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〜Dragon Pursurs〜
竜追い達の唄

守護者の町フラヌ:
フィアデルト地方の南部に位置。
人族の領域がまだこの地帯に行き渡っていなかったとき、ことあるごとに、魔物の軍勢の攻勢にさらされていた町。
現在でも、南部からやってくる魔物達が徒党を組みこの町を襲撃してくるため、この町の住民は皆「強い」。
「不落のフラヌ」として、人族と魔族のどちらにとっても名高い場所である。

:守護者の町 酒盛りの宿:
 フラヌの始まりの時、今は伝説となった冒険者たちが我が家としていた宿。
 かれらによって五十年ほど前に建てられ、かれらの仲間や友人たちによって維持されてきた。そのときから最近まで、問題ごとの請負を行っていたが、「竜追い」の普及によって手を引き、本当に、酒盛りの宿になった。
 店主はガウツという名のドワーフであり、以前のマスターから経営を引き継いだ。
 
投稿(件名…守護者の町 酒盛りの宿)
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GM

 アイアンイーターとビーンは、遺跡都市シューレスクの所在地と言うことで有名な、フラヌの西にある森に向かった。
 途中にオールグの原を挟んでいるため、まずはそこを越えなくてはならない。


ビーン

ガウツ<

「お土産を楽しみにしていて下さい!」

アイアンイーター<

「では最初は、遺跡の森に向かいましょう」


アイアンイーター

ガウツ<

「…………まあ、気にしないことにしておこう」
 それから、普通の声で、
「では、行ってくる」


ガウツ

アイアンイーター<

「大丈夫だ。信用できるかどうかという意味ならな。
 ……ただ、ほんの少しばかり、重要な部分を母親の腹の中に置いてきちまっているらしいな」
 嘆かわしげに頭を振る。
「普段は本当に問題ない奴なんだが」


アイアンイーター

 握手に対してはおざなりな態度を返しつつ、ビーンから離れて、密かにガウツに聞く。

ガウツ<

「……あの人物は、大丈夫なのか?
 何かしら問題があったりはしないだろうな?」


ビーン

アイアンイーター<

「ええ、そうですね!」
 明るく笑って、握手を求めるように、アイアンイーターに手を差し出す。


アイアンイーター

ビーン<

「よし」
 うなずくと、
「では、行こうか」


ビーン

アイアンイーター<

「ええ、出来ればすぐにでも」


アイアンイーター

ビーン<

「いつ行くんだ?」


ビーン

アイアンイーター<

「ええ、そうですね」
 うんうんと忙しく頭を上下させる。
「ええとですね、ある特定の魔物と動物の部品が欲しいんです。どれが目的の生き物かは私が見れば分かりますので、それについてきて下さって、狩るのを手伝って下されば、と思っています」


アイアンイーター

ガウツ<

 頷きを返す。

ビーン<

「それで、具体的にどのようなことをするんだ?」

ガウツ

 ビーンにおざなりに礼を返し、どこかしら複雑な表情を覗かせながら、

アイアンイーター<

「この男が、さっきの話の、知り合いだ」


ビーン

ガウツ<

「どうも」
 親しみを込めて挨拶をし、アイアンイーターの方に向き直る。

アイアンイーター<

「あなたが私の仕事を手伝って下さるという方ですか?」
 にこにことして、寄ってくる。


GM

 それからしばらく後、ガウツが呼びにやらせた人物がやってきた。
 やたらと細長い体格の人物で、大げさな荷物を背負っている。
 きょろきょろと店内を見渡して、それから活き活きといた風情で寄ってくる。


ガウツ

アイアンイーター<

「話が早くて助かる」
 もっともらしい顔でうなずく。


アイアンイーター

店主<

「会おう」
 端的に答える。


ガウツ

アイアンイーター<

「地味だ。改めていっておくがね。
 おれの知り合いにトーマ・カルガラに憧れている奴がいてな。名前はビーンというんだが、とりあえず、その技術をものにしたいとかいって、……まあ、その材料を集めたいということらしい。
 以前に比べて、すっかり廃れちまった文化だから、ほとんど取り合ってくれる奴もいない。
 危険はそれほどないと思うがね。
 ……興味があるなら、会ってみるか?」


アイアンイーター

店主<

「その狩りの手伝いというのは、どんな仕事なんだ?」
 それから、髯を撫でながら、
「まあ、困窮しているのは確かだ。実をいうと、財布の中身は埃しか入っていない」


ガウツ

アイアンイーター<

「そこまで困窮しているのか?」
 グラスを傾けながら、目の端に笑いを滲ませる。
「そうだな……。
 荷物の配達や、とある品の採取、あとは、狩りの手伝いとか、そんなところだ」


アイアンイーター

店主<

「仕事があるなら、願ってもないことだ」


ガウツ

 含ませておいた言葉をしっかり拾われて、苦笑いする。

アイアンイーター<

「そんなところだな。
 どうも、この街に来る冒険者の大半が、“始まりの時の冒険者”のような仕事を求めてくる。
 世の中、そんな派手なことばかりじゃない。
 ……そのようなわけで、おれの斡旋できるような仕事は地味な奴らばかりだが、そういうのでもいいのなら、ないことはないな」


アイアンイーター

店主<

 麦酒はありがたくいただくことにする。
「ふぅむ。とすると、冒険者に向かない仕事なら、何かあるということかな?」


ガウツ

アイアンイーター<

「まあまあだ、同胞」
 食器の整理を終えて、一休みにと、麦酒を持ってくる。「飲むか?」とでもいうように掲げて見せてから、椅子に座る。
「冒険者向きの仕事は、そちら専用の店が出来たからな。
 なかなかこっちにはやってきやせん。
 質が悪いならともかく、そうでもないようだしな」


アイアンイーター

店主<

「景気はどうだ?」
 カウンター席に腰を降ろしながら声をかける。
「少し入り用でな、何か仕事があったら教えてもらいたいんだが……」


GM

 あたらしく入ってきた人物に、店主がちらりと視線を向け、また整理に戻る。


アイアンイーター

 白髪のドワーフが店内に入ってくる。
 この街ではよく知られた斧を腰に下げ、がっしりとした肉体は雪焼けをした様に色に染まっている。


GM

 中は木造の建物で、始めに造られてから何度も立て直されてきたもののようだ。
 今はまだ夜ではないので、そこまで多くの客は入っていないが、常連らしい年輩の人物が何人かいるのが分かる。
 カウンターの奥では、ドワーフらしい人物が食器の整理を行っている。