夢魔の宝石を以って夢魔に捕らわれたフォレスティのシーラ。
シエラ、霧雨、ミネルヴァの三人の冒険者はクロードの願いで、
彼女を夢の世界から救い出す為に、宝石の魔力へその身を委ねた。
GM |
ミネルヴァは、一瞬、「ざわ」という音と共に視界が霞んだのを感じる。 と、同時に、自分が、何時の間にか、目の前に立っている霧雨に剣を突きつけているのを意識した。 ミネルヴァと霧雨は合流しました。 |
ミネルヴァ・ラ・ルーラ |
背後からの気配に、緊張が走る。 腰のフランベルグに手をかけ、振り向いてすばやく身構える。 「誰!」 |
GM |
ミネルヴァがトンネルへと一歩、踏み出そうとした刹那、彼女の感覚に閃光が走った。 何かが、自分の、後ろに、居る! |
ミネルヴァ・ラ・ルーラ |
「…! なんだったの、今のは…」 よろよろと立ち上がり、笛をしっかりと懐にしまい、あらためて墓碑の碑名を読もうとする。 それからしばしためらった後、意を決してトンネルの中へと足を踏み込む。 |
GM |
ミネルヴァがその笛を手に取った瞬間、彼女の脳裏に、何か圧倒的な情景が押し寄せてきた。 それは… 宮廷で開かれる舞踏会であったり、 ミネルヴァは、目くるめく無数の想念に混乱して、その場にへたり込む。 |
ミネルヴァ・ラ・ルーラ |
墓碑と、トンネルの中の古城。不思議な光景をしばらく見ていたが、傍の笛に気付く。 「あ、これは…」 引きつけられるように笛を手に取り、じっと観察する。 ミネルヴァは「錆びた横笛」を入手。 |
GM |
障害を排除し、ミネルヴァは前へと進んでいく。 心なしか、周囲の邪気が晴れてきたような気がした。 荒野を、一歩、一歩確かめながら進んでいくと、前に、石碑が見えた。 近付いていく。 石碑は、どうやら何某かの墓碑であるらしい。 その墓標の背後に、薄らと白い光を放つ、奇妙なトンネルめいたものが浮かんでいた。慎重に中を覗くと、古びた城砦のようなものが垣間見えた。 そうして、気が付く。 墓碑の脇に、一本の笛が落ちている。 恐らくは銀製の、古びた笛だ。 キィン 彼女がその存在に気がついた瞬間、それは高い、澄んだ音を発したかのようだった。妙に、心に惹かれる。 |
ミネルヴァ・ラ・ルーラ |
(くっ…かなりやられたわね) 傷の具合を確かめ、再び歩き出す。 |
戦闘 |
(難しい相手ね……) あらためてフランベルグを握り直す。 そして、剣を構え、敵を見詰めながら気を練り、纏う。 <ウィンドスラスト> 耳元で風が唸る。斬撃とともに、荒れ狂う風の刃が敵を刻んだ。 「ウォォオオォォォォンッ!!」 その笑顔を歪めて、人魂はもがく。 悶える人魂に、ミネルヴァは一撃、二撃。 猛り狂い、人魂はミネルヴァに体当たりする。 「くぅ…っ」 ミネルヴァ:
ミネルヴァは、再度<ウィンドスラスト>を狙う。 ≪戦闘終了≫
≪戦況≫
≪状態≫
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戦闘 |
人魂から敵意を感じ取ったミネルヴァは動作を一変させ、一挙動で引き抜いた小剣を手に、その髑髏に突き掛かった。 ミネルヴァ:
素早い二連の切っ先が、虚ろな微笑みを切り裂き、引き裂く。 ミネルヴァ:
僅かに狙いがそれ、一撃目は外したものの、もう一撃は、深々とこの死霊めいた魔物を穿った。 ミネルヴァ:
「くぅ…っ」 戦況の変化で、行動方針に変更をする方はメールを送ってください |
GM |
ミネルヴァに無視される形となった無数の人魂は、不満げに揺れる。 通り過ぎていこうとする彼女を押し包むように、彼らはミネルヴァに詰め寄った。身体を膨れ上がらせ、まるで抱きしめようとでもするかのように。 彼女は反射的に跳躍し、危うくその抱擁から逃れた。 人魂たちは彼女の行く手を阻むように回り込み、……、そして小さなそれぞれの塊が、寄り集まっていく。 全ての人魂が、一つの固まりとなる。それは淡い灰色の髑髏の形を取って、笑いの表情にその形を歪めた。 ≪戦闘開始≫
≪戦況≫
≪状態≫
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ミネルヴァ・ラ・ルーラ |
(今度は人魂。夢の世界は何でもあり、というわけね……) 人魂を見つめ返し、歩く速度を緩める。が、立ち止まりはしない。 |
GM |
ミネルヴァがクロードに指示された方向に急いでいると、不意に、彼女は自分が何者かに取り囲まれていることに気が付いた。 それは、暗灰色の炎の揺らめきだった。 その全てが自分の盲点にいたかのように、全くの突然に現れたのだ。 人魂めいた揺らめきは、じっと彼女に意識を向けている。 |
ミネルヴァ・ラ・ルーラ |
「くっ……」 突然変わった風景に、漠然とした不安と焦りを感じる。 クロードの指した方向へ、警戒しながらも早足で向かう。 |
GM |
ミネルヴァの問いに、クロードは首を傾げて何事か答えようとするが、不意に表情を変える。ミネルヴァに口を開き、「急ぎなさい」と伝えてきた。 そして再度、先程の方向を指差し、頷きかける。 その刹那、彼ら二人の姿は霞んで消えた。 それと同時に、辺りの風景も一変する。 画布に上塗りしていた絵の具を溶かしていくように、一面の花畑は荒野へと変じ、目の前の木も無残に枯れ、折れた物となる。 空気もまた、変化を見せる。 それまでは暖かく包み込むような陽気だったが、冷たく、邪気に満ちた気へと変じた。 空は赤く…血のようなどす黒い紅に染まる。 全てが一転して、あたかも冥界の風景のようになってしまっていた。 |
ミネルヴァ・ラ・ルーラ |
(「此処に居てはいけない」? どういうこと?) こちらの声は聞こえていないようだ。しばし考える。 クロード< 「……わかったわ。その前にひとつだけ答えて。 |
GM |
二人はミネルヴァに気が付いた様子で振り向く。 クロードはミネルヴァに向かい、にっこりと微笑みかけた。 …だが、どうも、ミネルヴァの声は聞こえてはいないようだ。 クロードはこくりと首を傾げてから頷き、口を動かして何事かを言う。 ミネルヴァには唇を読む知識は無かったが、何故か彼が何を言っているのかが判った。 「此処に居てはいけない」 そして、手を伸べてある方向を指差す。 あちらに行きなさい、という様に。 |
ミネルヴァ・ラ・ルーラ |
近付くと、木が光っているのがわかる。根元にはクロードと顔の見えない女性。 仲のいい恋人同士に見える。が……おかしい。違和感を感じる。 (クロードはシーラさんを追ってここへ来たはず。あんなにやつれていた彼が…。 ゆっくりと二人に近付き、話しかける。 クロード< 「はじめまして。お邪魔してごめんなさいね。ちょっとお聞きしたいことがあるのだけど?」 |
GM |
木へと進んでいったミネルヴァは、その気の周りが仄かな明かりを放っていることに気が付く。柔らかく、暖かい空気だ。 近付き、よく見ると、木の根元に二つの人影があった。 「……?」 その人影のうち、一人の姿は判然とした。クロードだ。 彼女の知っているクロードとは違い、穏やかで落ち着いた雰囲気をしている。 しかしもう一つの人物はよく分からない。 恐らく女性のようだが、顔の部分だけが霞みが掛かっているようにぼやけているのだ。 クロードと女性は二人で寄り添っている。仲睦まじい様子だった。 |
ミネルヴァ・ラ・ルーラ |
気が付くと1人、花畑の中にいた。 (これが夢の世界……他の皆は……!) 聞こえてきた声に振り向くと、一本の木が現れている。 (ここは夢の中。何が起こるかわからないわね…) 警戒しながら、ゆっくりと木のほうへ近付く。 |
GM |
ミネルヴァが気が付くと、其処は広大な花々の原だった。 シエラと霧雨、クロードの姿は何処にも見えない。 「此処が夢の世界……?」 見上げると嘘のように澄んだ青空が迎える。 確かに、御伽噺のような美しい風景ではある。 邪悪な夢魔の住む世界とは思えないが…… ――ふと、ミネルヴァは背後から何かの声を聴いた様な気がした。 振り向くと、何も無かったはずの花畑の地平に、一本、木が見える。 |