PBeM
〜Dragon Pursurs〜
竜追い達の唄

北海王国シリィン
大陸の北部。北の遺跡群と魔物の大地を監視する。
国王はモノンド。名はオムネイツ。近辺のドワーフの集落からも敬意と信頼を受けている。

:北海王国 竜追いギルド本部:
 ノースパール地方には多数の遺跡がある。
 太古の文明…創造竜によって人が作られてからほんの数百年ほどの文明がこの地方にあったからだといわれている。
 遺跡には罠が多量に仕掛けられていることもあり、未知の魔物が棲み付いていることもある。
 その罠への対処法、魔物の特徴などを教えてくれるのが、この遺跡ギルドだ。……といっても、このギルドは公式の施設ではない。 一人の引退冒険者が経営している施設だ。
 かれの名前はウッド。15の時に冒険者になり、それから40年間ずっと冒険者として生きてきた男だ。
 現在60歳という高齢だが耄碌もしていないし、身体も健康で、かれはそれを、 「冒険には知恵と力が要る。40年も動かしつづけてたんだ。簡単に鈍ってたまるか」 といっている。

 ここでは、かれに様々な教えを受けることが出来る。
 冒険者の間には、かれに教えられた知識が実際に冒険で役に立ったときには、その冒険で得られた物品の一部をかれに渡す、というような不文律がある。
 もちろん自由意志だし、誰も強制などはしない。

 習得可能 特殊技能
 ウッドの罠知識
 ウッドの魔物知識

投稿(件名…北海王国 遺跡ギルド)
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GM

 リリアーノは、「修行用 訓練希望者以外立ち入り禁止」という札の下がった扉を開けて、閉めた。
 瞬間、足元の床がパカリと開く。
 声を立てる暇もあらばこそ、リリアーノは暗いスロープを滑り落ちていった。

 
ウッド

リリアーノ<

「ああ、がんばれよ」



 
リリアーノ

ウッド<

「そこって…その扉が?」
 まさか…カラクリ屋敷ならぬカラクリギルド?!
「よし、やってやろうじゃねえか…」
 妙な思考を振り払うと、
 その何の変哲も無い扉に近づき、手をかけた。



 
ウッド

リリアーノ<

「おう」
 にやりとしてギルドの部屋の隅にある扉を指差し、
「そこだよ」



 
リリアーノ

ウッド<

「なるほど、面白そうだな、もちろんやるぜ。
 で、どこにあるんだ?!」
 早くその遺跡に行きたくて仕方が無い様子で答えた。



 
ウッド

リリアーノ<

「ああ、おれが遠い昔に発見した遺跡でな。
 苦労した割りに、たいした財宝は眠っちゃいなかった奴だが、それを改良して安全性を高めた奴さ。おれがじきじきに仕掛けた罠とかな、迷路とかがある。ま、安全性を高めたといっても、完全じゃあない。下手をして、更に運が悪ければ死ぬかも知れないな。…遺跡探索の修行にはならあな。
 どうだ。やってみるか」



 
リリアーノ

ウッド<

 仕事は斡旋していないとのことだったが、ウッドの最後の言葉に驚いた。
「え、遺跡探索の修行なんてあるんスか?!
 普通の仕事も良いけど、そっちのほうが面白そうだな…
 どんなことやるんですか?」
 リリアーノは既にやる気になっていた。



 
ウッド

リリアーノ<

「仕事だと?
 あーん…、ここは仕事を斡旋する場所じゃないんだがな。
 仕事だったら竜追いギルドのほうにいきな。
 それとも、遺跡探索の修行でもしてみるか?」



 
リリアーノ

ウッド<

「あはは、それはそうと、何か仕事ないかい?」
 ギルド長の意外な反応?が妙に照れくさい。
 それを隠そうと次の話題をふった。



 
ウッド

リリアーノ<

 褐色の肌の老人は、自分に声をかけてきた男をまじまじと見る。
「見込まれるだと。
 そんなもん、別に基準なんざ定めちゃあおらんさ。
 たまにひよっこのくせにひよっこをわきまえていない奴が来るが、そんなときには頭に来るがな」
 ひょい、と肩をすくめ、しわびた顔に悪戯めいた表情を浮かべる。
「…ま、お前さんは大丈夫なんじゃないか?
 何せ、手前で新入りなんていう奴のこったからな」
 そういって笑いながら、リリアーノの背中を叩く。
「いつでも好きなときに来て、好きなだけ学んでいきな。
 おれは、学び気の無い生徒は嫌いだからな」



 
リリアーノ

 一人の男が入ってくるが、賑やかなギルドには何の変化もない。
「ギルド長のウッドさんてのはどこだい?」
 近くにいた冒険者風の男に声をかける。
「あぁ、どうも。」

ウッド<

「どうも。自分でいうのもなんだが新入りだ。
 リリアーノだ、よろしく頼む。
 単刀直入にいうが、あんたに見込まれるにはどうしたらいい?」
 そしてどんな答えが返ってきても動じないよう、心構えた。



 
冒険者ハルーク


「ふむ…
親交を深めている時に申し訳ないが。
そろそろ出発しよう」
以後、舞台はシナリオ5へ移行します。


 
リツ


メイム<

「ありがとう。私はリツ──よろしくお願いしますね」
にこ、と屈託のない笑みを浮かべる。何かを期待する目が気になりはしたものの、
まさか詮索するわけにもいかないだろう。

シース<

「シースさん、ですね。心強い──かどうかはわかりませんけれど、皆さんのお邪魔
になるような真似だけはしないようにします」
少しの悪戯っぽい響きを含ませ、リツは口元を軽く押さえて微笑む。

アシュレイ<

困ったような顔をしている──というからには、何かの意志を行動に移すことができないでいる。しかもその原因が自分にあるとなれば、リツに落ち着いていられるはずもない。
「あの……何かお困りのようですけれど、ひょっとして私、何かしてしまいましたか……?」
しかしどこまでも、自分のペースは乱さない。それはもはや彼女の体に染みついた癖のようなものであるらしかった。

ハルーク<

「お初にお目にかかります。私は刃を以て戦う者──リツ、と申します」
深く敬礼し、再び頭を上げて視線を合わせる。
「はい。私はいつでも出立できますよ」
す、と冷厳だった表情を綻ばせ、歌うように告げる。



 
冒険者ハルーク


(私とした事が…間抜けた事をしたものだな。
先ほどすれ違った女性が、ギルドの方で斡旋を受けて冒険者だったか)
微妙に憮然とした表情をして、ハルークが戻ってくる。
そして、リツの前まで来て一礼して見せた。

リツ<

「貴女が竜追いギルドの方で斡旋を受けた御仁だね。
私が魔術師ハルーク。探索に同行してくださること、感謝する」
この魔術師にしては慇懃に挨拶をした。
「これからすぐにでも向かおうと思っていたのだが、よろしいだろうか?」



 
アシュレイ


リツ<

丁寧に礼を言われて、困ったような表情をする。



 
冒険者シース


リツ<

「僕はシース。探索行に同行してくださるのですか。
心強いですね」
にっこりと微笑みかけた。



 
メイム・リフレイン

リツ<

「はい、ぜひ仲間になりましょう!」こちらも微笑み返す。
頭の中は、ジョードヌの人が、どんな夢を見るか分かるかも知れない喜びでいっぱいだ。



 
リツ

アシュレイ<

「ああ、入れ違いでしたか……」
残念そうに呟き、改めて向き直り、丁寧に礼をします。そして、自分が竜追いギルドの構成員から「ハルークという魔術師が冒険者を捜している」という情報を聞き、彼が待っているはずのここまで来たことを告げます。

メイム<

「あ、はい。ジョードヌから来ました」
突然の質問にも、微笑みを向けて対応します。
「貴方は、ハルークさんのお仲間なのでしょうか?
もしよろしければ、私も加えていただけませんか?」



 
アシュレイ


リツ<

振り返って、一瞬迷ってから
「…すぐに戻るはずだ」と答える。



 
メイム・リフレイン


リツ<

「ハルークさんなら今、竜追いギルドへ向かいましたけど?」
ふと、リツの服装に目を留め「貴方はジョードヌの方ですか?」無意識にリツにスリープをかけようとしていたのを慌てて止めながら聞く。



 
リツ


きぃ、と静かに扉を押し開ける。
瞬間、降り注ぐ視線にはもう慣れた──未踏の地・ジョードヌからの漂着者であるリツは、いつ、どこに行っても大概は奇異の視線に晒される。最初こそ苛立ちを覚えたものだが、
今では「そういうものだ」と割り切っていた。
「あのう……」
と、手近な男に声をかける。
さすがに酒を酌み交わしている途中に話を差し込むのは悪いので、暇そうにしている男を選んでいた。見知らぬ他人にすら、礼儀を忘れることができないのは彼女の癖だ。

アシュレイ&メイム<

「ここに、ハルークさん……という魔術師の方がいらっしゃると聞いたのですが。どなたかご存知ありませんか?」



 
冒険者ハルーク


アシュレイ&メイム<

「ふむ…」
ハルークは頷き、
「では、少し待っていてくれ。
竜追いギルドの方に頼み事をしていたのでな。すぐ戻る」
言って、ハルークはさっさと遺跡ギルドから出て行った。



 
アシュレイ


メイム<

「今からでもかまわない」
自分の所持していた荷物の内容を頭に浮かべて、アシュレイは言った。



 
メイム・リフレイン


ハルーク<

「準備は万全ですよ」

アシュレイ<

「貴方はどうですか?」



 
冒険者ハルーク


シースに変人扱いされても眉一つ動かさず、ハルークは早々に彼が目標としている遺跡の話を始めた。

アシュレイ&メイム<

「これから私達が向かおうとしているのは、ここから北に進んだ山の麓にある遺跡だ。名を“眠りに沈む寝床”という。
文法的に意味はおかしいが、大体意図することは判る。
古代の墓地として建造された物のようだ。
死者を埋葬したあとは封印を施したらしく、私が解呪するまで、何の変哲もない岩山にしか見えなかった。
それからも判るが、古代人達はその墓を永遠に眠りにつかせていたかったようだな。
いたるところに侵入者に反応して作動する罠や、強力な守護者が配置されていた。
罠は、シースが容易に解除出来るものから全く手の出せない魔法的なものまでバリエーションに富んだ物ばかりだ。
だが、それらの障害を乗り越えて得られる物は大きい。
死者とともに埋められた宝物から、太古の知識が詰まった書物までがあると思われる。
挑む価値は充分にあるだろう。
…ともあれ、繰り返すが、障害は大きい。
前回、私達とともにその遺跡に挑んだ三人は命を落とした。
自業自得的な意味合いは強いが、その遺跡の恐ろしさが原因の大半でもある。
覚悟を決めておいた方がよかろう。
……………準備は出来ているのか? ならば早速向かうが」
頭が回りすぎて舌の方が空回りしている台詞を一気に言って、ハルークは口を閉ざした。
(それで、どうするのだ?)と、視線で二人に問い掛けている。



 
冒険者シース


満足そうに頷くハルークを見て、(やれやれ)と溜息を吐く。
そして改めてアシュレイとメイムに向かった。

アシュレイ&メイム<

「唐突なお話で申し訳ありませんでした。
幸運なことにこうして一件は落ち着きましたが。
…改めて、これから仲間としてよろしくお願いします」
二人にお辞儀をしてから、横目でハルークを示す。
「…ハルークはあのようにちょっとずれているんです。
とても有能な魔術師なんですけどね。
無口だったり多弁だったり、悪い人じゃないんですが、たまに疲れることもあるかもしれません」そこで笑い、「どうか慣れてやってください」



 
アシュレイ


ハルーク<

「ああ。異存はない」

メイム&シース&ハルーク<

「では、改めてよろしく」
軽く会釈をした。



 
冒険者ハルーク


メイム<

「ああ。よろしく頼む」
頷きかけ、そしてアシュレイを見やる。

アシュレイ<

「構わないかな?」



 
メイム・リフレイン


ハルーク<

「私はメイム・リフレインと申します、以後宜しく」
承諾の印に、胸に手を当てて優雅にお辞儀をする。



 
冒険者ハルーク


メイムの言葉に彼を振り返り、暫く見つめる。

メイム<

「…夢人よ、大した話ではない。
彼が私たちの同胞となろうとしていたところだ。
――君もなるかね?」
相変わらず淡々と唐突に訊くハルーク。
再度、脇でシースがつんのめったが今度は何も言わずにメイムを見やっただけだった。「どうします? 唐突ですけど」とその視線が語っている。



 
アシュレイ


メイム<

二人に同意していようとしていたアシュレイは、言葉を止めて、話しかけてきた男を見た。



 
メイム・リフレイン


アシュレイ&シース&ハルーク<

「何を話しているんですか?」
興味津々と言った様子で話しかける



 
GM


…と。
シースの言葉にアシュレイが答えようとした刹那、先刻からその三人を眺めていた男がその間に入ってきた。


 
冒険者シース


ハルーク<

「突然すぎるよっ、あなたはっ」
頭をかき、苦笑いしながら嗜める。そしてアシュレイに向き直った。
「でも、確かに…」と口を開く。

アシュレイ<

「あなたは誠実そうな方ですし、ハルークもそう思ったようです。
どうでしょうか?
仲間を探しているのなら、僕たちとご一緒しませんか?
未探索の遺跡を発見したのですが、残念ながら戦力が足りないのです。罠が豊富に仕掛けられていて、さらに守護者として、魔法生物やら魔物やらまで徘徊する遺跡に戦士一人魔術師一人ではとても無理でしょう。
せめて後一人、信頼の置けそうな方が必要なんです。
お願いできませんか?」



 
冒険者ハルーク


アシュレイを見つめ、そしてふと目を緩めた。
そして彼がシースに言った台詞に、シースより先に応じる。

アシュレイ<

「ならば君は今日から私たちの仲間だ」
淡々と唐突に言うハルークの台詞に脇でシースがつんのめった。



 
アシュレイ


ハルーク<

「…信頼を裏切るような真似をしたことはないつもりだ」
やましいことなどないのだが、何かも見透かすような魔術師の眼差しは、
アシュレイを落ち着かない気分にさせた。

シース<

「俺は仲間を探している」
アシュレイはシースに視線を向けて答えた



 
冒険者ハルーク


魔術士然とした風貌の男は、ただ視線を送っているだけで無言だった。
会話を進めるのはシースの役目で、自分は考える役…とでも考えているのかも知れない。
…と、シースが「冒険の仲間を…」と言ったところで口を開いた。

独り言めいて<

「先日の探索で、共に行動していた仲間が命を落とした。
私達は仲間を補充する必要がある。…経験、実力ともに重要だが、
何より信頼のおける戦士が最良だ」
そして、「君はどうなのだ?」とでも言うような目線をアシュレイに向ける。



 
冒険者シース


小柄な少年は――年齢は十七、八程度だろうか――アシュレイを見上げ、覗き込むような眼差しで見つめた。
暫く考えてから、言葉をかける。

アシュレイ<

「あの、間違っていたら申し訳ありませんが…
アシュレイさんも、冒険の仲間をお探しなのですか?」
やや控えめに声を紡ぐ。とすると、彼等も冒険に出るための仲間を必要としているのだろうか。



 
アシュレイ


それぞれに挨拶を送ってくる二人に応じて、アシュレイも言葉を返した。

シース&ハルーク<

表情を和ませて名乗る。
「アシュレイだ。よろしく」



 
冒険者ハルーク


長身の、線の細い男がお辞儀をする。
白面に、細くしなやかな黒髪が流れる。
身に纏っているのは鎧ではなく動きやすそうなローブで、おそらく魔術を使うのだろう。瞳には深い知性が見えた。

アシュレイ<

「私は、ハルーク・レイス。
見て判ると思うが、魔術師だ。
……そして誇り高き狼よ。君の名は?」
細い氷の竪琴を弾いたような声だ。



 
冒険者シース


会釈に応じるように、二人組みの片割れ、シース・クラウセルが一歩前に出た。

アシュレイ<

「こんにちは…、ええと、始めまして、ですよね?」
温厚そうな表情と声音で言う。
やや小柄で、帯剣している姿は何処と無く人形を思わせる。
色も白く、一見華奢な身体はこれで荒事を出来るかとさえ感じさせるが、身を取り巻いている空気は、それなりに成熟した戦士の物だ。
「僕はシース・クラウセル・パンセアです。
こっちの背の高いのが…」
彼の言葉に合わせて、もう一方の男がアシュレイを見た。



 
アシュレイ


アシュレイは、十五人ほども居る冒険者達の様子を観察する。
彼の目的に合った、信頼できる者。
実力が高いだけではならない。
…見たところ、十五人の内少なくとも十三名が、
それぞれ自立した使い手だ。
その中で、目付きや表情から、その内面もいいものだと思えるのは、少なくとも五人。
手奥に固まっている三人と、今彼の視線に気がついてそれを見返す、二人の冒険者だ。
「……」
アシュレイが僅かに会釈して挨拶を送ると、
二人組みの片割れが応じた。


 
GM


ギルドの中は、今日も盛況である。
ウッドの知識を伝授してもらおうと訪れた新米の冒険者から、彼から得た知識で無事に宝物を得ることが出来た熟練の冒険者までが、中に集まって談笑しているのだ。
このギルドは、入り口を入るとちょっとした部屋になっていて、そこが冒険者達の溜まり場になる。
「…其処で俺はぴんと来た! 
あいつは、何かを隠しているに違いないってね」
「…それは私が今まで見たことも無い怪物だった。
そいつが起き上がって目を開くまで、私はそれをただの岩山だと思っていたくらいだ」
そんな風に冒険者達が冒険譚を交し合う中、入り口の扉が開かれた。外から寒風が入り込んで、そしてすぐに収まる。
入り口付近の冒険者達の数人が振り返るが、大方の冒険者達は気にも止めない。

入ってきたのは、一人の男だった。
一見は中肉中背の男で、挙動の一つ一つから野性味を漂わせている。
男は、部屋の中と、その中を占める冒険者達に視線を走らせた。