PBeM
〜Dragon Pursurs〜
竜追い達の唄

シナリオ
21
「荒野の戦」

 泉は大魔術師王国のギルド員からの依頼を受け、孤高の野伏であるトレニトと会うために、西北の方角に旅立った。
 彼女の道を、一片の結晶石が導く。
 
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20
月明かり 風向き「←←」
泉[完全な暗視] フラック[暗視Lv.1]

[]…木々 []視界の外 []水辺 []岩など []茂み []柵 []建物 []視界内の空間
 



(ふむう)
 フラックさんが隠れているのを見て、自分も同じように隠れることにする。
 ゆっくりと吹き矢を置くと、音を立てないように柵の向こう側にぶら下がる。柵の上には指だけを残して。


フラック

 泉の様子をみて、こちらに来るようだったらそのまま。ショートホーンに攻撃をしかけるようだったらあとに続こうと考える。

泉<

(ねーさん、どうする?)
 声を上げるときづかれそうなので心の中で訊ねる。


GM

 フラックの様子を見た泉は、いち早く身を隠しているその姿を発見する。

 ショートホーンは鼻をうごめかせながら、こちらに近づいてくる……。前と後ろばかり見ていて、上の方には今のところ注意を向けていないようだ。



 ショートホーンの見張りに気づく。

 ちょうど建物に渡るために移動しようとしていた西の方角からやって来たので、どうしようか迷う。このままじっと隠れているか、ショートホーンを倒すか、それとも邂逅を避けるために逃げるか・・・

 しばらく迷った後に、このまま隠れていることにする。やり過ごすことが出来れば、それはそれで望ましい。そこで、ゆっくりと痺れ薬を塗ってある吹き矢を取り出すと見張りのショートホーンに狙いをつける。気づかれたら、間髪を入れずに攻撃することにする。

 フラックの様子をそれとなく見る。自分の意図していることを理解してもらっているだろうか?


フラック

(やば)
 息を潜めて、そろりそろりと柵の向こう側にぶら下がる。
 万が一ショートホーンの目がこっちを向いても、見えるのは柵の上にちょこっとだけ突き出したフラックの指だけになるように。


GM

 敏捷判定:分類/登攀・軽業・気配隠蔽
  泉:成功!
  フラック:成功!


 二人は音静かに柵を登り、てっぺんにたどり着いた。
 見てみると、西側の、柵と建物の間隔が狭まっているあたりから、建物の二階へ取り付けそうだ。というのも、建物の露台がちょうどそこに突き出ているからだ。

 ――と、西側から物音が聞こえる。
 入り口にいた見張りが、様子を見にここまできたようだ。
 しきりに鼻をうごめかせ、周囲を探っている。
 手には弓を持って、矢を半ば番えている。


フラック

 泉が了承したら、率先して柵を登り出す。



 フラックさんの言うように柵の上から二階に行くのは一案だと思う。ぐずぐずしていると見張りがやってくるかもしれない。直ぐに心を決めて、フラックさん に同意した旨を身振りで伝えると、柵を登り始める。そして、見張りに見つからないように柵の上にじっと潜むと二階に飛び移れる場所がないかどうか観察す る。


フラック

泉<

「柵に登ってさ、柵の上からこの建物の二階に飛びつけないかな」
 提案する。


GM

 基本的に泉が移動しようとしたらその後をついて行く方針のフラックは、泉と木陰に隠れながらささやきかける。



 こちら側からは入る所が無い。それに、見張りのことも気になる。

 フラックさんに合図して、いったん右側の木陰に隠れることにする。そこでしばらく様子を見た後に、木に登って建物の二階に行けるかどうか検討しよう。


GM

 泉とフラックは建物の横を回り込んでいる。
 この側には窓や入り口などがない。
 何となく、反対側に入り口があるのではないかと思われる。
 木で組み立てられた建物で、隙間がない。
 釘などを使っているようでもないが、しっかりと建てられている。
 建物は凸の形をしているようだ。一階部分に、小さな二階部分が乗っているような趣だ。どこか高いところに登れば、外から直接二階に入り込むこともできるかも知れないが……。


フラック

 番人たちの気配を感じ取ろうとする。

 技能判定:分類/気配感知 > 番人
  フラック:優秀な成功!


 フラックは感覚を研ぎ澄まし、西側の番人たちの気配を何とかつかみ取ろうと試みる。
 ……番人は一体がこちらの方へ向かってきているようだ。
 一体はそのまま留まっているように思える。


 イズミにあわててついていく。



 フラックさんに合図して、二階建ての建物の陰に移動する。
 その建物の入り口や窓など中に進入出来そうな場所があれば、素早く駆け寄って建物の中の様子を探る。

 誰か居るのか?


GM

 二人は速やかに移動し、建物の陰らしいところに隠れようとする。
 最初にあった建物の裏手には、一際大きな建物がある。
 どちらも木で造られた建物だ。比較的新しいが、しっかり造ってある。
 今、二人が隠れている建物は一階建て、正面に見える建物は二階建てだ。柵を乗り越えるときに見えたが、この基地の中には他に二階建ての建物はなさそうだ……。

 番人たちの気配は読み取れない。
 ……しばらくここに潜むか、それとも移動するか?



 シマッタ!音を立ててしまった。
 慌ててフラックに合図を送ると、月明かりの中、近くの物陰に隠れる。

 しばらく、気配を消して潜んで様子を窺うことにする。


フラック

「あ」
 思わずちいさく声を上げる。

泉<

(まずい?)
 目できく。


GM

 敏捷判定:分類/軽業・気配隠蔽
  泉:失敗!
  フラック:成功!


 柵を乗り越えるときに、泉は、泉らしからぬ失敗をしてしまった。身につけていた装備が柵とぶつかり、高い音を立ててしまったのだ。
 着地は成功し、二人とも軽やかに地面に降り立つ。
 だが、西側の入り口の辺りで、気配が動き出すのが分かる。
 聞こえてしまっていたかも知れない。



 柵を見上げる。その上の夜空に月が出ている。これでフラックさんは動きやすくなるな。

 フラックの方を見て、ゼスチャーで柵を乗り越える旨、合図を送る。

 柵を越えて建物の裏手に降りると、油断無く辺りの様子を窺う。建物の中に誰かいるだろうか?聞き耳を立てる。


GM

 柵から透かして見えるのは、建物があるということだけで、他のものはあまり見ることができない。
 それほど、びっしりと木が組んである。
 人族でも技術の高いものでなければ、こう上手く組み合わせていくことはできないだろう。


フラック

(ふう、ようやくまともにものがみられるようになってきた)
 安心して息をはく。

 柵の側にくると顔をあちこちに動かして奥のものがもっとよく見えないか探る。
 泉に誘われれば柵を乗り越えていく。


GM

 二人は、慎重に進み出した。
 柵の北側は、木が密生していて視界があまり効かない。
 だが、それで相手も油断しているのか、この辺りには見張りのいる気配がない。

 柵は、しっかりと木を組んで作ってある。びっしりと枝を組み合わせてあるため、柵というよりは壁に近い。
 高さは3mほど。破るならともかく、この二人であれば乗り越えるのはそう困難ではないだろう。

 柵の隙間から、中の様子が若干、透かして見える。
 この南側には、何か建物が造られているようだ。

 雲が晴れ、月が出てきた。


フラック

 泉が賛成してくれれば、

泉<

「了解〜」
 にっこりして柵の北側に向かう。



 フラックは、無駄な争いは好まないか・・・

フラック<

「はい。それじゃ、柵の北側を調べながら侵入ルートを探しましょうか?」

 川を下って、再び柵の北側方面に向かう。
 気配を消しながら見張りに気取られないようにする。


フラック

 うーん、うなり声を上げる。

泉<

「ショートホーンは二匹いるんならあんまり手を出したくないかなあ。迂回して行けたら迂回してきたいな。柵をのりこえてこっそりいけないかな。」



 フラックを見つけるとそばに寄って、小声で話しかける。

フラック<

「川に沿って南に下ると柵があって、ショートホーンの見張りが二人以上、出入り口のところにいました。柵の向こうは多分、魔物たちの本拠地だと思います。しかし、出入り口以外に柵の向こうに行く道はなさそうです。どうしましょうか?」

 フラックの表情から彼の考えを読み取ろうとするかのように見つめる。

 やや、あって、

「見張りを、先ほどのように眠らせて柵の向こうに行きますか?フラックさんの考えは・・・」


フラック

泉<

「お帰りなさい」
 ささやく。
「ちょっと退屈だったけど無事でよかった。どうだった?」


GM

 泉は柵の方を調べてから戻ってきた。



 偵察した状況をフラックと相談するために、ゆっくりと戻ることにする。
 しかし、もう少し周りの状況を把握するために、一旦、の辺りに移動して柵の右側の状況を調べてから戻ることにする。


フラック

泉<

「気を付けてね」
 去っていく姿にこっそりと声を掛ける。


GM

 泉は南の方へ川沿いに進んでいった。
 生み出した闇の中を、ゆっくりと歩いていく。
 川沿いには草が繁茂しており、身を隠すには良さそうだが、悪くすれば草ずれの音を立ててしまうだろう。
 南に進むと、南東の方に人工的な柵のようなものが見えた。
 若干、粗末な者ではあるが、人族の部隊が戦の時に造営する基地の高い柵にも似ている。
 柵が並び、その出入り口らしき所には、立ち番をしているショートホーンの姿が見える。



 この暗闇でフラックも流石に行動しづらいようだ。敵にバッタリ遭遇は、やはり避けたい。
 フラックには、ここで待機してもらって、自分が偵察に出ようか・・敵の所在がはっきりすれば、行動計画も立てられるというもの。

フラック<

 小声で「偵察してくるから、少し待ってて」

 暗闇の術を唱えると、闇の中を伝わって、ゆっくりと川沿いに南下する。


GM

フラックの行動<

 周囲の暗さは、常人ならばともかく、フラックの訓練を積んだ視覚であれば足元も分からないというほどではない。とはいえ、暗闇はそこかしこにわだかまっており、死角がかなり増えたと考えて良いだろう。

偵察に使用できる木々<

 辺りには背の高い木が幾つも生えている。
 だが、こうした木の密生した場所では障害物が多く、木に登ってみて何も見えなかった、というような事も考えられる。


フラック

「うーん、暗い……」
 辺りの気配をうかがってみる。
 足元も分からないようだったら行動を自重することを考える。

泉<

「おねーさんは平気なんだね、暗いの?」



 うむ・・・どうしようか?
 このまま敵と遭遇するのに任せるか、それとも敵の位置を探し出す努力をするか。

 付近の木々で、登って辺りを偵察出来そうなものがないかどうか、探して見る。


GM

 雲がかかり、月が陰っていく。
 泉には支障がないが、フラックはこれまでよりも視力を用いた行動の能力が低下してしまうだろう。


フラック

 急いで水を飲む。
(ああ、助かった)
 それから、泉の様子を伺う。
 渡河するようなら、ついていく。

 フラックは小川を渡りました。



 ゆっくりと小川を渡ると、フラックに合図してやってくるのを待つ。
 簡単な地図を地面に描いて、小川に沿って南下する意思をフラックに伝える。フラックが同意してくれるかどうか確認する。


GM

 二人は辺りを警戒するが、今のところ、この周辺に何か他の生き物がいるような様子はない。


フラック

 気配を殺しながら泉の後に続いている。
 泉が水の側に行くようだったら周囲を見回して水をのむひまがないかチェックする。



 背をかがめて水際まで進むと、小川の上下流に素早く目をやって状況を確認する。
 そのままフラックがやってくるのを待つ。


GM

 どうやら、森の中に流れている小川のようだ。
 さらさらという水音がする。
 暗い夜の闇の中で、水面がきらきらと光を返している。
 周囲に、何かの生物がいる気配はない――今のところは。



 水音に気づくと、フラックの方を向いて、耳に手を当てて水音を聞くゼスチャーをする。
 水音の方向を人差し指で数回指し示して、移動の意思表示をする。 水周りには生き物がいる確率が高い。
 何者かに発見されないよう、一層気配を消して水音に近づく。


フラック

(水があるのかな。川とか。そういえば喉が渇いたなあ)
 泉の方を(どうしようか)と見る。


GM

 二人は北東に向かっていく。
 木々の中を擦り抜けるように進むと、道なき道も枝分かれてしている。
 東の方からは水音が聞こえてきた。


フラック

泉<

「了解」
 にっと笑って続いていく。



 イズミも声を潜めて話す。

フラック<

「このショートホーンは見張りかもしれない。そうだとしたら本隊 がいるはず。」

「他の見張りもいるかもしれないから気をつけて行こうね」

 北東方面にゆっくりと移動を開始する。


フラック

泉<

 そこにころがっているショートホーンを見ておどろく。
「なるほど」
 泉があれこれと活動していた理由に初めてきがつく。
「おねーさんは本当に猫みたいな人だね」
 感心してうんうんと頷く。



 フラックがやって来るのを待ちながら、ショートホーンの斧とか弓を取上げると、直ぐには見つからない所に持っていって隠してしまう。

「これで良し」
 一人呟くと次は痺れているショートホーン本体の調査に取り掛かる。何か特別な物を持っていないかどうかチェックする。

 このショートホーンは、他には特別なものは持っていないようだ。本当に、警備をさぼっているか、休憩に来ただけなのだろう。

やって来たフラックに対して、嬉しそうに話しかける。

フラック<

「何だか、すごく上手く行ったね。」


フラック

 手招きに気が付いて泉のところへいく。

泉<

「大丈夫?」
 声を潜めて問いかける。



 ふう、とりあえず痺れてくれたようだ。無駄な殺生をしなくてすむ。
 辺りの様子を窺いながら、ゆっくりと草叢から出でフラックを探す。

 泉がフラックのいたあたりに戻ると、簡単に彼の居場所は分かった。周囲の気配を伺っていたフラックも、泉に気が付く。

 フラックを見つけてこちらに来るように手招きで合図すると、自分は倒れているショートホーンの所に戻って武装解除することにする。


GM

 吹き矢は、音もなく放たれ、ショートホーンに突き刺さる。

  判定:毒物抵抗(神経毒・パール)
   ショートホーン:失敗!


 針の刺さる痛みで目を覚まし、うめき声を上げながら起きあがろうとする。即座に痺れの効果が発揮されたらしく、立ち上がりかけ、失敗して転倒する。それを二、三度繰り返すと、完全に動かなくなる。



 ずっと寝ていてくれる分には問題ないが、途中で起きて騒がれると面倒だ。しばらく、痺れていてもらおう。

 吹き矢を吹き筒に装填すると、むき出しの部位に慎重に狙いをつけて、寝ているシュートホーンに向けて発射する。


GM

 泉は細心の注意を払って、茂みを覗き込む。
 何もいない。警戒しながら、さらに一歩進む。

 ――いた。

 彼女が見つけたのは、茂みの中で体を丸め、眠り込んでいるショートホーンの姿だった。長柄の斧らしきものを抱え、横には弓が置かれている。
 どうやら、見張りの一人のようだ。見張りを怠けているのか、それとも、休憩をしているだけなのかは分からないが。



 茂みの中を覗き込むことにする。
 極めて静かに移動しているため、草葉の一枚一枚がゆっくりと動いて視界が変化していく。その向こうに居るものがやがて姿を現すことを期待して・・・


フラック

 泉の方が気になるので、気配を殺しながらとりあえず前の方に進む。闇を抜けたら辺りを伺う。


GM

 泉は闇から抜け出し、茂みの西側へと出てきた。
 目の前には、先ほど何らかの気配を感じた茂みがある。
 泉には、ここまで完全に気配を殺してやってこられたという自信がある。
 それは、ぼうぼうと草が茂り、覗き込んでみなければ何があるのかも分からない。さて……?


フラック

 いきなり闇が濃くなったので慌てるが、泉が何かをしたのだろうと判断して動かずにいる。


GM

 泉(I)は闇を呼び出す(C-11)。真の闇は広がり、呼び出した場所を中心に周辺を包んでいたわずかな月明かりをも消し去っていく。フラック(F)も その闇の掌に覆われていく。強い暗視の能力を持たないフラックは、その範囲から抜けない限りは、視覚を頼ることができない。
 泉は木々の間を抜けていく。

 敏捷判定:分類/忍び足(木立)
  泉:成功!


 足音を立てることもなく、回り込んでいく。



 フラックさんにしばらく留まっているように手で合図する。
 前方の茂みに何が潜んでいるのか確認することにする。そうか、風は右から左へ流れているのか。ならば、左から回り込むしかありまい。
 暗闇の術を唱えると気配を消して、先ず左手の木々を抜ける。そして、左回りに茂みの中を覗き込むようにして接近していく。


フラック

泉<

「………………」
(なんにも見あたらないけど……)
 と、泉をみる。


GM

 知覚判定:分類/気配感知
  泉:辛うじて成功!
  フラック:失敗!


 フラックは何も見つけることはできないが、泉は、風の葉擦れの中に潜む、先ほどは見逃していたかすかな音と気配を感じ取った。
 恐らくは左手の茂みの中、何かが潜んでいる。


フラック

 とめられて、足を止める。
 泉のそぶりにならって気配を探る。



 眼前に開けた場所が出現したので、このまま進もうかどうか迷う。フラックに対してゼスチャーで動きを一旦制する。
 目に付きやすい場所に出て行くわけだから用心のために辺りの気配を念を入れて探る。特に前方の草むらの影に何かが隠れているようなことはないだろうか?


GM

 知覚判定:気配感知(生物・音)
  泉:失敗!
  フラック:失敗!


 二人は、できるだけ風下になるように順路を取る。
 木々の間を抜けると、また、少し開けた場所に出る。
 道は開けており、左手には草むらがある……。



 岩の横に立って眼前に広がる光景を観察する。
 イズミは先ほどのショートホーンとの戦闘を思い起こし、はっと気づく。彼らシュートホーンは鼻が利く。出来れば風下から臭いを気づかれずに接近したい。

 草木の動きから風向きは予測できる。

フラック<

「風下に回って移動しましょう。」

 フラックに小声で話しかけると、風下に回り込むように進路を定める。

(GM:ごめんなさい、処理上のミスで、「風向きの確認」以外の泉さんの行動が反映されていませんでした…;)


GM

 そこまで強くはないが、確かに風が吹いている。
 木々が揺れ、草が音を立てている。そのため、気を付けてさえいれば、風の動きは分かる。


フラック

(ちゃあ。
 トレニトさんに聞いておくのを忘れてた。)と、泉を案内しながら後悔して舌を出す。
(まあ仕方ないか。さてさてさて)

泉<

「こっちだよ、こっち。
 なるべく静かに進んだ方が良いよね」
 けはいを殺しながら進んでいく。


GM

 フラックはニェル族がいる場所自体は知らない。
 そのため、彼は自分が知っている限りの、ショートホーンたちがいた場所の方に向かった。
 水辺を背中にして、東へと向かう。


フラック

泉<

 手元を見て、感心してなんども首を振る。
「おもしろいなあ。みたことがない武器だね」

「了解!」
 てをあげると先頭に立って歩き出す。



フラック<

「これを、こうしてね・・・」

 吹き矢を三本取り出すと、てきぱきと綿の中に調合した毒薬を浸み込ませていく。

「これで良しと。さあ、ショートホーンの首魁を倒しに行きましょう。私を敵の所に連れて行ってください。」


フラック

 泉の手元をみていたが首尾良く完成したのをみて、ほっと息をはく。

泉<

「いい武器が手に入ったね。役に立ったらいいな」


GM

 泉は調合を終える。
 専用の道具があるわけでなかったから、相当量のフェンネスを消費してしまったが、目的は達成された。



 手身近の石を使って採取したフェンネスをすり潰す。トレニトに指示された配合でランと混ぜ合わせることにする。


GM

 二人は、トレニトに教えられた特徴を持つ草を探し始める。

 探し始めて程なく、水辺に生えた紫色の草を泉が見つける。
 夜の群青色の中であったために手こずる可能性もあったが、 幸いなことにほとんど余分な手間は取らなかった。
 フェンネスは群生していて、結構な量がある。



 月明かりの中、水辺のフェンネスという薬草を探す。鮮やかな紫色とのことなので探すのに手間はかからないだろう。

フラック<

「フェンネスを採取するので一緒にお願いします。」


フラック

イズミ<

「到着したねー」
 きょろきょろとあたりを見渡す。
(さーて、どこにあるのかな)


GM

 泉たちはその場を離れる。
 その後は、何かに見つかることもなく、とりあえずの目的地である水辺に到着した。
 いつの間にか空は晴れ渡っており、澄んだ月と、星の光が降り注いでくる。



 出発する前に略奪した弓矢をショートホーンの傍らにそっと返す。


GM

 二人の見たところ、ショートホーンたちはいわゆる哨戒部隊だったのではないかということが分かった。
 おそらく、トレニトの襲撃を警戒したニェル族が手配をしたのだろう。それとも、もしかしたら、単にこういった魔物の群れは、このような見回りを置くのが常なのかも知れない。


フラック

 イズミが荷物を探っているのを見ている。
 その間、周囲を警戒しつつ、できる範囲でショートホーンたちの様子を探る。



 フラックが敵に止めをさしたのを確認すると、自分の倒したショートホーンAの死体に触って何か持っていないか調べる。後で利用できそうなものがあれば 取っておくためだ。後ろめたい仕事が長かったイズミにとって、生存のために死体を漁るのはそう抵抗を感じることではない。

 幸運判定:分類/戦利品の探索 ショートホーン2体
  泉:通常の成功! 失敗!
   > 「粗末な弓」!
   > 「粗末な矢*6」!


 泉は魔物の持ち物から、何かの役に立ちそうな物を取り分ける。それは、魔物が手にしていた恐らくはショートホーンが作成した弓矢だった。

 ショートホーンAの所持物を手早く調べると、直ぐに死体を茂みに隠す。

 フラックが倒したショートホーンBも同じく死体の所持物を確認後、茂みに隠す。

フラック<

「ここで、彼らは何をしていたのでしょう?少し、調べてみましょう。」

 ショートホーンたちがいたと思われる辺りを調べて活動の痕跡を探る。何もなければフラックに声をかけて出発する。


フラック

「ふうっ……」
 ため息をつくとナイフをしまって周囲の様子をさぐる。

 知覚判定:分類/気配感知 > 周辺一帯
  フラック:辛うじて成功!


 フラックの感じた限りでは、特に他の魔物の気配はなかった。



 ショートホーンAに一撃を加えた後、間髪を入れずに中腰になり辺りの様子を窺う。ちらっと見た感じでは、フラックがショートホーンBを攻撃していたようであるが、果たして成功しているだろうか?必要ならば止めを刺さなければいけない。


GM

 命中判定:分類/ダガー・強打 > ショートホーンB
  フラック:通常の成功!
   > 18ダメージ!
    > 撃破!


 フラックは表情を変えずに倒れたショートホーンに近づき、両手の逆手で握った短剣を打ち下ろす。
「ごめんね」
 うめいていた魔物は止めを刺され、動きを止める。


フラック

 ちらっと泉の方を見て問題なく倒しているのを確認する。
 ショートスピアを捨ててダガーを抜く。


GM

 行動値:
 泉28(17+3D5) フラック34(20+2D8)


 最初にフラックが動く。
 そっと茂みの中から身を滑り出させ、地面すれすれの低い体勢で忍び寄っていく。狙っているのはショートホーンBだ。
 少し後に、泉もまた行動を開始する。

 技能判定:分類/隠密行動・野外
  泉:+10% 優秀な成功!
  フラック:優秀な成功!


 二人とも、密やかに動き、ショートホーンたちの感覚にこそりとも触れない。

 命中判定:分類/ショートスピア・不意打ち > ショートホーンB
  フラック:巧みな成功!
   > 23ダメージ!
    > 「転倒」!
    > 「朦朧」!


 フラックの槍が突き出され、ショートホーンの背中に深々と傷を負わせる。魔物は声も出せず、勢いよく地面に転がる。
 突然発生した異様な気配に、もう片方のショートホーンが振り返ろうとする。

 命中判定:分類/苦無・不意打ち(部位狙い/頸部) > ショートホーンA
  泉:成功!
   > 首に26ダメージ!
    > 「即死」!


 その刹那、影から影を背後に忍び寄った、泉の短刀の一撃が、ショートホーンの急所を貫く。



 もはや隠れるのは止めて攻撃に転じることにする。影を伝いすばやくショートホーンAの死角に回り込むと、一気に接近し、両手で握り締めたクナイで頚部に 突きを入れようとする。一撃を入れた後は、ショートホーンBの弓の射線から逃れるために無力化しているだろうショートホーンAの裏に回り込み、乱眼で ショートホーンBを見るつもりだ。イズミは行動を開始した。  


フラック

 泉が隠れている様子をどきどきしながら見ている。
 彼女の判断にまかせて、その援護をするつもりだ。
 自分はいつでも近くのショートホーンを攻撃できるように身構えている


GM

 競合判定:分類/敏捷力(隠密)vs知覚力(看破) ショートホーン
  泉:通常の成功!
     <  優秀な成功!
      <  疑念を抱いた!


 泉は暗闇の中に身を隠そうとする。
 忍術によって生み出した闇は、しかし万能ではない。自らについて動いてくれるわけではなく、しかも、匂いまでを覆い隠してくれるわけではない
 泉は影と影を伝って、身を潜めながらもショートホーンに接近することに成功したが、その魔物は鼻をうごめかせ、周囲をしきりに観察し始める。
 これは、気づかれたのか……隠れ続けることができるか、それとももはや隠れてはいられないか。微妙な判断だ。そして、どちらに決断をするにしても、時間はなさそうだ。



 近づいてくるショートホーンAの武装度を上から下までつぶさに観察する。一撃で圧倒するためには何処を攻撃すれば効果的か判断するためだ。あらかじめ攻撃する箇所を決めることにする。

 知力判定:分類/武具知識
  泉:成功!


 ショートホーンは対した装備を身につけていない。胴体に胸当てらしい物を身につけてはいるが、そこまでの防御性能はないだろう。頭部や喉は無防備だから、そこを突くのが良いかも知れない。

 さて、イズミとしてはかなり難度の高い忍術に挑戦することにした。即ち、シュートホーンAの影の中に入り、一緒に移動することを試みる。そこでショート ホーンAが側を通った瞬間に、すばやくその影の中に入り込んで、それがもう一匹のショートホーンBの所に戻るまでついて行くことにする。


GM

 泉が小石を投げ、それは彼女の意図通りに、がさりとした音を立てる。
 泉に近い側のショートホーンが反応し、もう片方に対して何かを言うと、弓を仕舞って、短刀を抜きながら、そちらに近づいていく。
 もう一体は、弓を引き、相棒の方を注視している……。


フラック

 泉が戦闘開始を受諾したなら、ショートスピアを手にして、こっそりと歩き出す。

 木々の影を通りながらできるだけ風下にいるように注意する。

 技能判定:分類/忍び足・気配隠蔽・野外活動
  フラック:優秀な成功!


 気配を隠しながら、ショートホーンの一体のすぐ背後まで近づいて待機する。それができたら、泉の様子を見る。



 フラックさんがやる気なのを確認するとイズミも覚悟を決める。やるしかないか。地面に置いた二つの石をショートホーンに見立てて、自分が向かって左側の ショートホーンを相手にすることを指差しで伝える。ここからはバラバラに行動するので、必然的にフラックさんが右側の相手をすることになるが大丈夫だろう か?ちょっと心配になってフラックの顔を見て軽く頷く。

 さて、自分が相手にするショートホーンを再び見据えると、暗闇の術を唱えて月明かりの影の中に気配を消して潜り込んでいく。

 技能判定:分類/忍術(暗闇の術)
  泉:成功!

 技能判定:分類/忍び足・気配隠蔽・野外活動
  泉:+20% 優秀な成功!


 そのままゆっくりと気づかれないように連続した影の中を倒木まで渡っていく。そして、そこに留まるとクナイを両手に握り締めて戦闘態勢を取る。

 一拍あって、石を拾って自分の後方に投げてワザと音を立てる。敵が様子を見に自分のそばをすれ違った瞬間を襲撃するつもりだ。


フラック

泉<

「えっと……」
 小声で相談をしようとして、泉が身振りを送ってきたのをみて慌てて応じる。

(やっつけようか?)
 指先でくいくいと合図する。



 フラックさんとボディランゲージで対話する。
 作戦が必要な場合は、地面の土の上にショートホーンに見立てて石を置き行う。



 これらの観察をした後、フラックさんを振り返り様子を見る。フラックさんはどう考えているか、彼の意図を理解するために、ゼスチャーでコミュニケーションを開始する。先ず決めるべきは、戦うか、それともやり過ごすかだが・・・


GM

 技能判定:分類/気配隠蔽・忍び足
  泉:成功!
  フラック:成功!


 二人は、静かに行動することができたと感じた。

 フラックは相手に気づかれなさそうな場所までやってきたが、夜目が利かない為、目的を達成することができない。
 泉の観察では、次のことが分かった。

 相手は、やはりショートホーンだろう。
 その数は、二体だ。
 何をしているのかは分からない。狩りか、あるいは何かの警備をしているかのようにも見える。
 二人と相手の間には、灌木が密集している。背の高い木はあまり見られない。倒木が二つばかり横倒しになっているため、遮蔽物には苦労しないだろう。しかし、こちらの移動を阻害する邪魔なものでもある。
 影はつながってはいない。なぜなら、ショートホーンたちは、木々が開けた場所にいるからだ……。



 フラックさんについてくるように目で合図をすると、ショートホーンと思われる生物がいる方に気配を消して近づいていく。視覚的にそれらを観察できる場所 まで接近し、そこに留まり、ショートホーンと思われる生物が何体いるのか、今何をしているのかをつぶさに観察する。

 次に自分とそれらの生物がいる場所の状況、即ち、接近するのに適した遮蔽物、倒木だとか、土地の起伏だとかを調べる。特に月明かりの中で形成されている 陰の状況を把握する。自分のいる場所からショートホーン達の場所まで連続して影がつながっていれば、気配を消してその中を移動する暗闇の術が使える。


GM

 技能判定:分類/地形知識・記憶術・月明かりの森
  フラック:成功!


 フラックは記憶をたどりながら、暗い森の中を先導していく。
 泉とは違い、闇を見通す素養も持っておらず、また、訓練もしていないために、手間取るが、それでも、迷わずに進んでいけているようだ。
 後少しで、目的地に到着できるのではないかと感じられる。

 知覚判定:分類/気配感知・視覚・聴覚
  泉:+10% 優秀な成功!
  フラック: 成功!


 道の半ば、いち早く泉が、少し遅れてフラックも、その気配に気がつく。
 木々、茂みの奥、進行方向に、生物の気配がある。
 おそらく、ショートホーンなのではないかと思える。
 息づかい、足音などからすると、大体、二匹から三匹がまとまって行動しているようだ。


フラック

泉<

「うん、分かるよ。
 道に迷わなかったらすぐにいけると思う」

 泉と一緒に、トレニトを見つけた水辺に向かう。



トレニト<

「では、行ってまいります。首尾よく任務を遂行したら必ず戻ってお知らせ致します。」

 軽くトレニトに一礼すると、フラックに向き直る。

フラック<

「フラックさん、心強いです。準備することは特にありませんので、直ぐ出発しましょう。フェンネスを採集したあとは、ニェル族のリーダーを探すことになりますが、おおよその場所の見当はつきますか?」

 フラックの回答を聞いて、トレニトの元を辞することにする。


トレニト

泉<

「余分にあるはずだ。
 傷を受けたらその傷を埋めるようにその薬を塗ると良い」



 トレニトの腰から黒い練り薬「ラン」を受け取る。


フラック

トレニト<

「うん、わかった。
 いいよ」
 にっこり。
「ここにいるならトレニトさんは心配なさそうだし」

イズミ<

「用意ができたらいこうね。
 ボクもできるだけ手伝うよ」


トレニト

泉<

 聞いていて、ふっ、と、口元で笑う。
「参った。わたしも焼きが回った」
 笑みに苦いものが混じる。
「必殺の武器はない。持っていたらわたしが使っていただろう。
 だが、毒は使えそうだ。わたしも使っていれば良かった。
 奴ら、ニェル族は非常に統率力のある、侮れない敵だ。だが肉体は頑強でない。毒も良く効くだろう。
 わたしの腰の右側に下がった小袋の内、真ん中の袋を探ってくれ。中にある、黒い練り薬を持って行くと良い。それはランという、創傷に効く薬だ。
 ランにフェンネスという鮮やかな紫色の薬草をすり潰して混ぜれば、神経を冒す毒になる。フェンネスのペースト3に対してランを2で良いだろう。
 フェンネスは水辺に自生する。
 わたしがフラックと出会った場所。付近を良く探せば見つかるはずだ」

フラック<

「泉を案内してくれるか」
 フラックに目を移すと、言う。
「君には助けられた。
 頼む。また助けて欲しい。」



 暗殺!!・・・静かであることは確かにそうであるかもしれない。しかし、ショートホーンのリーダを仕留めるとなると大型動物以上に厄介な代物であろう。 果たして、自分にそのような必殺力があるであろうか。そのような気持ちが表情に表れて、多分トレニトには気づかれたことだろう。しかし、実際、どうしよう か?トレニトの目を見ながら、しばらく考え込んでいる。

トレニト<

「はい、その仕事やっても良いと思います。
 静かに行動することには多少自信があります。しかし、大物を確実に仕留めるとなると、今の私の武器ですと少し不安になります。私の殺傷力を補ってくれる 何かが必要です。例えば、吹き矢を持っていますので、毒薬か痺れ薬があればかなり任務遂行の確実性が上がると思います。何か、そのような必殺のアイテムが あるでしょうか?」

 それと「しじまの術」を組み合わせることが出来ればと心の中で呟く。


トレニト

 ゆっくりと、難儀そうに体を起こし、泉の顔を見る。

泉<

「あいつ。
 余計なお節介だと、いつもなら思うところだ」
 一瞬、笑うと、息をはく。
 どこかたどたどしい言葉で、
「すまないが……。
 力になってくれるのなら、是非とも、頼みたいことがある」
 顔をしかめながら、段階を踏んで、少しずつ起きあがり、そして、立つ。
「可能ならで構わない。わたしが達成できなかった仕事を、代わりにやってもらいたい。
 ショートホーンの群れ、奴らを看過することはできない。サウンレイトの町が襲撃されてしまう。奴らのリーダーを始末しなくては。
 難しい暗殺だ。静かでなくてはいけない、強くなくてはいけない」
 フラックの方を見て、
「彼は非常に静かだが、速やかな刃の鋭さは持っていない。君にはそれがあるようだ」



 何か挨拶をと思っていたが、トレニトと目が合って思わず勢いが削がれてしまう。思いのほか重篤だ。どのような挨拶をしようか・・・。トレニトの体を気遣うように、彼の目を見ながら静かな声で話し始める。

トレニト<

「トレニトさん、大丈夫ですか?ギルドからトレニトさんの様子を見て来いと言われて来ました。私、イズミと言います。こんなことになっているなんて思いもよりませんでした。驚いています。
 トレニトさんのお力になるようにとギルドから言われておりますので、私に何か出来ることがあるでしょうか?私としては、とりあえず、ここからトレニトさ んをイ=サードまで連れて戻りたいと思うのですけど・・・そのためには・・・どうしたら良いのか・・・考えています。」

 そこまで話すと、フラックの方を振り返り、また、トレニトに目を戻しながらどのような反応が返ってくるのか待つ。


GM

 技能判定:分類/登攀・足がかりのある木(+30%)
  泉:近似技能(軽業)-10% 成功!


 泉も、容易く木を登っていく。
 木は大きく、枝振りもしっかりしていて、人間が三人程度乗ったところで、小揺るぎもしなかった。
 梢にフラックがたたずみ、泉が来るのを待っている。
 泉が登ってみると、枝が幾重にも束になって、枝葉が都合良く重なっているところに、エルフらしい人影が身を横たえているのが見えた。これがトレニトだろうと思われた。
 胸や腕に赤く染まった包帯を巻いているが、今は血は止まっているようだ。
 木の幹にぐったりともたれかかった状態で、目だけを泉の方に向けてくる。



 一刻も早く、トレニトさんの状態を確認したい。フラックさんの後をついて木登りを始める。
 登りつければ、詳細にトレニトさんの状態を観察して、先ずはどのように挨拶すべきか考えよう。


GM

 技能判定:分類/登攀・足がかりのある木(+30%)
  泉:近似技能(軽業)-10% 成功!


 泉も、容易く木を登っていく。
 木は大きく、枝振りもしっかりしていて、人間が三人程度乗ったところで、小揺るぎもしなかった。
 梢にフラックがたたずみ、泉が来るのを待っている。
 泉が登ってみると、枝が幾重にも束になって、枝葉が都合良く重なっているところに、エルフらしい人影が身を横たえているのが見えた。これがトレニトだろうと思われた。
 胸や腕に赤く染まった包帯を巻いているが、今は血は止まっているようだ。
 木の幹にぐったりともたれかかった状態で、目だけを泉の方に向けてくる。



 一刻も早く、トレニトさんの状態を確認したい。フラックさんの後をついて木登りを始める。
 登りつければ、詳細にトレニトさんの状態を観察して、先ずはどのように挨拶すべきか考えよう。


GM

 技能判定:分類/登攀・足がかりのある木(+30%)
  フラック:優秀な成功!


 フラックは、それがまるでよく使い慣れたハシゴかなにかのように、容易く木を登っていく。


フラック

泉<

「毒っていっても死んじゃうようなのじゃなくて痺れちゃうようなやつみたい」
 首をかしげる。
「歩くこともできそうなんだけどうまく動けないみたいなんだよね。
 だから木の上でやすんでもらってるの。
 おねーさん、木はのぼれるよね?
 着いてきて」
 にっこり笑うと横にある木にとびついてするすると登り出す。



 ショートホーンって何?300匹も・・・町を襲う、大変だ。トレニトさんが毒!私はディスポイズンの薬を持っていない。どうしよう・・・次から次へと流 れ込んでくる情報を何とかキャッチアップして考えをまとめる。とにかく、トレニトさんの容態をこの眼で確認しよう。どうするかは、その後で判断しよう。フ ラックと言う人物、話し方といい、通りかがりでトレニトさんを助けた所を見るとかなり好人物のようだ。信用しよう。

 意外とすんなりと考えがまとまって、フラックの前に歩み出て全身を現す。どのように挨拶して良いのか分からないので、ジョードヌ式に丁寧にお辞儀する。

フラック<

「フラックさん、えーっと、大変でしたね。私もお手伝いできればと思います。残念ながら毒消しを持ち合せはないのですが・・・とりあえず、トレニトさんに会わせてもらえますか?」

 そのように言って、フラックが連れて行ってくれるのを待つ。


フラック

 ほっとして笑う。

イズミ<

「なるほど、あーよかった。神に感謝します」
 安心して息をはくと、短く祈る。
「えーとね、なんていえばいいかな。
 竜追いギルドの人に聞いたかもしれないけど、トレニトさんはこのあたりの町の近辺の安全を守る仕事をしてるんだよ。
 魔物の群れとかについて調べたり。
 大変なことが起きたら仲間を集めてなんとかしてたりしたんだって」
 早口で説明を始める。
 よっぽど安心したらしく、説明も二転三転したりしている。
「それで、ちょっと前の話、トレニトさんはちょうどこの森のあたりで魔物がすごくたくさんの群れを作っていることを知ったんだって。
 魔物が群れを作ることはよくあるらしいんだけど、ちょっと違うんだって。
 それで、森に潜入して様子をうかがっていたら、どうも近いうちに町の略奪に出かけようとしているみたいなんだって。
 あ、それがね、とてもカリスマのあるリーダーに率いられているらしくって、ショートホーン族っていう魔物にはありえないくらい統制が取れてるらしいんだ。数もすごくって、全部で300匹くらいかなあ。すごい数の略奪部隊なんだって。
 トレニトさんは仲間を呼びに行くかどうするか迷ったらしいんだけど、時間をかけてたら魔物が町を襲っちゃうかもしれないし、リーダーさえ倒せば何とかなるだろうと思ったんだって。でも、ドジを踏んじゃって、失敗したんだって。
 それで何とか逃げ出したんだって。
 足もけがをして、あわや、ってところでボクがちょうど通りすがったんだよ。
 追っ手を倒したはいいんだけどね、トレニトさんは毒を受けちゃったみたいで。
 ボクはケガは治せるんだけど、毒は治せないし、困ってたんだ。トレニトさんは「私を置いて町に知らせに行ってくれ」とかいって意識は失っちゃうし、でも放っておいたらトレニトさんが死んじゃいそうだし。
 それで、神様にお祈りをしたら、『密やかな猫』が助けに訪れる、機を待て。とかいう教えが返ってきたんだ。
 だからトレニトさんの治療をしながら待ってたんだよね。
 あ、木の上で待ってたんだけど、そしたらトレニトさんの持っている水晶が変な音を鳴らすし気配が近づいてくるし、あわてちゃったよ。
 そして、おねーさんがここに来たんだ」
 長々とぺらぺらとしゃべって疲れて、はぁ、と息をはく。
「というわけ。
 わかってくれた?」



「フラック・・さん?ですか・・・」

 フラックの呼びかけに応えて、ゆっくりと木の陰から出て人影を観察する。

フラック<

「あたし・・・イズミって言います。竜追いギルドのお兄さんに雇われてトレニトさんと会いに来ました。近頃、トレニトさんと連絡が取れないので状況を調べて場合によっては協力してくれと言われました。」

「それで、フラックさんはトレニトさんのことをご存知なのですか?・・・それに敵って、何?」

 イズミには分からないことだらけだ。フラックと名乗る人影に是非にも説明して欲しい、そのような感情を顔と態度にはっきりと表す。


フラック

「ちょっとね、わけがあって」
 相手が隠れた場所を探りながら。
「ボクはフラック。
 おねーさんはトレニトさんの名前を知ってるなら敵じゃないのかな。
 敵だったら困るからあんなことしたんだけど。
 おねーさんはどういう人?」



 返事もないし、気配もしない。木の幹の陰で、しばらく、じっと待っている。


GM

 周囲からは、取り立てて気配を感じることはできない。



 小さな人影が話す言葉がわかる。なるほど、少なくても先ほどの犬臭いやつより話は通じそうだ。しかし、まだ、油断は出来ない。何故、後から飛び掛ってきたのか?

 木陰から落ち着いた声で話しかける。

小さな人影<

「貴方は誰?
 どうして、後ろから急にやってきた?挨拶もなしに・・・」

 話し終わると、回りの気配にもそれとなく注意して反応を待つ。


フラック

「あちゃあ、失敗したぁ」
 小さくぶつぶつつぶやく。


GM

「動く――なっ? たぁ、わぁっ」
 回避した瞬間、そんな風な狼狽した声が上がる。その、何かは地面に着地をするや否や、素早く立ち上がり、泉の避けた先を探っている。

 木の陰から見てみると、小さな子供のような姿だった。



 咄嗟に回避行動を取る。
 前方に飛び込み前転で受身を取ると、そのままバク転を2回、連続してバク宙を行い、近くの木の幹の影にすばやく滑り込む。

 そして、誰何する。「誰?トレニトさん?」


GM

 泉は静かに、完全に気配を消しながら移動する。

 技能判定:分類/探索・自然
  泉:自信を持っての成功!


 視覚と聴覚、使える限りの感覚を使って、周囲の状態を感じようとする。泉は、自分では、遠くで落ち葉が地面に触れる音さえも拾い上げられるほどの集中をできたように思った。
 だが、何かがいる気配はない。

 泉は水晶を弾いた。

 ピィィィィィィィインン……

 その瞬間、はっきりと、泉は、この水晶と共鳴している物の存在を感じ取る。
 それは明らかに、頭上にある、巨木の中で響いている。

 その時、泉は背後に何かを感じた。
 風を切る音と、何かの気配だ。
 巨木ではなく、自分に背後にある木の上から、何かが飛び降りて、こちらに飛びかかり――今にも触れようとしている!



 怪しいと感じる巨木の根元まで気配を消して静かに移動する。移動後、しばらくは息を潜めて周囲や巨木の梢の辺りの様子を窺う。何も異常が感じられなければ水晶を弾いてみる。


GM

 北には……より一層と茂った木々が見える。森はすでにかなり深く、ろくに視界が確保できない。周囲を覆い尽くしている闇は、泉の超人的なまでに鍛えられた暗視力を阻害することはないが……。
 探るなら、どこだろうか。水晶の震動の微妙な違いを感じながら、移動と調査を繰り返せば、なんとか見付けらるかも知れない。
 いずれにしても、指先に伝わる感じはかなり強く、探し人は近いのではないかと思った。
 例えば、そう、あの視界の端に見える巨木の梢の辺りは特に怪しいと感じる。



「トレニトさん、近いのかな?」

 先ずは、水晶の指し示す北の方角の地形や障害物の状況を確認する。そして、トレニトが居そうな場所に当たりをつけて、どのような順番で探すか考えてみた。


GM

 泉は水晶を鳴らす。

 ピィィィィィィィインン……

 りん、りん、りん……

 微かな残響を残しながら、澄んだ音が森の中に染み渡っていく。水晶が指しているのは北。
 泉は、これまでだったら静かに消えていった水晶の揺らぎが、そのまま絶えることなく指先を震わせているのに気づく。
 水晶は、静かに、北を示し続けている。



 とにかく、トレニトと合流してから周囲の事態を確認しよう。しばらく東に進むと、水晶を弾いて方向を調べて見る。まだ、東だろうか?


GM

 泉は、互いに気配を感知できないくらいの距離を取ると、再度、東に向かって進み出した。
 ただ、なにやら、森が騒々しい。
 あの生き物の仲間は、このあたり一帯に何匹もいるのかもしれない。そう感じた。


人間型の生き物

 広がっていく闇を見て、驚いたように動きを止める。
 しきりに辺りに目を配り、泉の存在を探る。

 技能判定:分類/気配感知 > 泉
  人間型の生き物: 失敗!


 この生物は泉のいる場所を看破することはできなかった。
 彼が敵の姿を見失って戸惑っている間に、泉はその場所を離れ、移動を再開する。



 猫のライカンスロープである本性がそうさせるのかどうか分からないが、人影の犬っぽくて低脳な雰囲気が無性にいやになってきた。直ぐにここを去ろう。そ う決めるとゆっくりとあとさずりして再び暗闇の術を自分の周りにかける。さらに気配も消すことにする。そして横目で人影に注意しながらそこを離れて、トレ ニトのいると思われる東の方角に移動しようとする。


人間型の生き物

 泉を睨み付け、犬族に酷似した口吻の端から泡を垂らしている。
 彼女の言葉が理解できた様子ではない。
 警戒しながら、じりじりと後退りをしている。
 呼ばわった仲間が到着するのを待っているようでもある。



 黒頭巾に忍び装束のいでたちで静かに人影を見つめる。何時でも忍術の乱眼はかけられるだろう。

 先ずは意思疎通が可能かどうか試してみよう。公用語で話しかける。

人影<

「お前は何者だ?ここで何をしている?」


GM

 競合判定:分類/不意打ち・隠密
  泉:優秀な成功!
  人影:失敗


 泉は隠れていたところから姿を現すやいなや、人影に斬りつけた。

 命中判定:分類/苦無・部位狙い(弓弦) > 人影
  泉:辛うじて成功!


 泉は狙いを過たず、人影の手にした弓の弦を断ち切った。

 そのまま通り過ぎて、2〜3mの距離を置いて人影に向き直る。そして、油断なく相手を観察する。

 人影は、突然に現れて、いきなり走りより、かと思えば飛び退いた相手にぎょっと目を剥き、慌てて、更に一歩距離を取ろうとする。弦を切られたことには、その辺りで気がついたようだ。
 泉を睨み付け、歯をむき出して何事かを呟くと、どことなく犬族を思わせる黄色の瞳を細め、先ほどよりも低い音調で遠吠えをする。



 純粋な好奇心に駆動されながら、次の行動を考える。相手をさらに仔細に観察するためには相手の武装を解除する必要がある。くだんの人影の弓の位置を確認すると、クナイを握り締めて、弓の弦を切断することにする。

 そのように判断すると迅速に行動する。相手に近づき一気に飛び出すと人影にすれ違いざまに弓の弦に切りかかった。


GM

 泉は身を忍ばせながら、ゆっくりと距離を詰めていく。
 そして、はっきりとその姿を見て取る。
 短い角を持った人間型の生物は、右の肩口に矢を覗かせたまま、空に向かって遠吠えを続けている。
 矢傷は致命傷ではないにしてもそれなりには深いはずだ。事実、短い角の生物の足元はおぼつかない。



 仲間がいるのか。集まってくると厄介だな。そろそろ退散する潮時だろうか・・・そう思って見るものの好奇心を抑えることが出来ない。しばらく悩んでみたが、やはり、人影の様をもっと知るためにゆっくりと近づいて行く。


GM

 泉は草むらの方に小石を放り投げた。

 ざっ

 狙い違わず、小石が、人影の後ろの方に落ちて、音を立てる。
 弾かれたように、人影が弓矢をそちらに合わせる。そして、じっと、その方角を睨み付けている。
 やおら、

「るぅおぉーーーぉーー」

 空を見上げ、犬の遠吠えにも似た、高い声を張り上げた。
 間を置かず、どこからともなく、遠吠えに答えるように、同様の声が二つ、三つ、と、響いてくる。



 暗闇の中で静かに息を潜めて人影の様子を窺う。人影が冒険者に対して好意的な存在なのか、それとも妖魔のたぐいなのか見極めよう。先ほどの立ち居振る舞 いや、弓を持っているところを見ると一定以上の知性は備えているようだが・・・それ以上のことは分からない。

 小石を拾い上げると、人影からやや離れた場所にそれを投げ込んで注意をそらしてみる。


GM

 ぐぁっ、ぐぁっ、と、地面にぺたりとへたりこんだまま、人影は苦しげな声を上げる。弓を持った手を振り回し、なんとか起きあがる。
 ふらふらと立つと、弓に矢をつがえ、水晶の響きが聞こえた辺りに目をこらす。慎重に様子を窺っているようだが……。

 技能判定:分類/気配感知 > 樹上
  人影:成功!


 どうやら、樹上には何もいないと判断したらしかった。
 注意深く、周囲に視線を走らせる。
 その目が、泉のいる辺りを探った……。



 罠にかかった人影はトレニトではない。さっさとトレニトを探しに立ち去っても良いのだが、少し人影に興味が湧いたのでもう少し付き合うことにする。木の上から下に下りると付近の草叢にすばやく気配を消して隠れる。

 忍術判定:分類/暗闇の術 > 泉
  泉:成功!


 技能判定:分類/気配隠蔽・穏行
  泉:優秀な成功!


 草むらの中で泉は気を練り、暗闇を生み出すと、その中に姿を沈め、気配を殺した。
 ただでさえ暗い、月明かりさえも朧にしか届かない闇の中で、漆黒の、自然ならざる空間に身を隠した泉の姿を見破ることは、彼女と同系の技を持つものでしか、難しいだろう。



GM

 ピィィィィィィィインン……

 澄んだ音を立てて、水晶が揺れる。
 その音に気がついたか、人影が慌てたように音の発生源を探す。
 同時に、人影は罠に踏み込んでいる。

 びっ

 張りつめていた仕掛けが弾かれたように作動する。

 びん

 風を切る音が、縄の切れる音に被さる。
「がっ」
 闇を貫いて飛んだ矢が、その姿の胸あたりに突き立った。おそらく致命傷ではない。よろよろと後退して、姿は尻餅を付く。

 水晶がトレニトの居場所を導く。
 その方角は、東。
 人影があるのとは、違う方角である。



 あの人影はトレニトさんだろうか? それとも魔物だろうか? イズミにはその判断がつかない。少し苛立つ。水晶を取り出して弾く準備をする。もし、トレ ニトさんであれば水晶は正確にその人影を指し示すだろう。水晶が別の方角を示すようであれば、あの人影は・・・・もう少し様子を見て、罠にどのように反応 するか待つことにする。


GM

 泉は木の上で待機している。
 影は、その調子で進み、ほとんど罠の手前まで来た。
 ごつごつした、小柄で引き締まった体躯に、布をまとっている。手には弓を握り、頭に当たる部分には小さく突き出た、角らしきものが見える。

 技能判定:分類/魔物知識
  泉:技能なし-20% 失敗!


 姿は見えたものの、泉にはその正体は分からない。
 その姿は、今にも、罠に踏み込む。



 気配を発している対象を追跡しながら、静かに棒手裏剣を取り出して右手に握り、何時でも投擲出来る心構えになる。気配の対象が罠に接触して、どのような事態となるのか、そして正体が判明するのを見極めるために木の上で待つことにする。


GM

 夜が訪れ、そして、過ぎていく。
 泉は木の上で気配を殺し、ひっそりと、時間が過ぎていくのを待っている。
 何も起きない。
 夜は深まり、真夜中になる。
 ふと、泉は気配を感じる。
 何かが、物陰に紛れながら、地上を進んでいる。足音を消し、気配を潜めながら草をかき分けている。
 それは、少しずつ、何かを警戒しながら進んでいる。
 探索をするように、進路は右へ、左へと揺れ動いている。
 そのまま進むと、泉が看破し、避けた、例の罠に踏み込むはずだ。



 ふむう・・・トレニトさんはかなり活発に動き回っているようだ。下手に追いかけても無駄かもしれない。ここで待つか。罠を仕掛けたなら何時かは様子を見に来るだろう。それが2日後になるか3日後になるか分からないが、じっと待つことにしよう。

 手短な木を探して登ると息を潜めてトレニトの出現を待つことにする。


GM

 技能安定:分類/罠調査・森の罠
  泉:近似技能 成功!


 泉は罠に目をこらし、その性質を探った。
 間違いなく人か、それに類似した者によって造られた罠だ。自然にできたものではないだろう。

 泉は水晶を鳴らした。

 ピィィィィィィィインン……

 つい先ほどまで進んでいた方向を、更にずれ、今度は西の方を、振り子は示した。
 どうやら、トレニトも移動を繰り返しているようだ。それも不規則に、東から西へ、西から東へ、あちらこちらへ動いている。



 怪しいと感じたその一瞬の内に動きを止める。ややあって、ゆっくりと二三歩後に戻ると前方の地面に隠されているものの正体を確認しようとして意識を集中 する。もし、それが人の手による罠であればトレニトによって仕掛けられたものであろうか?トレニトはごく近くにいる可能性がある。水晶を取り出すと再び指 で弾いて方向の確認をする。


GM

 泉は、森の、更に深い場所に進んでいった。
 太陽が上がってきて、頂点に立つ。
 やがて、西側へ傾いていき、次第に周囲が朱に染まっていく。
 一日のほとんどを歩いて過ごし、あと少しで、日も暮れようというほどまでに来た。
 地形はどんどん険しくなっていき、視界は利かなくなる。大森林フィアヌスもかくやというほどだ。

 技能判定:分類/罠回避・森の罠
  泉:近似技能 成功!
    > 罠の存在を看破!


 ふと。
 泉の感覚に突き刺さる何かがあった。
 無意識のうちに立ち止まる。
 分厚い苔や、高い下生えに隠された地面に、何かを感じる。咄嗟に、泉の脳裏には、地面に張った縄を起点にして動く、弓矢の罠の構造が浮かんだ。



 木を降りると、確認した方向に向かって歩き始める。


GM

 ピィィィィィィィインン……

 水晶の振り子は揺れ、一つの方向を指し示す。
 眠りにつく前に泉が進んでいた方向よりかなり北の方に逸れている。森の深みに入っていく様子だ。



 ゆっくりと覚醒してくる。そう、今日もこれからエルフのトレニトに会うべく森の中を走破していかなければならないのだっけ・・・。思い出したように水晶を取り出し、指で弾いて定まっていく方向を確認する。


GM

 ゆっくりと月が降りていき、森の中へと沈んでいく。地平の彼方へ消えていく様子は、泉の場所からは分からない。
 泉は、いつしか眠りに落ちていった。
 やがて、東の空から太陽が昇ってくる。自然に任せるとすればもう少し後だろうし、泉が早起きするつもりだったら、そろそろ目を覚ます頃だろう。



 また、何時ものように木の上に登って仮眠することにしよう。背もたれして寝るのに適した枝ぶりの木を探すと、スルスルと登っていく。暫時、寝ることにする。


GM

 幸い、今のところ、何か害意のある生き物には遭遇してはいない。泉は、密やかな足取りで進んでいく。
 二時間もあるいた頃だろうか。
 すっかりと夜も更けている。頭上には月が掛かり、周囲は、濃い紫色の、深みのある闇で埋め尽くされている。時折、青白い小さな光が現れ、ちらり、ちらりと揺れながら舞っていく。
 この調子で進むことも可能だろうが、まさか、夜通し歩き続ける訳にもいかないだろう。さて。



 足元がぬるんでいるのを除いて暗闇の中でもさほど気にしない。ただ、闇の中で突然魔物と出会うのは避けたいので気配を消しながら、ややゆっくりとした足取りで進んでいく。


GM

 泉は雑木林へと入り、灌木の横をすり抜けていく。道は次第に険しくなっていき、視界が木々に閉ざされていく。
 いつしか、周囲は一面、森の中になっていた。
 地面は分厚い苔に覆われており、踏みしめるとじゅわりと沈み込む。鳥や虫の鳴き声が深くなっていく。
 方向感覚を失ってしまいそうだ。

 知力判定:分類/方向感覚
  泉:技能なし 優秀な成功!


 ともすれば、歩みを進めた端から、自分が来た道を忘れてしまいそうな森の中であったが、さすがに隠密行動を身上とし、また、魂の裡に獣の属性を持った泉は、道に迷うことはなかった。
 初めに水晶が示した方角を外れることなく、森の中を通っていく。
 そして、日が暮れていく。



 しばらく、考え込む。このまま道なりに進んでいこうか、それとも水晶の示す北西の方向に森の中に分け入っていくか・・・やがて、意を決して水晶の示す方向に森の中に歩みを進める。


GM

 ピィィィィィィィインン……

 水晶は揺れ、振り子となって、行き先を指し示す。
 揺れ動いた振り子は、道を外れ、更に北西を指さす。
 その先には、雑木林があり、更に奥には森と山が広がっているのが分かる。



 このまま道なりに進んで良いものだろうか?確かめるために灌木の横に立って再び水晶を弾いてみる。竜追いギルドでは西北を示していたが果たして方向に変 化が出ているだろうか。水晶の指し示す方向に何かしらの変化が出ることを期待して水晶の動きが定まる方向に注目する。


GM

 泉は、大魔術師王国の王都を出て、三日の辺りまで進んできた。シノン街道を西へ進み、コーナス小径へと入ったところだ。この辺りは街道警備隊の目も届かなくなってくる。
 人々や家畜、車輪が踏み固めてできて道の両脇に灌木が立ち並び、その奥は、背の高い雑木林に続いている。
 視界はあまり良くなく、道行く旅人の姿もない。
 道筋に出没する盗賊や、人族への略奪を目当てに巣から出てきたような妖魔に注意をする必要があるだろう。