GM

 特に問題なく、アーシュラたちは中に入っていった。


アーシュラ

 思い切って石壁の向こうに入っていく。


GM

 石版は、そこまで重いものでもなく、二人で押せばなんとか退けることができた。


アーシュラ

 マリンと協力して石の板をどかそうとする。


GM

壁<

 見ていただけでは分からなかったが、触れてみれば、すぐにそれと知れた。
 押してみると、壁の一部分がぐらりと揺れて、風が吹き込んでくる。
 どうやら、本来の壁に穴が空いており、その穴を塞ぐようにして、石版を立て掛けてあるような具合になっているらしい。
 光は漏れてこないので、向こうも真っ暗か、少なくともアーシュラの魔法によって生まれた明かりよりは、暗いらしい。


マリン

アーシュ<

「石の壁だよね。
 良く調べようね。
 何か、光とか風とか漏れてこない?」

壁<

 左側に向き直り壁に触れながら何か変化がないか一緒に調べて見る。


アーシュラ

「あれーっ、行き止まりだよ。
 こちら側は石の壁だけど・・・
 壁ってことは、向こう側に何かあるのかな?」

壁<

 調べる。


GM

 穴は、だいぶ狭い。
 二人とも、身を縮めて、なんとか進んでいけるくらいだ。
 人が雑に掘った物らしく、もし二人が専門家だったなら、所々に、ひどい手抜きを見つけられたことだろう。

 距離にすれば、ほんのわずかだった。
 地底に向けて降っていく穴は行き止まりになり、そしていつの間にか、左手が石造りの壁になっている。


マリン

「あー・・・、何か出そうな予感が。
 変なものと巡り会いませんように」

 アーシュラの後について穴の中に入っていく。


アーシュラ

 マリンと思わず顔を見合わせて、

マリン<

「んじゃ、入ろうか。
 ここまで来て戻れないしね」

 そう言うと、先頭に立って穴の中に入っていく。

アーシュラは、なるべく楯を構えて進もうと考えていたが、この穴は狭く、とても構えられるようなスペースはないようだ。


GM

穴<

 穴はわりと大きいが、深さは大したことがない。
 覗き込んでみれば、1m程しかなかった。
 だがよく見てみると、穴は段々になっていて、斜めになった状態で、奥に向かっているらしい。つまり、ちょっとした階段状の穴になっているわけだ。


マリン

穴<

 アーシュが体を乗り出した後ろから
 穴の奥を覗き込んでみる。


アーシュラ

厚みのある布<

 完全に穴から覆いをはずして
 中を覗き込んで見るが・・・

「ふう・・・ん、どうなっているのだろう」

 魔法判定:分類/発動・ライト
 アーシュラ:成功!


 ライトの魔法をかけて
 自分の体を乗り出して
 穴の中を覗いてみる。


GM

敷布<

 模様は、何の変哲もないものだった。
 普通に、そのあたりの絨毯織りが作りそうな……それも安っぽい、実用性だけの代物だ。

 マリンが布をあげてみると、そこから、冷たい、土の匂いのする風が吹き出してきた。
 見れば、布の下に、人の手で掘られたものらしい穴が隠されている。
 この絨毯は、それを蓋をしておくためか、あるいは隠蔽するためのものだったのだろうか。


マリン

アーシュ<

「何かあったの?
 あら、その布は何?」

厚みのある布<

 アーシュと一緒に注意深く観察する。

 また、角をつまんで、布の下に何か隠れていないかどうか、ちょっと覗いてみる。


アーシュラ

厚みのある布<

「これは何ナノかな?」
 注意をこらして観察する。
 表面の模様とか、何かの地図が書かれているかとか、とにかく何かの痕跡を探して見る。


GM

たき火の跡<

 ひんやりとしている。
 このたき火が使用されてから、かなり時間が経過しているようだ。

天幕の中<

 ぱっと見たところ、これは単に、寝床として使用されていただけの物のようである。
 置いてあるのは、スコップやシャベル、もっこなどで、後はせいぜい、毛布くらいなものであった。
 他には、ほとんど見つからない。
 ……と、アーシュラは、天幕の隅に広げられている布が気になった。やや厚みのある布が、ただ、ばさりと置いてあるのである。
 その上に何を置くでもないし、座ったり横になったりするためのスペースは別に用意されている。


アーシュラ

 天幕の中に入って、目ぼしいものを漁ってみる。

 何かの書き物とか、発掘したものとかここの住人を特定出来るものとかを探すことにする。

 当然、性格的に高価そうなものから優先的に漁るのではあるが・・・


マリン

アーシュ<

 天幕の中に入っていって焚き火の側に腰掛ける。

「誰もいないようね」

焚き火<

 余熱が残っていないかどうか調べてみる。
 まだ、熱があれば出かけてからそれほど経っていないということなのだが・・・


GM

 二人は、罠を辿っていく。
 途中には、他に罠は見あたらない。

 そのまま進んでいくと、岩場の中心あたりに、野営地らしきものが見つかった。鳴子の罠は、そこで作動部と繋がっている。

 岩場の中に、中くらいの大きさの天幕が張られている。
 近くにはたき火の跡などもあるが、人がいるような気配はなかった。


アーシュラ

マリン<

「そうだねぇ・・・縄をたどって鳴子を探すか・・・。
 鳴子の側に何かあるかも」

 腕をつかんで、縄の左の方へたどって歩いていく。


マリン

アーシュ<

「う・・・ん、誰も来ないね。
 どうしようか?」



GM

鳴子<

 縄を引っ張ってみると、手応えがあった。
 アーシュラの知識通りなら、これでどこかに設置されているはずの仕掛けが作動し、設置者は侵入者の接近を知ったはずだ。
 ……。
 ……。
 しばらく物陰に隠れて待っていたが、誰かが来るような様子はない。


マリン

アーシュ<

「そうねぇ・・・どうしようかな・・・やっぱり、わざと鳴らせて見ようよ。
 そうすれば、誰が仕掛けたのか分かるし。
 怪しい人たちだったら、一気にケリつけましょう」

足下の縄<

 鳴らす。

アーシュ<

腕を引っ張って、二人で離れた所で身を隠すことにした。


アーシュラ

足下の縄<

しばし、足元から縄の行く先を見つめていたが

マリン<

「ここに、どうやら罠があるよ。
 鳴子のようだけね、どうする?
 罠をたどって見る?」


GM

 アーシュラは罠に警戒しつつ進んでいたので、すぐにそれに気がついた。
 足下に、縄が通してある。
 下生えにカモフラージュしてあるが、何かの仕掛けの一部であることは分かった。
 鳴子の作動用のものではないか、と思われる。
 これに引っかかると、別の場所の仕掛けが作動して音を鳴らし、侵入者の接近を知らせるのだ。


マリン

 アーシュラが岩場の中心に進むのを見てマリンも楯を構えて辺りに注意を払いながら左ななめ後方50cmでついていく。


アーシュラ

 円形の岩場を見て、

独り言<

「何だか人工物のようだね」

マリン<

「岩場の中心に誰かいるかも。
 用心して行くよ」

 そう言うと楯を構えて、岩場の中心方向に先頭に立ってゆっくりと歩いていく。


GM

 技能判定:分類/探索・捜索
  アーシュラ:成功!

 東の岩場に向かっていく。
 近づいてみると分かったが、草原の中に、円形に岩場が広がっているのであった。
 そして、先導していたアーシュラは、最近、このあたりを、それなりの人数が通っていったのが分かった。
 岩場の中心部に向かっているようだ。


マリン

アーシュ<

「ふう・・着いたのかしらね。
 何か海が見えて気分が良いところね。
 とりあえず、依頼者を探す必要があるけど、東の方の岩場に行ってみようか?」



アーシュラ

 ゆっくりと辺りの様子を探りながら、東の岩場に向かって歩いていく。


GM

 指定された場所に到着したようだ。
 自分たちは南の方からやってきた。
 北と西は開けた草原になっており、さえぎるものは何もない。遠くに、海が見える。
 東の方は、ちょっとした岩場になっていて、何があるのかはよく分からない。
 目的地はこのあたりのようだが、とりあえずは、誰もいないようだ……。


マリン

 辺りが再び明るくなって来て出発の気分が高揚してくる。

アーシュ<

「・・・うん、今日は目的地だね」

 あやしい依頼とのことだがどんな展開になるのだろう?
 期待半分、不安半分でマリンは出立することにした。


アーシュラ

 目覚めは良いほうにので朝日を浴びると直ぐに目が覚めてしまう。
 横になってグスグスしている性分ではないので、ぱっと起きることにする。

マリン<

「早めに目的地に到着するようにもう出ようよ!
 そしたら、マリンとあたしとでぱっぱっと解決して町にもどろう」


GM

 幸い、周囲に燃えそうなものは少なく、火が燃え移るようなことはなかった。そのうち、燃えるものもなくなって、火はちいさくなっていき、消えた。

 何事もなく、朝が来る。
 順調にいけば、今日の昼には、目的地にたどり着けるだろう。


マリン

 アーシュが火を着けようとするのを見て、

アーシュ<

「簡単な食事で済まそうね」

携帯用リュックの中から固いパンと昨日の食べ残しの肉を取り出して、アーシュと分けて食べた。

アーシュ<

「火はこのままにしてもう、寝よう・・・」
 食べ終わると自然と目をつぶって眠りに入ろうとする。


アーシュラ

 ゆっくりと歩みを止める道の傍らに座り込んだ。

マリン<

「今日は、ここら辺で休もうか?
 えーっと、火でも着けて暖まろうか。」

 集中して、何とか小さくマナフレイムを発動させようとする。

 魔法判定:分類/発動・マナフレイム
  アーシュラ:成功!


 魔法は発動し、炎が上がる。
 とはいえ、残念ながら、アーシュラのマナフレイムは、創意工夫を反映できるだけの習熟度には達していないようだ。


GM

 曙の中を、目的地に向かって進んでいく。
 その一日は何も起きないまま、野営の時間となった。


マリン

「ふうーっ」
 大きくため息をつくと、はく息が白い。

アーシュ<

「そう・・・もう歩けるね」

 小さく歌を口ずさんでいる
「・・ゆっくり歩いて行こう・・」

 出発の朝になって、二人で手を取って歩いて行きます。
 どこまでも。


アーシュラ

 曙光がまぶしいと言うわけではないが、意を決したように目を細めると

マリン<

「さてっと、行こうか!!
 歩くほうが気分が良いよ」


GM

 それからしばらくは、ひとつの星も見えることはなかった。
 そうしているうちに、何刻かが過ぎていく。
 ある時、雲に一筋の切れ目が入り、そこを皮切りに次々と狭間が広がり、濃い紫色の空が露わになっていく。
 東の方に果てなく広がっている大草原が、曙光を受けて煌めき出す。
 夜明けの兆しだ。
 まだ西の方には星々があるが、東の空は橙と青、水色と白でゆっくりと染められていく。“黄金の戦車”ライブラが大地に車輪を掛け、世界に走り出すまで、もう僅かだろう。


マリン

 アーシュの横に座って夜空を見上げる。

アーシュ<

「朝まで、こうして待っていようね。
 星空は見えるのかな?」

 朝が来るのを起きて待っていることにした。


アーシュラ

 暗闇に消えるイズミとグルンマーキンの後姿を見送りながら静かに地面に座ると、

マリン<

「マリン、こっちへおいでよ。
 一緒に座ろう」


GM

 ドワーフの男は、そういって去っていく。
 日はとっぷりと暮れ、星も見えないような夜だ。


グルンマーキン

アーシュラ<

「……やれやれ」
 肩をすくめる。
「信頼されたんだと考えておく」

マリン<

「おれはしばらく、“木のウロ”亭ってので宿を取るつもりだ。
 そこにこのお嬢さんは預けておくから、後は好きなようにしな」


マリン

グルンマーキン<

「よろしくお願いします」

イズミ<

「あたし達行くからね。
 しっかりね」


アーシュラ

 グルンマーキンをしげしげと見て、

グルンマーキン<

「そうは言っても、今はアンタに頼むしか方法がないみたい・・・。
 まっ、そういうことで頼むね」


グルンマーキン

マリン<

「あー?」
 目をむいて、マリンに聞き返す。
「送れって? おれが?
 イ=サードなら確かに目的地だがね。おれが信頼できるっていうのかい?
 こんなべっぴんさんだ。金を出して買うなんていう奴はいくらでもいるだろうよ?
 そういうこと、分かっていて頼んでいるか?」


マリン

 同じく手ぬぐいを取ってイズミを見て、ため息をついた。
 しばらく、グルンマーキンの方を見て考えていたが

グルンマーキン<

「おじさん、この人、イズミのことイ=サードまで送ってくれないかしら?
 あたし達、仕事の依頼を受けていて、急いでいるもので・・・
 こんなことを初対面の方に頼むのは非常識だとは思うのだけど、よろしくお願いします。」


アーシュラ

 グルンマーキンの所に戻ってきて手ぬぐいを顔から取り、イズミをしけしげと見て、
「あーっ、これは大分いっちゃってるね!」

マリン<


「どうしようか? イズミはこのまま旅出来る感じぢゃないよ」


グルンマーキン

アーシュラ&マリン<

「よしよし、うまくいったようじゃないか。なあ?」


GM

 何度か抵抗され、失敗したものの、一度目隠しをされてしまえば、あとは大人しいものだった。
 長時間の呪縛のために相当弱っていて、しばらくは眠ったままかもしれないが……。
 二人は、泉の身体を引きずって、さきのドワーフの元まで戻ってきた。


GM

 グルンマーキンの声援を受けながら、二人は進む。
 風が冷たく吹き付けてくる。深い夜独特の、醒めた気配があたりを包み込んでいるのが分かる。
 虫の声、空の足音、土の感触。
 視力が制限されている分、自然の気配を強く感じる。
 ……。
 二人は、泉らしい身体に触れた。


アーシュラ

 マリンと同じように目隠しをした。

 マリンと手をつないでイズミの方に歩いていく。

 イズミの体を触ろうと手探りで進む。


マリン

 言われた通りにやってみることにする。

手ぬぐい、ロープ<

 手ぬぐいで目を隠し、ロープを腰に結わえた。

アーシュラ<

「手をつないで行こうね」

 アーシュラと手をつないでゆっくりとイズミの方に歩いていく。

 イズミの体を手探りに探した。


グルンマーキン

アーシュラ<

「おれが助けるんじゃない。それをやるのはあんたらさ」

マリン<

「方法は簡単だ。あんたらは目を閉じたまま、あいつに近づいて、あいつの目を閉じさせればいい。無理矢理引きはがそうとしても相当、抵抗されるだろうが、いったん目を閉じさせてしまえば、正気に返るか、返らないまでも呪縛は解けるから、その隙に引っ張り出して逃げてくればいい」

 そう説明してから、手元の縄、それから新しく取り出した手ぬぐいを示し、

アーシュラ&マリン<

「ただ、あの光もただではやらせてくれないだろうな。
 目を閉じさせようとしていて、逆にあんたらが目を開けさせられて、それで呪縛に抵抗できなかったら意味がねえ。
 だがまあ、他に方法も無いからな。
 この手ぬぐいを目隠しにして行け。
 それから、あんたらにおれがこの縄を付ける。もしあんたらがあいつを解放させるのに失敗したときに、おれが力任せに引きずって、呪縛から解き放とうって言うこった。
 そうやって繰り返していきゃ、そのうちうまくいくだろう」

GM:
 イズミさんには退屈な思いをさせて、ほんとうに申し訳ありません;
 もう少々ですので、どうかご辛抱下さいませ><



アーシュラ

 ドワーフらしき男を怪訝そうに見て、
「・・・・そりゃ、上手い方法があるなら助けたいさ・・・
 何をすれば良いのさ?」


マリン

 この場合、助けてくれるなら藁をもつかむといった気持ちである。

ドワーフの男<

「お願いします。イズミを助けてください。(涙)」


グルンマーキン

マリン&アーシュラ<

「ようし」
 二人が自分の方を見ていることを確認すると、男は荷袋から縄を取り出してほどく。
「放っておけばアイツは、あの光……ブルーグロウワームに連れ去られて、同化しちまう。
 助ける気はあるか?」


GM

 薄目にして、二人の背後を見ないようにしている男がいる。
 どうやら、ドワーフのようだ。


マリン

 男の声の方に向かって目を開いて、見てみることにした。


アーシュラ

 ゆっくりと目を開いて、相手を見てみた。


GM

「よし、目を開けて良い。だが後ろは振り返るなよ」
 移動してきた二人の肩に手を置いて、立つように指示をする。
「捕まっているのは、一人だけだな?」


マリン

 イズミのことが気にかかるがこのままではしょうがない。
 マリンも声の主の方向に移動する。


アーシュラ

 アーシュラは声がした方に目をつぶったままで這っていった。


GM

 どれくらい時間が経っただろうか?
 ほんの数分かもしれないし、一時間ほどかもしれない。

「何をしているんだ!」
 突然、驚いたような声がかけられる。
「くっ……、全員、“捕まって”いるわけじゃないんだろうッ?
 動けるやつは離れろ、こっちに来い!」

 アーシュラの後ろ、十メートルほどの位置からの声だ。

 目を開け、見てみたとしたら分かることだが、今は、泉の身体に拳大の光の群れが集まり、群れて飛び交っている。
 そして、泉の身体そのものもうっすらとした輝きを発している。また、きらきらとした光の粒子も生み出しているようだ。

 すでにアーシュラの魔法の効果は消えているが、光源が強く、行動に支障が起きない程度は明るい。


マリン

 イズミに転ばされた所に座り込んでしまった。

 両手で目をおおって、何かあったらすぐに対応できるように意識を集中することにした。


アーシュラ

 もう、逃げるに逃げられない。
 観念して目をつぶって、事態の推移を待つことにする。



 光の群れに魅了されている。
 本人にはどうしようもない。


GM

 筋力判定/分類:格闘・体術
  泉:クリティカルヒット!


 支配された心の欲求に従い、泉の身体が、絶え間ない訓練によって積み重ねられた動作を忠実に行う。

 敏捷判定/分類:体術・軽業
  アーシュラ:優秀な成功!
  マリン:かなりの失敗!


 アーシュラとマリンは、テコでも動かないという態勢の泉に、いともたやすく振り解かれた。その鮮やかな体捌きに、マリンは思い切り転んでしまった。アーシュラは綺麗に対応できた。

 光は、もうすぐ側に迫っている。
 完全に顔を背けているか、目を閉じでもしなければ、どんな拍子にそちらを見てしまうかしれない。


マリン

 アーシュラに言われて、アーシュラの顔をまじまじと見た。だんだん、現実感覚がもどってくる。
 アーシュラの言った通りにするしかなさそうだ。
 そして、気をつけてイズミの顔だけを一瞥した。

イズミ<

泉は、瞬きもせず、何の表情も浮かばせず、ただまっすぐ、何やら妖しげな明るさの感じる方角を見つめている。

 アーシュラに言われた通りにイズミの手を取って、反対方向に
逃げることにする。

イズミ<

 引っ張って、連れて行こうとする。
 二人がかりで両脇から引っ張るかたちになる。



アーシュラ

 ライトの光の中でイズミの恍惚となった表情を見た。
 これは・・・精神攻撃かもしれない。
 マリンに注意しなくちゃ。

マリン<

「マリン、あたしを見て!
 イズミの様子がおかしいんだ。
 どうも、イズミの見ている方角があやしい。
 イズミの手を引いて反対方向に逃げるよ」

 イズミの手を取ると無理やり立たせて反対方向に引っ張ろうとする。


アーシュラ

 誰かの声で目が覚めた瞬間、辺りのただならぬ雰囲気を感じた。

光のことは知らず、ただ泉が明後日の方を向いてぼうっとしていることしか見えなくて、まだ何が起きているのか分かっているわけではないので、この判断はまさに、本能がさせたものだろう。

 アーシュラの本能はヤバイことから全力で逃げろと言っている。

 どうする?どっちへ逃げるか?
 敵のいない方は、どっちだ?
 辺りが真っ暗なので判断するのに必要なのは明かりだ。

 そして、逃げるための準備だ。

マリン<

 大声で、
「マリン、逃げるよ。準備して!」

マリンは、その声でとりあえず「危ないのか?」ということを認識し、目を覚ます。
何が危ないのか、何から逃げるのかはよく分かってはいないが……。

イズミ<

 思いっきりお尻をひっぱたいた。

 幸運判定・分類/直感・幸運
  アーシュラ:優秀な成功!


 その際、アーシュラは運良く、光の群れを見ることはなかった。

 抵抗判定・分類/魔法抵抗・復帰
  泉:+10ボーナス/失敗!


 しかし、引っぱたいた泉は、未だぽかんとして座り込んだままである。

 そして、間髪を入れずにライトを詠唱した。
(ライトは強化や拡大はできませんので、通常通りの詠唱となります)

 発動判定・分類/ライト・声音魔術
  アーシュラ:優秀な成功!


 アーシュラの魔術はうまくいき、彼女を中心として4mほどの空間が白々と照らし出される。   



 心の一部では理性が反抗を試みているものの、イズミの心は光の群れに魅了されている。


マリン

 マリンはまだ、朦朧としています。


GM

 体力判定:分類/生存・起きる ×2
  アーシュラ:技能なし/-1 クリティカル!
  マリン:技能なし/-1 通常の成功!


 泉の出した大声に、すっかりと眠っていた二人も目覚める。
 アーシュラは素早く起きたが、マリンは目を覚ましただけで、起き抜けの朦朧を抱えている。

 抵抗判定:分類/魔法抵抗
  泉:通常の失敗!


 泉は二人を起こすことに成功したが、光の群れを直視してしまい、そして今度こそ、正気を手放してしまった。
 その場にぺたんと膝を突く。
 今、泉の頭の中にあるのは、あの綺麗な光をずっと見ていたいという欲求ばかりだ。

 光は、何を答えることもなく、何の応えを返すこともなく、ただゆらゆらと近づいてくる。
 もう、相対距離は十メートルを切っている。



 近づいて来る光の群れの動きを止めなければいけない・・・。
 それとアーシュラやマリンが起きているか、気づいているか確かめなければ・・・

 とっさにそう考えると、大きな声で誰何して見ることにした。

光の群れ<

「あなた達は誰!!」

 光の群れの方向に顔を向けて正体を見極めようとする。


マリン

 マリンは寝ています。


アーシュラ

 アーシュラは寝ている。


GM

 アーシュラ一行が休みだしてから数刻ばかり。


 感覚判定:分類/危険感知・気配感知 ×2
  アーシュラ:技能なし/-1 大失敗!
  マリン:技能なし/-1 失敗!
  泉:優秀な成功!


 泉のみが、その気配を感じて目を覚ました。
 星明かりも無く、辺りは湿った闇に閉ざされていて、ほとんど何も見通すことが出来ない。
 その中に、ほとんど闇と溶け込んで、蛍のように紫色の光が浮かんでいた。ひとつ、ふたつ、みっつ……むっつ。

 知識判定:分類/伝承・精霊 ×2
  泉:技能なし/-1 失敗!


 ゆらめき、たゆたうようにして、その光の群れが近づいてくる。

 抵抗判定:分類/魔法抵抗
  泉:クリティカル!


 その光を目にした泉は、徐々に世界が現実性を失っていき、色彩と音が消えていくのを感じた。意識までが遠のいていきそうになったが、何とか目を反らして、正気に返る。
 そうこうしている内に、光の群れと一行のキャンプの距離は、ほんの十数メートルとなっていた。泉が意識を取り戻すと、光が近づいてくる速度が増しだしたようだ。



 お茶を飲み終わると、その場に静かに横になった。今日は、ここで寝よう。


マリン

 ご馳走と言うほどの食事ではないが結構、満足した。お茶を飲んで体も暖まったし、寝ることにする。

ALL<

「お休みなさい。」


アーシュラ

 皆、美味しそうにクワットの肉を食べているが自分には、あまり良く思えなかった。
 固いパンもさっさと食べ終えた。
 お茶を飲み終わると眠たくなってきた。

ALL<

「あたし、もう寝るから・・・」



GM

 食べてみると、見た目よりも汁気があって、とても美味しい。

 知力判定/分類:文化・食 ×2
 アーシュラ:技能なし/-1 失敗!
 泉:技能なし/-1 成功!
 マリン:技能なし/-1 成功!


 泉とマリンは、この動物が、地方によっては貴重な肉を提供してくれる家畜として扱われていることを思い出した。
 イ=サードやシルヴァードなど、食料が豊かに採れるところでは、ネズミに似た外見から敬遠され、あまり食べられるということはないのだが、種類によっては、乳もなかなか良いらしい。



 焼けた肉を三人分取り分けると、残りは丁寧に包んでリックの中にしまった。

ALL<


「肉が焼けたようです。食べましょう」
 焼けた肉を二人に手渡した。

 泉:
 「焼いたクワットの肉」×4 入手


マリン

 お湯が沸いたようだ。
 ハーブと思われる香草を一つまみポットに入れて
 カップにお茶を注いだ。みんなにカップをすすめる。

ALL<

「ほっと、しますね。お茶を飲むと。
 今日は、このまま、ここで休もうか?」


アーシュラ

 固いパンを3つに割って、それぞれに手渡す。

ALL<

「はい。今日はイズミの獲ってくれたお肉とパンね。
 お腹いっぱい、美味しいものが食べたいな・・・ぶっぶっ」




ALL<

「小さい獲物だけど、みんなで分けて食べましょう。」

 敏捷判定/分類:狩猟・獲物の処理 ×2
  泉: クリティカル!


 クワットをテキパキと処理して、焚き火の火で炙り始めた。

泉の手際は完璧そのもので、ほんの少しの無駄もなく、獲物を処理することが出来た。
一行は、六食分の肉を確保した。
(つまり、一人ならば三日食べられますが、三人ならば、朝と昼に食べればなくなる量です)

 泉:
 「クワットの皮」×2 入手


マリン

イズミ<

「あっ、イズミ!戻ってきたの。
 今、こっちもお湯出来るから待っててね。」

 湯沸しポットに水を入れて火にかけた。


アーシュラ

ALL<

「確かギルドから支給された食べ物があるはずだけど・・・」

 携帯用リュックの中をゴソゴソと探した。

アーシュラたちは、ギルドから一週間分の食料を受け取っていた。
内容は、固いパン、ベーコンなどの乾し肉や、木の実などだ。

○○しないで、××はちょっと、ばかりで恐縮なのですが……世界として整合性が付かなくなる恐れがありますので; サイト内で明記されていないことは、確言しないで下さいませ。
とすると、PLは何も試みちゃいけないのかというと、そうではなく(そのような状況はGMとしても、全然嬉しくありません)……

たとえばこの場合なら、「ギルドから食べ物を支給されていたような気がする」とか、「何かなかったかな」などのように、もしそれがGMによって否定される場合に、「気のせいだった」で済むような形にしてするなど、ですね。
――確かにビスケットは美味しいし、保存食としても優秀なんですが、この世界のギルドには無骨な人ばかりで、保存食とはまずくなきゃならないと決めつけているんです(笑)




GM

 泉は、アーシュラたちの場所まで戻った。
 仕留めてきたらしいクワットをさげている。
 泉は、獲物を手早く処理し始めた。

 えーと。
 投稿メールには、行動の結果については書かないでおいて下さると助かります(^-^;
 その行動が成功するか分かりませんし、もしかすると行動を実行できるかも分からりません(今回なんかも、投稿した分、全部の行動は処理されていませんよね)から、そのあたりはGMが担当することになっているのです〜。




 仕留めたクワットを回収する。
 表情は一見無感動だが、可哀想な気もする。



アーシュラ

マリン<

 マリンが戻って来たのを見て、
「あっ、マリン。水は見つかったようだね。
 火は起こしたから、早く、お茶にしようね。」


マリン

 戻ってきて焚き火を見て、安心して気持ちが 寛いで来たらしい。

アーシュラ<

「あ〜あ、お腹へっちゃったね。
 イズミ、何か獲ってきてくれるかしら。」



 発見したクワット達との距離は、まだ少しあり過ぎる。イズミは両手にしっかりと 棒手裏剣を握り締めると、獲物へ向けて 静かに接近を開始した。

 ・・・流石に猫族の血を引いていることだけのことはある。

 敏捷判定/分類:狩猟・気配隠蔽×2
  泉:成功/失敗

わずかに物音を立ててしまったが、気付かれないまま目的の場所まで移動を行った。

 14,5mの距離まで接近すると、慎重に狙いを定めて最寄のクワット目がけて棒手裏剣を投擲した。

 命中判定/分類:投擲・棒手裏剣
  泉:通常の命中 不意打ち!
   > 38ダメージ!


泉の放った忍具は風に乗って、クワットの一匹に勢いよく突き刺さった。
驚き騒いでクワットたちは逃げていくが、狙われた一匹は一撃で仕留められている。
狩りは成功のようだ。


マリン

 小さな沢の水を持っている皮袋の中に、濁らせないように気をつけて汲み入れると、すぐにアーシュラの所に戻ることにした。

マリンが戻ってみると、アーシュラがおり、赤々とした炎が燃え上がっている。泉はまだ戻ってきていないようだ。


アーシュラ

「あっちち、ちょっと火力が強すぎたよ。」
 そう一人愚痴ると、慌てて周りの枯れ草とか朽木を即席のカマドの中に放り込んだ。
「ふう、これで、何とか火は消えないかな?」

やたらと煙が多いものの、しっかりとしたたき火が完成する。



 休憩するとのことなので、狩猟をすることにした。ウサギのような小動物が捕れるかもしれない。
 ゆっくりと風下から探索することにした。

 知力判定/分類:狩猟・探索 ×2
  泉:大失敗/成功


泉は、始めは慣れない土地で手間取ったものの、嗅覚を働かせて探索を続け、クワット(大陸全土でよく見られる中型の齧歯類。ネズミに似ている)らしき動物の痕跡を見つけ出した。そこから後を辿り、数頭のクワットの群れを発見した。20mほど離れており、また風下を選んで進んでいたこともあり、獲物はこちらに気がついていない。


アーシュラ

 石ころを集めて即席のカマドを作り、枯れ草を集めて火をつける準備をした。
 そして、「マナフレイム」を唱えた。

 魔術判定/分類:発動・マナフレイム
  アーシュラ:成功


カマドを中心にして、半径2m弱ほどの範囲にわたって、魔力の炎が一瞬だけ燃え上がる。種に火をつけるには少々過剰かと思えるような火力だ。
魔力はすぐに拡散して、不自然な火は失せるが、薪代わりの枯れ草はしっかりと燃えている。
とはいえ、――すぐに燃え尽きてしまいそうだ。


マリン

ALL<

「お茶入れるのに携行の水ぢゃもったいないから、そこら辺で湧き水探してくるね。」

アーシュラ<

「適当に火をつけておいてね。」

 知力判定/分類:生存・探索 ×2
  マリン:技能なし/-1 大成功

マリンは、幸運にも助けられ、探索を始めてすぐに水場を発見することが出来た。
ちょっとした沢だ。か細く、頼りないが、水を補給するには十分事足りる。


マリン

冷たい風に髪をなびかせて、 ちょっと顔をしかめている。

アーシュラ<

「うん、今日はここで休もうか?
 わたくしはお茶でも入れますから、 アーシュラは周りをチェックしてね。」

ちょっと離れているイズミに声をかける。

イズミ<

「イズミ、私たち休みます。」


アーシュラ

 何となく単調な茶色の草原地帯を、マリンと並んで ゆっくりと歩いてきた。
 冷たい風がさびしく吹いており、 今日は、もう休みたい気分だ。

マリン<

「あ〜あ、何か気分が重いね。今日はここら辺で野宿しない?」



周囲を警戒しながら進んでいる。
なるべく目立たないように気を遣っているようだ。
といって、他の二人がそうでなかったら、そこまで効果があるかどうかは疑問である。
だが、専門家なだけあり、待ち伏せなどがあれば、彼女は他の誰よりも鋭く反応することができるだろう。

今のところは、野獣などを除けば全く異変はないと、泉は感じた。


GM

 イ=サードの北東には、城塞都市ピールを、城塞都市ならしめている理由の一つである、山脈が並んでいる。
 その近く、街道を外れた荒野の奥が、依頼人に指定された場所である。
 現在、その目的地まで二日という辺りまで来ていた。
 曇天で、吹き流れてくる風は冷たい。やけに湿気が強く、気の塞ぐような日だった。
 周囲には背の低い草がまばらに生えているだけで、肥沃な草原地帯を持ち、羊毛の産地として名高いロトッカ地方の一部とは思えないような、茶色ばかりの景色だ。