サイーディアのある地方にある岩山の麓に、小さく口を開いた洞窟。 入り口には、“ゴルゴダの洞窟”と書かれた看板が立てられており、さらに、“用の無い者は立ち入るべからず”と記されている。 |
ゴルゴダ |
シド< 「おお、目が覚めたか。 |
シド |
ゴルゴダ< ふと目が覚めて、 |
GM |
一夜明ける。 ゴルゴダはシドが目を覚ます前からおきだし、鍛冶道具の手入れをしていた。 |
ゴルゴダ |
シド< 「ふむ」 にやり、と笑むと、鍛冶場に戻って椅子に腰をおろし、顔を伏せる。
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シド |
ゴルゴダ< ぜいぜい息を切らし、ハルヴァートを杖替わりにして、 |
ゴルゴダ |
シド< 「ふう… |
GM |
ゴルゴダの授業は、厳しかった。 彼は片手に杖を持ち、片手で訓練用の槍斧を握って、シドに教授した。 体の動かし方、構え方、目の配り方に至るまで、シドの持つ槍斧の振るい方ひとつのためだけにあるものだった。 シドは、片足がなく、片腕も杖で塞がれているゴルゴダに、何度も地面に転がされた。本来両手持ちで、模擬用とはいえ重量のある槍斧を片手で扱って、器用にシドを打ち据えるのだ。 この鍛冶場に、鎚の音ではなく訓練の音が鳴り響いたのは、二十年以上も前にあったきりだった。ゴルゴダは厳しくも活き活きと、シドに槍斧の使い方を仕込んでいった。 そして七日の間を、シドとゴルゴダはほぼ訓練のみに費やした。 シドは「槍斧術:ゴルゴダ」を修得しました!
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シド |
ゴルゴダ< 「うむ、男に二言はない、頼むぞい!」 |
ゴルゴダ |
シド< 「うむ。 |
シド |
ゴルゴダ< 迷うことなくハルヴァードを手にとり、 |
ゴルゴダ |
シド< 「ああ。…そうだな、そこにある棚の中から、好きな武器を選ぶといい」 |
シド |
ゴルゴダ< 「なんと、あの鉄槌の氏とは」 |
ゴルゴダ |
シド< 喉を震わせて、低く笑い、 |
シド |
ゴルゴダ< 教えてやらんといわれ盛大にずっこける。 |
ゴルゴダ |
穏やかに微笑むと、……、にやりと笑った。 シド< 「いーや、教えてやらん。まだまだこの道、極めていくつもりだわ。 |
シド |
ゴルゴダ< 「ならば友よ、その種が実るまでお主の技術わしに教えてくれぬか・・・そのまま地に埋めるには忍びない、わしが受け継ごう、そして次の世代へ引き継いでいくことを約束する」 |
ゴルゴダ |
シド< 「ほう。 |
シド |
ゴルゴダ< 「う〜む・・・信用できる方の冒険者なら心当たりあるが。 |
ゴルゴダ |
シド< 「金のほうは問題ない。冒険者時代に手に入れてあった財宝には、ほとんど手をつけておらんからな。 |
シド |
ゴルゴダ< 「むう・・・モンスターか・・・鍛冶一辺倒なわしにはちときついかものう・・・ かといって護衛雇う金もないしのう」 |
ゴルゴダ |
シド< 「それがな、その鉱石があると思われる場所はわかっておるのだが。 |
シド |
ゴルゴダ< 「ならばわしに取りに行かせてくれ、わしもその鉱石にお目に掛かりたいし、おぬしも鉱石を運んでもらえる、お互い損はないはずじゃ」 |
ゴルゴダ |
シド< 「構わん構わん。気にせんでよい。 |
シド |
ゴルゴダ< しばらく失われた足を呆然とみて、申し訳なさそうに頭を下げる。 |
ゴルゴダ |
シド< ゴルゴダはしばらく呆然としてシドの顔を見つめ…そして、大笑した。 |
シド |
ゴルゴダ< 「手をつけたばかりか・・・ならわしと一緒に色々学んでいかんか?世界は広い、わしらの知らぬ鉱石や技術もたくさんあるじゃろうて」 |
ゴルゴダ |
シド< 「新しい鉱石か…。 |
シド |
ゴルゴダ< 「わしはこの国で未発見の新しい鉱石が見つかったと聞きその鉱石で武器を作りたくてやってきた、わしの目指す星の為にわしの知らない技術がないかも求めての」 |
ゴルゴタ |
シド< 入ってきたシドに振り向きもせず、水槽の中に浸した金属片の具合を確かめている。シドの表情には気付いた様子もない。 |
GM |
中は整然とした部屋になっていた。 岩をくりぬいたような形状だが、壁は綺麗に削られて丸みさえ帯びており、調度品はなく、質素なつくりになっている。 奥には大きな炉が設えており、その前には金床や様々な鍛冶道具が 置かれていた。そして、それらに囲まれて、椅子の上に小柄なひとりのドワーフが腰掛けていた。 |
シド |
「うむ、邪魔をさせてもらうぞ、友よ」 同じように響く声で言うと中へと向かう。 中の様子をみながら。 「今打っていたのは噂の新しい鉱石かね?」 玩具をねだるような目でゴルゴダに質問する。 |
鍛冶師ゴルゴタ |
シド< 「はいるがいい。友よ。 |
GM |
やがて、鎚の音が途絶える。思いの外、早い。 そしてシドがドアを叩こうとした時、それの先を越して、 |
シド |
金属を叩く音が聞こえ、 「ふむ、これは期待できるのぉ、打ち終わるまで待つか」 鍛冶と言うのはその時の気候や温度によって左右される時もある、今直ぐ開けて失敗作ができては申し訳ない、鍛冶師のはしくれであるシドは、それを承知していた。 |
GM |
洞窟の中は真っ暗で、生来暗闇に強いドワーフの彼でも、歩くのに苦労するほどだった。数分ばかりも歩いたころ、一枚の木の扉に突き当たった。耳を澄ますと、中から小さく、金属を叩く音が聞こえてくる。 |
シド |
「ふ〜〜・・・年じゃの・・・これ位の距離でも疲れるとはの」 肩を叩きながら看板をみて、 「お〜〜い、ゴルゴダ殿はいらっしゃるか? わしの名前はシド、旅の鍛冶士じゃ、新しい鉱石を発見したと噂をききつけてきた、入るぞい」 大声で洞窟に叫び入っていく。 |
GM |
その洞窟は、岩と背の高い草とに阻まれて、簡単にはその存在が判らないようになっている。それと知らない限り、この洞窟を見つけることはとても困難なことだろう。 |