一般に、北の果ての国と言われる王国。周辺に大規模な遺跡群を持つ。
竜追いギルドの本部もここにあり、各地に散らばる竜追い達から様々な情報が入ってくる。
多数の冒険技術と、“痒い所に手が届く”タイプの魔法がある。
国は領地領地に分解しており、互いの連携はほとんど無い。
北に凍て付いた海、南に広大な大雪原を置いた隔離された土地。
・支配体制
昔はシリィン王家を中心とした絶対王政を築いていたが、現在はほとんど王政は瓦解している。
最近、大貴族のシノヴァ家を継いだマリクトが、この停滞した状況を打破しようと、先頭に立って国家の修復に努めている。
・軍
全盛期はノースパール地方のほぼ全てを掌握していたが、魔物が勢力を増すに従って領地は分解していった。
それに伴い軍隊も崩れ、領主(貴族)たちの私兵へとなっていった。
マリクト・シノヴァや一部の少数の貴族たちは過去の王家の勢力を取り戻そうとしているが、いったん分断された国家はなかなか戻らないようだ。
・外交
マリクト・シノヴァが中心となって、他国との外交をまとめている。
ただし地形的な問題から、効果的な、意味のある“外交”ができないため、外交は形骸化しているといってもいいだろう。
・経済
大雪原や氷湖から取れる珍しい動物の骨や毛皮を特産物とした貿易を行っている。
南の境界都市オウロや冒険者を仲介した国交、商業がこの国の命脈となっている。
一部の国と、海を通じての交流はあるが、船舶の技術が未熟なこの時代、そのパイプは細い。
・備考
止むことの無い魔物との戦の間に国王が何度も入れ替わり、ついに王家は断絶した。
王家に属していた貴族たちが、それぞれの領民たちのみを何とか養う(養ってもらえる)というぎりぎりの状況が何十年にも渡って続いてきた。
彼らが生きていくためには海や大雪原から食料が重要だったが、その採取量は絶対的に少ないため、互いに奪い合わなければならなかった。
現在は凍て付いていた北海の氷が(部分部分ながら)溶け、魚を多く取れるようになったために食糧難は起こらなくなったが、領地同士に刻まれた亀裂は容易くは埋まらず、数十年前から互いに互いを敵視するような間柄になっている。
数年前から、マリクト・シノヴァが先頭に立って間柄を修復しようと奮闘しているが、彼の望みである“国家中興”はまだ遠いようだ。
(都市国家)境界都市オウロ
(人口)約15000人
(特産)金属加工品
極寒の地と温暖の地を分断するサーマヴァーロフ山脈の北部にある都市国家。
シリィンとボン・ノドンを行き来する旅人や商人たちがほぼ確実に訪れていくため、商業が盛ん。
都市を中心として、北と南に長城を築いており、魔物を襲撃と抑止すると同時に、人の往来も制限している。
・支配体制
絶対王政。現君主はマルン・ポニー・テニア三世。
壮年の王。安定した人格の持ち主で、体制は落ち着いており、人心も掌握している。
・軍
よく訓練された野伏部隊を保有しており、その強さはシルヴァードにまで名が届いているほどだ。
この国では男子は13の頃から、女子は15から軍に志願でき、その中でも特に優れたもののみがこの野伏候補の訓練生になることができる。
正式な野伏として認められるのは、訓練を開始してから最低十年は必要。
・外交
北海王国シリィン、商人の国ボン・ノドンと友好的な関係にある。
特に敵対する国家や勢力はなく、その点でも安定した国家であるといえる。
・経済
商業が盛ん。
サーマヴァーロフ山脈に多数存在する銅、銀鉱脈に支えられて、高い経済力を誇る。
北海王国シリィン、商人の国ボン・ノドンと主に国交がある。
・備考
経済、外交ともに安定した国家。
軍隊も強力だが、人口が少ないために長期的な戦争には不向き。
(都市国家)商人の国ボン・ノドン
(人口)約45000人
(特産)木材・農産物
商人の国ボン・ノドン。
代々の国王が商人としての経験を積んでおり、さらに商業を篤く保護してきたことからこう呼ばれている。
王位継承者は6歳になると何処かの店に入り、店の主人達が教える様々な学問と共に商売を学んでいく。
その身分は成人するまで店の主人以外の誰にも明かされず、15歳になるか現国王が崩御すると同時に店を出て王室に戻る(または王位につく)。
こうして、一流の商売人としての経験を積んできた国王の外交技術は並ならぬものを誇り、他国の外交官の頭を悩まさせている。
当然、商工業が発達しており、様々な武防具、道具が販売されている。
・支配体制
絶対王制。現国王はアスタード・フォン・ウォート。 37歳。
ボン・ノドンの歴代の優れた王たちの中でも特に優秀な王で、日々辣腕を振るっている。
・軍
長槍を装備した重装歩兵を中心とした軍隊。
弓兵部隊にも兵力を多く割いており、魔物、人族のどちらの相手にも有効に戦闘ができる。
・外交
北海王国シリィン、境界都市オウロ、大魔術師王国イ=サードと友好な関係にある。
基本的に、どの国とも友好的な関係を保持しようとする姿勢。
これまでの戦争でも中立をできるだけ保とうとしてきた。
・経済
国家が積極的に商工業を推進しているため、経済は活発的。
他国と手広く取引をしており、大森林フィアヌスを越えた貿易国カルファール、遠くバーナード地方の騎士王国シルヴァードとも安定した貿易を行っている。
・備考
特に経済関係の優れた国家。
まだ発展途上だが人口が多く軍隊も安定しており、将来大国家となる要素を秘めている。
(国家)大魔術師王国イ=サード
(人口)約95000人
(特産)毛織物
魔法文明が驚異的な域にまで発展している国家。
ここを治めるセイフレイ国王は30歳という若輩ながらも“深緑の賢王”と、国民からは尊敬を、他国からは畏怖をもって呼ばれる。
叡智の塔では、広く魔法を学ぶ人間を集めており、いわば魔法学院とでも呼べる組織を作り上げている。
この国の魔法のほぼ全てが、ここで開発・研究されたものだ。
現在、最高の効率で魔法を行使できる魔術の研究が、熱心にされている。
この王国の騎士団は主に、魔術と剣を能く操る魔法騎士で構成されており、シルヴァードの騎士団と同等に戦えるのはこの騎士団だけというのが、もっぱらの噂である。
遥か昔、この国は大森林フィアヌスの護り手として活動してきた。
・支配体制
君主制。議会が設立されており、政は国王と議員たちの会合で決められる。
ただし戦争などの非常時の場合は全権が国王に移り、全てが国王の裁量で決められる。
・軍
騎兵隊と魔導歩兵を中心とした部隊。
魔法と武術を併せた戦術においては右に出るものがなく、周辺の諸国から畏怖されている。
魔族掃討作戦以来、騎士王国シルヴァードと友好的な同盟関係にある。
ただし、そのシルヴァードとの同盟国である城塞都市ピールとは半ば敵対関係にある。
この二国の国境は緊張した状態にあり、原因が最近になって活発に活動している盗賊団にある。
イ=サードの民はピールの私掠隊だといい、ピールの民はイ=サードの私掠隊だというのだが。
・経済
領土の北に広がる肥沃な平野地帯に支えられ、安定した経済状態を持つ。
商人の国ボン・ノドンにやや依存しており、賢王セイフレイはそれを憂いている。
・備考
文武のバランスが安定した大国。
ただし、ピールとの折衝が懸念されている。
(都市国家)城塞都市ピール
(人口)約30000人
(特産)農産物
元はサイーディア帝国の地方領。去竜暦十五年の帝国討伐戦の時に独立した。
いつのころからか、イ=サードを敵対視するようになった。
議会が建設されており、市民により選出された議長が主な政治を取る。
周辺の街道を整備し、安全を保障する代償として、通行する旅人や商隊から通行料を得ている。
旅人が多いため街は活気に溢れており、人種も多数。
商人の国ボン・ノドンには及ばないものの、周辺諸国と手広く商業を行っており、国力は高め。
北部と南部の山間に長城を、そして都市の周辺に高い市壁を築き上げていることから“城塞都市”との名が付いた。
・支配体制
議会制。
・軍
歩兵を主力とした自警団を所持している。
兵数は多くないが、堅固な城壁のためにここを攻める軍は非常な苦戦を強いられる事だろう。
また、市民の意識も強く、有事とあれば多くのものが民兵として加わると考えられ、実際の兵力は常時を多く上回るだろう。
・外交
大魔術師王国イ=サードと険悪な関係にある。
騎士王国、共和国と盟を結んでいる。
・経済
安定しているが、経済の主幹部分を旅人などの通行料に依存しているために戦争時には脆い。
どのようにして生産を維持するかが肝となるだろう。
・備考
イ=サードとの折衝が不安の要素。
防御に優れるが攻撃力の少ない都市。
(都市国家)地底国ロード・ゴウロ
(人口)約500人
(特産)鉄鋼などの金属
・支配体制
明確な形を持った制度はないが、王という階級を頂点に戴いている。
・軍
正式な軍は持たないが、住民の多くのものが戦闘の技術を持っている。
・経済
武具や金属を他国と取り引きしてやりくりしている。食料は自国だけでも賄える。
・外交
可もなく不可もなし。自治都市プロアと良好な関係にある。
・備考
過去は、ほとんど外に出てくることのなかった、ドワーフたちの故郷。
あらゆるドワーフのルーツはここに行き着くという。
サイーディア山脈に蜘蛛の巣のように広がる地下道は、すべてがこのドワーフたちによって掘られた生活の空間であるそうだ。
(国家)騎士王国シルヴァード
(人口)100000人
(特産)馬、農産物
大陸随一の国力と軍事力を持つ大国家。騎士階級が重んじられ、騎士道を最たる誇りとする。
元々は旧帝国の地方領の一つであり、領土の広さも、下から数えた方が早い程度だった。
大陸に覇を唱えようとした帝国に真っ先に刃向かい、城塞都市などと共に独立。連合軍の先頭に立って戦い、勝利を得、その功績があって、大国の一員になりおおせた。
また、魔族掃討作戦によって、多くの版図を魔族の手から奪い取る。それらによって、現在のシルヴァードの姿があるのである。
様々な武術が発展しており、さらに軍事的な文化が強力である。
現王ハルッサムは、剣一振りの身から、この国の主まで上り詰めた英雄とされている。
この国のシルヴァード王国騎士団は、列国で最強の軍団と言われている。
バーナード地方の平穏を守る責務を担っており、他国との戦いよりも魔物を討伐するために軍を動かすことが多い。
現在は、南の魔族領を制圧するために、大がかりな攻略作戦を展開している。
・支配体制
君主制。
・軍
王国騎士団を中核とした、槍騎兵隊が中心。
騎士団の実力は高く、大陸で最強の軍隊といわれている。
・経済
主に、ロトッカ地方との馬や農作物のやりとりが中心。特に一つの国との貿易に依存することがないため、経済環境は安定している。
・外交
非常に良好。ただし、北部の旧サイーディア帝国から敵視されているため、そこに不安材料を抱えている。
・備考
なし。
神聖王国ミノッツ
(人口)20000
(特産)彫刻、木材、農作物
六神を奉じる国。
創造竜サナトスを主神とし、太陽神、月神、大地神、海神、空神を従属神として崇めている。
最初に創造竜が降り立ち、生み出したとされる土地を聖地として、そこを守護することを代々の国王の義務としている。
大陸の多くの教会・神殿と、非公式のネットワークを築き上げており、もっとも早く情報の伝達が行える国であるかも知れない。ある意味では、大陸の覇者であるともいえる。
・支配体制
君主制。
・軍
神聖騎士団を常備軍として持っている。
騎士団以外は軽装の歩兵が主であり、破壊力よりも機動力を重視された構成である。
対して、神聖騎士団はすべて重装の騎兵、あるいは歩兵であり、騎馬に乗って戦場に駆けつけ、そのまま戦うか、そうでなければ馬から降りて歩兵として戦う。
神の奇跡を行えるものだけが神聖騎士団に入団することができる。
・経済
地道に農耕を保護してきた国であるため、高い生産力を持つ。
・外交
領土への野心を見せない国柄であり、また、大陸中に対して権威を持っているため、外交は非常に安定している。
神聖王国を心から信じている人は多く、もしもこの国に害をなそうとすれば、信じがたいほどの反感を買うだろう。
・備考
現在の所は、王家は世俗の毒にはまみれていないが、いつ、その清らかさが失われるかは分からない。
大陸に覇を唱えるにはあまりに有利すぎる条件である。
この国の平和は、国王やその周辺の人物の、心のあり方に依存している。
・支配体制
共和制。
・軍
自警団。
・経済
豊かな方である。東に肥沃な国々があるため、かれらと海を挟んだ西側の大地との交易を仲介することで、多くの利益を得ている。
城塞都市が陸地の要であるなら、こちらは、海洋貿易の要であろう。
・外交
建国時点から声高に中立を唱えており、徹底してそのように振る舞っている。
現在の所、外交には特に不安材料はない。
・備考
南方の対魔物戦線の動きによって、揺れ動く可能性がある。
この都市は、対魔物戦線……というよりは、魔族の支配する地への先駆者であった。
まず、“始まりの時の冒険者”が中核となって、この地に砦を作った。
次第に人々が集まり、魔物達と戦いながらも、砦を発展させていき、小さな町の形を作っていった。
そして、騎士王国による魔族掃討作戦に乗じ、またその援護を受け、“始まりの時の冒険者”の後継者たちが魔族の本拠地を襲撃。
大きな犠牲を出しながらもそれを根絶し、この地域の主導権を得た。
その後、魔族の支配地に対するくさびとして見なされ、北の国々から援助を受けながら、都市の運営を維持していたのである。
現在は、自力で立っていくことを目標にし、農業を強化しながら、少しずつ、援助を断っていっている。
なお、この都市の主導者は、市民たちから選抜される、“面倒ごとを代わりにやってくれる人”である。
・支配体制
形式上の主導者を持ってはいるが、権威はないし、当人もそのことをよく理解している。
・軍
通常は非常に少ない数の自警団しかいない。
だが、有事となれば、市民のほとんどが兵として参加するだろうと見られる。
・経済
あまり豊かではない。
・外交
魔族に対する、人族全体の先駆者として見なされており、この国を悪く思うものはいない。
・備考
なし。
貿易都市カルファール
(人口)4000人(定住者のみ)
(特産)木材、銅
大陸の西側、南方の商業の要。イダレイ内海に面した都市国家。
未踏域を探索しようとする国や、冒険者たちに物資を供給する役を受け持ってもいる。
昔、シルヴァード・イ=サード・サノット・ミノッツなどによって共同で建設されたものであるが、自治権を所有している。
海運王国シノンによる独占で、ほとんどの国が造船業に手を出そうとしない中、多額の認可料を払いながらも、着々と造船技術を蓄積させている。
手漕ぎによらない船の開発も順調に進んでおり、将来性は期待できる。
ただし、魔族による侵攻が再開すれば、どうかは分からない。戦いの最前線は、おそらくキムナード砦になるだろうが、そこが落とされれば次はこの町である。
竜人族の谷は大きな自衛能力を持っているし、エルフの木立は魔法によって守られているため、どちらにも魔族は手出しはしないだろうからだ。
ソードノート地方、キムナード地方は未だ魔族の勢力が強いため、周囲を高い四壁に囲まれた町である。
町の東側に海があり、港がある。また、北西に流れている川を運河として利用し、町の中に引き込んでいる。
建物は多くが石造りであるが、木造住宅もちらほらと見られる。町の周辺は荒れ地ばかりだがフィアヌスの方面には森が多く、そこから多くの木材を運び入れることができるのである。
定住しているものは多くなく、この町の住民よりも、旅人や船乗りの姿が目立つ。自警団も多く確保されており、かれらは常に、外からの脅威を警戒している。
周囲は岩場、荒れ地が多く、雨も少ない。魔物の襲撃も心配されるため、土地の開墾には大きな苦労が伴うのだが、その人員もあまり揃っていない。
定住者の数は少ないし、町の保持にも大きな人手を割かなければいけないからだ。
であるから、必要な食糧の大部分は、他の町から運ばれてくるものに頼っている。
町の周囲は荒れ地、あるいは岩地である。灰色と白色、茶色の世界である。
北西に進めば森が多く広がっているが、そこに行くまでには結構な距離がある。
南西、あるいは海沿いに南に進むのならば、地形は次第に険しくなっていき、最後には切り立った山岳地帯にたどり着くだろう。
この町はちょうど、人族と魔族の勢力図の、南西の部分の境界線にあたるのである。
・支配体制
町長による。ただし、商人の発言力が強く、ほとんど、商人ギルドによって牛耳られている。
・軍
自警団。
この都市を訪れる冒険者たちも傭兵として見込むことができる。
・経済
貿易を中心にした経済。
西の物資を東に売り、東の物資を冒険者や探索軍が消費する。
・外交
特になし。基本的には不安はない。
・備考
地理条件の問題で、もし魔族の群れを刺激するなどして目を付けられれば、あっという間に滅んでしまうかも知れない。
古代都市クレアス・リミシウヌス
(人口)なし
(特産)なし
大陸の南西部、ソード・ノート地方に存在する発掘都市。
何かの理由でか地表状に露出したばかりである。
誰かに発見されるのを待っている。
・支配体制
なし。
・軍
なし。
・経済
なし。
・外交
なし。
・備考
はじめに発見するのが人族か魔族かで、この都市の存在価値は大きく変わることだろう。
(都市)氷湖畔の国ミネアン
(所属)なし
(人口)約1000人
(特産)火酒、馬鈴薯
ノースパール地方の有名な、凍て付いた湖、氷湖の湖畔にある小さな都市国家。
元は部族を追われた蛮族たちが肩を寄せ合って生きていた場所だったが、いつのまにか人が集まって、ちょっとした町となっていた。
“国”というが、政治も外交もなく、自治都市といったほうが正しい。
北海王国シリィンを目指す商人や冒険者が、主に中途の休憩所として立ち寄る。
・生活
商人や蛮族との取引、そして大雪原での狩猟やジャガイモの農耕などによって得られる食料からなりなっている。
北海の融解と同時期に氷湖の外周も溶け、漁による収穫も得られるようになった。
・備考
大雪原にねじろを構える蛮族たちとは友好な関係にある。
ミネアンの人々は主に醸造した火酒を、蛮族たちは狩猟によって得た獲物や、商人や冒険者を襲って得た金品をやりとりしている。
ノームードゥの村
(所属)自治
(人口)70人程度
(知名)あまり知られていない
サーマヴァーロフ山脈に存在する、亜人族ノームードゥたちの唯一の村。
高い知性と文化を持つものの、それを生活に役立てようという気はないらしい。
大陸屈指の医療技術を持っている。
・生活
農耕による。
・備考
なし。
大森林フィアヌス“森人の町”
(所属)自治(魔術師王国の保護を受けている)
(人口)1000人程度(フィアヌスに住む森人たちを合計するとこれくらい、という数値である)
(知名)有名
大森林フィアヌスを外敵から守るという役目を古代から担ってきた、“森人”たちの町。
基本的には、それぞれで自分の守る領域を決めて暮らしており、あまり集まってはいない“森人”たちの、共通の里のようなものである。
・生活
狩猟と農耕による。
・備考
竜人族の谷
(所属)自治
(人口)200人程度
(知名)あまり知られていない
ソード・ノート地方の南西部、サーマヴァーロフ山脈の外れに存在する、亜人族ハーフドラゴンたちの里。
大きな断崖が大地に走っており、その全体が、かれらの住処である。
基本的に穴居している。
竜人族の谷がある場所についてはほとんど知られていない。ただし、伝説や物語などには良く登場することから、存在そのものは広く膾炙している。
基本的にかれらは狩りをし、または畑を耕して生活をしている。
竜人は音楽を好み、各種の工芸も行う。
狩りや農耕、戦などの役割は氏族ごと分かれており、それぞれの氏族長の主導の元、活動を行う。
子供は氏族を持たず、成人してから属する氏族を選択する。
谷の中心的な存在としては、その氏族長たちと、竜の祭壇を守る長老とがおり、発言権は長老のものが一番大きい。
竜の祭壇とは、創造竜の生まれ落ちた場所とされているものであり、大陸でもっとも強い立場を持つ「創造竜信仰」の聖地である。
同じく、創造竜を主神として信仰する「神聖王国ミノッツ」から重要視されている。
・生活
狩猟、農耕による。
・備考
ラミュイニュの野
(所属)自治
(人口)50人程度(町を出ているものを含めると100人〜200人程度)
(知名)あまり知られていない
人族の手が全く入っていない、ソードノート地方の最南端。
そこにマインドフレイアたちの唯一の故郷がある。
町の名に“野”とあるが、これは本来ラミュイニュの領域である平野地帯一体を指した名称であって、住民たちが天幕暮らしをしているわけでもない。
彼らが住んでいるのは大理石が用いられた白色の町だ。この町を含めて、“ラミュイニュの野”という。
マインドフレイアとは通常の人間からすると一見感情に欠けた非人間的な種族であるが、通常の人族と同様に生活をしている。
家畜を育て、植物の世話をして食べ物を得ているが、町の中には若い男性の姿は多くない。
彼らは“世界の出来事を記憶する”ことを神ラミュイニュから使命として授けられている。そのため、多くの男性(と、多からぬ女性)は世界の様々なことを記憶に留めるために“ラミュイニュの野”を出ていくのである。
多くの住人が旅に出ているのもあるが人口は少なく、町にもあまり活気はない。また、通常の町や村ならば周辺を柵などで囲って野獣や魔物・悪意ある人間などからの守りとするのだが、そういった設備はどこにもない。“ラミュイニュの野”はラミュイニュから手ずから守護されており、何ものかに攻撃をされる恐れがないのである。
町の中央には“ラミュイニュの神殿”である一際大きな建物があり、これまでに生きたマインドフレイアたちの“記憶”が収められている。
資質があって、かつ訓練を積んだマインドフレイアはこの記憶に触れ、それぞれの記憶の持ち主の知識を引き出すことができる。
・生活
農牧、農耕による。
・備考
城塞都市アト
(所属)魔族
(人口)3000体程度
(知名)存在のみそこそこ知られている
魔族の支配する地であり、人族の地との境界を守る砦である。
ロングホーンによって主導されており、ニェル族によって安定さを得ている。
・生活
狩猟?
・備考
なし。
エルフの木立
(所属)自治(ある意味ではフィアヌス)
(人口)500人程度
(知名)存在のみそこそこ知られている
エルフたちの共通の故郷として知られている町である。
別に森が家となっているわけでも、それぞれが木に住んでいるわけでもない。
一般的な、石造りの家々が並んでいる町だ。
もっとも、その材質は白大理石であり、機能性には乏しいのではないかと思える。
そもそも、町全体の構成にも、そんな機能性の乏しさが見え、区画も整理されているわけではないし、思い思いに、木々の隙間に家を建てているような風情である。
大都市の建築家が見れば、あちらこちらに改良の余地を見出して、喜ぶか憤慨するかのどちらかであろう。
しかし、当の住人たちは、てんで気にした様子がない。
・生活
不便?
農耕による。
・備考
エルフの長の魔術により、周辺の魔族たちから守られている。
害意のない人族には認識できるが、それ以外のものにはこの町の存在はないものに等しい。
キムナード砦
(所属)なし
(人口)なし
(知名)そこそこ知られている
第二のフラヌとして建設されたが、最終的には放棄されてしまった都市。
魔族に支配されているのではないが、決まった人族によって守られているわけでもなかった。
最近、この都市の存在を惜しいと考えたある領主によって提案され、諸国家が共同して維持することが決定された。
なお、現在は、境界都市オウロによって運営されている。
・生活
外部からの物資による。
・備考
なし。
クロウ族の遊牧地
(所属)自治
(人口)300人程度(あらゆるクロウ族の数を合計するとこれくらい、という数値である)
(知名)存在のみそこそこ知られている
飛竜と呼ばれる竜を飼いながら、魔境(人族が入れないような、魔族に支配された土地を示す)を平然と遊牧している氏族の遊牧地。
なるべく住みやすい所を探しながら常に移動し続けているため、この遊牧地を発見することは困難。
キムナード地方の、もっと安全な地帯には、このクロウ族が属する大きな部族があるのだというが、その詳細は定かではない。
・生活
農耕や狩猟による。
・備考
遺跡都市シューレスク
(人口)2000人(非戦闘員のみ)
(特産)なし
・支配体制
なし。
・軍
なし。
現在は対魔物連合軍の兵たちが集っている。
・経済
なし。
・外交
なし。
・備考
なし。
カルノ王国
(人口)6000人
(特産)馬、毛織物、工芸品、乳製品
帝国討伐戦の際に、シルヴァードと共に独立し、帝国と戦った国である。
本来はバーナード地方を遊牧していた民であったが、文化が進むと共に定住するようになった。
カルノ王国の民は、その弓馬の腕前で、一時期、傭兵として諸国に引く手数多であったものである。
現在は、王家によってカルノの民が傭兵となることは禁じられている。
・支配体制
君主制。
・軍
常時、100人の精鋭が維持されるようになっている。
戦える性別、年齢のものは、みな一定の訓練を積むことになっており、有事の際の戦力はもっと高くなるものと見られる。
主力は、軽装の弓騎兵であり、その機動力と長射程を活かした戦術が主体。
・経済
周辺国との貿易も行っているが、豊かな土壌に助けられ、基本的には、必要なものはすべて国内のものだけで賄うことができる。
カルノの馬は、シルヴァードのものよりも馬力では劣るが、足の速さとバネの良さでは勝っている。
・外交
可もなく不可もなし。
・備考
政治的にも経済的にも安定している。
自治都市プロア
(人口)4000人
(特産)金属、木材
帝国討伐戦のさなかに戦火の中に没したが、ロード・ゴウロのドワーフたちの助力を得て再興した。
既に帝国の支配からは脱しており、完全な自治を行っている。
・支配体制
議会によって選ばれた三名(通称、選領主)による。
それぞれが同等の権限を持つが、有事の際には、二名の選領主によって選ばれたものが代表して、指揮を執る。
・軍
自警団。
地底国ロード・ゴウロとは盟約を交わしており、いざというときには全面的な支援を受けられる。
・経済
金属と、それによって作られた品物の輸出に頼っている。
・外交
地底国との関係は非常に良好。
旧サイーディア帝国との間に不安を抱えている。
・備考
なし。
旧サイーディア帝国(新サイーディア王国)
(人口)6000人
(特産)工芸品、木材
かつてはバーナード地方の支配者であり、大陸一の国力を誇っていたが、シルヴァードを代表とする帝国討伐軍に敗れ、大きく縮小された。
現在では、昔の王都であった都市と、二つ三つの都市のみを持つ、少し大きい程度の国でしかない。
・支配体制
君主制。
・軍
帝国騎士団。既に帝国ではないためにこの呼称は誤りのはずであるが、それでも、帝国騎士団の名前が変更される様子はない。
数は多くないが強兵で、直接ぶつかれば、シルヴァードの騎士団にも引けを取らない。
あまり多くの騎士を養う国力はないため、多くの騎士が生産者へと転向している。
過去には大勢いた貴族たちも、その半分以上が姿を消している。
・経済
やや貧しいながらも安定はしている。
・外交
やや貧弱。
宮廷のものの多くが自治都市プロアは帝国領であることを主張し続けており、そこから端を発する問題が幾つか見られる。
・備考
敗北から立ち直れていない。
数十年か経過すれば、化ける可能性を秘めている。
海の王国シノン
(人口)8000人
(特産)木材、船と技術者
大陸で随一の航海、造船技術を誇る王国。
海に船を出すということを初めて考えた民の末裔であり、常に、船舶の技術に関して主導権を確保し続けてきた。
利益を守ることに掛けては素晴らしい知恵のある王を持っていたこの国は、船舶の技術が確立される前に、「造船・海運業の独占」を大陸諸国に認めさせた。二百年前の「同盟会談」で宣言され、神聖王国の国王が証人となったものである。何故、各国がこのような権利を認めたのかは明らかではないが、海運業に対する価値の認識度が全く足りていなかったからであるといわれている。当時は、海といえば、ただの魔境でしかないと考えられていたのだ。
現在は、シノンはこの「権利」を守るための措置として、この国の許可を得ずに「船を造る」「船を運用する」ものを発見した場合、即座に捕縛、もしくはその場で処断することを大陸に宣言している。
これにより、シノンが許可を与えたものによる造船や、船を使っての組織的な商取引は大きく制限を受けることになる。
舟ならば問題ないが、船を造ろうとするものは、例外なく、この国の許可を得なければならないし、それには大きな代価が必要となるのである。
なお、「同盟会談」では船の定義も決定されている。すなわち、「十名以上が乗り込むことができ、人の力によって進む乗り物」である。
それ以外は「舟」あるいは、「小船」とされる。
つまり、風の力によって進む乗り物である帆船は、シノンの権利の及ばない船となる。
しかし、シノンにとってそれは問題ではなく、今のところ、大陸諸国にとっても慰めにはならない。
なぜならば、この大陸では帆船を建造、あるいは操船するための技術はほとんど発達していないからである。
それには次の理由が挙げられる。
フォードノース大陸の外洋は、陸から離れれば離れるほど、波と風が荒くなっていく。海流は妖しく渦を巻いて、船を陸地へと押し戻そうとするし、風は強く吹き付け、船を打ち倒そうとする。それらによって、外洋の探索は一向に進まないのであるが、沿岸部分では強い風は吹かず、波も非常に穏やかなのである。海流の流れも、季節を通してほとんど決まっている。
このため、大陸の周辺で運用する限りにおいては、手漕ぎによる船の運航には何の障害もないのだ。
そのような理由によって、手漕ぎ船は、それが生まれたころから現在に到るまで、その確固たる地位を保ち続けている。
しかし、いったんその技術が確立してしまえば、帆船の方が優れている部分が多いといえるのは、現実世界では周知の通りである。
だが、シノンの造船技術者たちは帆船というものを早々に捨ててしまったし、今のところ、風を推力にするという考えを、船に適用しようとする技術者もいない。
そのようなわけで、大陸では、大小関係なく、ほとんどの船が手漕ぎである。
もちろん、一枚や二枚の大きな帆を張ることはする。信頼できない風ではあっても、そうすれば少しは役に立つからだ。
・支配体制
君主制。
・軍
海兵隊と大型船が5隻。中・小型船が30隻。
対外的な軍ではないし、その主眼も秘境の探索のため、また、商船の警備のためにある。
基本的には、専門的な訓練を受けた海兵を中核にして、船員は市民から雇用して運営する。漕ぎ手は奴隷や罪人が集められる。
もちろん、他国と戦争状態に突入すれば、これらの軍船は攻撃にも用いられるだろう。
なお、戦時でもない限り、これらの船が、すべて同時に稼働することはない。
・経済
北海王国との貿易、造船技術の貸し出しなどで非常に豊かな経済力を持つ。
ただし、このままでは、今後は伸び悩むことと考えられる。
・外交
特に不安材料はない。
・備考
なし。
八群姉妹都市/アインス
八群姉妹都市/ツヴァイ
八群姉妹都市/ドライ
八群姉妹都市/フィーア
八群姉妹都市/フェンフ
八群姉妹都市/ゼクス
八群姉妹都市/ズィーベン
八群姉妹都市/アハト
(所属)対魔物連合軍
(人口)10000人(総計である。多くは、連合軍の兵士であり、その残りが、支援のために来た市民や兵の家族である)
(知名)かなり有名
・支配体制
なし。
・軍
なし。
・経済
なし。
・外交
なし。
・備考
なし。
聖大森林モナパライト
(所在)バーナード地方
(管理)なし
(知名)かなり有名
(状況)探索中
霧闇の穴
(所在)リンテグレル魔境
(管理)なし
(知名)そこそこ
(状況)ほとんど探索されていない
硝子岩の断崖
(所在)リンテグレル魔境
(管理)なし
(知名)そこそこ
(状況)ほとんど探索されていない