PBeM
〜Dragon Pursurs〜
竜追い達の唄

シナリオ

「虚無の楽園」

憩いの広場で一人、焦慮の曲を奏でる詩人クロード。
彼が抱える問題は、「ただの難事」では済まないらしい。
彼は数々の冒険者の中に人を探り、諦めて来た。
そして、とうとう彼が希望を見出したのは3人の冒険者。
彼らはクロードに導かれて、静かな山荘へと訪れた。
果たして彼の問題とは、そして…

夢魔の宝石を以って夢魔に捕らわれたフォレスティのシーラ。
シエラ、霧雨、ミネルヴァの三人の冒険者はクロードの願いで、彼女を夢の世界から救い出す為に、宝石の魔力へその身を委ねた。



 
GM

 シエラの言葉に、一同は外に出てみることにした。
 日差しが、今は早朝である事を告げている。
 ここに来てから少なくとも一日は経過していたようだった。

 外には、誰もいなかった。

 彼は消えてしまったのか?
 それではシーラは?

 彼らが、無人の庵を背にして途方に暮れているところに、涼やかな声がした。
 振り向くと、クロードがいた。
 彼らが一度も目にしたことのない悪戯っぽい表情で。
 クロードは、彼らに渡すためのお礼を取りにいっていたのだという。

「ごめんなさい、驚かせてしまいましたね」

 その腕にはいまだ眠ったままのシーラがいる。
 クロードはその寝顔に、全てを許してしまいしまいそうな、愛しさに溢れた眼差しを注ぐ。

「あなた方には、何から何までお世話をかけてしまいました」

 大したことはできませんがと、彼が差し出したのは三個の鈴と、金貨の入った袋だった。袋には合計で3000ルディが入っているそうだ。

「この鈴は、わたしと、あなたがたの絆です」

 彼のベルトにも下がっている鈴。“探訪者の鈴”とその名を教え、それから、そう彼は言った。

「この鈴を鳴らし、想って下さい。あなたがたにはわたしの居場所がわかります、わたしにもあなたがたの居場所がわかります。
 お互いが、これで同調できるのです。あの夢の中のように、思念での会話もできます。
 ……これは、わたしたちの絆です。
 いつでも呼んで下さい。わたしは、いつでも、現れますから」

 最後に、もう一度、礼を言う。

「シエラさん、霧雨さん、ミネルヴァさん。ありがとうございました。
 シーラを助けてくれて。そしてわたしをこの世界に繋ぎとめてくれて。
 いつか、いつか。
 わたしは語りましょう。奏でましょう。
 三人の竜追い達の唄を」

----------≪シナリオ8≫----------
終了
-完全成功-
-------------------------------------------

シエラ
 「探訪者の鈴」を得た!
 「古銀の手鏡」が消失!
 1000ルディを得た!
 10SPを得た!
 5BPを得た!
 5IPを得た!
 3PPを得た!
 片手剣術:+0.4SP
 魔術:+0.5SP
  「マナアロー」:+0.1IP
  「ヒールタッチ:+0.1IP」
 詠唱魔術:+0.5SP

霧雨
 「探訪者の鈴」を得た!
 「青鷺の剣」が…消えない!
 唯一、クロードの思念で生まれた存在は、夢の世界から抜け出てもその力を保っていた。
 「青鷺の剣」を得た!
 1000ルディを得た!
 10SPを得た!
 5BPを得た!
 3PPを得た!
 刀術:+1.3SP
  「真空烈」:+0.1BP
 二刀流:+1.3SP
 体術:+0.6SP
 軽業:0.3SP
 忍術:+0.6SP
  「紅蓮」:+0.4BP
  「鷲羽」:+0.1BP
  「幻夢」:+0.1BP

ミネルヴァ
 「探訪者の鈴」を得た!
 「錆びた横笛」が消失!
 1000ルディを得た!
 10SPを得た!
 5BPを得た!
 3PPを得た!
 小剣術:+0.8SP
  「フラッシュ」:+0.2BP
  「ウィンドスラスト」:+0.1BP
 体術:+0.3SP
 舞踏:+0.3SP

-------------------------------------------
 三人は騎士王国シルヴァードの憩いの広場に移動しました。
 「探訪者の鈴」を使用することで、三人は互いと、そしてクロードといつでも連絡をとることができます。非売品で、売却はできません。

 
シエラ・バゼラード

(ぼー・・・・)
何も思わずにぼーっとしていたシエラは
(!)
突然我にかえった。
(ど・・・どどどどど・・・)
いま目の前に広がる風景と、夢魔の世界がシエラのなかで混同していた。
「こ・・・ここは・・・」
(そうか・・・、クロードさんの家だ・・・)
寝台から降りると、霧雨とミネルヴァを確認するように見た。

霧雨&クロード<

「・・・、クロードさんはきっと外にいると思います。」
部屋からは何も聞こえないことから、シエラはそう予想した。



 
GM

部屋を出てみても、そこには誰もいない。
霧雨が見た食事の風景は、二度と、ここで再現される事はないのだろうか。

 
ミネルヴァ・ラ・ルーラ

目を覚まして起き上がる。
シエラと霧雨を確認し、それからあたりを見回す。

ALL<

「どう……なったの? あの二人は…」



 
紫堂霧雨

気がついた矢先、霧雨はすぐ辺りを見回した。
(ここは…元の場所…?)
視界に空の寝台が入る。
(誰もいない…シーラは…?)
立ち上がり、空の寝台をじっと見る。
(まるで、すべてが夢のようだったな…)

 
GM

 世界が乱れ、消えていく。
 三人は自分の意識がどこかへと吸い込まれていくのを感じた。

 気が付くと、そこは、あの庵だった。
 霧雨は寝台にもたれかかるように。シエラとミネルヴァは、寝台の上に横たわって眠っていた。
 その部屋には誰もいなかった。
 音もなく。他の誰の姿も見えない。



 
クロード

「私は…」
 泣き笑いのような表情を三人に向ける。
「…。すみません。ありがとう」
 最後にひとつ、お辞儀をした。

 
紫堂霧雨

クロード<

 真っ直ぐクロードを見つめながら、ゆっくりを喋る。
「許すも許さないも無い…決めるのは…お前とシーラだ…」



 
シエラ・バゼラード

クロード<

「あなたの存在は認められてもおかしくないはずです。」
 厳しい表情でそう言い放つ。
「確かにあなたは人間ではありません・・・。しかし、あなたの使命・・・は、まだ終ってないはずです。あなたがいないとシーラさんはまた同じ過ちを犯してしまう・・・」
 すこし表情を緩めて続ける。
「あなたにはシーラさんを守る義務がある、シーラさんといっしょにいる義務がある・・・、あなたを欲する人がいる・・・、シーラさんが同じ過ちを繰り返さないためにも・・・、あなたの存在が必要なのです。」



 
クロード

 ミネルヴァの言葉にも動かなかったクロードの声が揺らぐ。

霧雨<

「ですが。
…ですが、私は! …私は、死者に過ぎないのですよ?」

ALL<

「…シーラは、シーラは現実に生きる事ができるのです。私は、人間ではありません。私が姿をあらわせば、シーラは確かに私と共にいてくれるでしょう。…けれど、それは、本当に、正しい事なのでしょうか…?
 私の存在が、認められてもいいと言うのですか…?」

「ミネルヴァさん、貴女は、私を認めてくれました、けれど…。この世界は私を認めるのでしょうか。私が、シーラを世界から切り離して、それは、許されるのでしょうか」



 
紫堂霧雨

「!?」
 消えゆくクロードに驚きの表情を見せる。
「お前が消えたら…シーラは……シーラはどうするのだ…?お前がいなくては…また同じことの繰り返しだろう…!」

 
クロード

ミネルヴァ<

 ミネルヴァの言葉に淡い笑顔を浮かべる。
「けれど…私は、…私は、絆を持たないのです。シーラの、そしてシーラへの想いだけで生まれた私ですから…」



 
ミネルヴァ・ラ・ルーラ

クロード<

「すべては、夢……」
(事実。でも、悲しすぎる……)

「この世界に居たくはない?
あなたが幻夢人と知っているのは私たちだけ。
もしあなたが望むなら、わたしは……」


次へ