行方不明となった魔術師ハルークを探す冒険者シース。 彼の冒険仲間だったアシュレイは、彼を手伝って、ハルークを探すために、“ヒルキニーの墓所”へとやってきた。 |
GM |
アシュレイは周囲を調べてまわる。 シースは部屋の扉の近くにたち、警戒する。 ……。 思い出したようにシースが補足する。 「そういえばここには本がたくさんありました。まるで図書館のようでした」 彼のいうとおり、規則的に本棚が配置されていた。 だが、落盤と地震でそれは無残なありさまになっている。本は散らばり書棚は岩に押しつぶされ、調査もなかなかままならない。 それでも、例によって、階段へと続く通路は確保されている。 |
アシュレイ |
「暗いな」 ぽつりと呟くと、ハルークもしくは先行者が残した痕跡がないか、感覚を総動員して周囲を調べる。 |
GM |
広間の扉には、施錠がされていた。 シースが鍵の前に屈み込み、鍵開けを試みる。 …かちり。二分ほど経って、鍵が開く音がする。 「ふぅ…」 シースが息を吐き、アシュレイを振り向いて言う、「では、開けますね」 軋んだ音が耳障りに響き、闇の中に吸い込まれていく。 中は広々としていて空気は冷たく、ランタンの灯りも重厚な闇の中で心細く、ささやかなものでしかなかった。 部屋のほとんどに闇が蹲り、とても、中の様子は分からない。 |
アシュレイ |
シース< 「そうだな」 HP 66/66 完治! 「進むか?」 |
シース |
アシュレイと並んで息をつき、彼から薬を受け取ると、微笑む。 「ありがとうございます」 荷物袋から包帯を取りだし、丁寧に手当てした。 「大した傷ではありません。アシュレイは、大丈夫ですか?」 |
アシュレイ |
―やったか 大きく息を吐き、同時に人の姿へと戻る。 どうやら先に進めるようになった。 あてどなく墓所を彷徨うよりは―と、先行者を追ってみたが、この先にハルークの行方を知る手掛かりはあるだろうか? この先に進むつもりだが、今更ながら考えずにもいられない。 シース< 「これを使え」 |
戦闘 |
アシュレイは、シースの穿った骸骨剣士の傷を見逃さず、大きく踏み込み、その頬に拳で痛打する。 >アシュレイの殴打! 一撃目を骸骨剣士は躱すも、立て続けに放たれた打撃を避けられず、たたらを踏んで地面に崩れ落ちる。 地面に倒れた状態のまま、骸骨剣士は横薙ぎに剣を振るう。 そこから、アシュレイの痛烈な蹴撃を喰らい、骸骨剣士は派手に吹き飛んだ。後ろの扉に叩きつけられ、そのまま地面に倒れる。 アシュレイ
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戦闘 |
互いの行動を妨げないよう、シースとは若干距離をとりながら、スケルトンに仕掛ける。 間接部分を狙いたいところだが、的は小さい。難しそうだ。 アシュレイは駆け出し、大剣を両手持ちにした赤い骸骨剣士に向かっていく。 >アシュレイの殴打! 一気に距離を詰めて、アシュレイは骸骨剣士に殴りかかる。 同じ戦術でいくか、それとも変更するか、投稿をお願いしますね。 アシュレイ
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シース |
アシュレイ< 今更ながらに圧倒されながら、シースは言う。 |
GM |
アシュレイは、そこで心を研ぎ澄まし、自分の魂の中にあるもうひとつの力…風渡る大草原を駆け抜けた、狼の魂に呼びかける。 猛りとともに目覚める狼を抑え付けながら枷を外し、自由を与えていく。狼の魂がばね仕掛けのように弾けて全ての制約をこちらから奪おうとするのを強靭な意思力を以って制し、溢れさせる力のみを自由にする。 狼の力はアシュレイのひとの身体に満ち、徐々に高まり、その限界へ達し――越える! 狼の魂が人間の魂の皮一枚下で開放される。 魂の変化が肉体の変化と直結する。刹那、彼の肉体が内から膨れ上がり、弾けんばかりに、獰猛な生命力がそこに生まれ出でた。野獣の、何よりも純粋で、何よりも高潔な力だ。獣の瞬発力と筋力を得たとき、彼は普段と比べ、戦士として一段階も上に行くことができる。 そして今、その肉体は狼の毛皮に覆われ、その様相も狼のそれに酷似して、変わる。生命力に輝く縦長の獣の瞳には、野生とは裏腹の人の知性と意思がある。 アシュレイ
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アシュレイ |
シース< 無言で首肯して同意を示す。 |
シース |
アシュレイ< 「ええ…。 |
アシュレイ |
(こいつは…なかなか凶悪そうだ) 素直な感想だ。 運良く剣をかい潜っても、鎖帷子と兜のおまけ付きでは、ダメージを与えるのも至難の業だ。 しかし。 シース< 「あれをどかさなくては、先に進めないな」 |
GM |
中央の四本の通路、その左から二番目の道を北に向かって、アシュレイたちは進み始めた。何事もなく進み、中央の扉の前まで来た。 そして、そこに立っていたのは、一体の骸骨剣士<ボーンウォーリアー>だった。 ぽっかりと空いた眼窩に白光を灯し、真紅の骸骨剣士は扉の前に立って、ふたりを見据えていた。彼らの様子をうかがっているだけで、今のところは襲い掛かってくる気配はない。 |
シース |
アシュレイ< 「ええ。――、」 |
アシュレイ |
シースの表情が微かに曇ったように見えて、アシュレイは気が咎めた。 シース< 「いや、ここを奥に進もう」 |
シース |
きょとんとしながらも、素直に角を受け取る。 アシュレイ< 「そうですか…。 |
アシュレイ |
黙ってシースの話に耳を傾ける。 ハルークがノースパール地方随一の実力者と聞いて、正直驚いた。大したものだ。 この獣と戦ったのは彼かも知れないと思ったのだが、どうやら違うようだ。調べて みたのだが、ここにも全く足跡がなかった。 シース< 「こいつを仕留めたのは、ハルークかも知れないと思ったんだが…」 |
シース |
アシュレイ< 「ああ、その角は、確かいい槍の材料になるんですよ。 |
アシュレイ |
攻撃魔法を使った跡だろうか。 屈み込んで残骸を調べる。 …。 シース< 「ハルークはどんな攻撃魔法を持っているんだ?」 |
GM |
アシュレイたちは、一本道を歩き出した。 途中、土砂が崩れたり、岩が転がっていたりしたが、入り口と同様に道が開かれており、進むのにはさほど苦ではなかった。 シースの掲げるランタンに光に照らされる光景は凄惨だった。 所々に、落盤の巻き添えを食った魔物の死体がある。 錯乱して同士討ちでもしたのか、互いに喰らいついたまま息絶えているものもあった。 …。 T字路から左折し、右に曲がり角がある。 そこへ来た時、アシュレイ達は異様なものを発見した。 それは、始めは何かの生き物だったのだろう。 |
シース |
アシュレイ< 「はい。分かりました。一応、ぼくが先頭に立ちますね」 |
アシュレイ |
意外に広い。 遺跡が崩れてくる状況で、ハルークは何処に逃れたのだろうか。 シース< 「近い所から順に。左下の小部屋から行こう」 |
シース |
アシュレイ< 「いえ、その前に」 「これは、ぼくたちが地下に降りる前に、ぼくが書いたものです。 |
アシュレイ |
これはいったいどういう事なのだろう。 (墓の主が招いているのかもな) シース< 「まるで呼ばれているようだな」 |
シース |
アシュレイ< 「変ですね…。本当におかしい。 |
GM |
シースもアシュレイに倣って周囲を調べる。 …。 アシュレイは、しかし、特に何の痕跡も発見できなかった。 |
アシュレイ |
先んじた者がいるに違いない。 無言で膝をつくと、地面に印を探す。 人が歩けば足跡も臭いも残るものだ。 |
シース |
アシュレイ< 「妙です。確かにここは埋まっていて、通る隙間も無かったはずなのに。僕が足止めされたのは、確かにここのはずです。 |
GM |
アシュレイたちは、とりあえず遺跡の入り口へと入っていく。 なかは荒れ果てた様相を呈している。 綺麗に岩盤をくりぬいて造ってあった通路はそこれじゅうにひびがはいり、砕けている。あちらこちらに、岩盤に巻き込まれたのだろう魔物の死体が転がっていた。 少し先に進むと、土砂が通路を塞ぐようにしている所に出る。 土砂は2,3mほどの広さの通路の半ば以上を埋め立てているが、通れないほどではない。先へ進もうとして、アシュレイはシースが驚きの表情を浮かべている事に気が付いた。 |
アシュレイ |
なるほど、そうと知らなければ見逃してしまいそうな場所だ。 荒らされないように―と、狙った効果であろうが、ひっそりとして寒々しい。 遺跡が落盤で完全に塞がれてしまっていない事を祈った。 シース< 「内部に入り込める隙間があるかも知れない。探してみよう」 |
シース |
アシュレイ< 「ここです…」 |
GM |
ヒルキニーの墓所は、雪と岩山の間の中にひっそりと佇んでいた。 雪と雪の間、入り口をぽっかりと開かせている。 中には、信じられないほどの冷たさの空気が満ちていた。穴の中からひょうひょうと音を立てて、身を斬るような風が吹き出す。 |