妖精の魔法使いであるリン・リリンと竜人の戦士ロウ・ファロンは、叡智の塔で出会った冒険者、オルフィーとクレリアと共にイ=サード郊外にある<シルネストの森>近くに埋もれていた古き時代の砦を訪れた。 当時は重要な拠点の一つであったらしく、今でもその頑強な威風を何とか保ってはいたが、風雨に曝されて所所に傷みと、破損が見られた。 ここには、果たしてどのような財宝と障害が眠っているのか? |
GM |
ロウが、どかっとばかりに扉を蹴り開ける。 同時に、身を震わすような咆哮が彼らに襲い掛かった。 部屋の中は明るい。なにかが晧々とした光を発しているためだ。 その正体を見て、オルフィーがぞっとするような声を上げる。 「嘘――、火鱗竜<レッドドラゴン>!?」 赤い光を放つその魔物は、例えていうならば巨大化した、翼のある蜥蜴だ。ドラゴンという名で知られる、創造竜の眷属といわれている。たいていが、通常の魔獣などは簡単に餌食としてしまうほどの戦闘能力を持っている。 彼女は、手早くその能力について説明した。 「これは空を飛んで、その速さを武器にする種類よ。 鉤爪とその顎は、岩をも砕くそうだし、尻尾もしなやかで強靭、侮れない威力の鞭になるわ。口からは炎を吐く。 屋内なのが幸いね。この竜のような、飛竜<ワイバーン>種の竜がその真価を発揮するのは、空を支配下に置いたときだから」 それから、気遣うようにロウを見る。 ――戦える? 竜は、無礼な闖入者を睨みつけ、その動向を見つめている。 |
クレリア |
ロウ< 無言で頷いて、身構える。 |
オルフィー |
リン< 「天真爛漫。 ロウ< 「了解」 |
ロウ・ファロン |
クレリア< 「いくぞ。おれが正面を引き受けるから、脇からの攻撃を頼む」 オルフィー&リン< 「二人は援護を頼むぞ」 |
リン・リリン |
オルフィー< 「うふふ。オルフィーさんと一緒だ」 クレリア< 「......」 ロウ< 「獣に有効な魔法ね...そのものずばりはないけど、複数匹いても対処できるようにしてみせるよ」 |
クレリア |
ロウ< 「ええと…。数は、多くないと思います。もしかしたら一匹しかいないかもしれません。 |
オルフィー |
ロウ< 「あら。やっぱり足手纏い」 リン< 「というわけで、また、よろしくね」 |
ロウ・ファロン |
クレリア< 「何匹くらいなのかの当たりはつけられるか?」 リン・リリン< 「獣に有効な魔法を準備してくれ。相手の数によってはさばききれんかもしれん」 オルフィー< 「というわけだ。リンと一緒にいて、身を守っていてくれ」 |
オルフィー |
ロウ< 頷いて、ロンデルダガーを構えた。 リン< 「あら、そうかしら」 |
クレリア |
リン< 無邪気なリンの言葉に微笑みを返し、頷いた。 ロウ< ロウの言葉に頷いて、再度聞き耳を立てた。 リン< 「そんな感じです」 ロウ< 「どうします?」 |
リン・リリン |
オルフィー< 「はーい。わっかりましたー。私ももうお子様じゃないんだから、好奇心に赴くままには行動しないわ」 クレリア&ロウ&オルフィー< クレリアとロウの問いかけに目を見開いて応えた。 クレリア< 物音がするとひそひそと告げるクレリアの声を聞いて、ハッとしたように身構えた。 ロウ< 「了解。さ〜て、今度はどんな魔法を使おうかなあ...それともロッドで叩こうかしら」 |
ロウ・ファロン |
クレリア< 「仲がよろしい? ん? そういうことは考えた事がなかったな」 リン・リリン< 「まあ、悪くはないよな?」 クレリア< 物音がするというクレリアの言葉に遅まきながら、声を潜めた。 オルフィー、リン・リリン< 「敵が潜んでるかもしれん。応戦できる態勢を取ってくれよ」 |
冒険者クレリア |
ロウ&リン< 「あら、仲が宜しいんですね?」 リン< 「はい、右ですね」 |
冒険者オルフィー |
ロウ< 「了解、リーダー」 リン< 「でも、下手に妙な仕組みには手を出さない方が賢明よ。 |
リン・リリン |
オルフィー< 「そっか。 クレリア< 「ん〜、どうしようかな...」 ロウ< 「へへ〜んだ。 クレリア< 「決めた!右の扉にしよっ!」 |
ロウ・ファロン |
オルフィー< 「そうか。それじゃ、何か気づいた事があったら、なんでも言ってくれ」 クレリア< 「すまないな。 リン< 「明察恐れ入ったよ」 |
冒険者クレリア |
ロウ< 「ああ、確かにそうですね。 リン< 声を潜めてリンに口寄せる。 |
冒険者オルフィー |
ロウ< 「そうね。 リン< 「別の場所と繋がる仕掛けがあるかもしれないのは、確かね。 |
リン・リリン |
オルフィー< 「あ、オルフィーさん。ロウの包帯巻いてくれたんだあ。ありがと〜♪」 クレリア< 「そっか。ロウはオルフィーさんを庇ったのか。 ロウ< 「なんで分かるかって?それはね...巻かれた包帯がすべすべのままだからだよ。ロウが巻くといっつも鉤爪でひっかいて、糸があちこちほころびてるもん♪」 |
ロウ・ファロン |
オルフィー< 「そうだな...階段のある部屋の扉を全部見てから奥に進みたいな...」 クレリア< 「おれもそう思うんだが...こっちは大騒ぎをしたわけだから、少しでも知恵のある存在ならば、姿を隠したり息を潜めたりするんじゃないかな。 リン< 「な、なんでおれが巻いたんじゃないと思うんだ、おい。 |
冒険者クレリア |
ロウ< 「ええ、見てのとおりですが…。 リン< 「ロウさんは、ちょうどオルフィーの盾になるような位置に立たれたじゃないですか? つまり、みんなの身代わりになってということですよ。 |
冒険者オルフィー |
ロウ< 「どういたしまして」 リン< 「そうですね。外から見た物よりも広いようですね。 |
リン・リリン |
クレリア< 「そうだねえ。でも、扉が2つもあるよ。意外と広い塔なんだね。 後を追ってきたロウに声をかけられて、後ろを振り向きます。 ロウ< 「あ、包帯巻いてもらったんだ。良かったね。 |
ロウ・ファロン |
オルフィー< 「ありがとう。かなり良くなったよ。 クレリア< 「そっちの様子はどうだ?」 リン< 「何か見つかったか?」 |
冒険者クレリア |
リン< 「この通路には、生き物はいないみたいですね…」 |
GM |
リンとクレリアは階段のあった部屋から通路へ出た。空気が静止している為にそう長くないことは知れるが、明かりがリンの元にある<ライト>以外に全く無い為に視界は定かではない。 階段の部屋から向かって真っ直ぐと伸びた廊下。その中途に、薄ぼんやりと、向かい合って立つ二つの扉が見える。 |
冒険者クレリア |
ロウ< 「はい、分かりました。 リン< 「ロウさんは、ちょうどオルフィーの盾になるような位置に立たれたじゃないですか? つまり、みんなの身代わりになってということですよ。 |
冒険者オルフィー |
ロウ< 「年頃の娘ね…」 ロウ:「手当て」成功! ロウのHPが完治しました。 リン< 飛んでいく後姿を見ながら、苦笑交じりに呟く。 |
リン・リリン |
オルフィー< 「へへえ。ま、それじゃ、2人で決めたって事でね♪ぶいっ♪」 クレリア< 「ロウがクレリアさんの身代わり?」 ロウ< 「どっちが良い? あ、そう。扉が良いと思うんだ。 |
ロウ・ファロン |
オルフィー< 「まあ、実戦じゃ、怪我をしても仕方ないというところか... クレリア< 「ん〜、 階段を昇るよりも先に同じ階を探索してみよう。 リン< 「無茶せずに、クレリアさんの指示に従えよ。 |
冒険者クレリア |
ロウ< 「わたしは、あんまり役に立ってませんよ。 リン< 「いいえ、わたしの分を、ロウさんが替わってくださっただけですよ。 ロウ&リン< 「あの、この部屋にはとりあえず扉が二つあるんですけど…。 |
冒険者オルフィー |
ロウ< 「あら、戦闘が舞台じゃない私とは違って、あなたは戦うのが仕事でしょう? リン< 「わたしはそこまで具体的な戦術を提案してはいないわ。 |
リン・リリン |
オルフィー< 「オルフィーさんの言った通りにライトを使ったら、うまくいったねえ。 クレリア< 「クレリアさんってば、すごいや。 ロウ< 「本当に大丈夫?」 |
ロウ・ファロン |
オルフィー<
「なんとか退治したが怪我をしてしまった。 クレリア< 「良い腕してるなあ。さすがは冒険者だ。 リン< 「おれは大丈夫だから、クレリアさんと一緒に探索をしてくれ。魔法による治療は戦闘中とか切羽詰った時に取っておいた方が良いだろう。 |
GM…戦闘 |
闇の中に、ひっそりと影猫がひしめく中、ロウはリンたちが敵の目標とならないように、その対角線上に立つ。 ひゅん 風を切り、闇を裂いて、一匹の影猫が彼へと飛び掛る。鋭い牙と爪を以って、彼の咽喉笛を切り裂くつもりで。通常なら暗闇の中、その俊速の攻撃には気付きもしなかったかもしれない。だが、暗視の訓練を積んだロウには通じず、彼は素早く反応し、牙と爪を掻い潜りながら影猫の側面に裏拳を叩き込む。 「ギャ!」 悲鳴を上げて影猫が跳ね飛び、床に叩きつけられる。しかしこの魔物は小柄で体重が軽く、衝撃の何割かはまともに当たらなかったようだ。すぐさま身体を起こして中に舞い上がる。 一匹をあしらったと思った次の瞬間、二匹の影猫が飛んでくる。 「リン!」 これを危地ではなく好機と見たロウは、リンに合図を送る。 「冷たき光をその身に突き刺す月の明かりよこの間に集え!」 リンがロウの合図に応え、高速詠唱と呼ばれる方法で<ライト>の魔法を唱える。 刹那、眩い光が影猫たちを中心に炸裂する。 一瞬にして視力を奪われ盲目となった影猫たちに混乱が満ちた。 それを見て取ったロウとクレリアが走り、混乱の中に攻撃を仕掛けた。 まず、クレリアが。 「はッ!」 ぶん、と音を立てて、鎖で繋がれたフレイルの鉄棒が影猫の身体に食い込む。打撃し、翻ってきた鉄棒を空いていた片手で掴み取り、その手で続けて一撃を繰り出す。それは躱された。しかし、クレリアはそこへもう一歩素早く踏み込んで、横殴りにフレイルを振るう。これは直撃し、影猫は錐揉みしながら地に落ちた。 それをわき目に見ながらロウが直進し一体の影猫に右の拳を繰り出す。完全に自失していた魔物は躱す事も出来ず、それを直撃される。強く床に叩きつけられ、ただ一撃でその影猫は動かなくなる。拳を振るった残身そのままに“溜め”て、左から正面の影猫に拳撃を打ち込む。渾身の一撃に、為す術も無く影猫は倒れる。 そこで、最初にロウに打たれていた為に明かりの直撃を受けていなかった影猫がやっと明暗差に慣れ、ロウに襲い掛かる。 「くっ」 影猫はロウの右腕に喰らい付き、同時に爪で掻き毟る。 生来頑強なロウの身体には深手とはならなかったが、それでも肉が破れ血がしぶく。ロウは影猫を振り払おうとするが、この魔物も必死にしがみ付いている、離れない。そこへ、 「眩く者にして虚ろなる 昼の象徴その王者 光矢となって撃ち抜け!」 リンの<マナ・アロー>が飛来し、その背中を灼く。 先ほどにもロウの一撃を受けていた影猫は、それで力尽きて、倒れた。 ロウ:
リン:
「高速詠唱」成功!
クレリア:
≪戦闘終了≫
リン:
|
冒険者クレリア |
ロウ< 「了解しました。 リン< 「ええ、でも、わたしよりもあなたの方が気を付けて下さいね。 |
冒険者オルフィー |
ロウ< 「ええ、何とかやってみるわ」 リン< 「明りは、付けても自分では持たない方がいいと思うわよ。 |
リン・リリン |
オルフィー< 「思ったよりも暗かったねえ... クレリア< 「あ、そっか。ここは古代人の遺跡なんだっけ... クレリア< 「気をつけてね。がぶってやられたら、痛そうだよ...」 ロウ< 「分かった。灯りをつければ良いんだね...任せて!」 |
ロウ・ファロン |
オルフィー<
「いざとなったら、いったん退く。 クレリア< 「こいつらは素早いうえに、おれ達の目は暗さに慣れていない。 リン< 「暗視が出来るおれはともかく、クレリアにはもっと灯りが必要だ。 |
GM |
ロウを先頭に螺旋階段を上っていく一行。 数十段を上がって、一枚の天井を越えたその刹那。 布を切り裂くような音を立て、一陣の風がロウに襲い掛かる。 息を呑み、ロウは足を乗せ掛けていた二階の床に一気に踏み込んで転がるようにしてそれを突破し、攻撃を躱した。 「あれは――!?」 最後尾でオルフィーが声を上げる。 魔物や獣に付いてはかなりの見識を持つ彼女だが、その攻撃者については全くの心当たりが無かった(といっても、薄明りにその姿を垣間見ただけだが)。 暗視能力を持つロウは、(色の区別は付かないものの)ある程度はっきりと相手を視認する事が出来た。 酷く痩せ細った、黒い皮翼の生えた猫。瞳は、少ない光量でも完全に相手を捕捉できるように進化し、瞳孔を大きく開かせて自分達を見つめている。口からは嘘のように大きく鋭い牙が伸びて、鈍い光を放っていた。 これが数匹。 空中でホバーリングして尾を大きく振りながら身構え、そして飛び掛る。 この小柄な素早い魔物を相手取るには、ランタンの明かりだけでは不足だとロウは感じる。同時に、暗闇に慣れ切ったこの魔物には瞬間的に明かりを灯した時、少なからぬ衝撃を与えることが出来るだろうとも思った。 「前に出ます!」 クレリアが叫び、フレイルを構えてロウの脇に並んだ。 ≪戦闘開始≫
|
冒険者クレリア |
ロウ< 「…そうですね。 リン< 言って、リンに微笑みかける。 「ええ、今の常識で言うと、貴族階級は自分の紋章を持っているのが普通ですね。……でも、古代人たちは解りませんね。いまだに、古代の住人達の暮らし振りは解っていませんから」 |
冒険者オルフィー |
ロウ< 「了解。じゃあ、灯りは私が確保しておくわね」 リン< 「出来るだけ使わないに越した事は無いけどね。 |
リン・リリン |
オルフィー< 「魔法を使うチャンス?やっぱ、灯りの魔法かな♪ クレリア< 「国家運営?ということは...責任者は貴族の人達とかだったのかな?貴族もみんな、自分の紋章を持っているよね?」 ロウ< 「ライト?あるよ?点けた方が良い? オルフィー< 「あのね。ランタンだけじゃなく、魔法の灯りもあった方が良い? |
ロウ・ファロン |
オルフィー<
「しかし、暗いな。ランタンを点けるか、 クレリア< 「扉がこじ開けられたってことは先客がいたってことなのかもしれんな。この邪気はその先客のものなのか... リン< 「ところで、魔法で灯りはつけられねえのか? |
GM |
ロウとリン、オルフィーとクレリアたちは、それぞれ緊張しながら塔の中に入っていった。中は明かりも無かったが、所々の岩壁に穴が空いていた為に、歩くのに不自由しないくらいの明るさはあった。それでも薄暗く、ちょっとした霧の中にいるほどの視界である為、危険なことには変わりないが。 螺旋階段がまず目に入る。太い柱に沿って回転しながら走っていく階段だ。見上げると、段は次第に闇に包まれながら天井の合間を抜けていっている。 他に道はなく、とりあえずこの階段を昇るしか無さそうだが……。 |
冒険者クレリア |
ロウ< ドアを丹念に調べてから、ロウの問いに曰く、 リン< 「あら、そういえば……。 |
冒険者オルフィー |
ロウ< 「ええ、その通りね。 リン< 「けれど、魔法を使うチャンスがあるという事は、つまり危険の中にいるということでもあるわよ?」 |
リン・リリン |
オルフィー< 「ん?そうかな? そう言われると嬉しい♪ クレリア< 「お馬さんかあ...鷲にお馬さん... ロウ< 「ん?...分かった。 |
ロウ・ファロン |
オルフィー<
「嫌な感じがすると言ってもどのみち調べるしかあるまいよ。まあ、引き返すって選択もあるにはあるけど... クレリア< 「ノブがゆるいってことは頻繁に使われていたということになるのかな? リン< 「おれが先頭で昇って行くから、オルフィーさんと一緒にいてくれ。とっさの時に振り落としちまうかもしれないからな」 |
GM |
クレリアの言葉のとおり、彼等のたどり着いたDの塔の扉には、馬の紋章が刻まれていた。 そして、彼女が調べたところ、今度の扉には施錠はなされていない様子だった。鍵が壊れてでもいるのだろうか? ノブは緩く、軽く押しただけでも奥へと開いていった。 |
冒険者クレリア |
ロウ< 「ええ、ありがとうございます」 リン< 「ええ。 |
冒険者オルフィー |
ロウ< 瞼を閉ざして沈思してから、顔を上げて答える。 リン< 「そうね」 |
リン・リリン |
オルフィー< 「んー、そうだねえ。 クレリア< 「なるほど?...鷲の鍵かあ。次の塔は何の鍵なのかなあ。 ロウ< 「...そーゆー魔法もあるかもしんないけど、 |
ロウ・ファロン |
オルフィー<
「クレリアさんの腕が未熟だったとしても他の者じゃ、もっとどうしようもないじゃないか。それよりも嫌な空気はどの辺から感じる? クレリア< 「おう。期待してるぜ。ま、全体的に難しい構造ってことは十分あるから、あまり気にせずに普段通りにやってくれ。 リン< 「そうか。そいつは残念だな。 |
冒険者クレリア |
ロウ< 「はい…。 リン< 「鷲の彫刻…。 |
冒険者オルフィー |
ロウ< 「そうね。……まあ、クレリアの腕が未熟なだけかも知れないけれど」 リン< 「まあ、要は心構えの問題ね。 |
リン・リリン |
オルフィー< 「でも、危険って気がついた時は手遅れってこともあるよねえ。 クレリア< 「ねね。あの鷲の姿の彫刻って何か意味あるの? ロウ< 「幾ら私が小さいからって、そんなん出きるわけないじゃん」 |
ロウ・ファロン |
オルフィー<
「クレリアが開けられないんじゃ、開けることは無理だな。 クレリア< 「役に立てないなんてそんなことはない。 リン< 「リン、鍵穴から入って、中から開けれるか?」 全員< 「とりあえず、Dの塔に行ってみよう」 |
GM |
ロウとリンたち一行は、 正門から向かって右に建てられた建造物へと向かっていった。 ロウを先頭にその肩に乗るリン、クレリア、オルフィーの順で進んで行く。 草が脛まで伸びた道を越えて、その建物の前まで来た。 石造りの詰め所のような外観で、びっしりと苔が生えている。 西側…即ち彼等から見える正面に金属製の扉が付けられており、 入り口はこの扉の他には無いようだ。 クレリアが進み出でて調べてみたところ、扉に罠は無いが、頑丈な鍵が掛かっており、それはどうも、彼女には開けられないほどのものらしい。 「すみません…、わたしはお役に立てません」 申し訳無さそうにクレリアは頭を下げる。 「鍵穴から覗いてみたんですが、かなり複雑な代物なんです」 扉のノブの上部には、鷲の姿を模った彫刻が為されている。 さて、どうしたものか? |
冒険者クレリア |
ロウ< 「ええ、了解しました」 リン< 「はい、そうですね。 |
冒険者オルフィー |
ロウ< 「ええ、あまり重く考えなくても大丈夫よ。 リン< 「“二兎を追う者一兎も得ず” |
リン・リリン |
オルフィー< 「出来れば取る...か。それが大事だねえ。命はひとつだもんね♪」 クレリア< 「深い? そうかなあ。ま、魔法だけは自信あるけどねえ。 ロウ< 「あいあいさ〜。れっつごー」 |
ロウ・ファロン |
オルフィー< 「リーダー!!」 クレリア< 「教えてくれるのか?そいつはありがたいな。 リン< 「そいじゃ、Eの塔に行くぞ」 |
冒険者クレリア |
ロウ< 「この冒険が終わった後に時間があって、 リン< 「耳年増なんですよ」 |
冒険者オルフィー |
ロウ< 「まあ、先頭になってくれる人がリーダーということね。 移動するときや先に行く時は、メールの末尾にでも、
リン< 「ええ、“元の木阿弥”ならばいいけど、 |
リン・リリン |
オルフィー< 「魔道書かあ。あると良いねえ。 クレリア< 「へえ、クレリアさんって、魔法使いじゃないのに詳しいねえ。 ロウ< 「過去を調べる魔法があるけど... |
ロウ・ファロン |
オルフィー< 「ん? おれが決めちまって良いのか? クレリア< 「へえ、地図を書くのがうまいなあ。 リン< 「魔法的な仕掛けとかはなさそうか?」 |
GM |
ロウたちは、正門を通って、砦の敷地内へと足を踏み入れる。 そこで皆一様に、軽い悪寒が背中を通り抜けるのを感じた。 「嫌な空気ね……」 オルフィーがそっと呟く。 所所が荒れている砦には、奇妙な空気が渦を巻いていた。 クレリアは周囲を調べ、そして先程丘の上から見下ろして組み上げた、 |
冒険者クレリア |
ロウ< 「あら、でも、そこまで優れた技を持っているわけではありませんよ」 リン< 「そういえば、友達の魔法使いの人に聴いたんですけど… |
冒険者オルフィー |
ロウ< 「そうね、普通に道を歩く時はクレリアが先頭で、 リン< 「その可能性は高いわね。 |
リン・リリン |
オルフィー< 「魔法の実験場!!」 クレリア< 「生物なら良いんだけどねえ...幽霊とかだと魔法も効かないかもしれないもん... ロウ< 「は〜い。分かってるよ〜だ。 |
ロウ・ファロン |
オルフィー< 「よーし、OKだ。危なそうなところはおれが先頭に立つから教えてくれ。 クレリア< 「へえ、わりとよくか... リン< 「しばらくは魔法の専門家の出番はなさそうだな。 |
冒険者クレリア |
ロウ< 「ええ、わりとよく来ますよ、こういうところ。 リン< 「魔物も、幽霊も、いるかもしれませんねー。 オルフィー< 「ええ、任せておいてくださいね〜」 |
冒険者オルフィー |
ロウ< 「さあ、どうしようかしら?」 クレリア< 「少しはね。 クレリア< 「罠の類は私には分らないからね。 |
リン・リリン |
オルフィー< 「いよいよだねえ。楽しみ楽しみ。 クレリア< 「ねね。魔物いるかな、魔物。それとも幽霊とか出るのかなあ...魔法が効かない相手とかいたらどうしよう...」 ロウ< 「はいはい。そんじゃ、おとなしくしてるよ」 |
ロウ・ファロン |
オルフィー< 「やっぱり、正面から入るのか?」 クレリア< 「クレリアさんはこういったところに前に来た事はあるのか?」 リン< 「遺跡とは言え、砦だ。 |
GM |
その砦は、ちょっとしたものだった。 大きな正方形をした建造物がまず一つ中央に置かれ、 その頂点に四つ、真中のそれよりは劣る大きさの詰め所らしきものが配置されている。 その周囲をぐるりと城壁が囲んでいたが、至る所が崩れ、もはやその役目を果たしてはいない。 これでは、動物や魔物が入り込むこともさぞかし容易であろう。 「さて…、それじゃあ、行きましょうか?」 森を脇に置いた丘の上から砦をそうやって一望してから、オルフィーが皆に告げる。 |