PBeM
〜Dragon Pursurs〜
竜追い達の唄

大魔術師王国イ=サード
ロトッカ地方の大国、自然を重んじる緑の国。
若王セイフレイが統治する。彼は緑色の賢王と呼ばれており、
その名に恥じない素晴らしい政を行っている。

:大魔術師王国 東門:
 騎士王国のあるバーナード地方への出口。
 日が落ちるまで、人の流れが絶えることはない。

投稿(件名…大魔術師王国 東門)
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GM

 ノトとアルバはウォークやシーニアと合流し、密やかに出発した。
 先だって、テスたちと来た時と同じような景色だ。あのときと比べて、戦力は二つ落ちて、変わりに一つ増えている。(そういえば、テスはどこに行ったのだろう? いつの間にかいなくなっていて、しかもいないのが当たり前のように感じていたが、さて?)

 やがて、討伐隊は北へと順路を変える。
「さて……どうなることか」
 アルバが呟く。
 一行は、討伐隊と袂を分かち、そのまま東へと進んでいく。

 よく手入れされていた街道だが、郊外まではなかなかその手も行き届かない。両面の木々がだんだんと近づいてきている。

 危険感知判定:分類/統制立っていない奇襲
  ノト:成功!
  アルバ:失敗!
  ウォーク:失敗!
  シーニア:優秀な成功!

 と。

 荷馬の手綱を引いていたシーニアが立ち止まり、すっ、と、隣を歩いていたノトの袖を引く。
 一瞬遅れて、ノトも気が付く。

 正面、やや右。
 一人、二人……何かこちらに害意を持った少人数が木々の中に隠れている。



ノト

アルバ<

「そうですね。彼らが出発した後に、僕らも行きましょう。」

 さて、いよいよだ。リゼル達を先頭に討伐隊が出発するところを眺めながらノトは気を引き締めなおした。
 過去にも商隊の護衛を何度も経験しているノトには、今回の盗賊団襲撃の一件はどう考えても偶然ではない。何らかの理由でこのパーティが狙われたのだと確信していた。
 ただ、盗賊団にとって昨日と今日では状況が大きく違う。奇襲は失敗し、討伐隊まで組まれてしまった。賊の側にすれば不利な条件が多すぎる。これを見てあきらめてくれればいいが…。

「あるいは…」

 思わずつぶやいてしまう。
 そう、一番の心配は、それでも賊が襲ってきた場合だ。
 そこまでのリスクを冒してでも狙われるだけの何かがこのパーティにあるということだ。そこまでの執念を見せる賊を相手にその何かを守りきれるだろうか。

「……」

 考えている間に、討伐隊は出発してしまった。ノト達も行かなければ。
 そうだ、行かなければ何も始まらない。
 自信があるわけではないが、できる限りのことをしよう。決意を新たに、ノトは自分の荷物を担ぎなおした。

「行きましょう。ウォークさんとシーニアさんに合流しないと。」

 アルバと一緒に、出発する。


GM

 人の往き来の多い街道沿いで、大きな都であるイ=サードの近郊でもあることから、森も切り払われている。総じて見通しは良く、不意打ちの危険は少なそうだ。

「しばらく街道沿いに進み、最初の道標があるあたりで、北進することになる。そうすると、道は極端に悪くなるから、見通しは利かなくなる。
 ただし、そうなると我々にも利点が出てきます。
 たとえ、敵が我々の接近を察知していたとしても、こちらの手の届かない距離から狙撃することはできなくなるわけです。
 そうなると、近接戦になる。であれば、我々に有利な点が多くなりますね」
 アッサムはそんなことを話ながら隊伍を整えて進む。
 やがて、リゼルを先頭にした討伐隊は件の道標の場所までたどり着き、街道から外れて北に向かっていく。


リゼル

 アッサムの後をついて町を出る。

 前衛を頼まれたので、なるべく一隊の先頭近くを移動するように試みる。

「辺りの状況には十分に注意しなくちゃいけないな。」

 咄嗟の状況に何時でも対応できるように、リゼルは常に辺りの地勢がどうなっているか把握することにした。

 さて、今歩いている所の地勢はどんな感じだろうか?


アルバ

ノト<

「丁度いいタイミングだな。
 もうそろそろか。
 今度は運に恵まれればいいが、どうかな?」


ノト

 手を振ってきたリゼルに笑顔でこたえ、
 少し離れた所から討伐隊の動向を見守る。

アルバ<

「ちょうどこれから出発のようですね。
 少し待ちましょう。」
 ノトは、討伐隊が出て、少し間をおいてから出発するつもりでいる。


アッサム

リゼル<

「ありがたい」
 少し不思議そうな顔をしていたが、頷くと破顔する。

ALL<

「では、出発しましょう!」
 手を挙げると、東門から出て行こうとする。
 他の一行に問題がなければ、そのまま街の外に出る。


リゼル

「この状況では是非もなしかな・・・」

「ホバークなければ嫌です」と言えるほどリゼルには勇気がない。
 そういうのを勇気と言えるかどうかも怪しいと考えると、一人苦笑した。

「くすっ」

アッサム<

「いえ、何でもありません。
 前衛を務めさせてもらいます。」


アッサム

リゼル<

「これは力強い」
 安心したように笑みを見せるが、その後のリゼルの挙動に首をかしげる。
「どうかしましたか?
 いえ、もちろん、不安であれば無理にとはいいません。わたしが前衛を務めます」
 実際、この自警団の装備はほとんどが革鎧で、金属製の防具を身につけている者はほとんどいない。その中で、騎士のアッサムだけが、騎士団、つまりは国王から下賜されている高級な装備を帯びているのだ。
 だが、まあ、それはともかくとして、アッサムはリゼルが何を気にしているかは気がついていないようだ。


リゼル

アッサム<

「あっ、はい!
 やります。」

 アッサムの問いに反射的に肯定的に応じたが、自分の防御が皮鎧とレンタル盾だけなのを思い出して、ちょっと不安になった。思わず、しげしげと自分の装備を見て、そして、肩を落として両手を広げると、アッサムに向かってギブアップの仕草をして見せた。最前に立つとなれば、せめてホバークくらいは装備したいところだが・・・矢の標的になったときに上手くしのげるだろうか?


アッサム

リゼル<

「私たちの中でもっとも機敏なるはローパー、力強いのはリゼル、あなたと見ました。
 よって、本来女性を守るべき立場にありながらこの依頼をするのは心苦しいですが、戦における前衛を任せてもいいですか。
 側面を私とローパーが固めるのが最上と思いますが」


衛視ローパー

リゼル&アッサム<

「やるからには生きて帰るさ」
 槍を合わせる。


リゼル

 目の端にノト達の一行を捉える。

「おやっ!?」

 ノトを方を見て手を振る。
 しかし直ぐに向き直って、ショートハルバートを引き出すとアッサムやローパーの武器と重ねる。

アッサム&ローパー<

「おう!」

 アッサムの言葉に掛け声で応える。


アルバ

ノト<

「いるようだ、間に合ったな」
 ノトにいわれて、リゼルの姿に気がつく。
「彼女もうまくいったようだな」

リゼル<

 リゼルに向けて拳をあげてみせる。


ノト

 アルバとともに東門にやってきたノトは、早速衛士たちの集団を見つけた。
 恐らくあれが討伐隊であろう。どうやら出発に間に合ったようだ。

アルバ<

「アルバさん、なんとか間に合ったようですね。
 あ、そこにリゼルさんも。」
 あまり目立たないように、小さく指さす。声も抑え気味だ。
 誰がどこから見ているか分からない。そう考えての配慮だった。

 ノトには討伐隊に合流する気はない。同じタイミングで出発したいだけだ。
 だから、リゼルにもこちらから声をかけるつもりはなかった。
 ただ、彼女たちの作戦の成功を祈るだけだ。


GM

 騎士が先頭に立って衛視たちへ話しかけているところに、ノトたちもちょうどやってくる。彼らは互いに気がつくかも知れないし、気がつかないかも知れない。


騎士アッサム

リゼル<

「よろしい」

リゼル&ローパー<

「それでは、あなたたち二人にお任せします。
 よろしいですか、この一行の命を預かるのは、私たちです。
 ともに、最大限の力を尽くして、頑張りましょう」

 槍を抜くと、二人の前に差し出す。
 武器をあわせようというらしい。


衛視ローパー

リゼル<

「…………」
 期待が外れたような顔をして、リゼルを見返す。
 やがて、肩をすくめてアッサムに向かう。



リゼル

 ローパーの多少挑戦的な言葉にどのように対応するか、一瞬迷う。

 表情を変えずに、ゆっくりと獲物を持ち上げて挨拶すると、目をそらす。
 まっ、そのうちに直ぐにお互いの実力を知ることになるさ。
どれほどのものかは、その時にね。

 アッサムの方に向き直る。


衛視ローパー

アッサム<

「おれが行こう」
 身軽そうな革鎧に、柄を短く切りつめた槍を手にした男が出てくる。
「のんびりした騎士様と、素性の分からん嬢ちゃんには任せてられんだろうさ」

 感情を伺わせない目でアッサムとリゼルを見やり、つぶやく。

リゼル<

「なあ、嬢ちゃん?」
 にやりとして、リゼルを見やる。



騎士アッサム

リゼル<

「ほう?」
 アッサムの目がリゼルを見つめる。
 しばらく見ていたが、軽く微笑んでうなずく。
「いいでしょう。それでは、あなたにもお願いします」

 他の者を見回して、

「他にはいらっしゃいませんか!」

 との声に、いらえがある。


リゼル

 尖兵?
 待ってました。

アッサム<

「騎士殿!尖兵、私ではどうでしょうか?」

 レンタルの盾を構えて、一歩前に出る。


騎士アッサム

ALL<

「それでは、皆さん。
 私たちはこれより、賊の討伐に向かいます。
 賊の数は15名、私たちは総員25名ですが、相手は弓で武装しているとの情報もあり、油断はできません。
 賊の本拠地は森の中です。このため、騎兵は機動力が期待できないため、今回は確保していません。
 尖兵を3名立て、3名を殿に、両翼に4名ずつ、残りは中央に配置します。尖兵の1人は私が務めますが、後2人には志願してもらいたいと思います。
 尖兵に求められるのは注意力と、急場の時の戦闘力です。
 どなたか、いらっしゃいませんか?」


リゼル

「あっ、はい」

 アッサムと紹介された人物に軽く会釈すると、皆に向き合って話し始める。

全員<

「今、紹介して頂きました、リゼル・マリーネといいます。リゼルと呼んでください。」

 右手でハルバート、左手に金鎚を持ち上げて

「実戦もこなしますが、武具修理もします。また、怪我の治療も行えますので、必要な時は声をかけてください。」

 再び軽く会釈すると自己紹介を切り上げる。隊長から指示が出るのを待つ。


衛視長ランダム

隊員達<

「よろしい、集まっているな。
 大分前にも紹介したが、こちらが王国騎士のアッサム殿だ。今回の作戦の指揮を取られる。
 アッサム殿は件の南方戦線の緒戦で大きな勲功をあげられ、任期を満了して戻ってこられた。本来、このような小さな任務につかれる方ではないが、ご自身の希望で来てくださった」
 アッサムが一礼するのを見て、続ける。
「また、ここに新しい顔がいることに気がついていたものもいるだろう」
 隊員の中に混ざっていたリゼルを示す。
「リゼルといい、志願して加わった。今回討伐する野盗に襲撃を受けた冒険者の一員だ。やられたらやり返す、その気持ちは皆知っての通りだ。
 特別扱いも、よそ者扱いもしない。隊員の一人として考えるように」

リゼル<

「それで良いな。
 何か挨拶はするか?」


GM

 三々五々、隊員達が集まってくる。
 きっかり一時間後に、リゼルが見た、騎士然とした風体の男を連れてくる。


リゼル

「あーあ、退屈だな・・・」
 ハルバートの先を地面に突き刺して固定しそれに寄りかかるようにして、誰か来るのを待つ。


GM

 リゼルは東門へと到着した。
 まだ現在のところ、衛視たちが来ている様子はない。
 まあ、程なく集まってくるだろう。
 遠くから、様々な人たちがやってきて、門をくぐって中に入っていく。