PBeM
〜Dragon Pursurs〜
竜追い達の唄

シナリオ
7
「静かなる小砦」


 
 妖精の魔法使いであるリン・リリンと竜人の戦士ロウ・ファロンは、叡智の塔で出会った冒険者、オルフィーとクレリアと共にイ=サード郊外にある<シルネストの森>近くに埋もれていた古き時代の砦を訪れた。
 当時は重要な拠点の一つであったらしく、今でもその頑強な威風を何とか保ってはいたが、風雨に曝されて所所に傷みと、破損が見られた。
 ここには、果たしてどのような財宝と障害が眠っているのか?



 
GM

 ロウが、どかっとばかりに扉を蹴り開ける。
 同時に、身を震わすような咆哮が彼らに襲い掛かった。
 
 部屋の中は明るい。なにかが晧々とした光を発しているためだ。
 その正体を見て、オルフィーがぞっとするような声を上げる。
「嘘――、火鱗竜<レッドドラゴン>!?」
 赤い光を放つその魔物は、例えていうならば巨大化した、翼のある蜥蜴だ。ドラゴンという名で知られる、創造竜の眷属といわれている。たいていが、通常の魔獣などは簡単に餌食としてしまうほどの戦闘能力を持っている。
 彼女は、手早くその能力について説明した。
「これは空を飛んで、その速さを武器にする種類よ。
 鉤爪とその顎は、岩をも砕くそうだし、尻尾もしなやかで強靭、侮れない威力の鞭になるわ。口からは炎を吐く。
 屋内なのが幸いね。この竜のような、飛竜<ワイバーン>種の竜がその真価を発揮するのは、空を支配下に置いたときだから」
 それから、気遣うようにロウを見る。
 ――戦える?

 竜は、無礼な闖入者を睨みつけ、その動向を見つめている。



 
クレリア

ロウ<

 無言で頷いて、身構える。



 
オルフィー

リン<

「天真爛漫。
 陰気な冒険生活の中で、清涼剤みたいな子ね」
 母親めいた表情で、肩の上に乗ったリンを指で突付く。

ロウ<

「了解」
 頷き、ロンデルダガーを握りなおす。



 
ロウ・ファロン

クレリア<

「いくぞ。おれが正面を引き受けるから、脇からの攻撃を頼む」

オルフィー&リン<

「二人は援護を頼むぞ」



 
リン・リリン

オルフィー<

「うふふ。オルフィーさんと一緒だ」
 オルフィーと共に後衛をするのが楽しいのか、にこやかに笑みを浮かべながら、オルフィーの肩に止まった。
「うーん、獣って何が苦手なのかな。やっぱり、火とか?でも、火の魔法ないんだよねえ。どうしたら良いかなあ」
 ダガーを構える後衛仲間に話しかけた。

クレリア<

「......」
わずかな音に集中しているクレリアを見て、おしゃべりなリリンも今、話し掛けるのはさすがにまずいと思ったようだった。

ロウ<

「獣に有効な魔法ね...そのものずばりはないけど、複数匹いても対処できるようにしてみせるよ」
 オルフィーの肩に止まった妖精はそう言いながら、こんこんと杖の先で自分のおでこを叩いた。
 頭の中では手持ち魔法の呪文が渦巻いているのだろう。



 
クレリア

ロウ<

「ええと…。数は、多くないと思います。もしかしたら一匹しかいないかもしれません。
…ただ、随分と大きな気配です。大型の獣か魔物でしょうね」



 
オルフィー

ロウ<

「あら。やっぱり足手纏い」
冗談めかして笑いながら、後退する。

リン<

「というわけで、また、よろしくね」



 
ロウ・ファロン

クレリア<

「何匹くらいなのかの当たりはつけられるか?」
扉を開けて、一気に戦闘に突入しようかと思ったが考え直した。できる限りの事前準備をしたうえで戦闘をすべきだと思ったのだ。それでも苦戦を
するかもしれないのだから。

リン・リリン<

「獣に有効な魔法を準備してくれ。相手の数によってはさばききれんかもしれん」
野生の動物は時に人には不可能な動きをやすやすとする。それだけに前線を突破されるかもしれないのだ。

オルフィー<

「というわけだ。リンと一緒にいて、身を守っていてくれ」



 
オルフィー

ロウ<

頷いて、ロンデルダガーを構えた。
「でも、私は戦闘では足手纏いよね。
敵が居た場合は、下がって後ろを警戒していた方が良いかしらね」

リン<

「あら、そうかしら」
からかうように笑い、その後の言葉に苦笑する。
「そうね。まあ、そうでなければ冒険なんて出来ないでしょうね」



 
クレリア

リン<

無邪気なリンの言葉に微笑みを返し、頷いた。

ロウ<

ロウの言葉に頷いて、再度聞き耳を立てた。
エルフ特有の長い耳が、ぴくぴくと動く。
「…そうですね、獣が動くような音と…、何かを舐めるような音が聴こえますね」
そして、

リン<

「そんな感じです」
と、リンに頷きかけた。
「もしかしたら、動物か何かがお食事でもしているのかもしれませんね」
その後に続けようとした言葉は飲み込む。
(何を食べているのかは、判りませんが…)

ロウ<

「どうします?」



 
リン・リリン

オルフィー<

「はーい。わっかりましたー。私ももうお子様じゃないんだから、好奇心に赴くままには行動しないわ」
オルフィーの注意をもっともだと思いつつも、お母さんみたいと心の中でふくれてみたりした。

クレリア&ロウ&オルフィー<

クレリアとロウの問いかけに目を見開いて応えた。
「あったりまえでしょ。仲がよろしくなかったら、一緒に命がけの冒険なんてできっこないわ」
と胸を張ってみせた。
「オルフィーさんやクレリアさんとも仲がよろしいんだからね」
と二人の先輩達(オルフィー&クレリア)にウインクした。

クレリア<

物音がするとひそひそと告げるクレリアの声を聞いて、ハッとしたように身構えた。
これまでの明るくはしゃいだ調子はすっかりとなりを潜め、一転して、真剣な顔つきになった。
「どんな音がするの?足音?声?それとも衣擦れ?」
好奇心旺盛なところは変わりないようだ。

ロウ<

「了解。さ〜て、今度はどんな魔法を使おうかなあ...それともロッドで叩こうかしら」
軽い調子で言いながらも表情は真剣に扉をじっと見つめ、身構えていた



 
ロウ・ファロン

クレリア<

「仲がよろしい? ん? そういうことは考えた事がなかったな」

リン・リリン<

「まあ、悪くはないよな?」

クレリア<

物音がするというクレリアの言葉に遅まきながら、声を潜めた。
「物音がする?生き物がいる感じか?」
何にしても開けるしかないだろうと思いつつも、もう少し情報が欲しいと思った。
「もう少し、聞き取れるか?」

オルフィー、リン・リリン<

「敵が潜んでるかもしれん。応戦できる態勢を取ってくれよ」
二人に声をかけつつ、自らも身構え、扉の向こうから何かが飛び出してきてもすぐに対応できるようにした。



 
冒険者クレリア

ロウ&リン<

「あら、仲が宜しいんですね?」
からかう様にして笑いかける。

リン<

「はい、右ですね」
了承して、右の扉に向かうと屈み込み、調べ始めた。
「……えーと、罠とかは無いみたいです。……、あ」
声を洩らしてから扉の前を離れ、口の前に指を当てて皆に小さく伝える。
「……ちょっと、物音がします。
何か、いるかもしれません……」



 
冒険者オルフィー

ロウ<

「了解、リーダー」
くすりと笑って頷いてみせる。

リン<

「でも、下手に妙な仕組みには手を出さない方が賢明よ。
近道を通ろうとして、妙なところに飛ばされたら目も当てられないわ」



 
リン・リリン

オルフィー<

「そっか。
そうなるとどこをどう進んでも建物の最重要な場所には辿り着けるのかな...」

クレリア<

「ん〜、どうしようかな...」
右左の扉をきょろきょろと見比べてみている所にロウから声がかかった。

ロウ<

「へへ〜んだ。
見てるところはちゃんと見てるんだからね♪」
腰に両手をあてて、胸をそらしていばってみせたのちに後ろを振り返りながら、クレリアへと言った。

クレリア<

「決めた!右の扉にしよっ!」



 
ロウ・ファロン

オルフィー<

「そうか。それじゃ、何か気づいた事があったら、なんでも言ってくれ」

クレリア<

「すまないな。
おれも影に潜んだ相手の存在までは感じ取れない。まあ、殺気でも放っていれば、多少は分かるかもしれんけどな」

リン<

「明察恐れ入ったよ」
肩をすくめると悪戯っぽく片目をつぶると言葉を続けた。
「その眼力で右の扉と左の扉のどちらを先に調べるべきか決めてくれないか?」



 
冒険者クレリア

ロウ<

「ああ、確かにそうですね。
…、うーん。わたしの友人でしたら、少し隠された程度の気配なら看破してしまうんですが。ロウさんは、そんな心得はありますか?」

リン<

声を潜めてリンに口寄せる。
「実は、オルフィーの剣の腕は、あまり冴えたものではないんですよ。
…まあ、本人もそう言っていますけどね」
そして笑って、
「じゃあ、右手と左手、どちらの扉を調べましょうか?」



 
冒険者オルフィー

ロウ<

「そうね。
……まあ、判断はあなたに任せるわ。お願いね」

リン<

「別の場所と繋がる仕掛けがあるかもしれないのは、確かね。
軍事施設ではなかったようだけど、それくらいの事をしてもおかしくは無いくらいの重要性はあったそうだから」



 
リン・リリン

オルフィー<

「あ、オルフィーさん。ロウの包帯巻いてくれたんだあ。ありがと〜♪」
ロウと一緒にやってきたオルフィーに向かって、
なぜかリンも礼を言った。
「ん〜、この塔が見かけよりも広いというより、別の空間につながってる感じ...仕掛けっていうのは魔法の仕掛け?
それとも塔は上の方では砦の本陣や他の塔に繋がってるとか?」

クレリア<

「そっか。ロウはオルフィーさんを庇ったのか。
でも、オルフィーさんも自分の身を守るくらいは十分できそうな感じだったけどなあ...ま、いいや。次の扉を調べよう♪」

ロウ<

「なんで分かるかって?それはね...巻かれた包帯がすべすべのままだからだよ。ロウが巻くといっつも鉤爪でひっかいて、糸があちこちほころびてるもん♪」



 
ロウ・ファロン

オルフィー<

「そうだな...階段のある部屋の扉を全部見てから奥に進みたいな...」

クレリア<

「おれもそう思うんだが...こっちは大騒ぎをしたわけだから、少しでも知恵のある存在ならば、姿を隠したり息を潜めたりするんじゃないかな。
ま、とりあえず奥の2つの扉の前にもう一つの扉を調べてくれないか?」

リン<

「な、なんでおれが巻いたんじゃないと思うんだ、おい。
いや、まあ、確かにオルフィーさんに巻いてもらったんだけどな...」



 
冒険者クレリア

ロウ<

「ええ、見てのとおりですが…。
魔物がいる様子はないですね。やっぱり」

リン<

「ロウさんは、ちょうどオルフィーの盾になるような位置に立たれたじゃないですか? つまり、みんなの身代わりになってということですよ。
……では、行きましょう」



 
冒険者オルフィー

ロウ<

「どういたしまして」
苦笑してから立ち上がり、後に続く。
そして、通路を探って呟く。
「…敵の気配は無いわね。
扉の奥はわからないけどね。どうしようかしら?」

リン<

「そうですね。外から見た物よりも広いようですね。
もしかすると、何かの仕掛けが施されているかも知れませんね」



 
リン・リリン

クレリア<

「そうだねえ。でも、扉が2つもあるよ。意外と広い塔なんだね。
中の扉を調べる前にもう1つの扉も調べてみようよ」

後を追ってきたロウに声をかけられて、後ろを振り向きます。

ロウ<

「あ、包帯巻いてもらったんだ。良かったね。
もう、大丈夫なの? こっちは扉の奥にさらに扉が2つもあったよ。
しかも、先はまだ続いてる感じ...」



 
ロウ・ファロン

オルフィー<

「ありがとう。かなり良くなったよ。
これで次に戦う時も傷を気にせずに全力でいけそうだ」
包帯を巻いてもらった部分をさすりながら、言葉を続けた。
「さて、クレリアさんとリンに合流しよう」
扉を調べるクレリアとリン達に合流します。

クレリア<

「そっちの様子はどうだ?」

リン<

「何か見つかったか?」



 
冒険者クレリア

リン<

「この通路には、生き物はいないみたいですね…」



 
GM

リンとクレリアは階段のあった部屋から通路へ出た。空気が静止している為にそう長くないことは知れるが、明かりがリンの元にある<ライト>以外に全く無い為に視界は定かではない。
階段の部屋から向かって真っ直ぐと伸びた廊下。その中途に、薄ぼんやりと、向かい合って立つ二つの扉が見える。


 
冒険者クレリア

ロウ<

「はい、分かりました。
……でも、そうですね。あんなに騒いだんだから、もう、この階層全部の生き物にばれていてもおかしくはありませんね?」
笑って、そして歩き出す。

リン<

「ロウさんは、ちょうどオルフィーの盾になるような位置に立たれたじゃないですか? つまり、みんなの身代わりになってということですよ。
……では、行きましょう」



 
冒険者オルフィー

ロウ<

「年頃の娘ね…」
やや複雑そうな表情をしながら笑う。
「まあ、私で良ければいつでも良いわよ」
そしてそんなことを言いながら、不慣れな様子で、それでも出来るだけ丁寧にロウの傷に包帯を巻いていく。

ロウ:「手当て」成功! ロウのHPが完治しました。

リン<

飛んでいく後姿を見ながら、苦笑交じりに呟く。
「元気なことね、一悶着あったばかりなのに」



 
リン・リリン

オルフィー<

「へへえ。ま、それじゃ、2人で決めたって事でね♪ぶいっ♪」
右手でVサインをしながら、左手を腰に当ててびっと背を伸ばした。

クレリア<

「ロウがクレリアさんの身代わり?」
きょとんとした表情で小首をかしげた。
「そうだったっけ?ロウがクレリアさんを庇うのは見てないけどなあ...」
そう言いながら、周囲を見回りに行くクレリアについて行った...そして、再び、クレリアの後をついて戻ってきた。
「ん〜、私はどっちでも良いなあ」

ロウ<

「どっちが良い? あ、そう。扉が良いと思うんだ。
それならそれで良いんじゃない?」
ロウがクレリアに提案するのを聞いて、相槌を入れた。
その後、注意するロウに応えた。
「大丈夫だよ〜。
5年前ならまだしも今の私は落ち着きのある大人なんだからあ〜♪」
とふわふわとクレリアの後をついていった。



 
ロウ・ファロン

オルフィー<

「まあ、実戦じゃ、怪我をしても仕方ないというところか...
実戦じゃなくても格闘技なんぞは練習でも怪我するけどな...さて、オルフィーさんは実技は下手だと言うけど、腕に片腕で包帯を巻くのは難儀なんでな、手伝ってくれないか?
それに自分で巻くよりは年頃の娘さんに巻いてもらった方が治りが早そうだ」
そう言って、薬を塗りつつ、包帯をオルフィーに差し出した。

クレリア<

「ん〜、 階段を昇るよりも先に同じ階を探索してみよう。
扉の様子と扉の向こうから何か音とかが聞こえないか調べてみてくれ。
まあ、何かいたとしたら、これだけ派手に音を立てちまったんだから、手遅れかもな」

リン<

「無茶せずに、クレリアさんの指示に従えよ。
何しろ、おれ達は探索に関しては初心者なんだからな」



 
冒険者クレリア

ロウ<

「わたしは、あんまり役に立ってませんよ。
無傷だって言うのも、ほら、ちょうど相手が喪心していたからですし」
周囲を確認して、とりあえずの危険が去っている事を見て取ると、触れイルを折りたたんで片手に握った。
「警戒と探索ですか?
はい、了解しました。では、少し行ってきますね」

リン<

「いいえ、わたしの分を、ロウさんが替わってくださっただけですよ。
…まあ、確かに力が無い分、避けるのは得意ですけどね?」
悪戯っぽい笑みを浮かべて言う。
「じゃあ、行きましょう」
リンと共に探索に向かおうとして、はたと立ち止まる。

ロウ&リン<

「あの、この部屋にはとりあえず扉が二つあるんですけど…。
どちらにいきましょうか。
それから、階段はまだ上まで続いていますし。
どうしましょう?」



 
冒険者オルフィー

ロウ<

「あら、戦闘が舞台じゃない私とは違って、あなたは戦うのが仕事でしょう? 
だったら、傷付くのも当然よ。剣であると同時に、盾なのだから」
事も無げに言って、結局は使わなかった短剣を鞘に仕舞う。
「私は、実技よりも論理の方が得意なのよ。
薬草や薬の知識はあっても、処方はそれ程上手ではないわ。
包帯を巻いてみても、きついか緩いか、そのどちらか。
上手く巻けた試しが無いわ」
最後は冗談めかして言ってみせる。

リン<

「わたしはそこまで具体的な戦術を提案してはいないわ。
自分を誇りなさいな」
微笑んで、小さな妖精の頭を撫でた。



 
リン・リリン


オルフィー<

「オルフィーさんの言った通りにライトを使ったら、うまくいったねえ。
嬉しいな♪」
戦闘で初めて使った魔法が攻撃魔法でなかったにも関わらず、うまく使えたことが嬉しかったようだ。

クレリア<

「クレリアさんってば、すごいや。
あれだけ激しく戦闘したのにかすり傷ひとつ負ってないね」
と純粋に感動して、尊敬した。

ロウ<

「本当に大丈夫?」
右腕から血を流しながら、左手で薬と医療具を出す大きな相棒を見て、心配そうな表情をした。
だが、ロウの落ち着いた声を聞いて、安心したようだ。
「分かった。魔法は温存するね。
私も薬草持ってるから、なくなったら言ってね。
それじゃあ、クレリアさんと周辺観て来るね」
クレリアの側へと飛んで行った。



 
ロウ・ファロン
オルフィー<

「なんとか退治したが怪我をしてしまった。
最初の最初でこんなに傷を負うんじゃ、おれの拳法の功夫(クンフー)もまだまだだな。
治療をしようと思うんだが、オルフィーさんはそういうの得意かい?」
そう尋ねながら、手からグラブを外して、
バッグから薬草と医療具を取り出した。

クレリア<

「良い腕してるなあ。さすがは冒険者だ。
さてと、おれは傷を負ってしまったから、その治療をしようと思う。
小さい傷の内にまめに治しておいた方が良さそうだからな。
もし、良かったら、リンと二人で周辺の警戒と探索をしてくれないか?」

リン<

「おれは大丈夫だから、クレリアさんと一緒に探索をしてくれ。魔法による治療は戦闘中とか切羽詰った時に取っておいた方が良いだろう。
ライトやアローの魔法がいざという時使えないと困るしな。
今回の戦闘でも随分と楽をさせてもらったよ」



 
GM…戦闘


闇の中に、ひっそりと影猫がひしめく中、ロウはリンたちが敵の目標とならないように、その対角線上に立つ。
ひゅん
風を切り、闇を裂いて、一匹の影猫が彼へと飛び掛る。鋭い牙と爪を以って、彼の咽喉笛を切り裂くつもりで。通常なら暗闇の中、その俊速の攻撃には気付きもしなかったかもしれない。だが、暗視の訓練を積んだロウには通じず、彼は素早く反応し、牙と爪を掻い潜りながら影猫の側面に裏拳を叩き込む。
「ギャ!」
悲鳴を上げて影猫が跳ね飛び、床に叩きつけられる。しかしこの魔物は小柄で体重が軽く、衝撃の何割かはまともに当たらなかったようだ。すぐさま身体を起こして中に舞い上がる。
一匹をあしらったと思った次の瞬間、二匹の影猫が飛んでくる。
「リン!」
これを危地ではなく好機と見たロウは、リンに合図を送る。
「冷たき光をその身に突き刺す月の明かりよこの間に集え!」
リンがロウの合図に応え、高速詠唱と呼ばれる方法で<ライト>の魔法を唱える。
刹那、眩い光が影猫たちを中心に炸裂する。
一瞬にして視力を奪われ盲目となった影猫たちに混乱が満ちた。
それを見て取ったロウとクレリアが走り、混乱の中に攻撃を仕掛けた。
まず、クレリアが。
「はッ!」
ぶん、と音を立てて、鎖で繋がれたフレイルの鉄棒が影猫の身体に食い込む。打撃し、翻ってきた鉄棒を空いていた片手で掴み取り、その手で続けて一撃を繰り出す。それは躱された。しかし、クレリアはそこへもう一歩素早く踏み込んで、横殴りにフレイルを振るう。これは直撃し、影猫は錐揉みしながら地に落ちた。
それをわき目に見ながらロウが直進し一体の影猫に右の拳を繰り出す。完全に自失していた魔物は躱す事も出来ず、それを直撃される。強く床に叩きつけられ、ただ一撃でその影猫は動かなくなる。拳を振るった残身そのままに“溜め”て、左から正面の影猫に拳撃を打ち込む。渾身の一撃に、為す術も無く影猫は倒れる。
そこで、最初にロウに打たれていた為に明かりの直撃を受けていなかった影猫がやっと明暗差に慣れ、ロウに襲い掛かる。
「くっ」
影猫はロウの右腕に喰らい付き、同時に爪で掻き毟る。
生来頑強なロウの身体には深手とはならなかったが、それでも肉が破れ血がしぶく。ロウは影猫を振り払おうとするが、この魔物も必死にしがみ付いている、離れない。そこへ、
「眩く者にして虚ろなる 昼の象徴その王者
光矢となって撃ち抜け!」
リンの<マナ・アロー>が飛来し、その背中を灼く。
先ほどにもロウの一撃を受けていた影猫は、それで力尽きて、倒れた。

ロウ:
「格闘」攻撃2Hit!
>シャドウ・テイル二体を撃破!

リン:
「高速詠唱」成功!
「ライト」成功!
>シャドウ・テイル三体に「閃光」効果!

「高速詠唱」成功!
「マナ・アロー」成功!
>シャドウ・テイル一体を撃破!

クレリア:
「棒状武器」攻撃2Hit!
>シャドウ・テイル一体を撃破!

≪戦闘終了≫
ロウ:
HP−7
…68/75

リン:
MP−5
…55/60



 
冒険者クレリア


ロウ<

「了解しました。
待ちの戦いは、苦手ではないですよ」
微笑みながら、視線は鋭く闇を舞う猫たちを見つめている。

リン<

「ええ、でも、わたしよりもあなたの方が気を付けて下さいね。
そんなにちっちゃい身体なんですから」



 
冒険者オルフィー


ロウ<

「ええ、何とかやってみるわ」
左手にランタンを、右手に“鎧通し”ロンデルダがーを持って、ロウに頷きかける。

リン<

「明りは、付けても自分では持たない方がいいと思うわよ。
目立つから、的にされてしまいかねない。
魔法の原理は知らないけど、明かりをつけてから手放して、別の場所から部屋を照らすことは出来ないの?」
(GM注:出来ます)



 
リン・リリン


オルフィー<

「思ったよりも暗かったねえ...
やっぱり、魔法で照らした方が良かったかなあ...」

クレリア<

「あ、そっか。ここは古代人の遺跡なんだっけ...
私達の常識は通用しないんだね」
などとのん気に会話していたが、
ロウがとっさに飛び退るのを見て、さっと緊張した。

クレリア<

「気をつけてね。がぶってやられたら、痛そうだよ...」

ロウ<

「分かった。灯りをつければ良いんだね...任せて!」



 
ロウ・ファロン
オルフィー<

「いざとなったら、いったん退く。
ランタンで照らしながら、退路の確保はできるか?」

クレリア<

「こいつらは素早いうえに、おれ達の目は暗さに慣れていない。
4匹いるから、リンが灯りを灯すまでは襲いかかってきたところを叩いた方が良いだろう。間違っても突出して囲まれるなよ」

リン<

「暗視が出来るおれはともかく、クレリアにはもっと灯りが必要だ。
魔法で光を出してくれ。奴らへの牽制になるかもしれん」



 
GM


ロウを先頭に螺旋階段を上っていく一行。
数十段を上がって、一枚の天井を越えたその刹那。
布を切り裂くような音を立て、一陣の風がロウに襲い掛かる。
息を呑み、ロウは足を乗せ掛けていた二階の床に一気に踏み込んで転がるようにしてそれを突破し、攻撃を躱した。
「あれは――!?」
最後尾でオルフィーが声を上げる。
魔物や獣に付いてはかなりの見識を持つ彼女だが、その攻撃者については全くの心当たりが無かった(といっても、薄明りにその姿を垣間見ただけだが)。
暗視能力を持つロウは、(色の区別は付かないものの)ある程度はっきりと相手を視認する事が出来た。
酷く痩せ細った、黒い皮翼の生えた猫。瞳は、少ない光量でも完全に相手を捕捉できるように進化し、瞳孔を大きく開かせて自分達を見つめている。口からは嘘のように大きく鋭い牙が伸びて、鈍い光を放っていた。
これが数匹。
空中でホバーリングして尾を大きく振りながら身構え、そして飛び掛る。
この小柄な素早い魔物を相手取るには、ランタンの明かりだけでは不足だとロウは感じる。同時に、暗闇に慣れ切ったこの魔物には瞬間的に明かりを灯した時、少なからぬ衝撃を与えることが出来るだろうとも思った。
「前に出ます!」
クレリアが叫び、フレイルを構えてロウの脇に並んだ。

≪戦闘開始≫
ロウ・リン・オルフィー・クレリア
VS
シャドウ・テイル4匹



 
冒険者クレリア


ロウ<

「…そうですね。
ここ最近、この塔に踏み入ったものはいないようです」
床に絨毯のように広がった埃を指して言う。
「先客がいるにしても、その人は実体が無い存在かも知れないですね。
…そのときは、リンさんの魔法に頼りましょう」

リン<

言って、リンに微笑みかける。
「ね、お願いしますね」

「ええ、今の常識で言うと、貴族階級は自分の紋章を持っているのが普通ですね。……でも、古代人たちは解りませんね。いまだに、古代の住人達の暮らし振りは解っていませんから」



 
冒険者オルフィー


ロウ<

「了解。じゃあ、灯りは私が確保しておくわね」
頷いて、ランタンを受取って掲げる。

リン<

「出来るだけ使わないに越した事は無いけどね。
あなたがその時に最善だと思った使い方をして頂戴」
そして次の質問に僅かに首を傾げ、
「……判断は任せるわ。
もっと明るい方が良いと思ったら、その時にお願いするわね」



 
リン・リリン


オルフィー<

「魔法を使うチャンス?やっぱ、灯りの魔法かな♪
それともいきなり魔法の矢を撃ち込むの?」
いよいよ実戦で魔法を使えると思って、瞳を輝かせた。
「やっぱり、最初は抑えて使った方が良い?」

クレリア<

「国家運営?ということは...責任者は貴族の人達とかだったのかな?貴族もみんな、自分の紋章を持っているよね?」

ロウ<

「ライト?あるよ?点けた方が良い?
んー、どうしよっかなあ...オルフィーさんと相談をしてからね♪」
とロウの声に応えてから、オルフィーのところへと訊きにいった。

オルフィー<

「あのね。ランタンだけじゃなく、魔法の灯りもあった方が良い?
それとも魔法は節約した方が良い?」



 
ロウ・ファロン
オルフィー<

「しかし、暗いな。ランタンを点けるか、
それとも、魔法の灯りでも灯すべきか...
とりあえず、ランタンは点けておこう」
そういうとロンは自分の荷物からランタンと火口箱を取り出すとランタンに火を灯した。その後、オルフィーにそれを差し出した。
「すまないが持っていてくれ。
おれは先頭で階段を昇るから後ろから照らして欲しい」

クレリア<

「扉がこじ開けられたってことは先客がいたってことなのかもしれんな。この邪気はその先客のものなのか...
それとも、この邪気の持ち主に先客はやられちまったのか...
どっちにしても気を引き締めていかんといけんな」
そう言いながら、フレイルを準備するクレリアを見て、ロウ自身もグラブ・オブ・ファングを両手にはめた。

リン<

「ところで、魔法で灯りはつけられねえのか?
ま、魔法の無駄遣いだってんなら、仕方ねえと思うが、そんなに魔法ってけちらないとダメなんか?」



 
GM


ロウとリン、オルフィーとクレリアたちは、それぞれ緊張しながら塔の中に入っていった。中は明かりも無かったが、所々の岩壁に穴が空いていた為に、歩くのに不自由しないくらいの明るさはあった。それでも薄暗く、ちょっとした霧の中にいるほどの視界である為、危険なことには変わりないが。
螺旋階段がまず目に入る。太い柱に沿って回転しながら走っていく階段だ。見上げると、段は次第に闇に包まれながら天井の合間を抜けていっている。
他に道はなく、とりあえずこの階段を昇るしか無さそうだが……。


 
冒険者クレリア


ロウ<

ドアを丹念に調べてから、ロウの問いに曰く、
「頻繁に使われていたというより、無理やりドアの仕組みが壊されたといった方が正しいかも知れません。ノブを回しても、何の手応えも無いですから。……でも、どちらにしても何か重要なものが隠されているかも知れないことには間違い無いでしょうね」
急激に密度を増し始めた邪気に、クレリアは緊張しながらフレイルを準備した。
「こんな大きな邪気ですもの。
何かがいることは間違い無いですよね」

リン<

「あら、そういえば……。
やはり、この小砦が国家運営だったからでしょうか」



 
冒険者オルフィー


ロウ<

「ええ、その通りね。
では、行きましょうか」

リン<

「けれど、魔法を使うチャンスがあるという事は、つまり危険の中にいるということでもあるわよ?」
微笑んで嗜めるように告げる。
そして、表情を変える。
「……もしかすると、早速、そのチャンスが来たかもね」
邪気の満ちる空間に険しい眼差しを向けた。



 
リン・リリン


オルフィー<

「ん?そうかな? そう言われると嬉しい♪
でも、明るい以外でも役に立ちたいなあ...はやく、魔法を使うチャンスないかなあ」

クレリア<

「お馬さんかあ...鷲にお馬さん...
なんか、騎士さんの紋章みたいだねえ」

ロウ<

「ん?...分かった。
いざって時にロウの足手まといになっちゃまずいもんねえ。オルフィーさんと一緒にいとくよ」
そう言うとオルフィーのところまで飛んでいく。



 
ロウ・ファロン
オルフィー<

「嫌な感じがすると言ってもどのみち調べるしかあるまいよ。まあ、引き返すって選択もあるにはあるけど...
それを選ぶくらいなら、ここには来てないだろ?
さて、とりあえず、この塔を昇るとしよう」

クレリア<

「ノブがゆるいってことは頻繁に使われていたということになるのかな?
とするとこの塔自体には宝の類はなさそうだけど、この小砦内を歩くため
に必要な鍵の類はあるかもしれないよな?
まあ、行けるところから行くしかないんだし、昇るしかないよな?」

リン<

「おれが先頭で昇って行くから、オルフィーさんと一緒にいてくれ。とっさの時に振り落としちまうかもしれないからな」



 
GM


クレリアの言葉のとおり、彼等のたどり着いたDの塔の扉には、馬の紋章が刻まれていた。
そして、彼女が調べたところ、今度の扉には施錠はなされていない様子だった。鍵が壊れてでもいるのだろうか? ノブは緩く、軽く押しただけでも奥へと開いていった。


 
冒険者クレリア


ロウ<

「ええ、ありがとうございます」
にっこりと笑って、ありがとうございます、と礼を送る。

リン<

「ええ。
…………、あら、今度は、馬みたいですね」



 
冒険者オルフィー


ロウ<

瞼を閉ざして沈思してから、顔を上げて答える。
「ちょっと判らないわね。
本丸から感じるようでもあるし、塔からも発されているようでもある。
全ての建造物……
いいえ、この土地自体に縛られた気配なのかもしれない」

リン<

「そうね」
微笑んで頷き、悪戯っぽく笑う。
「その陽気さは人を救うかもね」



 
リン・リリン


オルフィー<

「んー、そうだねえ。
そのためには気を引き締めていかないと。がんばろー」

クレリア<

「なるほど?...鷲の鍵かあ。次の塔は何の鍵なのかなあ。
蜘蛛かなあ、蛙かなあ...楽しみだねえ」

ロウ<

「...そーゆー魔法もあるかもしんないけど、
私は知らないなあ」



 
ロウ・ファロン
オルフィー<

「クレリアさんの腕が未熟だったとしても他の者じゃ、もっとどうしようもないじゃないか。それよりも嫌な空気はどの辺から感じる?
これまでの冒険で培った勘ってやつで良いから教えてくれると嬉しいな」

クレリア<

「おう。期待してるぜ。ま、全体的に難しい構造ってことは十分あるから、あまり気にせずに普段通りにやってくれ。
鍵がだめでも他にもやれる事はあるさね、きっと」

リン<

「そうか。そいつは残念だな。
フェアリーの魔法にはそのちっちゃい身体をさらにちっちゃくするって魔法があるのかと思っていたよ」



 
冒険者クレリア


ロウ<

「はい…。
次は、きっとお役に立って見せますね」
 

リン<

「鷲の彫刻…。
そうですね、家紋という事もあるかもしれませんが――」
呟いて、そこではっとして気が付く。
「もしかすると扉の紋章にそれぞれ対応した鍵があるのかもしれません」
つまり、と続ける。
「どこかに鷲の彫刻が入った鍵があって、それを使うと塔に入れる、というのではないでしょうか」



 
冒険者オルフィー


ロウ<

「そうね。……まあ、クレリアの腕が未熟なだけかも知れないけれど」
からかうような笑いを浮かべて答えると、塔の方を振り返った。
「壊すのも一つの手段よね。
けれど、あまり目立つ行動は避けた方が良いかも知れないわ。
どうも先程から嫌な空気を感じるし、何か禍々しい存在が潜んでいないとも限らないもの」

リン<

「まあ、要は心構えの問題ね。
“覆水盆に返らず”
常に、後々後悔しないような行動を取っていきたいものね」



 
リン・リリン


オルフィー<

「でも、危険って気がついた時は手遅れってこともあるよねえ。
宝が目に見えた時こそ、気をつけるべきなのかな」
相変わらずロウの肩に乗りながら、
後ろを振り向きながら、楽しそうにおしゃべりした。

クレリア<

「ねね。あの鷲の姿の彫刻って何か意味あるの?
どっかの家の家紋だとかってことはない?」

ロウ<

「幾ら私が小さいからって、そんなん出きるわけないじゃん」
ぷくっと頬をふくらませた。ロウの冗談を少し間に受けたようだ。



 
ロウ・ファロン
オルフィー<

「クレリアが開けられないんじゃ、開けることは無理だな。
後は、扉を壊すかどうかだが...
ま、他にも行けるところがあるわけだし、そこで鍵が
見つかるかもしれない。他の塔に行ってみよう」

クレリア<

「役に立てないなんてそんなことはない。
開けるのが難しいと判っただけでも収穫だろう。
意外と手強い建物なのかもしれないな」

リン<

「リン、鍵穴から入って、中から開けれるか?」
と冗談まじりに相棒に軽口を叩きながら、足は次の塔へと向けていた。

全員<

「とりあえず、Dの塔に行ってみよう」



 
GM


ロウとリンたち一行は、
正門から向かって右に建てられた建造物へと向かっていった。
ロウを先頭にその肩に乗るリン、クレリア、オルフィーの順で進んで行く。
草が脛まで伸びた道を越えて、その建物の前まで来た。
石造りの詰め所のような外観で、びっしりと苔が生えている。
西側…即ち彼等から見える正面に金属製の扉が付けられており、
入り口はこの扉の他には無いようだ。
クレリアが進み出でて調べてみたところ、扉に罠は無いが、頑丈な鍵が掛かっており、それはどうも、彼女には開けられないほどのものらしい。
「すみません…、わたしはお役に立てません」
申し訳無さそうにクレリアは頭を下げる。
「鍵穴から覗いてみたんですが、かなり複雑な代物なんです」
扉のノブの上部には、鷲の姿を模った彫刻が為されている。
さて、どうしたものか?


 
冒険者クレリア


ロウ<

「ええ、了解しました」

リン<

「はい、そうですね。
――それでは、行きましょうか」



 
冒険者オルフィー


ロウ<

「ええ、あまり重く考えなくても大丈夫よ。
いざという時に指示を下してくれればそれでいいわけだし」

リン<

「“二兎を追う者一兎も得ず”
危険なときは、命の方を選びなさいな」



 
リン・リリン


オルフィー<

「出来れば取る...か。それが大事だねえ。命はひとつだもんね♪」

クレリア<

「深い? そうかなあ。ま、魔法だけは自信あるけどねえ。
それでも、上には上がいるよお。それに知識に上下はないと思うよ」

ロウ<

「あいあいさ〜。れっつごー」



 
ロウ・ファロン

オルフィー<

「リーダー!!」
オルフィーの突然の言葉にびっくりした。
「お、お、お、おれがリーダー!?
んー、そういうのは似合わないとおもうんだがなあ。
ま、深く考えないでおくか。さて、それじゃ、Eのほうへ行ってみるか」

クレリア<

「教えてくれるのか?そいつはありがたいな。
ま、無事に戻れたら、飯でもおごるから教えてくれ」

リン<

「そいじゃ、Eの塔に行くぞ」



 
冒険者クレリア


ロウ<

「この冒険が終わった後に時間があって、
わたしなどでいいなら、お教えしますよ。どうでしょうか」
 

リン<

「耳年増なんですよ」
くすくすと笑って、ロウの肩に乗っているリンの頭を軽く撫でる。
「きっと、
リンさんの知っている事の方がわたしなんかよりも深い筈ですよ」



 
冒険者オルフィー


ロウ<

「まあ、先頭になってくれる人がリーダーということね。
…悪寒は私も感じたわ。みんなもそのようね。
魔法的な仕掛けがあるのか…、それとも、私達の本能的なものが反応したのか解らないけど、とにかく、注意が必要なことは確かかもね」
思案げに答えてから、
「“E”ということは、右手の建物ね。
そちらに行って見る?」

移動するときや先に行く時は、メールの末尾にでも、
「〜へ行く」と記述してください。

リン<

「ええ、“元の木阿弥”ならばいいけど、
命を無くしては“元も子もない”から、いざという時は宝の事なんて考えない方がいいわ。まあ、出来れば取る…、でいいわね」



 
リン・リリン


オルフィー<

「魔道書かあ。あると良いねえ。
まあ、宝物よりも無事に生還するほうが重要かな。
ま、初めての冒険なんだし、あんまり欲張らないほうが良いのかなあ♪」

クレリア<

「へえ、クレリアさんって、魔法使いじゃないのに詳しいねえ。
なんだか、私よりも魔法使いみたい♪」

ロウ<

「過去を調べる魔法があるけど...
1週間前までしか分からないから、今は意味無しだね♪
ま、進むしかないんじゃない?」



 
ロウ・ファロン

オルフィー<

「ん? おれが決めちまって良いのか?
オルフィーさんかクレリアさんのが適任だと思うがな...
まあ、素人の勘じゃあ、
真ん中の建物に何かありそうな気がするんだが...
この砦に入った瞬間にちと悪寒を感じてね...周囲の4つの塔の事が気になるんだ...そうさなあ、Eの塔から調べてみないか?」

クレリア<

「へえ、地図を書くのがうまいなあ。
手先の技はおれも少しはたしなんでみるかな...
ま、しばらくは武術一本になると思うけどな...」

リン<

「魔法的な仕掛けとかはなさそうか?」



 
GM

砦の構成
 
ロウたちは、正門を通って、砦の敷地内へと足を踏み入れる。
そこで皆一様に、軽い悪寒が背中を通り抜けるのを感じた。
「嫌な空気ね……」
オルフィーがそっと呟く。
所所が荒れている砦には、奇妙な空気が渦を巻いていた。

クレリアは周囲を調べ、そして先程丘の上から見下ろして組み上げた、
簡単な地図を地面に描いて見せた。
「探索の対象は、この五つの建物<A〜E>ですねー。
決定はロウさんにお任せしますけど、どこから行きましょうか」
彼女は地図を示して、ロウの言葉を待った。



 
冒険者クレリア


ロウ<

「あら、でも、そこまで優れた技を持っているわけではありませんよ」
少しばかり照れの色を顔に浮かばせて答える。
「わたしは友人のキッシュという人に、
様々な知識と技を教わったんですが…その人のそれは本当に素晴らしかったですね。遺跡探索に、手先の技は不可欠ですから、次に冒険に出るときは、そういう方を探すといいですよ」

リン<

「そういえば、友達の魔法使いの人に聴いたんですけど…
幽霊のような存在形式の相手には、“力”の魔法が有効だとか。
“炎熱”や“冷気”とかはほとんど効かないそうですね。
武器も魔法も、相手を選んで使えということだそうです」



 
冒険者オルフィー


ロウ<

「そうね、普通に道を歩く時はクレリアが先頭で、
有事の時にはあなたにお任せしようかしら。
あなたに罠関係の技能があるのなら、常に先頭をお願いしたいところだけれどね」
冗談めかして笑いながら答える。

リン<

「その可能性は高いわね。
機密保持の為に抹消される事も多いけど…、それでも、何か役に立つような魔法の知識が埋もれていることはあるわ。
こういった場所でなくても、古代人の遺跡とかには、当時の魔道士たちが書き残した魔道書や、魔道器が残されている事があるしね」



 
リン・リリン


オルフィー<

「魔法の実験場!!」
オルフィーが話す砦の過去に魔法の文字が入ってるのを聞くと途端に目を輝かした。
「実験の魔法っていうと現在、知られている魔法以外の魔法とかもいっぱいなのかな...う〜ん、楽しみぃ♪」

クレリア<

「生物なら良いんだけどねえ...幽霊とかだと魔法も効かないかもしれないもん...
ま、ロウもいるし、クレリアさんもいるから戦闘は大丈夫だよね♪」
ちょっと心配そうな表情をするが、すぐに明るく微笑んだ。

ロウ<

「は〜い。分かってるよ〜だ。
ちゃ〜んと先輩方の指示に従うもん♪」
異形の相棒の揶揄に少し口をとがらせた。



 
ロウ・ファロン

オルフィー<

「よーし、OKだ。危なそうなところはおれが先頭に立つから教えてくれ。
普段は探索慣れしてるオルフィーさんが先のが良いのかな?
それとも、罠関係に詳しいクレリアさんが先?
常におれが先頭でも構わないがどうする」
砦の正門へと歩きながら、オルフィーに問い掛けた。

クレリア<

「へえ、わりとよくか...
それじゃあ、おれ達にとっては遺跡探索の大先輩に当たるわけか。
ま、先輩、一つよろしく頼むよ」
オルフィーが罠は任せたとクレリアに言ったせいか、ロウもクレリアを頼りにしているようだ。

リン<

「しばらくは魔法の専門家の出番はなさそうだな。
余計なものいじって、罠なんか発動させるなよ」
肩に止まる小さな相棒に釘をさすのを忘れない。



 
冒険者クレリア


ロウ<

「ええ、わりとよく来ますよ、こういうところ。
遺跡とかって、大陸中に残っていますからね」
答えてから、微笑して付け加える。
「その分、当たりも少ないんですけどね」

リン<

「魔物も、幽霊も、いるかもしれませんねー。
…魔法が効かない敵はどうでしょう?
あまり、そういう生物は聴いた事がありませんけど」

オルフィー<

「ええ、任せておいてくださいね〜」



 
冒険者オルフィー


ロウ<

「さあ、どうしようかしら?」
砦の構造をもう一度見て、考えるように瞼を降ろす。
二、三秒だけ沈黙し、そして目を開いた。
「正面から行きましょう。
私達には何処にどのような障害があるか、想像することしか出来ないのだから。下手に考えて動き回るよりも、“慎重に”気を使って、正面から進みましょう。まずはね」

クレリア<

「少しはね。
ここは形は砦として造られているけど、
当時ここは魔法の開発・実験場としてよく使用されていたらしいわね。
開発された魔法を、そのまま敵軍に実験的にかけてもいたそうよ。
かなりの指導者の下でされたいたとか…。
それ以外の事は解らないわ」

クレリア<

「罠の類は私には分らないからね。
任せたわよ?」



 
リン・リリン


オルフィー<

「いよいよだねえ。楽しみ楽しみ。
でも、砦というだけあって、頑丈そうな建物だねえ...
まだまだ使えそうなのになんで放棄しちゃったのかなあ...
オルフィーさん、使われていた頃はどんな所だったのか、知ってる?」
とふよふよと三人の仲間の周囲を飛び回りながらもその目はさびれた砦跡に釘付けだった。

クレリア<

「ねね。魔物いるかな、魔物。それとも幽霊とか出るのかなあ...魔法が効かない相手とかいたらどうしよう...」

ロウ<

「はいはい。そんじゃ、おとなしくしてるよ」
そう言って、ちゃっかりとロウの肩に止まった。
「はあ、楽チン楽チン♪」



 
ロウ・ファロン


オルフィー<

「やっぱり、正面から入るのか?」
遺跡はおろか、洞窟探検すらしたことのないロウは自分が探索の素人であることを自覚していた。
そのため、ここは自分よりも知識、経験ともに豊富であろうオルフィーの指示に従おうと思ったのだ。

クレリア<

「クレリアさんはこういったところに前に来た事はあるのか?」

リン<

「遺跡とは言え、砦だ。
外敵に対する仕掛けがどこにあるか、分からないぞ。あんまりふらふらと何にでも近づかない方が良さそうだぞ」



 
GM


その砦は、ちょっとしたものだった。
大きな正方形をした建造物がまず一つ中央に置かれ、
その頂点に四つ、真中のそれよりは劣る大きさの詰め所らしきものが配置されている。
その周囲をぐるりと城壁が囲んでいたが、至る所が崩れ、もはやその役目を果たしてはいない。
これでは、動物や魔物が入り込むこともさぞかし容易であろう。
「さて…、それじゃあ、行きましょうか?」
森を脇に置いた丘の上から砦をそうやって一望してから、オルフィーが皆に告げる。