一が唄えば二が舞って 二が転がれば三が撃つ 三が逃げれば四が追い 四が諦めれば五が怒る 五は生を続けて死を謳い 時を望んでただ祈る 石の愛撫の手を取って 空を見据えてただ叫ぶ 神の腕もて火の羽毟って ばらまけばらまけ阿鼻叫喚 過去が巡れば未来が廻る 車 車 糸車 五が四怒れば四諦めて 四が三追えば三逃げる 三が撃てば二が転がって 二が舞い踊れば一唄う 一は目覚めてただ狂う 悪魔の子供と子守歌 |
GM |
そして、彼らはイ=サードで身を休めると、シルヴァードへと戻っていった。謎めいた箱は失われ、疲労だけが残っていた。 あの箱は何だったのか。 あの少女は何ものだったのか。 それは、まだ彼らにはわからないことだった。 ----------≪シナリオ3≫----------
500ルディを得た! 5.0SPを得た! 2.5BPを得た! 2.5IPを得た! 2.0PPを得た! To be continued... |
シーザー |
ヴィッシュ< 「ああ、僕もそれでいいと思う。 |
ヴィッシュ・ラーガス |
シーザー< 「いや、俺の方こそ1人危険な目にあわせてすまなかった。これからなんだが、いったんイ=サードで休もうと思う。おまえさんも俺も疲れてるからな。それからシルヴァードのオッシュのところへ以報告に行こうと思ってるんだが、それでいいか?」 |
シーザー |
ヴィッシュ< 「ううん。まあ、よくは分からないけど、要領は得た。 |
ヴィッシュ・ラーガス |
シーザー< 「実はあの箱は女の子の宝物だったんだ。」 「・・・・で、箱はその少女に返した。お前さんを死なすわけには行かなかったからな。すまなかった。」 ひとしきり話し終わるとヴィッシュはシーザーに対して改めて謝った。 |
シーザー |
ヴィッシュ< 「あ、ああ。怪我はないけれど…。 |
ヴィッシュ・ラーガス |
シーザー< 「シーザー。大丈夫か?」 |
GM |
シーザーが声を上げるのと同時。 「賢明な事だ。ニンゲンよ」 刹那、シーザーの懐にあった箱がふわりと中に浮く。と、紫色の濃霧を切り裂いて天上から光が降り注ぎ、箱を包み込む。 わずかに箱が身じろぎしたかと思うと、その姿が一瞬にして、消えた。 圧倒的な気配が、それに伴って消える。 |
シーザー |
ヴィッシュ< 「なんだって?」 |
ヴィッシュ・ラーガス |
(・・・・選択の余地はない。マスターには悪いが、こんなところで相棒を死なせるわけにはいかないからな。) ヴィッシュは背を向けたままシーザーに話し掛ける。 シーザー< 「シーザー。悪いが箱を返したほうがよさそうだ。おまえさんをここで死なすわけにはいかない。」 |
シーザー |
(この声は、いったい…? 妖かしの類か何かかな。どちらにしても…) 「この状況を変えてくれるものならば、なんだって良いさ!」 |
GM |
声が響く。 天上から、大地から、シーザーの持つ箱から、そして霧中の気配からも聞こえるかのようだった。 「わたしの箱。わたしの守唄。 返さば死ぬ。返せば生きる。 それは悪魔のオルゴール。そして悪魔の子守唄。 我が母が奏でし無明の唄。 母はヒトと戦い息絶えた。唄は箱に埋もれて悠久に奏でらる。 未完の術は魔法となり、呪となりて踊る。 呪唄の基となりて箱、夢を紡ぐ。 我が母、即ち紫霧の君なり。 我、即ち無窮の草の君なり。 草の君、汝に繋げし細き糸を辿りて汝らと言葉を交わす。 選べニンゲンたちよ。 今は汝らの掌に歌うオルゴール。我に渡すかもろとも還るか」 |
ヴィッシュ・ラーガス |
(嬢ちゃんの言ってた通りか・・・・) ヴィッシュは舌打ちする。 (・・・・嬢ちゃん、どうすればいい。やはり戦うしか道はないのか?・・・・) 目の前に立つ巨大な魔物を前にヴィッシュは心の中でさっきの少女に問い掛ける。戦闘に勝利する以外の道はないのかと。 |
GM |
ヴィッシュの到着と共に、気配は形を得る。 何故か、紫色の霧を透かしても、その姿が分かった。 巨大な、ヒトガタの魔物。普通の人間の五倍ほども大きな体躯。 それが、シーザーの前に立っている。 ヴィッシュは、少女の言葉を思い出した。その意味を。 「箱は敵(即ち魔物)を集める。 倒せど、倒せど、集める。 ニンゲンは戦い、勝利し、戦い、勝利して、最後に敗北する」 |
シーザー |
ヴィッシュ< 「ヴィッシュ! 無事だったのか」 |
ヴィッシュ・ラーガス |
ヴィッシュは音の方向へ向かってひたすら走る。そして相棒の姿を見つけると力一杯に叫ぶ。 シーザー< 「シーザー!!」 |
シーザー |
シーザーは、なんどめかの危機一髪の場面を迎えていた。 ヴィッシュの姿が消え、その直後に彼も関所から移動していた。 そこは、どこかの山だった。 そこで、妖魔に襲われ、巨鬼に襲われた。 それを倒したら次は砂漠だった。大蛇に襲われ、蠍の集団に襲われた。 …そして、最後に此処に至った。 ろくに視界も定まらない中で、この気配の主と戦いを続けていた。 と、いっても… 「まったく正体が分からない相手を、どうやって倒せばいいんだ!」 |
GM |
ヴィッシュが辿り着いたのは、どこかの山の山頂のようだった。 景色は紫の霧から開放されてはおらず、どこの山かは分からないが、空気の薄さからかなりの標高の山と知れた。 ヴィッシュは戦いの音を聞く。 霧をすかして、あの圧倒的な気配と対して、微弱な戦士の気配があい争っているのが分かる。 |
ヴィッシュ・ラーガス |
(・・・ここは) ヴィッシュはあたりを見回す。そして少女の指差した方向にきていることを確認する。 遠くから聞こえる剣戟の音に対して。 「・・・あの音のところに相棒がいるってことか。嬢ちゃん」 そんなことを呟く。そして、ヴィッシュは音に向かって走り出した。 |
GM |
少女は、無言で、すっとヴィッシュの背後、小屋の出口を指差す。 ヴィッシュが反射的にそちらに注意を向けると… 彼の意識は、まるで掃除機にでも吸い込まれていくかのように、その出口から外へ、そして、外からはるか彼方へと移っていった。 次に来た場所は…どこかの山道だった。 |
ヴィッシュ・ラーガス |
少女< 「玩具か。それにしちゃぁ、危ない代物だな。」 |
少女 |
少女は、首を傾げる。 ヴィッシュの言葉が理解できなかったかのように。 しばらくしてから、ようやく合点したようだ。 ヴィッシュ< 「わたしには宝物。ニンゲン、ニンゲンたちには玩具。 |
ヴィッシュ・ラーガス |
少女< 「ああ、そうだった。」 |
GM |
と、そう言ってヴィッシュは少女に箱を示そうとしたが…、 はたと気が付く。 箱は、シーザーに預けたままであった。 |
ヴィッシュ・ラーガス |
(・・・・宝物?・・・・!!この箱のことか。) 少女が言う宝物に心当たりがあるものはこの箱ぐらいであった。 少女< 「宝物ってのは小さな箱のことかい?嬢ちゃん。」 |
少女 |
どこか、能面じみた表情の少女は告げる。 ヴィッシュ< 「ニンゲン、わたしの宝物、返して」 |
GM |
ヴィッシュは扉を開け、そして身体を強張らせる。 まるで彼が居ることを、そしてその全ての行動を知っていたかのように、中の部屋から彼をじっと見つめる視線とであったからだ。 それは、少女のようだった。 白い着物を纏い、赤い髪布を着けた幼い少女だ。 それが、透き通った眼差しで彼を、その目を見つめている。 |
ヴィッシュ・ラーガス |
ヴィッシュは扉の前に行き、ため息をつく、 (はぁ、ここを開けないことにはどうにもならんか。) もともとここへ来てしまった原因がむやみに突入したためなのでヴィッシュとしては あまり気が進まなかった。 だが、これしか選択肢がない今、彼は身構えてドアノブへと手をかける。 そして、扉をゆっくりと開けた。 |
GM |
耳を済ませていたヴィッシュは、 だが、何も聴こえないことを知るだけだった。 どうやら、中の様子を知るにはこの扉を開けるしかないようだった。 |
ヴィッシュ・ラーガス |
(窓はないのか。) 小屋を一周し、ため息をつくヴィッシュ。 (・・・・壁に耳でもつけるか。せめて中の物音くらいは聞こえるだろう。場合によっては中に踏み込むしかないようだな。) 中の物音だけでもうかがいしろうとヴィッシュは壁に耳を寄せる。 |
GM |
小屋の周囲を探索してみたヴィッシュだが、不思議なことに、その小屋には窓の一つも無かった。 |
ヴィッシュ・ラーガス |
ヴィッシュは小屋に中の様子がうかがえそうな隙間を探す。 (少女と鬼の歌か・・・・。なんだろうな。) ヴィッシュはそう思いつつ小屋の周りを探す。 |
GM |
歌声の後をつけて行ったヴィッシュは、一軒の小屋の前に辿り着いた。 木で作られた、小さな家屋だ。 歌声の主は、其処へ入っていったようだが…。 |
ヴィッシュ・ラーガス |
(鬼?・・・・いまのところわからないな。 とりあえず後を追いかけてみるか。) 歌を聴いてみるがヴィッシュには、何のことだかわからなかった。とりあえず足音が動き出したのでその後をゆっくりと追いかけるヴィッシュであった。 |
歌声 |
「あるとき来たのは大地震 お山はふたつ、崩れます 鬼はふたり、よろこんで さっそく会おうと走ります やっと会えた、その日がやっと おもやげもって、走ります 鬼はいっぴき剣もって 鬼はいっぴき盾もった にひきはようやく会えました けれど持ってたおみやげふたつ 出会い頭にけんかした 鬼はにひきおどろいて 止めさせようとしましたが おもやげふたつ、怒ります 怒ってにひきをあやつって けんかをふたつ、続けます 鬼はにひきで泣きながら けんかをにひきで続けます いつしかぽっかり月が出て 倒れるにひきを照らします 倒れたにひきは重なり合って なかよくなかよく眠ります」 ヴィッシュが耳をすませる中で、歌声は其処で終わりを告げた。 そして、足音が聞こえる。 足音は、草むらを掻き分けて何処かへと進んでいくようだ。 |
ヴィッシュ・ラーガス |
(声・・・・か。誰かいるのか。) と足を止め、あたりを見渡す。 (シーザー・・・・ではないようだが・・・・。何を言ってるのだろう。) 姿が確認できないようなので、その場にとどまりその声に耳を傾ける。 |
GM |
ヴィッシュが風の方向に草原を歩き出してから、暫く時間が経った。 全く時間の感覚が働かないために解らないが…、少なくとも数時間は経過しているような気さえする。 いい加減に疲労を感じ始めたころ、全く変わる様子の無い景色に、変化が訪れた。 ふたつのお山に鬼がいて 声だ。 お山は谷にはばまれて |
ヴィッシュ・ラーガス |
(風か・・・・俺を呼んでいるのか?) 風の吹いてくるほうに向き、呟く。 (行くしかないようだな。シーザーはここにはいない。) 身なりを整え剣を持つとシーザーを探し出すために風のほうへ歩き出す。 (シーザー、待っててくれ。なんとしても合流するからな。) 彼は剣を握る手に力を込め、そう頭の中で誰にもなく語りかけた。 |
GM |
ヴィッシュはシーザーの姿を探す。 しかし、周囲に彼の姿は無かった。 ただ、広大な草原にヴィッシュ一人。 誰もおらず、何も無い。 ただ、前方から緩やかに風が吹いている。 彼を誘うように。 |
ヴィッシュ・ラーガス |
(うぅ・・・・頭が痛い。) 頭を振って起き上がる。そして周りを見つつ (ここは・・・・何処だ。それより!!) そう言ってすぐに相方の姿を探す。 (あの気配だったとは、迂闊な行動だった!!) と自分自身にいらだちつつ懸命にシーザーの姿を探す。 |
GM |
中に飛び込んでいったヴィッシュを迎えたのは、あの気配だった。ぞくりとするような冷気と共に、あの気配が彼らを包み込む。ヴィッシュは強烈な悪寒と脱力感とに為す術も無く、膝をつく。 身体中から力が抜け、感覚が無くなって行く。 目が霞み、何も見えなくなる。 自分が倒れたことすら、今、彼には分からなかった。 「く……」 そして、ヴィッシュは最後にこびり付くように残っていた意識を手放した。 幾程の時が経ったのか、ヴィッシュは冷たい空気に目を醒ました。 |
ヴィッシュ・ラーガス |
シーザー< 「突入ってんだから踏み込むのが当然だろ。」 |
冒険者シーザー |
ヴィッシュ< 「了解」 |
ヴィッシュ・ラーガス |
シーザー< 「(・・・・俺が先に中にはいるから後に続いてくれ)」 |
GM |
そして、ヴィッシュたちは詰め所の入口まで来た。 ドアに手を掛け、開こうとしたところでヴィッシュは動きを止める。 (何かの気配がある…) ひっそりとした、しかし、明らかに人のものではない気配だ。 シーザーも気付き、ヴィッシュに目で問う。 「どうする?」 |
ヴィッシュ・ラーガス |
シーザー< 「順番に見ていくか。兵士詰め所から。」 |
冒険者シーザー |
ヴィッシュ< 「……すまない、ありがとう」 |
ヴィッシュ・ラーガス |
(確かに生き残りには何が原因で起きているか、 その察しはつかないだろうな。 それに叡智の塔まで行っても誰もいなけりゃこの霧も何とかならんか。) シーザー< 「よし、まずはこの辺で生き残りを探してみるか。誰かいないと箱のこともわからんしな。シーザーの意見に従おう。」 |
冒険者シーザー |
ヴィッシュ< 「……僕はここを調査していきたい。 |
ヴィッシュ・ラーガス |
ヴィッシュも険しい表情で関所を見つめる。 シーザー< 「・・・・これもこいつの仕業なのか。それともさっきの気配の主が」 |
冒険者シーザー |
「おかしい…、何があったんだ」 口元に手を当てて、思案げに呟く。 ヴィッシュ< 「関所に誰もいないという事があるはず無いよ。 |
GM |
歩き出した二人を見守るように、静かに霧は揺らめき揺蕩う。 道のりを進んで暫く経っても先刻の気配は訪れず、魔物も現れない。 二人は順調に関所までたどり着いた。 しかし―― 関所には、誰の姿も見えなかった。 |
ヴィッシュ・ラーガス |
シーザー< 「ああ。・・・・」 |
冒険者シーザー |
ヴィッシュ< 「あいたた……、あ、助かる。痛みが無くなったよ」 |
ヴィッシュ・ラーガス |
シーザー< 「大丈夫か」 「傷付けられ、失われた生命よ。
「やっぱり2人だと心強いな。」 |
GM |
ヴィッシュの後退を見たシーザーは、続けざまに剣を振るった。 もはやミノタウロスの注意はヴィッシュから逸れてはいたが、寧ろ好都合だった。まず、彼の治療を優先しなければならない。 「はあぁぁっ!」 十文字形の斬撃が炸裂する。苦鳴を上げながらも怯まず、魔物は金棒を突き出した。「ぐっ」息を詰まらせてたたらを踏むシーザー。追撃を掛けようとしたミノタウロスに、体力を回復させたヴィッシュが襲い掛かる。 「おりゃぁ!」 背中へと剣を埋め込まれ、 さしものミノタウロスも血の泡をはいて転倒する。 「ふぅ……」 ≪戦況≫
|
GM |
「行くぞ、シーザー!!」 大声で叫んで、ヴィッシュは走り出した。 撹乱を目的に突進し、大仰な仕草で偽攻を掛け、声を上げ、注意を引いてみせる。案の定、如何にも知能の足りなさそうな牛頭鬼は、 完全にヴィッシュの方に気を取られた。 手にした金棒を振るい、剣呑な一撃を彼に見舞う。 その体躯通りに力の満ちた攻撃は、鈍重そうな印象に反して軽敏で、 素早かった。ヴィッシュは頭上からの一撃は剣を掲げて受け止めたが、立て続けに振るわれた横殴りの攻撃は避けられない。 「チッ、やるな」 鎧が衝撃を幾分軽減したものの、 度重なる戦いで疲労した身体には手痛い。 とまれ、牛頭鬼の注意を乱し、隙を作ることには成功した。 「良し、今だ、シーザー」 合図と共に、気配を鎮めて近付いていたシーザーが攻撃を掛ける。 無言のままに繰り出された剣が魔物の身体に食い込み、牛頭鬼が苦鳴を上げる。そこへ、体勢を立て直したヴィッシュが反撃を掛ける。 「おりゃぁ!!」 シーザーの攻撃に防御の崩れていた牛頭鬼は、 まともにその斬撃を喰らい、血飛沫を上げてたたらを踏む。 さすがに生命力も高く、まだ力の衰えた様子は見えないが、 それでも効果的なダメージは与えられたようだ。 ヴィッシュは傷の治療を行う為に一旦後退する。 「傷付けられ、失われた生命よ。
詠唱を終え、傷に手をかざす。 ヴィッシュ:
ヴィッシュ:
戦況の変化によって行動を変更する方は改めてご投稿ください |
GM |
二人は林を抜け、再び草原に足を踏み入れた。ここを越えて、谷間を抜けていけば、すぐにイ=サードがある。 まだ気は抜けない。ヴィッシュは警戒しながら歩を進めて行った。 ふと... ぞくり。 ヴィッシュとシーザーは何か圧倒的な力に曝されているとでもいうのか、そんな空気に満ちた風を受けて戦慄した。 ――何か、いる――! 二人は顔を見合わせて、身構えた。 深い霧を挟んで、人間二人とその存在は向かい合った。 暫くして、圧倒的な気配が消え去る。 二人は安堵して溜息を吐いた。 「…よく解らなかったけど、 まともに戦ったらとても勝ち目の無さそうな奴がいたね」 シーザーの言葉に、ヴィッシュは頷く。 と、そこで、咆哮が轟く。 さっきの今だ。二人は瞬時にして準備を整え、構えを作った。 また先程の気配の持ち主か、と思ったが、違う。あの圧倒的な空気は無かった。 …現れたのは、牛頭鬼<ミノタウロス>だった。 《戦闘突入》
|
ヴィッシュ・ラーガス |
シーザー< 「ああ、まだ大丈夫だ。それよりも急ごう。」 |
冒険者シーザー |
ヴィッシュ< 「まあ、それもいいかもしれないけど… |
ヴィッシュ・ラーガス |
シーザー< 「今のうちは大丈夫だが早めにいかねぇと持たないな。」 |
冒険者シーザー |
ヴィッシュ< 「やれやれ… |
GM…戦闘 |
妖精たちの数は多かったが、しかしたいした脅威ではなかった。 もともと、戦闘向きに出来ている種族ではないのだ。 究めてはいないとは言え熟達した戦士であるヴィッシュとシーザーには、多少の時間は掛かっても、難しい敵ではないのだ。 無論、多少の傷は受けたし、魔法を使わざるを得ない状況もあったが、 最終的には、そう重い傷を受けることも無く、全ての妖精達を退けることが出来た。 ヴィッシュ:
《戦況》
|
GM…戦闘 |
「シーザー、半分は任せた! 俺はもう半分をやる」 シーザーの応えを待たず、ヴィッシュはその場を離れた。 剣の間合いから相棒を外し、巻き添えにしないためであるが…。 果たしてそれが表と出るか裏と出るか。 剣を構えて敵の出方を待つヴィッシュに、早速も二つの羽音が襲い掛かる。小さな気配の小さな攻撃。それは少しも隠されていない、一直線の攻撃だった。神経を全て索敵に向けていたヴィッシュにとって、それは自殺行為ともいえる行動といえよう。
シーザーは瞼を下ろし、「音」を聴く事に努めていた。 ヴィッシュ:
シーザー:
《戦況》
戦況の変化で行動方針の変更のある方は、ご投稿ください。 |
GM |
濃密な霧は、少しも大地から退こうとは思っていないようだ。 彼等が歩き出してから、また少し時間が経っていたが、視界は相変わらず明らかになることは無く、憂鬱な旅路は進んで行く。 ヴィッシュは、僅かながら周囲の雰囲気が変わったことに気が付いた。 どうやら草原を抜け、林に入ったようだ。 「――いる」 《戦闘突入》
|
ヴィッシュ・ラーガス |
シーザー< 「そうだな、進むか。」 |
冒険者シーザー |
ヴィッシュ< 「了解」 |
ヴィッシュ・ラーガス |
シーザー< 「そうだな、いざというときに魔術が暴走したら今度こそしゃれにならんからな。それじゃあ、シーザー頼んだ。」 |
冒険者シーザー |
ふうん? と首を傾げる。 ヴィッシュ< 「とすると、その箱は僕が持っていた方がいいんじゃないかな。 |
ヴィッシュ・ラーガス |
シーザー< 「どうやら魔術の暴走を引き起こすみたいなんだ。
|
冒険者シーザー |
体の各部に薬草を塗布して治療したヴィッシュの様子を見て、 「焼け石に水じゃないかな?」 と思って苦笑する。 ヴィッシュ< 「悪化するって、その箱が何をするんだい?」 |
ヴィッシュ・ラーガス |
シーザー< 「魔法は使わないほうが良い、悪化するぞ。こいつのおかげでな」 ヴィッシュはベランドラを取り出し、それを使って凍傷の酷い部分の処置をした。 「手当て」成功!
ヴィッシュ:
ヴィッシュの出血が止まりました。 |
冒険者シーザー |
油断無く周囲に注意を向けながらヴィッシュの元に歩み寄り、 ヴィッシュ< 「とりあえずはね。 |
ヴィッシュ・ラーガス |
シーザー< 「・・・・終ったか。」 |
GM…戦闘 |
「シーザー、先に行け。俺は後から続く!」 霧の奥にいるであろうシーザーに声をかけ、ヴィッシュは出来るだけ素早く立ち上がった。 ヴィッシュが無事である事を確認して僅かに安堵の息をつきながら、シーザーは後退した火蜥蜴に追撃を掛けた。
火蜥蜴が霧をすかして、自分を傷付けてくれた人間に炎の編礼をしようとしたとき、彼の横に、現れた者があった。この蜥蜴は、シーザーに意識を集中しすぎて、その人間のほかにも敵がいた事を忘れていたのだ。
ヴィッシュ:
シーザー:
戦闘終了! |
GM…戦闘 |
「俺が敵をひきつける」 ヴィッシュは走り出し、火蜥蜴の前に立ちはだかった。彼等の注意を自分に向けさせ、シーザーに側面攻撃をさせると言う考えだった。 そして、 一斉に襲い掛かってきた所を避け、回り込むつもりだったのだが… 二体は確かに飛び掛ってきたのだが、一体は案に相して留まり、飛びのいた彼を目掛けて炎を吹きかけてきた。 匂いか、音を感知したのか…。霧で視界が阻まれている状況でありながら、正確な攻撃だった。 「チッ、やるな」 皮膚を焦がされながら、舌打ちするように呟く。 そして即座に意識を痛みから切り離し、呪文を紡いで魔術を組み立てていく。 「冷たき大気の霧の星。 惑い、集い、一滴の雫となれ。 鋭き鏃へと磨ぎて切り裂け……っ!?」 集束し始めた魔力が形になろうとした瞬間、<何か圧倒的な力>が魔術に介入してきたのを悟ったヴィッシュは戦慄した。 「ぅぉぉっ!」 手の中の魔力が暴走し、制御できなくなる。 刹那、ヴィッシュは身体中を強烈な冷気が包み込むのを感じた。と、同時に強い痛みが走る。 自分の意図とはかけ離れた結果が現れた。 「暴走かっ?」 凍りついた鎧を懸命に動かすと、ぎしぎしと音を立てて、鎧の表面を覆い、隙間にも入り込んでいた氷が割れ砕け、ぽろぽろと落ちていく。 眉や髪の毛も凍り付いて堅くなっていたが、ヴィッシュのそれは目の前の火蜥蜴が受けた被害と比べれば幸運な方だろう。 彼に襲い掛かろうと飛びかかっていた火蜥蜴は、魔術の暴走の力を直撃され、骨の髄まで凍り付いていた。ヴィッシュはその地点から最も近かったのだが反射的に魔術を手放してその場に伏せ、魔力に対する構えもしていたので、かなりの痛手ではあるが、そこまで深刻な被害を受けずにすんだのだ。 (それにしても、一体?) 魔術の暴走… 不完全な式で魔術を組み上げると、魔法となりきれない魔力と無軌道に流された魔力が結合し、暴力的なまでの力を周囲に及ぼす。 しかし、全ての不完全な魔術が暴走につながるわけではない。 まず術者は構築する術式に、術の前提として<起動する予定の魔法>の情報を組み込む。そして<全術式を緊急制動する術式>を組み込み、さらに組み上げられた術式と、先程与えた魔法の予定の情報とを照らし合わせ、その術が完全であるかを確かめる<判別式>を組み込む。術が完全でなかった場合は、それが行使される直前に、情報が緊急制動の術式に与えられ、全ての術式が、暴走を防ぐために破壊されるわけだ。 それは、<魔術の失敗>と呼ばれる。 <魔術の暴走>は、術者のミスで、上記の術式のどれか、または全てが間違っていた場合、またはその術式に使用する総魔力が制御できないとき、原理を理解できていないまま術を組み上げようとしている、 ――すなわち、その場合は<判別式>が使用する情報自体が間違っているわけだ――場合のみ発動するわけだ。そしてその可能性は低い。 何故なら、術の暴走防止に使用する術式が簡易である上に、魔術師を志すものならばまず第一に体得するものであるし、術を理解できぬままに魔法を使用する愚か者もそうはいないからだからだ。 たまに知識も技術も思慮も足りない半人前以前の素人が、新しい系統の術を作ろうと試みて失敗する、そういったときか、術者が精神的、体力的に疲労しているときに無理に術を行使しようとしたか、または激しい運動状態で術に集中できていなかった時……つまり通常の状態では起きるべきではない現象なのだ。 今、ヴィッシュは確かに運動しながら魔術を行ったが、精神の集中の多く は魔術に向けていたし、術式を間違えていた覚えはない。 それに、あの<力>だ。 おそらく、あれが介入したことで術が暴走したと言う考えは正しいのだろう。昨日までは普通に魔術を使えたので、今日、何かしらの変化が自分に訪れたのだろう。 そしてヴィッシュには、その変化の心当たりがあった。 (この、箱か) しかし、シーザーが先程照明の魔法を使ったときには何も起きなかった。 この箱が魔術の阻害として働くのだとしても、その影響はたいした範囲には及ばないのだろう。 これからの戦闘で魔法を使うつもりなら、箱はとりあえず手放さなければならないだろうが…、とりあえず、この戦闘ではまず自分の役目は果たした。ヴィッシュは寒さで震えながらも声を上げる。 「少年! 行け!」 突如として生まれ、吹き付けてきた圧倒的な冷気に困惑し、その場に凍り付いていた二匹の火蜥蜴に、首尾よく彼等に回り込んでいたシーザーはヴィッシュの合図に応じて斬りかかった。 ヴィッシュ:
シーザー:
《戦況》 ヴィッシュ:
認知可能残存敵数一体。
戦況の変化で行動方針の変更のある方は、ご投稿ください。 |
GM…シルヴァード郊外 |
イ=サードからシルヴァードへは、街道が続いている。 まずは草原の中を通って、林の中へ、そして再び草原があって、それを超えると谷間の中だ。 其処に関所があり、それを抜ければイ=サードへ着く。 彼等は最初の草原へと入った。 紫色の霧は、それまで何もしてはこなかった。 彼等が広い草原へでてから、変化が生じた。 ヴィッシュは、「何か」を感じた。 目の前から何かが来る…! 反射的に剣を一閃させて、その何かを払う。 次の瞬間、ヴィッシュは激しい熱気に包まれた。 「うぉおっ!」 (炎の吐息<ブレス>かっ!?) その熱気の軌道上にあった霧が僅かに晴れ、熱気の元が見えた。 大型犬ほどの大きさの、蜥蜴だ。 シーザーが声を上げる。 「火蜥蜴<ファイア・リザード>ッ! こんな所にいるはずがない…、箱が呼び寄せたのかっ?」 手短にシーザーは火蜥蜴のことを説明した。 炎の属性を持つ蜥蜴で、体内で生成した炎を吐き出して攻撃してくる獣らしい。どちらかというと精霊に近い存在だそうだが、通常の武器も効果があると。 火蜥蜴は三匹。 一斉に襲い掛かってきた。 ヴィッシュ:
|
ヴィッシュ・ラーガス |
シーザー< 「すまんな。」 |
シーザー |
ヴィッシュの返答に、僅かに呆れたような顔をする。 ヴィッシュ< 「明かりと食料は冒険の基本なのに…」 |
ヴィッシュ・ラーガス |
シーザー< 「あいにく持ってない。」 |
シーザー |
ヴィッシュ< 「こちらこそね。 |
ヴィッシュ・ラーガス |
シーザーの返答を聞いて、ヴィッシュも剣を抜き、 シーザー< 「そうだな。ゆっくり行くか、何時何が起きてもいいように。んじゃ、よろしく頼むぜ。これから」 |
シーザー |
不意に辺りを包み込んだ紫色の霧を鋭く見つめる。 横に立つヴィッシュの言葉に、 ヴィッシュ< ひょいと肩を竦めて、 目線を前方に向けたシーザーは、再び厳しい眼差しを霧に戻した。 ヴィッシュ< 「どちらにしても、何時何が起きても大丈夫なように心構えはしておかなくちゃならないようだけどね」 |
ヴィッシュ・ラーガス |
ヴィッシュは霧を見て一瞬驚いたが、すぐに落ち着いて、 シーザー< 「さて、どうするか。慎重にいくか。一気に突っ切るか?」 |
GM…シルヴァード郊外 |
ヴィッシュとシーザーがシルヴァードの街を出て、一つ気付いた事があった。 (空気が違う) 彼等を包む空気の色が常と異なっていた。 じっとりと肌に纏わりつくような質量感すら感じる。 イ=サードまでは順調に進めば一日で行けるが… 彼等に向けられた無形の敵意は、 それはさせないと教えているかのようだ。 そのような事を考えていると、更に、空気に性質が変化した。 次第に視界がぼやけていく。 まだ昼だというのに、霧が周囲を押し包んでいった。 それも尋常な霧ではない。 ヴィッシュもシーザーも、紫色の霧など聞いた事がなかった。 足元すらも定かではなくなっている。 そして、敵意は更にその威を増しているようだ。 安全より時間を取って駆け抜けていくか、 それとも、ゆっくりと、だが確実に進んでいくか… |