シルヴァードで行われた戦争で命を落とした兵士達を、英雄として祭った聖堂。 国王は、政務を執り行う前に祭壇で祈りを捧げる風習となっている。 一般の人々にも公開されており、竜追いの中にも、冒険に出る前に武運を願って訪れる者がいる。 毎日、正午になると訪れ、祭壇の前に佇む女性がおり、 この聖堂の管理人である、司祭オーディナーは最近、何かしらの悩みを抱えているようである。 |
従者ウォルフ |
カール< 「承知しました」 |
カール=グスタフ |
ウォルフ< 「陛下自らが、招集を…」 |
従者ウォルフ |
カール< 「剣王陛下が、カールさまに使命を下されるそうです。城に来て受諾せよと。 |
カール=グスタフ |
ウォルフ< 聖堂に入って来る見慣れた顔に片手を挙げて挨拶を返す。 |
従者ウォルフ |
そこで、足早にやって来た青年がカールに声をかける。 カール< 「やはりここにおられましたか、カールさま」 |
カール=グスタフ |
クレア< クレアの微妙な表情に首を傾げつつも |
クレア |
カール< 「ああ、はい…。 |
カール=グスタフ |
モノゴツイ鎧に気圧されたのか、女の人は少々驚いているようだ。 謎の女性< 「えぇ、騎士…まぁ、任官したばかりで、まだ右も左もわからぬ新参者ですよ」 |
謎の女性 |
突然掛けられた声に、びくりと身体を震わせる。 カール< 「あ。ああ、すみません…」 |
カール=グスタフ |
カールが甲冑を鳴らしながら聖堂の中へと入ってくる。 そして、中に入ると、司祭オーディナーと神官パルムに恭しく一礼する。 そして、祭壇の前まで行くと、祈りを始める。 (…騎士になって早幾数月…いまだ平穏に暮らして居れるのは…神のご加護か? それとも、嵐の前の静けさか?) 謎の女性< ふと、傍で祈る一人の女性に気付く。 |
謎の女性 |
(今日も私は此処にいる…。 毎日、此処に来て、毎日、祈っている。 …あの人が、帰ってくる訳は無いのに…。私は、いつまで…) 目を閉じて、祈りを捧げながらもそんな事を思っている。 雑念を払えない自分を嗜めるように頭を振り、祈りに集中する。 |
司祭オーディナー |
パルム< 「ん、いや、気にするな。…ちょっとした寝不足だ」 独り言< 「…やれやれ。 |
神官パルム |
司祭オーディナー< 具合の悪そうなオーディナーに、心配げに声をかけます。 |