夢魔の宝石を以って夢魔に捕らわれたフォレスティのシーラ。
シエラ、霧雨、ミネルヴァの三人の冒険者はクロードの願いで、
彼女を夢の世界から救い出す為に、宝石の魔力へその身を委ねた。
GM |
以後、舞台はこちらに戻ります。 |
シエラ・バゼラード |
「っち・・・」 足元がふらつかない自分に苛立ちを感じシエラは舌打ちをした。 (これで戦闘しても・・・、勝ち目はなさそうだし・・・、虚実の中 休憩を取るのははっきりいって嫌な気分なんだけどね・・・) そう気を許したとたんに倒れこむ自分を見てシエラは苦笑した。 (ここで死ぬのかな・・・?) 壁によっかかり、足をなげだす。そして荷物のなかから先ほど使った ポーション・フラグランスを取り出す。 (これに頼ってばかりだよねぇ・・・) 道具に頼ってばかりな自分にまた苦笑するシエラはポーション・フラグランスを静かに使った。 そのまま死ぬのではないかという気分になりながら、シエラは周りの音だけを頼りにするため、目を閉じる。 ≪状態≫
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GM |
扉は、錠が壊れる甲高い音を立てて、拳大ほどの隙間が出来る。 とりあえず、一回目の挑戦の成果はそれくらいだった。 シエラは、どっと疲労した気分になった。 そろそろ足元がおぼつかない。 GM:MP(精神力・体力)は、休憩を取ると宣言することである程度の回復が出来ます。ただし、シナリオ内ではそれに相応の時間が過ぎていることに注意してください。 ≪状態≫
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シエラ・バゼラード |
「はー・・・・はー・・・」 シエラは息をきらし思わずしゃがみこむ。 (・・・、はぁ・・・、不運だなぁ) シエラは背後をみた、まだ仮面の姿は見えない。 そして扉を見た。見覚えのある扉だ。 (無駄だったんだ・・・、戻るの・・・) 少し後悔しながらゆっくりと立ち上がる。 「どっこいしょ・・・」 思わず声が漏れる。 (全力で押すか・・・引くか・・・。) 扉を見ながらしばし考え、シエラは扉の取っ手をつよく握った。 そして、全力で引いてみた。 「ん〜・・・・!!」 |
GM |
シエラの後ろから、天井に貼り付いた顔が、貼り付いたまま滑る様にして追って来る。幸い、その速度はそれほどではなく、長廊下を走る内に引き離していけた。 廊下は本当に長く、永劫の檻の中に閉じ込められたような錯覚を、シエラは感じる。長い長い、石廊下。 途中、何処からか自分を見るような視線を覚える。 しかし、それ以上のものでは無く、それも直ぐに消える。 どれほど走ったのだろう。息が切れ、これ以上走れない程になった頃、廊下は終わった。 前に、どこか見覚えのある扉が見える。 あの、鍵の掛かった大扉だ。 |
シエラ・バゼラード |
「っち」 シエラは素早く立ち上がる。 (選んでる余裕はない・・・が、扉で塞がれてたらやばいな・・・) シエラは滑った勢いをそのままに右折し全速力で走った。 (扉が見えたら体当たり・・・) そう心に誓った。 |
GM |
鬼面夜叉の下へ滑り込み、脱したシエラは、目の前に、またもT字路が広がっているのを見る。 右、左。早急に判断しなければならない。 |
戦闘 |
(あの隙間から・・・) シエラは鬼面と扉の間に飛びこめば通り越せそうな隙間を見つけた。 (普通に飛びこんでも弾き返されちゃうかもしれない・・・) シエラは再び青白い剣に魔力を注ぎ込む。再び剣は魔剣へと変化する。 するとシエラは腰を低くし、小さな出口を狙った。が、鬼面がねらいのふりをする。 (頭から突っ込むけど・・・、生きて帰れますように・・・) シエラは自然と何に鬼面が怒っているのか哀れみながら魔剣を鬼面にぶつける。 三度目の、ソニックスラッシュ。
逃亡成功! ≪戦闘終了≫
≪情報≫
≪状態≫
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戦闘 |
それはその部屋の雰囲気とは程遠い断末魔のような顔だった。 シエラは素早く状況を把握する。 (戦場が狭いし・・・、一発で片付けたいな・・・) 恐怖のため足ががたつく。 女の顔を見れば見るほど恐怖心がシエラを包む。 (なんとかしなくちゃ・・・) シエラはがたつく足に鞭を打ち全速力で巨大な怒る顔を目指す。青い剣を抜く、あまり質感がなくまるで握ってないかのような感触を得る。彼女は構わずその剣に魔力を伝わせる。剣が軽く振動を始める。 その感覚に彼女は満足した。そして低空にジャンプしながら黒豹が獲物を捕まえるような残像をのこし魔剣で捕らえる。 <3消費> 「っは!!」 吐息は小さく、これで反撃を受けたら死ぬだろうなぁと思うと彼女はなぜか冷静になれた。 シエラの斬撃と真空の刃が夜叉を捉える。 ≪戦闘開始≫
≪情報≫
≪状態≫
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GM |
シエラが扉を開いた瞬間… 扉の向こう、彼女の頭上から、音を立てて、巨大な『顔』が降りてきた。 シエラ:
慄きながらも素早く身を翻した彼女の居た場所に、がちんと歯の音を立てて、顔が喰らい付いた。 ≪戦闘開始≫
≪情報≫
≪状態≫
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シエラ・バゼラード |
「!?」 また転移したようだ。洒落た部屋にいまシエラはいる。 (・・・、どんな意味があるんだろう?) 部屋を見まわしてみる、寝台、円卓、茶器、天井・・・。 どれもシエラにとって見覚えがないものばかりだ。 シエラは扉に目が行く。 (あの扉を開けるとどうなるのだろう・・・?) また転移なのだろうか、それとも・・・。 転移に意味があるのだろうか? (誰かの過去・・・?) 少なくとも自分の過去ではないだろう、と彼女は思った。 (たぶん・・・、依頼主・・・もしくは仲間の誰かの過去・・・) とシエラは考えた。彼女なりに考えがまとまったところで なにもおきはしない。シエラは自分の正面にある扉を目指し、 歩き出す。 |
GM |
扉の反対方向へ向かって通路を進んでいたシエラは、一瞬の視界の暗転の後に、自分が瀟洒な造りの部屋に立っていることに気が付く。 部屋の脇には天蓋付きの寝台が置いてあり、真ん中にはその上に茶器の載った円卓。書棚などがある。 彼女と円卓を挟んで向こう側に、扉がある。 また、移動してしまったらしい。 …この度重なる転移には、何の意味があるのだろうか? |
シエラ・バゼラード |
(鍵か・・・) シエラはこの部屋は鍵をかけるほど大切な部屋なのか、と思いつつ、閂が緩んでいるのが 気になった。 (これを緩めたままにしておくだろうか?大切な部屋で・・・) 疑問が残る、落とし入れようとしてるのか、はたまたチャンスなのか・・・。 (今は全力で扉を押すのは避けよう、なにがあるか分からない) と、シエラはその扉に背をむけ、反対側にはなにがあるのかを探りに出た。 |
GM |
扉は開かなかった。どうやら鍵が掛かっているらしい。 閂が緩んでいるようなので、全力で押すか引くかすれば開くかもしれないが…。 |
シエラ・バゼラード |
楽曲が聞こえる・・・ってことは・・・) シエラは仲間がこの部屋にいる可能性はあまりないと判断した。 (楽曲を優雅に聴いてるほど余裕なのかな?普通は抵抗するし、 仲間が弾いてるなんてことはないだろうし・・・、夢魔に捕らわれて 夢魔が楽曲を聴いてるとすると・・・) 勝手に夢魔の部屋と判断したシエラは、 (夢魔の部屋だとすれば捕らえられた人はここにいるはず・・・) つまり依頼主の妻がここにいる可能性があるとシエラは直感でそう 思いこんだ。 (1人で戦えるだろうか?) 今さっきまでの戦闘を思い出す・・・、とても楽勝したとは言い難い。 (時間稼ぎになるだろうか・・・?) その部屋の中の敵にはそれなりに時間稼ぎできるかもしれないが 敵が複数いる可能性をシエラは考えていなかった。 (ところでむこうはどうなんだろう・・・?) きた道を振り返る。延々と廊下が続いている。赤々と光る燭台が不気味に闇を照らす。 (死ぬ場も選ばせてれないなんてね) 心の中で苦笑しながら毒つき、シエラの目の前にある扉のノブに 手をかけ、手の力だけで開けようとした。なにかあったときのために 重心はやや後ろ気味である。 |
GM |
薬香を焚き染めながら進むシエラの目に、一枚の大扉が映った。 精緻な彫刻がされた、扉だ。 かすかに、楽曲の音が聞こえる。 他には進む道は無く、この扉に入るか、戻って別の道を進むかだ。 |
シエラ・バゼラード |
シエラは長い長い廊下を見渡して、どっと精神に疲れを覚えた。 (・・・、これからどうなるんだろう?) 咄嗟に荷物からポーション・フラグランスを1個手に取り使ってみる。 シエラ:MP8回復! ≪状態≫
シエラは勘を頼りに左に伸びている廊下を進むことにした。 |
GM |
部屋を出ると、その途端に、背後の扉が閉まる。 押せど引けど、あの豪勢な食事の並んだ部屋への扉は開かなかった。 通路は、右と左に長く続いている。 |
シエラ・バゼラード |
「・・・っく」 精神的疲れを感じつつ、剣を鞘に戻した。 戦闘終了の余韻に浸る時間はなさそうだ。 シエラは戦闘前に開かれた扉に目をやった。 (あの扉から外にでよう・・・) 部屋の扉から外にでようと歩き出す。 |
戦闘 |
「ちょいやぁ!!」 残った一体の生ける人形に逆沙汰にダマスクスの剣が食いこむ。人形が怯むとシエラは後ろに敵を見ながら軽くジャンプして大きく跳躍すれば斬りこめる範囲にまで後退した。 (後一体・・・) 確認をするかのように念じる、まだバックジャンプした勢いが残ったままの状態でシエラは人形を睨みつけ、大きく跳躍しながら一気に黒い稲妻のような剣戟を人形に叩きつける。 「とぉぉぉうぅぅぅぅりゃぁぁぁぁぁ!!!!」 威勢の声を上げながらシエラが放った斬撃は、しかしものの見事に空振りする。 シエラ:
シエラの全身に、寒気と痺れが走る。 ≪戦闘終了≫
≪戦況≫
≪状態≫
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戦闘 |
シエラはテンポを殺さずに、次なる標的に狙いを定め、風の牙と化した。 剣を振るって、横に向かって跳躍すると、斬撃する。 一撃目は回避されるが、二撃目がその身体に食い込む。 人形は怯んだ様子も無く、シエラに手を伸ばした。 「あぅっ!」 人形の手がシエラに触れた瞬間、彼女は生命力が一気に体から抜けていくような感覚に捉われ、膝を付いた。 シエラ:
後ろから、もう一体も近付いてくるが、シエラは何とか気力を奮い立たせると跳躍し、テーブルの上に飛び乗って距離を取った。 |
戦闘 |
人形を一体ずつ睨みつけたシエラはその内1体の人形に狙いを定めた。 (できるかな・・・?でもいいや・・・、体力は温存したいし・・・、けど・・・、最初の一体はすばやく片付けないと・・・) そして、シエラは弾かれたように跳躍し、目の前の人形に飛び掛った。 風を切りながら、踏み込み、剣を抜き放ち、上段に振り上げ、一気に振り落とす。それはあたかも、地の獲物を掴み殺す隼の如く。 シエラ:
ダマスカスを鍛えて造り上げられた剣が音を立てて人形を引き裂く。 生ける人形Aを撃破! |
GM |
シエラが駆け出した瞬間、それに応じるかのように人形も動いた。 風のように彼女を取り囲む。 彼女を中心とし、それぞれの人形を頂点とした、正三角形の形を作る。 …どうやら、ただでは通さないつもりらしい。 ≪戦闘開始≫
≪戦況≫
≪状態≫
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シエラ・バゼラード |
(!?人形が・・・見てる・・・) 人形が心の無い目線をシエラに送る。 (歩くまでなら分かるけど。こんな目線のなか、料理なんて食べられないよ) 彼女は人形から無理矢理目を離そうとしたとき、開かれた扉が目に写った。 (あの扉から外にでよう) 席を立った瞬間、扉が閉まるのではないかと不安になった。 彼女は、椅子から立った瞬間、扉めがけて走りこんだ。 |
GM |
シエラが席につくと、同時に部屋の扉が開かれる。 開かれた、その瞬間。 部屋の両側に並んでいた柱の影から、数体が姿を現す。 金髪の巻き毛の、小さな、高価そうな人形だ。 それが6体、その足で立ち、歩いたのだ。 そして一様に、シエラに視線を注ぐ。 無機質な瞳が6対、彼女を見詰めていた。 シエラ:
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シエラ・バゼラード |
(!!) 突然見える景色が変わってシエラは驚きを隠せない。 心臓の鼓動が収まったところで引かれた椅子を見る。 (・・・、座れってことなのかな?) 周りを見渡してもこの部屋から抜け出せる方法は見つかりそうにない。 シエラは仕方ないという感じで目の前の椅子に腰掛ける。 ただ、豪華な料理には手をつけない。 |
GM |
シエラが手鏡を天に掲げると同時に、彼女を光が包み込む。 あっ、と思ったときには、彼女は別の場所にいた。 其処はそれまでの奇妙な丘ではなかった。 |
シエラ・バゼラード |
古銀の手鏡のおかげですこし勇気づけられたシエラは その後どうするか考えた。 (んー・・・、食らえ!!鏡の反射光線!!) 上空の無数の目に向け、その鏡を掲げる。 |
GM |
頂上に辿り着いたシエラは、丘の頂上に、光の正体を発見した。 小振りな、美しい手鏡だ。 古風で、精緻な彫刻があしらわれた高級そうな代物だった。 それが、自ずから光を発している。 シエラが手を伸ばすと、その光は鏡に吸い込まれるように消えていく。 シエラは「古銀の手鏡」を入手。 光を失った鏡が、一瞬だけまた、光る。 シエラ:
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シエラ・バゼラード |
(・・・・?) 疑問に思ったシエラは少し警戒しながら、光を発した丘の頂上を 見つめる。 (・・・、行くしかない・・・、今の現状を打破する可能性を秘めてる のは、たぶん、あの丘しかないだろうな) シエラは光を発した丘の頂上を目指し、歩き始めた。 |
GM |
しかし、空には月は無い。 だが―― 「あれ」 シエラは声を上げて立ち竦んだ。 空に月は無い。だが、替わりに巨大な眼が在った。 彼女を見下ろす、深い、黒色の瞳。 ふと気が付くと、満天の星は全て、小さな小さな眼に変わっている。 それが一斉に、虚ろな視線をシエラに注ぐ。 シエラ:
軽い恐怖に捉われながらも目を逸らしたシエラは、目の前の丘の頂上に何かの光を見た。 |
シエラ・バゼラード |
シエラは何回丘に登ったか分からなくなり、その丘の頂上で足を止めた。 (丘ばかり・・・) ふと空を見上げた、満点の星空、しかし、彼女はそう思わなかった。 (月は・・・?) シエラは空を見上げたまま月を探す。 |
GM |
シエラが目を覚ますと、そこは夜の、小高い、一本の木の生えた丘の上だった。 空には満点の星々が輝き、清々しい風が吹いている。 地面には柔らかい芝生が敷き詰められており、高級な絨毯の様だ。 其処は不思議な光景で、丘から見える風景は、全て「丘」である。 自分が立つ丘は、木を中心に緩やかな傾斜で広がって麓に続いていく。 麓はまた別の丘の麓に連結していて、また登って行くと、木に辿り着き、また麓へと続く…。 |