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〜Dragon Pursurs〜
竜追い達の唄

地底国ロード・ゴウロ
サイーディア山脈の地下にある広大な洞窟に建設された国家。
ドワーフ族たちの故郷であり、唯一の大国家である。
酒・金属・力こぶの三つの言葉のみで表現できる国といわれる。

:地底国 ゴルゴダの洞窟:
 サイーディアのある地方にある岩山の麓に、小さく口を開いた洞窟。
 入り口には、“ゴルゴダの洞窟”と書かれた看板が立てられており、さらに、“用の無い者は立ち入るべからず”と記されている。
 
投稿(件名…地底国 ゴルゴダの洞窟)
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ゴルゴダ

シド<

「おお、目が覚めたか。
 …体の具合はどうかな?」



 
シド

ゴルゴダ<

 ふと目が覚めて、
「む・・・・どうやら倒れてしまったようだの」
 頭をガリガリ掻きながら起き上がりゴルゴダを探す。



 
GM

 一夜明ける。
 ゴルゴダはシドが目を覚ます前からおきだし、鍛冶道具の手入れをしていた。

 
ゴルゴダ

シド<

「ふむ」
 倒れたシドを、片腕で軽く担ぎ上げて、奥の部屋の寝台に載せる。
「まあ、良くやったほうだの」

 にやり、と笑むと、鍛冶場に戻って椅子に腰をおろし、顔を伏せる。
「私も休むとするか…」



 
シド

ゴルゴダ<

 ぜいぜい息を切らし、ハルヴァートを杖替わりにして、
「あ・・・ありがとうございました」
 ばたんと倒れる。



 
ゴルゴダ

シド<

「ふう…
 まあまあ、といったところかの。
 修練を積み、強くなったと思ったら、また私のところに来るといい。そのときになってから教えられることもあるだろうからな。
 それから、そのハルヴァードは餞別だ。持っていくといい」
 そういって、ゴルゴダは難儀そうに、椅子に腰をおろした。



 
GM

 ゴルゴダの授業は、厳しかった。
 彼は片手に杖を持ち、片手で訓練用の槍斧を握って、シドに教授した。
 体の動かし方、構え方、目の配り方に至るまで、シドの持つ槍斧の振るい方ひとつのためだけにあるものだった。
 シドは、片足がなく、片腕も杖で塞がれているゴルゴダに、何度も地面に転がされた。本来両手持ちで、模擬用とはいえ重量のある槍斧を片手で扱って、器用にシドを打ち据えるのだ。
 この鍛冶場に、鎚の音ではなく訓練の音が鳴り響いたのは、二十年以上も前にあったきりだった。ゴルゴダは厳しくも活き活きと、シドに槍斧の使い方を仕込んでいった。
 そして七日の間を、シドとゴルゴダはほぼ訓練のみに費やした。

 シドは「槍斧術:ゴルゴダ」を修得しました!
 この技能はハルヴァード及びそれに準じる武器を扱うためのものです。槍や斧を使うことはできません。ただし、この技能で経験を積む事で、改めて、槍術や斧術を取得し、それから通常の槍斧術に発展させる事ができます。



 
シド

ゴルゴダ<

「うむ、男に二言はない、頼むぞい!」
 構える。



 
ゴルゴダ

シド<

「うむ。
 …だが速攻で仕込むからな、まさにハルヴァードの使い方しか、まともなものにはならん。他の斧も、槍も、駄目だ。
 槍斧のみ。仕込んでやろう。
 それでよいのだな?」



 
シド

ゴルゴダ<

 迷うことなくハルヴァードを手にとり、
「ならばわしはこれを選ぼう、宜しく頼むぞい、ゴルゴダ殿」
 表情は真剣そのものだった。



 
ゴルゴダ

シド<

「ああ。…そうだな、そこにある棚の中から、好きな武器を選ぶといい」
 と彼が示した所には、幾つかの武器が収められていた。
 バスタードソード、クレイモアー、バトルアクス、ハルヴァード、モーニングスターなどだ。
「私が使い方を教えられるのは、その程度だ。そして、…氏族のしきたりでな。血縁関係にないものに“鎚の振るい方”を教えてよいのは三人だけ、それもひとつずつだけなのだ。
 …だから、好きな物をひとつだけ選ぶがいい。すぐにでも実戦に出られるくらいの技量はつけさせてやれる」



 
シド

ゴルゴダ<

「なんと、あの鉄槌の氏とは」
 目を見開いて驚き、
「こちらからもお願いしたい、ぜひ教えてくれ!!」
深く頭を下げて。



 
ゴルゴダ

シド<

 喉を震わせて、低く笑い、
「私の親は“鉄槌”の氏族だったからの」
 数あるドワーフの氏族の中で、尤も戦闘的な技術を受け継ぎ、かの対戦のときも有能な傭兵として知られていた氏族の名をあげる。
「幸い、私には時間はまだたんとある。お前さんに斧の振り方を教えるぐらいはわけないくらいの、時間がな。どうするかね」



 
シド

ゴルゴダ<

 教えてやらんといわれ盛大にずっこける。
「ご・・・ゴルゴダ殿思わせぶりなことを言ってそれはないぞい」
 起き上がりながらゴルゴダの言葉をきき、
「むう・・・鍛冶一辺倒だったわしには耳の痛い話だな・・・戦闘訓練も一度も受けておらんし・・・」



 
ゴルゴダ

 穏やかに微笑むと、……、にやりと笑った。

シド<

「いーや、教えてやらん。まだまだこの道、極めていくつもりだわ。
 後継者を決めてしまったら、私が自力でやることを諦めてしまうようではないか。そのうち教えてやるとしてもな。まだ、教えてやらん。
 だが、そうだな、……新しい鉄を探しているのだろう?
 それは、この付近に眠る紫銀<シルバーロット>だけでは、無論、ない。
 その他にも数知れない、いまだ眠り続ける鉄がわんさとあるのだ。
 それは、この百年以上も大陸中を廻ってきた冒険者だった私が、よく知っておる。……しかしな、ちと、お前さんではきついかも知れんぞ?
 鍛冶の目をもつものでなければ鉄と分からぬようなものもある。
 そして、鉄槌だけではなく、刃を振るう手がなければ生きてはいけないような場所にあるものも多いのだ」



 
シド

ゴルゴダ<

「ならば友よ、その種が実るまでお主の技術わしに教えてくれぬか・・・そのまま地に埋めるには忍びない、わしが受け継ごう、そして次の世代へ引き継いでいくことを約束する」
 ゴルゴダの両手をとり。



 
ゴルゴダ

シド<

「ほう。
 …まあ、構わんよ。新しい鉱石は何もその洞窟にあるわけでなし。逃げもせぬからな。信用できるかできないかの境にあるものでは、少々、不安でな、騎士王国のある男に、収穫者を頼んでおいた。
 それがいつになるかは判らんが、蒔いた種が土に実を結ぶことを待とうと思う」
 申し訳なさそうにいうと、
「だが、友よ。今お前がここを訪れたのは、何かの天啓かも知れぬな。
 私も年は150を越え、頭脳にも肉体にも衰えが見え始めた。
 そろそろ、種を蒔く時が来たのかも知れぬ、と、思っていたところだ。
 私だけの知識を、いつまでももっていて、そしてそのまま朽ちてしまっては何にもならんからな。
 ……」
 それから、しばらく、目を閉じて、沈黙した。
 そのときに、まだ生気に溢れていた顔に、老いの影が根を下ろしたようだった。



 
シド

ゴルゴダ<

「う〜む・・・信用できる方の冒険者なら心当たりあるが。
 ・・・まだいるかのう・・・当たってみるか?」
 髭をいじりながらゴルゴダに問う。



 
ゴルゴダ

シド<

「金のほうは問題ない。冒険者時代に手に入れてあった財宝には、ほとんど手をつけておらんからな。
 問題は信頼できる者がおるかどうか、なのだ」



 
シド

ゴルゴダ<

「むう・・・モンスターか・・・鍛冶一辺倒なわしにはちときついかものう・・・ かといって護衛雇う金もないしのう」
 腕を組んでその場でうろうろする。



 
ゴルゴダ

シド<

「それがな、その鉱石があると思われる場所はわかっておるのだが。
 少々問題があってな。その洞窟には相当数の獣や魔物が潜んでいるようなのだ。暗く、狭く、命知らずの冒険者も入らぬような場所だ。ああいった光を恐れるものどもには格好の住処だったのだろうな。
 数ばかりで、その質は問題にはならぬのだが…」



 
シド

ゴルゴダ<

「ならばわしに取りに行かせてくれ、わしもその鉱石にお目に掛かりたいし、おぬしも鉱石を運んでもらえる、お互い損はないはずじゃ」
 取りにいきたくうずうずしているのか落ち着きがない。



 
ゴルゴダ

シド<

「構わん構わん。気にせんでよい。
 別に今日や昨日になった身体ではないしの。
 片足がなくなれば片手に杖を持てば良いし。
 腕がなくなれば、さすがに困ったが」
 そして豪快に笑う。
「しかし、困ったことも無論あるがな。
 なかなか、この身体で鉱物を取りに行くのは、面倒でな」



 
シド

ゴルゴダ<

 しばらく失われた足を呆然とみて、申し訳なさそうに頭を下げる。
「いやすまん、まったく気づかなかったとはいえ・・・わしもまだまだじゃな・・・つい噂の新鉱石や知らない技術を目の前にして興奮してしまって」
 もう一度頭を下げる



 
ゴルゴダ

シド<

 ゴルゴダはしばらく呆然としてシドの顔を見つめ…そして、大笑した。
 しばらく笑い続けてから、
「面白いヤツだな、本当に。若い頃はみなそんなものだったかね。
 …だが、すまんな。私は、これでな」
 そして彼は下を示してみせる。
 それで、シドはゴルゴダの片足が欠けていることに気がついた。
「これでは冒険に出られんだろう」



 
シド

ゴルゴダ<

「手をつけたばかりか・・・ならわしと一緒に色々学んでいかんか?世界は広い、わしらの知らぬ鉱石や技術もたくさんあるじゃろうて」
 手を差し伸べ共に歩むことをさそう。



 
ゴルゴダ

シド<

「新しい鉱石か…。
 誰もが考え、捜し求めるものだな」
 呟くようにいい、それから手元の金属片を見やって、
「ダマスカスと銀などを、少々な。
 私もまだ手をつけたばかりだから、色々と聞かれても困るわい」
 苦笑いしながら答える。



 
シド

ゴルゴダ<

「わしはこの国で未発見の新しい鉱石が見つかったと聞きその鉱石で武器を作りたくてやってきた、わしの目指す星の為にわしの知らない技術がないかも求めての」
 間をおいて作っていた金属片をみて
「混ぜ物といったがどういう割合じゃ?どうやってまぜるんじゃ?」
 興味津々に質問を繰り出す



 
ゴルゴタ

シド<

 入ってきたシドに振り向きもせず、水槽の中に浸した金属片の具合を確かめている。シドの表情には気付いた様子もない。
「いや、ただの鉄だ。
 少々、混ぜ物をしているがな」
 金属片をためつすがめつとしてから、ようやくシドに向き直る。
「よく来たな、金鎚の道の同胞よ。
 こんな辺鄙なところに、おぬしのような若者がどうした用件かね」



 
GM

 中は整然とした部屋になっていた。
 岩をくりぬいたような形状だが、壁は綺麗に削られて丸みさえ帯びており、調度品はなく、質素なつくりになっている。
 奥には大きな炉が設えており、その前には金床や様々な鍛冶道具が
置かれていた。そして、それらに囲まれて、椅子の上に小柄なひとりのドワーフが腰掛けていた。

 
シド

「うむ、邪魔をさせてもらうぞ、友よ」
 同じように響く声で言うと中へと向かう。
 中の様子をみながら。
「今打っていたのは噂の新しい鉱石かね?」
 玩具をねだるような目でゴルゴダに質問する。

 
鍛冶師ゴルゴタ

シド<

「はいるがいい。友よ。
 私と同じ道を歩むものであろう?」
 遠い扉越しにも届くように、大きな声を上げて、来訪者に告げる。



 
GM

 やがて、鎚の音が途絶える。思いの外、早い。
 そしてシドがドアを叩こうとした時、それの先を越して、

 
シド

 金属を叩く音が聞こえ、
「ふむ、これは期待できるのぉ、打ち終わるまで待つか」
 鍛冶と言うのはその時の気候や温度によって左右される時もある、今直ぐ開けて失敗作ができては申し訳ない、鍛冶師のはしくれであるシドは、それを承知していた。

 
GM

 洞窟の中は真っ暗で、生来暗闇に強いドワーフの彼でも、歩くのに苦労するほどだった。数分ばかりも歩いたころ、一枚の木の扉に突き当たった。耳を澄ますと、中から小さく、金属を叩く音が聞こえてくる。

 
シド

「ふ〜〜・・・年じゃの・・・これ位の距離でも疲れるとはの」
 肩を叩きながら看板をみて、
「お〜〜い、ゴルゴダ殿はいらっしゃるか?
 わしの名前はシド、旅の鍛冶士じゃ、新しい鉱石を発見したと噂をききつけてきた、入るぞい」
 大声で洞窟に叫び入っていく。

 
GM

 その洞窟は、岩と背の高い草とに阻まれて、簡単にはその存在が判らないようになっている。それと知らない限り、この洞窟を見つけることはとても困難なことだろう。