PBeM
〜Dragon Pursurs〜
竜追い達の唄

"煉獄"闘技場
闘技場A




 
リングA

クリスは間合いを取った瞬間、峻烈な突きを繰り出した。
自信と計算の含まれた、力強い一撃だ。

リチャード:
1Hit!
HP−12
39/54

一撃目はリチャードに傷を与え、引き戻される。
そして、再度放たれる刺突。
だが、
「甘い!」
リチャードは、その攻撃を受け流した。
彼の「動体視力」は、この間合いでのクリスの攻撃を完全に見切ってみせたのだ。
クリスが驚愕に目を見開いた瞬間、一旦開かれた間合いは再び詰められていた。同時に、もう一度放たれる<露払い>。

リチャード:
「両手剣」(露払い)
>命中!
>命中!
>回避!
>命中!
>防御!
>命中!
クリスに5回Hit・ダメージ!

MP−5
14/24

「くぅっ」
苦鳴を上げながら、クリスは槍の柄で殴打を掛けてきた。
ガッ
だが、本来槍とは突く物だ。十分な間を持って。
この距離は槍を使うには近すぎる。
再び後退しようとするクリス。先程と同様に牽制の刺突を掛けながら下がろうとするが、しかし二番煎じであり、そして今は先程とは違い傷を負っている。
本当に間一髪の差で穂先を躱しながら、リチャードはクリスに接触する。
<滝登り>

リチャード:
「両手剣」(滝登り)
>命中!
クリスにHit・ダメージ!

MP−5
9/24

「く、は…」
クリスは大きくよろめいたが、辛くも体勢を立て直した。
飛び退き、残身のまだ解けていないリチャードに、連続で槍を突き込む。

リチャード:
2Hit!
HP−7
HP−13
19/54

「くっ」
リチャードは避けられない。
血飛沫を上げながら、だが、怯まず、間合いを詰めに掛かる。
痛手をものともせず、踏み込み、そして三度目の、露払い。
クリスはその刹那、一切の回避を諦めて身を固めた。

リチャード:
「両手剣」(露払い)
>防御!
>命中!
>命中!
>命中!
>防御!
>防御!
クリスに6回Hit・ダメージ!

MP−5
4/24

クリスは踏み止まる。
リチャードは疲労と消耗で霞掛かってきた意識の中でクリスの声を聞く。
「く、ふ、ははは…!」
笑い声だ。
「楽しい、楽しいな。リチャードくん?
ああ、君なら、君なら応えてくれるかも知れない…!」
クリスは槍を両手に構え、一挙動に飛び掛ってきた。
「行くぞ、<風車>!」
クリスは槍を旋回させ、遠心力をそのままに、無数の「斬撃」を放った。
いや、放とうとした。
リチャードの三度目の<露払い>で、既にクリスは力尽きていたのだ。
槍はあらぬ方へと飛んでいき、クリスはどう、と前のめりに倒れる。
「優勝者が決定しました!」
審判の声が会場に響き、そして、盛大な歓声と拍手がリチャードに送られた。

戦闘終了!

リチャード:
HP…19/54
MP…4/24

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

<現世界・対人戦>…優勝!
リチャード・ハードカースル:
2の経験値と600ルディを得た!
HP完治!
MP完治!

舞台は、“煉獄”闘技場へ戻ります。



 
リングA

(この人、強い……)
男―――クリスの実力は、リチャード以上か。

さらに、間合いの差。
先ほどの格闘家との対戦で分かるように、この差は致命的だ。
リチャードは、そう感じた。

(僕の間合いに入るんだ……それしかない)

極めて落ち着いたそぶりを見せる。動揺してはいけない……
そうやって爽やかに微笑みかける。
「僕はリチャードと言います。
よろしくお願いします、クリスさん。
もちろん、あなたの期待に答えるよう、全力を尽くしますよ。」

そう言って、獅子大剣を引き抜く。
正眼に構え、呼吸を整える。
(負けられない……!)

そして、まず、動いたのはクリスだった。
「見せてもらおうかッ」
構えを崩さず滑るように間合いを詰め、すくい上げるような一撃を放つ。
先手の攻撃はリチャードの剣に阻まれ、鎧に流された。彼は回避しようとしたのだが、それが適う速度ではなかった。
滑っていく槍の動きに逆らわず、クリスはそのまま柄の部分を打ち付けてくる。

リチャード:
HP−3

打撃そのものに大した威力は無かったが、それで態勢を崩した所に、翻っての突きが襲い掛かってくる。リチャードはそれも鎧に滑らせて、際どい所で凌ぐ。
攻撃を外させ、隙を作ったかといったところで、クリスは素早く槍を引き戻し、間合いを作り直そうとした。最後の一撃は大振り気味になってしまっていたのだ。そして、そこはリチャードが狙っていた隙だった。
後退するクリスに追随する形で、リチャードも間を詰めた。
クリスは小さく舌打ちをした。槍の間合いを突き抜けたのだ。
「はあっ!」

リチャード:
「両手剣」(露払い)<防御
>クリスにダメージ!

MP−5
19/24

すかさず、リチャードは「露払い」を放つ。
だが、間合いを詰められたと悟った瞬間に、クリスは構えを変え、防御に専念していたのだ。繰り出された連撃の幾つかは弾かれた。ニ撃が、防御を掻い潜ってクリスの鎧越しに打撃する。
クリスは呻きながら更に後退する。リチャードは「滝登り」で追撃を掛けようと向かうが、
「くっ」
攻撃ではなく、追撃を阻害することだけを目的に、クリスが抜き打つような一撃を放つ。胸を打撃され、たたらを踏む内にクリスは間合いを取り直した。

戦況の変化で、行動方針に変更をする方はメールを送ってください



 
リングA

合図と共に、奥から一人の人間が現れる。
獅子の鬣に波打つ白銀の髪を垂らした男だ。身体には、その髪と同じく鮮やかな銀の鎧を身につけ、白い外套を纏っており、手には長い銀の槍を提げ、太陽の光を浴びて眩く輝いている。
「君が最終戦の相手か」
男はリチャードに向かって、
「俺の名はクリス。
オルン・アルド・クリスだ。
……君の力を見せてもらおう。全力で戦う。全力で応じて欲しい」
言うと、半身になって、ぴたりと槍を構えた。
動作には一部の隙も無く、身の振り方から、槍術だけではない、他の武術も身につけているものと見える。金属の防具を装備している為に防御能力は高いだろうし、槍の射程は長く、剣で相手をするには不利だ。
クリスの双眸は鋭くリチャードを見つめている。小さな動きも逃さず補足しているようだ。目も良いらしい。
一見しただけで、相当な強敵である事は知れる。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

最終戦<現世界・対人戦>

リチャード・ハードカースル(LV4)
VS
パルマ・アルド・クリス(LV5)

互いにダメージ無し
互いに疲労無し
互いに状態変化無し

戦闘開始!



 
リングA

薬草を使用して、軽い疲労の残っていた身体を休める。

リチャード:
MP完治

続けるか止めるかの審判の言葉にリチャードは、

(よし……!)
そう心で呟くと、剣を軽く振り、握り直す。
「ええ。続けて戦います。
次が最終戦か……。今まで以上に気合を入れていきます。」

審判は頷いて、最終戦の開始を告げた。



 
リングA


審判がリチャードに声をかける。
「このまま続けるかね?」
次は最終戦である。
今までのようには行かない相手だろう。
ここで中断する事もできるし、勿論続ける事も可能だ。


 
リングA


リチャードは起き上がりながらレオを手放し、バゼラードを引き抜く。
彼が探検を構えるとほぼ同時に、格闘家が短杖を持ったままに蹴りつけてくる。リチャードは蹴りを受け止め、短剣を振るって反撃を送る。
すっ
一撃目は悠々と躱される。
が、リチャードは続けて踏み込み、
「はっ!!」
格闘家の杖を持つ手に向けて、鋭く斬撃を繰り出す。

格闘家
―致命的失敗―

リチャードの攻撃を受け止めようとした格闘家は、
足を滑らせて大きく態勢を崩し、同時に足首を痛めた。
当然、襲い掛かる刃を避ける術など無い。

リチャード:
「片手剣」<旋風>Hit!
>格闘家にダメージ!
「武器落とし」成功!
>格闘家の炎樹の棒を叩き落した!

「ぐ、嘘だろ――!」
情け無い声を上げて、格闘家は転倒する。
リチャードは地面に落ちたワンドを蹴り飛ばして、すかさず手放していたレオを拾い、短剣と持ち替える。
「降参、降参だ!」
地面に座り込んだままだった格闘家は、咽喉元に剣を突きつけられ、両手を挙げて叫んだ。
格闘家の奥の手を見て沸き立っていた観客達が、その失態に激しくブーイングを飛ばす。
「…………」
格闘家は、本当に情けなさそうな顔をしていた。

戦闘終了!

リチャード:
無傷
パーフェクト・バトル達成!



 
リングA


格闘家が、戦闘開始の合図と共に先手を取って動いた。
距離を一気に詰めるべく、疾走を掛ける。
拳打の間合いに入れば自分が有利だと踏んだのだ。
あと二歩の距離。

ぶん

間合いを見逃さず、リチャードがレオの斬撃を放っていた。
格闘家は息を呑んで飛び退さる。同時に、リチャードが後退して、再び間合いを広げる。
(牽制かッ)
格闘家は舌打ちし、再度接近を試みる。なにより、近付かなければ話になら無いのだ。そして大剣の間合いに入った瞬間、また斬撃が襲い掛かる。格闘家はそれを掻い潜ろうとしたが……、疾い。
肩口を軽く刃が切り裂いて行く。
剣が翻り、二度目の斬撃が襲い掛かるのを悟って、諦めて後退する。
その直後、リチャードから突進が掛かった。虚を疲れた格闘家は反応が出来ない。身体を前傾に倒してほとんど地面と並行に走り、格闘家の眼前に来て、突進の勢いをそのまま斬撃に移して、剣を振り上げる。
「がっ!」
竜が滝を昇るように、下から上へと切り上げる斬撃。
格闘家はもんどりうって地面を転がる。
即座に起き上がるが、手痛い傷を受けいていた。
「ちっ……」
唾を吐いて、格闘家は身構えて態勢を立て直す。
リチャードは再び静止して剣を構え、待機状態に入る。
格闘家は歯噛みした。
(見切られている。相手が悪いぜ、畜生)
間合いの長さも防御能力も、一撃の威力もリチャードの方が上だ。
その相手に待ちに入られては、どうにも攻めあぐねる。
持久戦になっては自分が振りだ。なにより、自分はもう結構な傷を受けているのだ。
仕方なく、格闘家は奥の手を出す事にした。ベルトに挟んでいた金属の棒を取り出し、リチャードに向けて構える。
「オルヴァ・フォーリレア!」
刹那、棒の先端から炎が膨れ上がり、リチャードに向けて噴出する。
「っ!?」
リチャードは地面に転がって炎をやり過ごす。
格闘家はその隙に間合いを詰めてきた。

戦況の変化で、行動方針に変更をする方はメールを送ってください



 
リングA


リチャードの休憩が済んだのを見て取って、審判が第三試合の開始を告げる。そして、リングへと次の対戦相手が上がってきた。
上半身裸のままの、浅黒い肌の闘士。
手にバンドを嵌めており、おそらく拳を武器として戦う格闘家だろう。
余分な荷物…
すなわち防具を身につけていないのでその動きは俊敏だろうが、しかしほとんどの攻撃が一撃必殺の脅威を持つ。それでも自分の速さを重視するのだから、相当な自信を持っているのだろう。
拳の間合いに入らせなければ、案外簡単に倒せるかも知れない。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

第三戦<現世界・対人戦>

リチャード・ハードカースル(LV4)
VS
格闘家(LV3)

互いにダメージ無し
互いに疲労無し
互いに状態変化無し

戦闘開始!



 
リチャード・ハードカースル


リチャードは懐から、ポーション「キュア」と「ディスポイズン」を取り出し、包帯と共に使用して怪我の手当てをした。

リチャード:
HP+7
毒回復



 
リングA


魔法使いは満足げな笑みを浮かべて、対戦相手の剣士の様子を見やった。青ざめた、毒に冒された表情。どんな屈強な戦士であろうと、内からの苦痛には脆い。達人の技も神算の読みも、無意味となる。
出来るだけ長引かせて、毒が回るのを待つのが得策。魔術師は跳躍して距離を取った。
「魔術は神秘なる力さ、剣士殿」
嘲笑を呟きに乗せて、魔術を詠唱始める。
同時に懐からナイフを三本取り出す。
「不可視なる力、大いなる夢の欠片。
我が手に紡ぎ糸を括り、我を繰り手と成さしめよ」
行使と同時に、彼の手に在ったナイフが宙に浮き、舞う。
“ダンシング・ナイフ”
無限の糸を結び、自在に物体を操る。
これを魔術師は、リチャードの間合いの外から彼を攻撃しようという腹積もりだったのだ。一瞬の注意をナイフに向けていた魔術師は、顔を上げて、リチャードへとその武器を投じる――その、一瞬前だ。
「!?」
リチャードが地を蹴って、近からぬ間合いを埋めて俊速の勢いで斬り掛かったのは。
「はぁっ!」
痛んだ筋肉を軋ませ、放つのは神速の連撃。
ザ、ザ、ザザザザ!
からから、と音を立ててナイフが三本とも地に落ちる。
魔術師は一瞬にしての形勢逆転の憂き目を見たのだ。
油断が慢心を呼び、その隙をリチャードは的確に突いたのだ。
無数の刃風を見切る事も出来ず、血溜まりに倒れる。まだ生きてはいるようだが、戦闘続行は不可能だ。
審判が、第二試合の決着を告げる。

リチャード:
「両手剣」「露払い」Hit!
>魔法使い(LV3)を撃破!

《戦闘終了》

リチャード:

HP−1
…50/54

ステータス異常
…毒



 
リングA


相手が魔法の使い手だと踏んだリチャードは、その行使の時間を与えないように、開始の掛け声と同時に速攻を掛けた。
「だぁっ!」
振り上げる一撃は避けられたが、相手の驚いたような気配が窺える。
翻った斬撃を繰り出す。息も吐かせぬ連撃を。
外れ、外れ、掠める。
相手は魔法を詠唱する余裕も無く、ひたすら回避に専念している。じれたような舌打ちが、魔法使いの口から洩れる。
魔法使いは、一気に全力の魔法を叩き付けて、即行で終わらせるつもりだったのだが、完全に機先を制された形であった。
威力を捨てて速さを重視し、接近戦の中でも有効な魔法を選択する。
彼の頭に浮かんだのは<ヴォルト・ハンド>と、幾つかの魔法だ。
口を開き、詠唱を……
「!」
集中と共に集めかけていた魔力が霧散し、消える。
魔法使いが詠唱に入ろうとしたのを見抜いたリチャードがその剣で迅雷のような斬撃を掛けたのだ。刃は魔法使いを切り裂き、血を迸らせる。
苦痛に堪えながら、魔法使いは何度か詠唱を試みるが、
その度にリチャードがそれを阻害する。業を煮やした魔法使いは、隙を見て懐から短刀を抜き、振るった。リチャードは反射的に刃風を避ける。
そこで、連撃に隙間が出来た。
「黒く小さな死の使い魔よ。
我が掌に、冷たく震える息吹を流せ」
そこを逃さず詠唱を終わらせた魔法使いは、先程までとは逆に、リチャードに向かって走り込んだ。
彼の一撃を掻い潜って、その身体に手を触れる。
「くっ」
魔法を掛けられた…。それを意識するより早く、全身に痛みが走る。
<ポイズン・タッチ>手を触れることで対象を毒で蝕む、邪道の魔法だ。
遅効性の毒で、その威力と持続性は術者の力による。
恐らく死に至るほどの毒では無いだろうが…、戦闘に与える影響は甘くは見れまい。出来るだけ短時間で決着をつける必要がある。

リチャード:
「両手剣」攻撃2Hit!
>魔法使い(LV2)にダメージ!

《戦況》

リチャード:

HP−3
…51/54

ステータス異常
…毒



 
リングA


リングの上に立ち、次の体者を待つ。
数十秒後に、入り口から人影が訪れる。
暗灰色の長衣を纏った、おそらくは男性。
足音をこそとも立てずに進み、リングへと登る。身のこなしは軽やかで、これといった無駄が無い。魔法の使い手と踏んだが、
体術の方も心得があるようだ。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

第二戦<現世界・対人戦>

リチャード・ハードカースル(LV4)
VS
魔法使い(LV3)

互いにダメージ無し
互いに疲労無し
互いに状態変化無し

戦闘開始!



 
リチャード・ハードカースル


進行係<

「大丈夫。体があったまってるうちに次をやりたいしね」



 
GM…リングA


リチャードに、進行係が声を送る。
「一旦休憩しますか?
それとも続けますか?」


 
リングA…2ターン


ほんの数秒、空白の時があった。
剣士が攻めあぐねて、様子見にリチャードと間合いを取っていたのだ。
盾をかざして、脇に剣を構え、防御は完璧とでもいった所である。
相手のほうから動くつもりは無いようだ。
しかしそれはリチャードにとって、大した障害にもならない。
すっ、と間合いを詰め、閃光の一撃を掛ける。
甲高い音を立てて、盾に刃が弾けた。立て続けに何度も。
が、が、が、が、ガン!
火花が散り、剣士の防御が揺れる。リチャードの連撃だ。
縦、横、斜め。上から下から。
剣士はじりじりと後退していく。彼は完全に押されていた。
収まりを見せないリチャードの攻撃に焦り、剣士は逆転を図って、縦の下から攻撃を繰り出した。
胸を狙って突き出された刃は、しかし空を滑る。
それまで攻撃を続けていたことなど何でもないように、リチャードは感嘆に斬撃を予測し、避けて見せた。
攻撃には常に隙が付きまとうものだが…それだけの実力差があるのだ。この剣士とは。
彼と同様に、そして剣士も隙を生み出していた。
それを、リチャードは狙う。
「はぁっ!」
防御の解れを縫って、リチャードの斬撃が剣士に食い込む。
「ぅあっ!」
剣士はよろめく、そこへ素早く追撃が襲い掛かる。
一度、二度。
斬撃は盾を、剣を跳ね飛ばし、剣士は戦意を喪失した。

「一回戦、勝者はリチャードに決定しました!」

進行係の声が響く。

リチャード:
「両手剣」攻撃3Hit!
>剣士(LV2)を撃破!



 
リングA…1ターン


始めに動いたのは、相手だった。
剣を構えて、気合の声とともに斬り掛かってくる。
「だあああぁっ!」
機先を制すれば勝てると踏んだのだろうか。
相手も若者、与するのに困難は無いと思ったのだろうか。
ならば、それは早計というものであった。
半身の構えの、後ろの足に重心を移す。それだけの動作でリチャードは羽風の外に逃れ、相手の攻撃を捌いて見せた。
彼の構えが固定されているのに対し、
剣士のそれは見事に崩れて身体は泳いでいた。
無論、見逃しはしない。
「はっ!」
逆袈裟に、渾身の一撃を見舞う。
胸当て越しに痛打され、剣士はもんどりうって倒れた。ひゅうと、息を吐き出す音が聴こえる。何とか立ち上がり構えを取るものの、
剣士は明らかにリチャードに気を呑まれていた。

リチャード:
「両手剣」攻撃Hit!
>剣士(LV2)にダメージ!

剣士(LV2):
「片手剣」攻撃失敗!



 
リングA


リングへと進み出でてきたのは、一人の人間だった。
二十歳くらいの若者で、一振りの剣と、方形盾を携えている。
男は、緊張した面持ちで壇上を向かってくる。
指定された位置に並び、闘技者達は互いに武器を構えた。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

第一戦<現世界・対人戦>

リチャード・ハードカースル(LV4)
VS
剣使い(LV2)

互いにダメージ無し
互いに疲労無し
互いに状態変化無し

戦闘開始!



 
GM…リングA


リチャードは控え室から、リングのある広場へと向かった。
そこには空間が円状に大きく広がり、それを囲うようにして観戦者の席が階段状に並んでいる。
そこに、石の闘技場が数個敷かれていた。
リチャードのその中の一つに上がると、対戦相手もリングへと上がる。
進行係が闘技者の説明をはじめた。
観衆が、沸く。