で、思いっきり右にステップしてタルワールで袈裟懸けに切り下ろす。
 これでも、たじろがないようであればソードブレイカーで突き刺す。


戦闘

  命中判定:森人の弓 > ロングホーン
   プリネラ:巧みな成功!
    命中!
     > 12ダメージ!


 アウラとの接触の少し前に、プリネラの第2矢が放たれて、命中する。

  回避判定:分類/殴りつける > アウラ
   アウラ:防御集中 非の打ち所のない成功!
    回避! < 優秀な成功!


 凄まじい勢いで放たれた拳を、アウラは影のようにするりと躱すと、狙い通りにタルワールで斬り付ける。

  命中判定:タルワール > ロングホーン
   アウラ:優秀な成功!
    命中 > 24ダメージ!


 厚い毛皮と筋肉の壁を、湾曲刀は易々と切り裂いた。
 だが、ロングホーンは完全に狂乱している。
 アウラは、強い一撃を加えれば怯むと見越していたが、相手はやはり動揺しない。殴りかかる勢いが余って五歩ばかり前進したところで、大きく咆吼を上げて、アウラに向かって飛びかかってくる。


プリネラ

 もとより、一矢で何とかなる相手とは思っていない。手持ちの残り3矢を次々と番えてはモンスターに目がけて連射する。
 その顔にはもはや同情はなく機械的である。


アウラ

 暗い闘争本能に心が満たされてはいるが、モンスターの突進をそのまま受ければあっという間に敗北することは判断することが出来た。モンスターの突進をギリギリの所でかわしざまに右手のタルワールで切りつけてやる。そして、ひるんだ所を左手のソードブレイカーで突き刺すのだ。
 そのように思うと、モンスターの接触直前に右に飛んでかわすために、左手のソードブレイカーを前方に少し突き出し、体の力を抜いて何時でも動ける受けの体勢を整えると暗い面持ちで構えた。


GM

 恐らくはロングホーンと見られる魔物は、一直線に二人に向かって駆けだしてきている。
 アウラは、ゆっくりとそちらに向かっていく。
 距離が縮まっていき……

  命中判定:森人の弓 > ロングホーン
   プリネラ:辛うじて成功!
    命中!
     > 7ダメージ!


 プリネラの矢が放たれる。
 魔物は避けようともせず、矢が肩口に突き刺さる。
 ロングホーンは小揺るぎもしない。


プリネラ

 アウラが武器を構えて前進するのを見て驚く。

「えっ!戦うの?お腹が空いてるだけじゃ・・・」

 でも、致し方ない。飢餓の狂気を止める手立てはプリネラにも思いつかない。
 矢をつがえてモンスターに照準を合わせる。距離40を切ったら発射しよう。



アウラ

 モンスターの飢餓に満ちた目に見入る。それに呼応してアウラの中の闇も引き出されてしまった。

「ううーっ」

 低く唸ると、タルワールとソードブレイカーを引き抜いて二刀に持つ。そのまま、ゆっくりとモンスターに向かって歩き出した。


GM

 二人が動き出しても、しばらくはその魔物は反応を示さなかった。というのも、二人のいる場所とは見当違いの方向を見つめ、何やら熱心に景色を探っていたからだ。
 何かの拍子でか、その視線がアウラとプリネラの方に動く。

 しばらくの静止。

 その後、
「――――ッッッ!!!」
 音なき咆吼を上げて、魔物は立ち上がる。
 やおら、地面を蹴って掛けだした。信じがたい速度だ。
 今の距離は200m(射程66)程度。今ならば分かる。その魔物の目に浮かんでいるのは、強烈な飢餓の光だ。


アウラ

 陽が昇りきるまでに大岩の日陰に入りたい。あまり悠長に構えている時間はないと判断した。

プリネラ<

「仲良くしてくれるか、戦うことになるかは、やつに聞いて見るしかないね。
 何時でも攻撃できるように。」

 例え相手が敵対的であったとしても、上手く食料で交渉するなり、力を誇示して脅すなりして決定的な闘争は避けたいのだが・・・しかし、必要となればやるしかあるまい。

 わざとモンスターの視界に入りやすくなのように背筋を伸ばすと、プリネラに合図してゆっくりとモンスターに向かって歩き始める。そして反応を見る。


プリネラ

 弓に弦をつがえて、銀矢を4本ほど用意した。

アウラ<

「どうするの?倒しちゃう?」

 モンスターの動きをさらに詳細に観察してつぶやく。
「お腹が減っているなら食べ物を分けてあげたら仲良くしてくれないかな?」


GM

 二人はなるべく気配を殺しながら、近づいていく。
 様子を観察してみると、その巨大な人影は、立ち上がったり、座り込んだり、何やらうろうろとしている。
 あちらこちらをきょろきょろとしているし、何かを探しているようだった。
――腹を空かせた生き物が、食べ物を求めているようにも見えないでもない。


プリネラ

 アウラに言われた通りに背を低くして前進する。何時でも射撃が出来るように前進しながら弓の準備を始める。とは言っても、有効射程に入るまで、まだかなりの距離があるように思われた。
 しかし、あのモンスターはなんだろう。パークッストが言っていたロングホーンかな・・・。


アウラ

「ぬう」
 前方にモンスターらしきものを確認。直ぐにプリネラに合図して姿勢を低くする。モンスターらしきものを詳しく観察するために低姿勢のままで接近する。果たして、何をしているのか?


GM

 遠くに見えたものは、蜃気楼でも何でもない。
 二人が急いで足を進めれば、確かにその姿は近づいてくる。
 天に向かって立つ、切り立って二つの剣。あれが、導きの黒岩だろう。
 黒岩の輪郭がはっきりとし始め、そして、大きくなってくる。なだらかな荒野を後1kmも進めば、その足元まで辿り着ける――
 ――その黒岩の影から、ぬるりと染み出すように、別の影が現れる。
 ぎらつく太陽の陽射しで見えていなかったが、あれは、何だろうか。

 大柄なノームードゥよりもさらに大きな体。頭頂部から生えて頭に沿って背中に伸びていく二本の角。
 二人のいる方向とは別の方に意識が向いているらしく、こちらには気が付きもしないようだが、あれは……?


アウラ

 先ほどから何か見えていた気がしていたが、プリネラの指し示す方向に黒いシルエットを確認した。あれが導きの黒岩だろうか。

プリネラ<

「うん、確かに。陽が登りきるまでに、急いであそこまで行こうか。日陰になるから日中はあそこで休もう。」

 プリネラを促して、急ぎ足で目標に急ぐ。


プリネラ

アウラ<

「ねえ、あれ、見て!」

 うっすらと見える黒い塊を指差して、アウラに注意を促す。期待に満ちた表情で笑いかける。


GM

 二人はひたすら歩を進めていく。
 その中、プリネラが会話の機会を掴もうとして、掴み損ねることを何回か、繰り返した頃だった。

 ふと、目的の方角を見ていたプリネラが気が付く。
 景色の中にうっすらと見える黒く尖った二つの色。
 もしかしたら、あれが、“生命なき大地にそびえし、世界を支えるが如くに立つ、二本の黒岩”だろうか?


プリネラ

 夜が明け始めたのに気づくと、南の方角を再度確認して歩みを進める。

 アウラと何か話しながら進みたいのだが、今一つ気軽に話しかけることが出来ない。知り合って、まだ、そんなに時間が経っていないし、あんまりお互いのことを知らない。どうしようかな・・・


GM

 アウラは目を凝らす。
 何か――
 ぼんやりとした地平線の靄の中に……

 見えた。

 かと思えば、光の中でそれは揺らぎ、見えなくなる。
 乾いた大地が、乾いた太陽の陽射しに包まれていく。


アウラ

 生暖かい東雲の明かりが左頬に差してくる。何れこの生暖かさが急速に過酷な暑さに変わっていく。消え行く夜の帳を惜しみながら、アウラは南へと歩みを速める。過ごしやすい今の時間に少しでも進んで距離を稼いでおきたい。
 やがて、東から南の地平線も白く明け始め、事物の稜線が明確に識別出来るようになってきた。アウラは目を細めて、導きの黒岩があるという南の地平線に目を凝らした。


GM

 二人は喉の渇きをいやすことができた。
 余分な水が手元にあるというだけで、旅の不安は相当部分が解消される物である。旅の中で、いかに水を切らさずに行くかということは、基本的で、かつ重要なものである。
 水を手に入れるのに時間がかかったが、その後は少しペースを速めることができた。
 ……いつしか、東の方が白くなり、朝が近づいてきていることが分かる。


プリネラ

 アウラに指示されて濁った水を空の水袋の中に満たしていく。しばらくして、ゴミが沈殿するのを待ってアウラと交互に上澄みの水を飲む。
 美味しいとは言えないが、必要としていた水であり満足することが出来た。水袋の中に、もう一度水を満たしてから出発することにする。



アウラ

ある程度濁った水が溜まったところで、プリネラに任せて水を掬ってもらう。しばらく待ったら上澄みの水を飲むことにする。



GM

 アウラは、手近な所にあった、尖った石を手に取ると、地面を掘り始める。
 土は乾いて、固く、なかなか深く掘ることができない。
 もしも彼女がグローブを身につけていなかったら、ケガをしていたり、不必要に痛めつけられて、先に手の方が根を上げていたことだろう。
 苦労しながら、それでも何とか、アウラは地面を掘り続けていく。
 どれくらい掘ったか、土と石の中から、濁った水が沸きだしてくる。
 これを漉すか、器か何かに入れてしばらく置いておけば、その上澄みは十分に飲用にあたうはずだ。


プリネラ

 アウラに呼び止められて、そこに留まる。アウラが地面を掘り始めたのを見て、何となく何をしているか了解する。
 アウラが掘り続けている間、ずっと見張りをしている。


アウラ

「うん、ちょっとここで止まってくれ。水が見つかるかもしれない。」

 涸れた川の底に立ち、辺りを見回す。何か土を掘る道具になりそうな木の棒か石のかけらがないかどうか、暗闇の中を丁寧に探す。適切な道具が見つかれば、直ぐに辺りを掘り始める。


GM

 二人は、闇の中、むしろ意気を上げて荒野を進み出す。
 さて、彼女たちはこの不慣れな大地の上で、生存して目的を果たすことができるのだろうか。変に旅慣れたものがこの話を聞けば、当然、二人は無謀な旅に出ており、遠からず果てるものと考えるだろう。
 しかし、アウラはこの荒野よりもさらに極限的な土地である北の国で生き延びてきた戦士であり、プリネラは場所を問わず生存することに掛けては人後に落ちない、“小さき人”にして、自然の支配する異境に住まい、それを管理する森人だった。

 技能判定:分類/警戒・敵感知
  プリネラ:-20% 辛うじて成功!


 途中、先ほど生まれた光に惹かれたのか、怪しげな姿が遠くに現れる。
 辛くも、向こうが気が付く前に、プリネラがそれを感知して事なきを得る。

 技能判定:分類/生存術・水探査
  アウラ:優秀な成功!


 そして、アウラは、水の音や存在そのものを見つけることはできなかった。しかし、過去に水が湛えられていたであろう、涸れた川の跡らしきものを見つける。
 こういった水の痕跡のある場所には、掘ってみれば、意外なほどの水が眠っているものなのだということを、アウラは知っていた。


プリネラ

 アウラと一緒に暗闇の中で佇む。明るい月、そして、目が慣れるに連れてしだいに明るさを増す星の光。ハーフリングにとって遊びを見つけることは簡単だ。プリネラは見慣れた星座を探して夜空の星の海に遊ぶ。夜空を見上げて、一つ一つ指差しながら、知っている星座の名前を呟いている。和やかなひと時だ。・・・その内、アウラも歩き始めるだろう。


アウラ

 目が暗闇に慣れるに連れて、漆黒の闇の中からしだいに姿を現す夜の荒野を、しばし見つめている。自分の息遣いがあたり一面の邪悪な生命体と一体化していくかのように大きく深呼吸する。暗闇は好きだ。しかも、ここの暗闇は故郷シリィンの湿った重苦しい雰囲気と違って、せいせいとした開放感を感じるのは何かの間違いだろうか。やがて、暗闇の中で、空と大地を分離する地平線がようやくと判別出来るようになるまで待っている。そして、これから向かう南の方角を見つめて、不思議と希望に満ちた未来があるかのような気分になって、歩き始めることにする。


GM

 神術によって生み出された、加護の光が消える。
 だが、幸い、空は晴れている。
 濃紺に包まれているとはいえ、月明かりさえあれば、足元を誤ることだけはないだろう。
 ただ、今から五分、十分は、目映かった加護の光に慣れた目を慣らす必要がありそうだ。それさえ済めば、歩くのに問題はないだろう。


アウラ

 プリネラの弱気を聞いて少し驚く。

 そうか、強攻策は考え直そう。ここは無茶は避けて、我慢、我慢。

プリネラ<

「ああ、わかった、明かりを消してくれ。」

 消え去る神術の明かりの残光を惜しみながら、夜空を見上げて目が夜の暗さに慣れるのを待つ。星明り、月明かりがあれば何処まで周りが見えるか、しばらく立ち止まって様子を窺う。そして、歩けると判断すればゆっくりと進むことにする。


プリネラ

 森と違って荒野はプリネラにとって苦手な場所だ。獣の感知も上手く行くとは思えないので諦める。そして、思わず弱気が口を突いて出てくる。

アウラ<

「やっぱり、このままじゃ、飛び道具の的になっちゃう。急に襲われたら避けられないよ。だから、明かり消そう、ね。」

 振り返って、アウラを見る。


プリネラ

 アウラからの注意を受けてプリネラも臨戦態勢に入る。そうだ、確か、森の魔法に「獣の感知」って言うのがあったっけ?今、思い出して使えるように試みる。

 ……と考えていたところで、もう一つ、思い出す。
 あくまで、「獣の感知」は獣(魂を持つ)を見いだすものであり、魔物(魂を持たない)を感じ取るものではない。
 この荒野にいる野獣や猛獣の類が奇襲を掛けてくるのだとすれば、それを事前に察知することは可能かも知れないが、相手が話しに聞くロングホーンなどであれば、役には立つまい。
 さて、どうしたものか。



アウラ

 なるほど、この明かりでは悪意のまある者たちの格好のターゲットになってしまう。しかし、カンテラは生憎持っていない。また、暗視の技能も持ち合わせていない。しばらく、歩きながら考えていたが、ここは強引に行くことにした。多少の小競り合いはやむを得まい。

プリネラ<

「プリネラ、この明かりではいろんなものを引き寄せてしまうだろうから、一応戦う心づもりでいてくれ。」


GM

 プリネラが奇跡を請うと、神はその願いに応え、彼女の元に輝きをもたらした。

 知力判定:分類/戦術・戦略
  アウラ:技能なし 完全な成功!


 この光はかなり大きい。半径にして27mほどを照らし出すものだ。後ろに続いていたアウラはすぐさま気がついた。
 この開けた地形では、プリネラの作り出した光は間違いなく目立つ。足元を照らす役には立つだろうが、それよりも、自分たちが大地の上で白星のように光を発するのは、危険かも知れない。
 照明にするなら、カンテラか何かに火を入れて、余計なところまで光を届かせないように覆いをするのが上策だろう。


プリネラ

アウラ<

「うん、良いよ。それに遠くは見えないけど、足元ぐらい照らせると思うから、神様にお祈りするね。」

 静かに胸の所で両手を合わせて、プリネラが信じている神様にお願いして、ランプの魔法を唱える。

 神術判定:分類/ランプ
  プリネラ:成功!


 魔法が成功するのを待って、パーティの先頭に立ち南の方角に向かって歩き出す。


アウラ

独り言<

「ふむっ、暗くなってきたな。」

 しばらく立ち止まって前方の闇を見つめながら考える。このまま進むべきか、それとも明るくなるまで留まるべきか。やがて意を決してプリネラを振り返る。

プリネラ<

「プリネラ、私の前をゆっくりと進んでくれ。お前は暗闇でも南の方角が分かるのだろう?私は匂いと音で水がないかどうか気をつけているから。とにかく気をつけてな。」

 プリネラを前にして進んでいく。



GM

 アウラは水を探しながら旅を進めることに決めた。

 技能判定:分類/生存術・水探査
  アウラ:失敗!


 最初の三時間は、目的のものを見つけ出すことはできなかった。
 辺りは渇いており、水源の痕跡はどこにも見あたらない。
 かつての川の跡や、水の溜まりそうなところさえ見つけ出せれば良いのだが……。
 夜が完全に落ち、辺りは深い色をした濃紺に包まれている。


プリネラ

アウラ<

「はーい、了解でーす。」

 あまり深刻に考える性質ではないのだが、アウラが水が必要というのならばその通りなのだろう。南の方角は何となく分かるから、あとはアウラと一緒に水を探しながら進むことにする。プリネラとしては、遊びの対象になるものが森と違ってあまりないのがちょっと残念である。


アウラ

プリネラ<

「水を探しながら進むから、ゆっくりな。」

 視覚、聴覚、嗅覚を集中して水の痕跡を油断なく探りながら進んでいく。


GM

 荒野の短い夕暮れ時の間になんとか距離を稼ぐべく、アウラたちは移動を再開する。
 遠い地平線に、遠く、小さく、しかし燃え上がるような太陽が沈んでいく。自分たちの姿から、東に向けて長い長い影が伸びているのが分かる。
 もうすぐ完全に日が暮れて、視野も一段と狭くなるだろう。
 まだ、目印は見えない。
 森の中のように入り組んだ地形をしていないから、同じ距離を移動するにもその速度はかなり増している。
 だが、それでも、トレニトが提示した旅程を満たすためには、最低でも一日分の距離がある。
 この先、何があるかも分からない。水を確保しながら進む必要があるだろう。


プリネラ

アウラ<

「はーい。」
 すっくと立ち上がると夕暮れの中、アウラに続いて出発する。


アウラ

「さて、日も大分弱くなったし出発するか。」
 夕焼けの中ゆっくりと腰を上げてプリネラの方を振り返る。

プリネラ<

「暗くなったらどうなるか分からないが、その時はその時で何か考えよう。とにかく出発。」


GM

 陽射しを避けて休んでいれば、体力の消耗は抑えられるだろう。彼女たちは休憩に入った。
 だんだんと、太陽が西の方に沈んでいく。
 夕焼けの紅が辺りを包み込んだ。


プリネラ

アウラ<

「うん、うん」

 アウラの側に、やはり座り込む。
(荒野であり、砂漠とは異なりますので、綺麗な砂が溜まっているわけではありません^-^; ので、訂正をさせて頂きました。申し訳ありません)
 一人遊びを始めた。その内日も暮れるだろう。


GM

 技能判定:分類/生存・日除け・拠点・不慣れな土地
  アウラ:成功!


 アウラは、首尾よく、休憩場所に使えそうな場所を見付け出した。彼女が腰を下ろしたのは、日除けと風よけになるような、大きな岩の陰だ。


アウラ

 このまま進むと水が何れなくなる。そのことについては明確に理解できた。致し方ない。夜間に進むとしよう。

プリネラ<

「日が落ちるまで、体力を温存するためにここらへんで休んでいよう。貴重な水も大事にしないとな。」

 休むのに適当な場所を探す。見付けたらゆっくりと腰を下ろす。


GM

 乾いた風が吹いている。
 どこを見ても砂ばかり、土ばかりで、プリネラには気の重くなる風景だった。アウラの場合、故郷の雪の大地も、ある意味でこの場所とよく似た世界だったから、それなりには気楽にしていられるものだった。
 足は思うようには進まない。
 陽射しが照りつけているわけでもないのに暑く、体力が削り取られていく。
 唇はあっという間にかさつき、水分を奪い取っていく。目に目蓋が張りつくような感覚がするし、喉もすぐに渇く。手持ちの水はあっという間に使い切ってしまいそうだ。専門知識(「生存」技能)を持ったアウラが探索に専念すれば、もしかすると水を見付けられるという可能性もあるが。
 外気から身を守るような外套などがあればよかったかも知れないが、あいにくと二人とも所持していない。あまり、日中の旅は長くは続けられなさそうだ。
 とはいえ、話に聞く限りでは、この地帯を夜間に旅するのは危険が高い。
 さて……。
 どうしたものだろうか。


プリネラ

アウラ<

「うん、うん。」

 今度はアウラに先導されるように、後をついていく。


アウラ

プリネラ<

「導きの黒岩らしきものは見えないね。とりあえず、もう少し南の方に歩いて見ようか?体力を消耗しないようにゆっくりとね。」

 荒野を南に向かって歩いていく。


GM

 アウラは周囲を観察するが、目的のものは見えない。まだ、歩き続ける必要があるのかも知れない。
 なぜなら、まだ、宿を出発してから七日を過ぎてはいないのに、荒野にたどり着いてしまっているからだ。
 もしかすると、パークッストが考えていたよりも、森の範囲が小さかったのかも知れない。


プリネラ

 アウラの横に立って、問いかけるような眼差しで見つめる。辺りの様子ががらりと変わって、プリネラには馴染みの無い荒野が眼前に広がっている。少々戸惑いを感じている。荒野の向こうに待ち受けているものを見極めるかのように、顔を上げて遠くの際に目を向ける。

「風は吹いているのかな・・・」


アウラ

 遮るものもなく急に世界のコントラストが強くなった。宿屋の主人の言葉を思い出す。

「二本の導きの黒岩を求めよ、か・・・」

 それらしきものが見えるかどうか、目を細めて荒野の際をひとあたり見回す。


GM

 アウラとプリネラは、再び、森の中に分け入っていく。
 移動を止めてゆっくりと休んだおかげで、アウラの気力はすっかりと回復していた。
 そして、それは、この先、非常に助けになっただろう。
 なぜなら、あと半日も行かない間に、彼らは森の出口に辿り着いたからだ。

 景色は、これまでとは様相が一変していた。
 じめつきさえ感じるほどだった空気は一気に乾燥したものになり、地面は辺り一面、茶色と灰色、白と黒の色で塗りつぶされている。
 たまに、灌木が生えているが、それも緑の和やかな色を見せてはくれない。
 不毛の大地であり、空にもわずかに、小さな雲の切れ端が流れているだけだった。


プリネラ

アウラ<

「了解、出発だね。もう少しだから頑張ろうね。」
 
 勢いよく森の中に飛び込んでいく


アウラ

プリネラ<

「あぁ、出発しよう。すまないが、また、先行してくれ。」
 
 再び、静かに森の中に踏み入っていく。


プリネラ

 何となくアウラの動きを感じて目が覚める。もう時間か。大きく伸びをすると、立ち上がってアウラに話しかける。
 
アウラ<

「直ぐに出発する?」


アウラ

 時間だが・・・約4時間が経った。それとなくプリネラの様子を観察する。勢い良く立ち上がると、服やコートについたゴミを払う。この気配でプリネラも起きるだろう。


GM

 幸運判定:分類/望まない遭遇・治安Lv.4(+25%)
  アウラ:成功!(74/100)
  プリネラ:優秀な成功!(51/100)


 かなり長いこと、一カ所の場所に留まることになったが、幸いなことに何にも出会うことはなかった。もっとも、いかに荒野に近い場所にあるとはいえ、この森では忌まわしい存在の侵入が察知されれば、即座に森人や森人と協力している野伏などによって排除される。だから、当然かも知れないが。
 プリネラは慣れた環境の中で、ぐっすりと休憩をとることができた。


プリネラ

アウラ<

「うん。じゃ、あたしも休ませてもらうから」
 辺りで湿っていない場所を探すとごろりと横になると丸くなって寝始める。


アウラ

 プリネラに起こされて目が覚める。気分も爽快だしリフレッシュ出来たようだ。
 
プリネラ<

「今度は私が見張りをするからプリネラは休んでくれ。」


GM

 アウラは、湿気さえ気にしなければ割合と快適な、森の中での休憩に入った。旅の道程をこなすのを一休みして、ゆっくりと休むのは、森人の町を経って以来、初めてのことだった。
 プリネラが油断なく見張りを行う。幸い、途中で何事かが起こることもなく、あっさりと時間が過ぎた。
 四時間という短い休みではあったが、かなり、体力と、何よりも精神力を癒すことができたはずだ。


プリネラ

アウラ<

「うん、わかった。時間が来たら起こすからゆっくり休んで。」
 お茶をすすりながら時間が来るまで辺りの見張りを行う。


アウラ

プリネラ<

「すまない。ちょっと疲れたようだ。4時間ずつ交代で休もうか。先ずは私から休ませてもらうよ。」
 
 ごろりと横になると目をつぶって寝ようとする。


GM

 行程はもう三分の二を過ぎている。後、二日も歩けば、森を抜けられるだろう。幸い、天気にも恵まれているし、害獣に出会うこともない。
 これから荒野に近付くにつれ、用心に用心が必要になってくるだろう。森の中にも、荒野の脅威が入り込んでいることがあるからだ。


プリネラ

アウラ<

「ううん、プリネラは慣れているから、そんなに疲れていないよ。アウラは大丈夫?
 森の中、半分ぐらい進んだかな?」

 乾いたパンとか干し肉をかじりながら、アウラににっこりと笑いかける。


アウラ

 やっとついた火が消えないように適時に小枝や枯葉を足していく。幹を背にして座ると大きく息を吸い込んで辺りの匂いを確認してみる。アウラにとってこれは習性みないなものだが。プリネラが準備してくれたお茶をすすりながら簡単な食事を始める。

プリネラ<

「プリネラは疲れないのか?」


GM

 アウラはいとも簡単に薪を集めた(幸い、小枝や枯れ葉には事欠かない)。残念なことに、湿気だらけの森の中、乾いたものはほとんど見つからなかったが。
 かなり苦労をして、アウラは枝葉に火を点けることに成功する。その頃には、プリネラもお茶などの準備を整えている。
 周囲は静けさで満ちている。
 絶え間なく奏でられる葉擦れの音や鳥の声に慣れきり、次第に耳の中から消えていき、すっかり感じられなくなっていた。音がするはずなのに、しないように感じる。プリネラにとっては普段通りのことだが、アウラにはとても新鮮なことかもしれなかった。


プリネラ

 アウラに言われて、休憩を取ることにする。アウラが火をつけようとしているのを見て水袋から水を出してお茶を作る準備を始めたり、簡単な食事の用意をしたりする。


アウラ

プリネラ<

「プリネラ!プリネラ!」
 先行するプリネラに声をかける。
「今日はここまでにしよう。ゆっくりと休むぞ。」
 
 適当に小枝や枯葉を集めてくると、火口箱を取り出して火をつけることにする。


GM

 更に二日が過ぎていく。雪原を歩くことが通常のシリィンの出身であるアウラだったが、森の旅は、雪の中に劣らずにはかどらないものだった。
 森の中には様々な生き物がいるし、害のある植物もある。道は必ず真っ直ぐにはならないし、時には来た道を戻らなければならないこともある。
 恐ろしい野生動物の縄張りに踏み込むわけにもいかないし、地面がぬかるみ、底なし沼のようになって一帯を覆っていることもある。
 そのような具合であるから、プリネラはそれほどでもないが、アウラはかなり疲労をしてきた。
 旅程は順調に過ぎているのだが、なかなか、進むのが辛くなってきている。


プリネラ

アウラ<

「OK」

 プリネラにはこの森の環境が普通なのだけれどもアウラにはちょっと退屈なのかな?そんなことを考えながら辺りに気を配りながら、再び大森林を南下すべく森の中を移動する。


アウラ

 木の上は綺麗な空が広がっているか・・・。当たり前なことだが永く大森林の中にいるとそんなことも忘れてしまう。思わず上を振り仰いで広がる空を確かめようとする。上空に覆いかぶさる木々の梢から漏れてくる日の光は少ない。おそらく、プリネラがいないとこの大森林の中で迷ってしまうに違いない。周囲の景観から何か特徴を見出そうとしても、アウラにはどこもかしこも同じように見える。太い木々が次から次へと出現しては消えていく。果てしないのだ。

プリネラ<

「森も半分くらいは来たかね。森の出口までは急ごうか。ちゃんとした休憩はそこで取ろう。先導をまた頼む。」

 出発をプリネラに促すと、自らも腰をあげて歩き始める。


プリネラ

アウラ<

「うん。木の上は空が広がっていて気持ちが良いの。でも、周りの景色は葉っぱが邪魔で良くみえない。今から、どうするの?」


アウラ

 下りて来たプリネラに向かって労いの言葉をかける。

プリネラ<

「ご苦労さま、上の方はどうだった?」


GM

 何回か、足を滑らせそうになる場面もあったものの、プリネラは無事に降りてきた。


プリネラ

 普段、森で遊んでいてもここまで高く登ったことはない。樹冠の景色ってこんなものなんだ。しばしの間、周囲の景色とそよ吹く風にうっとりと魅入られていた。やがて、ゆっくりと樹冠から下り始める。アウラの所に戻って、何も無かったと報告しよう。


アウラ

 プリネラはずーっと上の方まで登っていったようだ。身軽なやつだな。まっ、何か見つければ報告してくれるだろう。しばらく戻ってくるのを待つことにする。


GM

 敏捷判定:分類/登攀(慎重)・7m→20m
  プリネラ:近似技能 辛うじて成功!


 プリネラは時間を掛けて、丁寧に登っていく。木はだんだんと細くなり、手を掛けられるところも少なくなっていく。
 それでも、なんとか、目的の場所まで到達する。
 プリネラが高所を苦手としていたなら、目眩を起こしそうなほどに高い。
 草いきれにも似た匂いを含んで、涼しい風が通り抜けてくる。
 こんもりとした森の姿が視界に広がっている。様々な種類の緑色が草原のように一帯を覆い尽くしており、頭上は透き通った水色で塗られている。その先に、サーマヴァーロフの白い稜線が見え、また別の方向は、砂煙らしいものでけぶっているのが分かる。
 遠くはよく見えるが、ここまで高くなると(足元は枝葉で隠されているものだから)近くのものについてはよく分からなかった。


プリネラ

アウラ<

「う〜うん、ここからじゃ、葉っぱが邪魔で良く見えないや。もう少し上に登ってみるね。」

 流石にこれ以上登るにあたっては、今さっきと同じような気軽さで行うことはできない。手ががり足がかりに十分気をつけながら慎重に登っていく。樹冠近くまで時間をかけてたどり着き、自分の体重を十分支えられる枝を見つけるとそれに跨って辺りを見回した。


アウラ

 振り仰いで木に登ったプリネラを目で追う。葉陰の中のプリネラらしい影に声をかける。

プリネラ<

「何か見えるか?」


GM

 敏捷判定:分類/登攀・7m
  プリネラ:近似技能 成功!


 壁登りなどの為の専門の技を身に付けていないプリネラではあったが、彼女の軽業の才能が行動を助けた。
 するすると木を登り、プリネラは目的を達成する。
 周囲を見渡したが、枝葉の先を見通すことはできなかった。
 木の上まで出れば何かを見ることはできるかもしれない。大体、木々の樹高は20mはあるだろう。


プリネラ

 アウラの指示にしたがって、あたりの状況を探ることにする。手っ取り早く木に登って周りを見渡してみよう。最寄のやや大きい木を選んで登り始める。6−7mぐらいまで登って周囲をぐるりと観察する。


アウラ

 先行して歩くプリネラに声をかける。

プリネラ<

「少し休もうか。ちょっと周りを見てくれ。」
 手みじかな木の根っこに腰を下ろすと静かに息をついた。果てしなく続くように思える大森林の中で、少しばかり単調さに飽きてきたのかもしれない。それでも、あたりの気配に気を配ることは忘れない。


GM

 旅程は順調に消化されていく。
 大森林フィアヌスで生まれ育ったプリネラが先導して入り組んだ地形に足を踏み入れずに済んだり、優れた感覚を持つアウラが、他の危険な生物の存在にいち早く気が付いて、遭遇を避けることができたからだろう。
 道中、アウラは何匹かの小動物を仕留めた。生命の溢れたフィアヌスならではの手軽さだった。
 もう少し多く獲物が捕れ、それが食べきれないほどだったら、どう処理したものだろうか。料理の心得のあるものがいれば、肉を薫製にして、保存食にすることも容易だっただろうが……。
 三日が過ぎた。
 予定通りなら、後四日ほどで、森の南側の出口に辿り着くはずだ。


プリネラ

アウラ<

「うん、わかったぁ。」
 口早にアウラに応えると、慣れた動きで森のなかを移動していく。油断とまではいかないが、依然として自分のテリトリー範囲の近くにいるという安心感があるようだ。


アウラ

プリネラ<

「特に期日が決まっているわけではないし、ゆっくりと食料の確保をしながら進もう。」
 息を大きく吸い込んで森の匂いを感じてみる。そして、上を振り仰いで森の梢から漏れてくる光に眼を細める。

「とにかく、ゆっくりと進んで先導してくれれば良いよ。」


GM

 大森林フィアヌスは広大だが、決して孤独な場所ではない。森全域に渡って森人の里が点在しているはずだ。相互に、消極的な不干渉の態度を取っているから、詳しい里の場所などはプリネラも知らないが……。

 プリネラの知識は、この町から南へと森を抜けるのには、大体一週間ばかりかかる。エルフの主人にいわれた言葉でも「七日と七晩」とあったから、相違はない。
 道中、アウラとプリネラはどのように旅を進めていくのだろう?
 狩りをしながら、食料の蓄えを貯めていくだろうか。それとも、足を速めて、旅の日程をなるべく縮めようと努力するだろうか。
 あるいは、また他の試みをするだろうか?