PBeM
〜Dragon Pursurs〜
竜追い達の唄

シナリオ

「虚無の楽園」

夢魔の宝石を以って夢魔に捕らわれたフォレスティのシーラ。
シエラ、霧雨、ミネルヴァの三人の冒険者はクロードの願いで、
彼女を夢の世界から救い出す為に、宝石の魔力へその身を委ねた。


 
GM

ミネルヴァは、一瞬、「ざわ」という音と共に視界が霞んだのを感じる。
と、同時に、自分が、何時の間にか、目の前に立っている霧雨に剣を突きつけているのを意識した。

ミネルヴァと霧雨は合流しました。
以後は、こちらで進行していきます。



 
ミネルヴァ・ラ・ルーラ

背後からの気配に、緊張が走る。
腰のフランベルグに手をかけ、振り向いてすばやく身構える。
「誰!」


 
GM

ミネルヴァがトンネルへと一歩、踏み出そうとした刹那、彼女の感覚に閃光が走った。
何かが、自分の、後ろに、居る!


 
ミネルヴァ・ラ・ルーラ

「…! なんだったの、今のは…」
よろよろと立ち上がり、笛をしっかりと懐にしまい、あらためて墓碑の碑名を読もうとする。
それからしばしためらった後、意を決してトンネルの中へと足を踏み込む。


 
GM

ミネルヴァがその笛を手に取った瞬間、彼女の脳裏に、何か圧倒的な情景が押し寄せてきた。
それは…

宮廷で開かれる舞踏会であったり、
恋人の死に、悲嘆に暮れる女性であったり、
小さな山荘、その中での幸せな食事の風景であったり、
顔を真っ赤にして激怒する男の姿であったりした。

ミネルヴァは、目くるめく無数の想念に混乱して、その場にへたり込む。
その手から笛が落ちると、想念は消えうせた。
落ち着いてから、恐る恐る、もう一度笛に手を触れてみるが、今度は何事も起こらなかった。



 
ミネルヴァ・ラ・ルーラ

墓碑と、トンネルの中の古城。不思議な光景をしばらく見ていたが、傍の笛に気付く。
「あ、これは…」

引きつけられるように笛を手に取り、じっと観察する。

ミネルヴァは「錆びた横笛」を入手。



 
GM

障害を排除し、ミネルヴァは前へと進んでいく。
心なしか、周囲の邪気が晴れてきたような気がした。
荒野を、一歩、一歩確かめながら進んでいくと、前に、石碑が見えた。
近付いていく。
石碑は、どうやら何某かの墓碑であるらしい。
その墓標の背後に、薄らと白い光を放つ、奇妙なトンネルめいたものが浮かんでいた。慎重に中を覗くと、古びた城砦のようなものが垣間見えた。
そうして、気が付く。
墓碑の脇に、一本の笛が落ちている。
恐らくは銀製の、古びた笛だ。
キィン
彼女がその存在に気がついた瞬間、それは高い、澄んだ音を発したかのようだった。妙に、心に惹かれる。

 
ミネルヴァ・ラ・ルーラ

(くっ…かなりやられたわね)
傷の具合を確かめ、再び歩き出す。


 
戦闘

(難しい相手ね……)
あらためてフランベルグを握り直す。
そして、剣を構え、敵を見詰めながら気を練り、纏う。
<ウィンドスラスト>
耳元で風が唸る。斬撃とともに、荒れ狂う風の刃が敵を刻んだ。
ウォォオオォォォォンッ!!
その笑顔を歪めて、人魂はもがく。
悶える人魂に、ミネルヴァは一撃、二撃。
猛り狂い、人魂はミネルヴァに体当たりする。
「くぅ…っ」

ミネルヴァ:
体当たり>3回Hit!…HP−4・−3・−5
HP…24/45

ミネルヴァは、再度<ウィンドスラスト>を狙う。
「これでどう!」
今度こそ、風と鋼の刃は、妖の亡者に止めを刺した。

≪戦闘終了≫
ミネルヴァ・ラ・ルーラ
vs
微笑む魂
(実体/死者/不浄)

≪戦況≫
戦場・荒野/通常
属性・邪気/自然

≪状態≫
ミネルヴァ・ラ・ルーラ:
肉体…24/45
精神…15/27
取得…
PP0.5
SP1.0
BP0.5
小剣術0.3
舞踏0.3



 
戦闘

人魂から敵意を感じ取ったミネルヴァは動作を一変させ、一挙動で引き抜いた小剣を手に、その髑髏に突き掛かった。

ミネルヴァ:
「小剣術」攻撃!>微笑む魂
>命中!
>命中!
2回Hit!

素早い二連の切っ先が、虚ろな微笑みを切り裂き、引き裂く。
だが髑髏はさして意に介した様子も無く、更に微笑みを深くした。
そして、突如、ぐわりと大口を開き、それまでの緩慢とした動きからは想像もつかない速度で喰らい付いて来る。
しかしミネルヴァは冷静にその動きを見極め、それを捌いた。
大口を避け、その横を擦り抜け様に、彼女は再度攻撃を打ち込んだ。

ミネルヴァ:
「小剣術」攻撃!>微笑む魂
>失敗!
>命中!
1回Hit!

僅かに狙いがそれ、一撃目は外したものの、もう一撃は、深々とこの死霊めいた魔物を穿った。
根元まで埋まるほどの一撃に、さすがに微笑みを歪ませて人魂は唸る。
僅かに距離を取り、人魂はまた、大口を開く。
身構えるミネルヴァに、しかし人魂はその場を動かずに、口を窄ませて勢い良く息吹を放った。
息吹、といっても、無論ただの息ではない。
見るからに不浄そうな毒々しい紫色の霞みが彼女を襲う。

ミネルヴァ:
嘆きの息>HP−9(貫通)
HP…36/45

「くぅ…っ」
避け切れないながらも、霧を振り払うが、霧は彼女に纏わりつき、その肉体を冒す。無数の小さな毒虫に刺される様な痛みがミネルヴァに走る。
それを見、人魂は、深く深く、楽しげに微笑んだ。

戦況の変化で、行動方針に変更をする方はメールを送ってください



 
GM

ミネルヴァに無視される形となった無数の人魂は、不満げに揺れる。
通り過ぎていこうとする彼女を押し包むように、彼らはミネルヴァに詰め寄った。身体を膨れ上がらせ、まるで抱きしめようとでもするかのように。
彼女は反射的に跳躍し、危うくその抱擁から逃れた。
人魂たちは彼女の行く手を阻むように回り込み、……、そして小さなそれぞれの塊が、寄り集まっていく。
全ての人魂が、一つの固まりとなる。それは淡い灰色の髑髏の形を取って、笑いの表情にその形を歪めた。

≪戦闘開始≫
ミネルヴァ・ラ・ルーラ
vs
微笑む魂
(実体/死者/不浄)

≪戦況≫
戦場・荒野/通常
属性・邪気/自然

≪状態≫
ミネルヴァ・ラ・ルーラ:
肉体…完全
精神…完全



 
ミネルヴァ・ラ・ルーラ

(今度は人魂。夢の世界は何でもあり、というわけね……)
人魂を見つめ返し、歩く速度を緩める。が、立ち止まりはしない。


 
GM

ミネルヴァがクロードに指示された方向に急いでいると、不意に、彼女は自分が何者かに取り囲まれていることに気が付いた。
それは、暗灰色の炎の揺らめきだった。
その全てが自分の盲点にいたかのように、全くの突然に現れたのだ。
人魂めいた揺らめきは、じっと彼女に意識を向けている。


 
ミネルヴァ・ラ・ルーラ

「くっ……」
突然変わった風景に、漠然とした不安と焦りを感じる。
クロードの指した方向へ、警戒しながらも早足で向かう。


 
GM

ミネルヴァの問いに、クロードは首を傾げて何事か答えようとするが、不意に表情を変える。ミネルヴァに口を開き、「急ぎなさい」と伝えてきた。
そして再度、先程の方向を指差し、頷きかける。
その刹那、彼ら二人の姿は霞んで消えた。
それと同時に、辺りの風景も一変する。
画布に上塗りしていた絵の具を溶かしていくように、一面の花畑は荒野へと変じ、目の前の木も無残に枯れ、折れた物となる。
空気もまた、変化を見せる。
それまでは暖かく包み込むような陽気だったが、冷たく、邪気に満ちた気へと変じた。
空は赤く…血のようなどす黒い紅に染まる。
全てが一転して、あたかも冥界の風景のようになってしまっていた。


 
ミネルヴァ・ラ・ルーラ

(「此処に居てはいけない」? どういうこと?)

こちらの声は聞こえていないようだ。しばし考える。

クロード<

「……わかったわ。その前にひとつだけ答えて。
あなたは、夢のクロード?」
唇の動きが分かりやすいよう、ゆっくりと話す。



 
GM

二人はミネルヴァに気が付いた様子で振り向く。
クロードはミネルヴァに向かい、にっこりと微笑みかけた。
…だが、どうも、ミネルヴァの声は聞こえてはいないようだ。
クロードはこくりと首を傾げてから頷き、口を動かして何事かを言う。
ミネルヴァには唇を読む知識は無かったが、何故か彼が何を言っているのかが判った。
「此処に居てはいけない」
そして、手を伸べてある方向を指差す。
あちらに行きなさい、という様に。


 
ミネルヴァ・ラ・ルーラ

近付くと、木が光っているのがわかる。根元にはクロードと顔の見えない女性。
仲のいい恋人同士に見える。が……おかしい。違和感を感じる。

(クロードはシーラさんを追ってここへ来たはず。あんなにやつれていた彼が…。
たとえ演技だとしても、不自然すぎる…)

ゆっくりと二人に近付き、話しかける。

クロード<

「はじめまして。お邪魔してごめんなさいね。ちょっとお聞きしたいことがあるのだけど?」



 
GM

木へと進んでいったミネルヴァは、その気の周りが仄かな明かりを放っていることに気が付く。柔らかく、暖かい空気だ。
近付き、よく見ると、木の根元に二つの人影があった。
「……?」
その人影のうち、一人の姿は判然とした。クロードだ。
彼女の知っているクロードとは違い、穏やかで落ち着いた雰囲気をしている。
しかしもう一つの人物はよく分からない。
恐らく女性のようだが、顔の部分だけが霞みが掛かっているようにぼやけているのだ。
クロードと女性は二人で寄り添っている。仲睦まじい様子だった。


 
ミネルヴァ・ラ・ルーラ


気が付くと1人、花畑の中にいた。
(これが夢の世界……他の皆は……!)
聞こえてきた声に振り向くと、一本の木が現れている。
(ここは夢の中。何が起こるかわからないわね…)
警戒しながら、ゆっくりと木のほうへ近付く。


 
GM

ミネルヴァが気が付くと、其処は広大な花々の原だった。
シエラと霧雨、クロードの姿は何処にも見えない。
「此処が夢の世界……?」
見上げると嘘のように澄んだ青空が迎える。
確かに、御伽噺のような美しい風景ではある。
邪悪な夢魔の住む世界とは思えないが……
――ふと、ミネルヴァは背後から何かの声を聴いた様な気がした。
振り向くと、何も無かったはずの花畑の地平に、一本、木が見える。