泉は大魔術師王国のギルド員からの依頼を受け、孤高の野伏であるトレニトと会うために、西北の方角に旅立った。 彼女の道を、一片の結晶石が導く。 |
GM |
二人は、イ=サードの竜追いギルドへ戻っていった。 |
泉 |
水晶< 「了解しました。では、私たちも街に戻ります。」 水晶をしまうと、フラックに向き直る。 フラック< 「どうやら、依頼を無事に達成することが出来たようですね。」 「町に戻りましょうか」 イ=サードに向かって出発する。 |
フラック |
トレニト< 「トレニトさんも大丈夫?」 心配して水晶に話しかける。 一晩休めば大丈夫ときいて安心する。 「りょーかい。離脱しまっす」 泉< にっこり笑って泉をみる。 |
トレニト |
水晶から安堵の気配が伝わってくる。 泉&フラック< 先ほどよりもはっきりと、大きな声がする。 「奴らの動きと気配がはっきりと変わったから、そうなのではないかと思った。よくやってくれた。 今は難しいが、後で必ず礼はさせてもらう。 こちらの状況だが、ようやく毒が抜けてきた。 一晩休息していれば、完全に動けるようになるだろう。首魁を仕留めたということなら、時を待たずして奴らは統制を無くしてばらばらになっていくはずだ。 わたしはそれを見届けてから町に戻ろうと思う。 後は離脱してくれ」 |
泉 |
水晶< 「はい、イズミです。」 「トレニトさん、・・ですか?私たちの方は無事に敵の首魁を仕留めましたが、そちらの方はどうですか?」 フラックにも聞こえるように、お互いの中間位置に水晶をぶら下げて意識を凝らす。 |
GM |
再び、水晶が小さな音を奏でる。 泉が水晶をぶら下げると、微かな声が水晶から響いてくる。 耳を近づけないと分からないくらいの声だ。 「聞こえるか……返事ができる状態だったら返答してくれ」 トレニトの声だ。 |
泉 |
「うん?」 音がしたようだが・・・ 不思議に思って水晶を取り出し、目の前でぶら下げて、様子を見る。 |
フラック |
泉< 「あれ。ねーさん、何かなってない?」 |
GM |
立ち竦んだままのショートホーンの横を擦り抜け、二人は北に向かって砦を離れていく。 どれだけ走ったろうか。 追っ手も上手く撒けたようだ。 その折、 ――リン…… 泉の懐に眠っていた、あの結晶石が振動して微かな音を奏でた。 |
フラック |
泉< ひゅう、と、口笛を吹く。 「うん、いこう」 |
泉 |
残った短槍のショートホーンを睨みながら、ゆっくりと手裏剣を回収する。 相手に戦意がないのならば、これ以上戦う意味は無いが・・・後方の砦の方からの追っ手も気になる。ぐずぐずしていると追いつかれる。 依然としてショートホーンの態度に注意を払いながら、この場を撤収する用意をする。 フラック< 「行きましょうか?」 フラックの様子を一瞥して、声をかける。問題なければ、早々に立ち去ることにしょう。 |
GM |
泉は短弓を持ったショートホーンの前に飛び出す。 無謀とも見える突出だ。 フラックも慌てて続こうとする。 と、泉を迎え撃とうとしたショートホーンが突然、慄き、戸惑った様子を示す。そして、泉の放った手裏剣をなすすべもなく受ける。 一、二。立て続けに二枚。瞬く間に切り裂かれた手を押さ、ショートホーンは後ずさり、身を翻して逃げていく。 ショートホーンを掠め斬った手裏剣は、そのまま背後の木に突き立つ。 以心伝心かはともかく、フラックも前に、短剣を持ったショートホーンに相対する。 「それっ――!」 短槍を携えたフラックを攻めあぐねた様子のショートホーンだったが、フラックは気にする様子もなく、袂から素早く取り出したスローイングナイフを顔めがけて投擲する。 意表を衝かれた魔物の顔に短剣が突き刺さり、悲鳴を上げ、わめきつつ逃走する。 短槍を持ったショートホーンは、有利だったはずの状況から劇的に動いた戦況に、戸惑って動けない様子だ。 |
泉 |
だめか、ここを切り抜けるためには、本意ではないがどうしても戦う必要がありそうだ。 先ずは、短弓を持っているやつを排除する。 フラックの方を一瞥して合図を送る。 右手の短剣のやつは、フラックさん、頼む・・・一瞥だけで意図が伝わるだろうか? しかし、説明している時間がない。以心伝心を期待しよう。 |
GM |
砦と自分たちの間に木々を挟みながら、泉たちは北側へ逃げていく。 と、見張りだったらしいショートホーンが3体、正面から現れる。先ほどの遠吠えを聞きつけてやってきたらしい。 二人を見るや、すぐさま身構える。殺気に溢れんばかりだ。 右手は短剣、正面やや左は粗末な短槍、その左は短弓を持ち、剣も携えている。 |
泉 |
追ってか? 弓を持っていると厄介だな。 矢の的にならないように、木の反対側に回りこんで下に降りていく。 下に降りたら、そのまま影伝いに北方面に逃走を図る。 |
フラック |
「よっと!」 木の上から飛び降りる。 泉< 「きたきたきたきた、来たよねーさん」 ピンチというより楽しそうに敵の接近を告げる。 |
GM |
柵の上を伝い、二人は進んでいく。 敏捷判定:分類/綱渡り(軽業) 泉:完全な成功! フラック:優秀な成功! 不安定な狭い足場を、二人は苦もなく進んでいく。 敏捷判定:分類/起立跳躍・軽業 泉:優秀な成功! フラック:非の打ち所のない成功! そして、目的の木の前まで来ると、まさしくも猫のように身軽に飛び移ることに成功する。 その直前に、ちらりと、後方に数匹のショートホーンが現れたのが確認できる。 |
泉 |
柵を右手の方に進んで、木を使って下に降りることにする。 フラックに木を指さして意図を伝えると木のところに走っていく。 |
フラック |
泉< 「どっちに行く!?」 とりあえず泉のいう方向にすすむ。 |
GM |
二人は素早く外に出て、柵の上に飛び移った。 建物の中から騒音が聞こえはじめ、後方から途端に甲高い遠吠えが耳をつんざく。 |
フラック |
泉< 「いこいこ!」 一瞬止まったが、泉と一緒にでていく。 |
泉 |
フラック< 「あ・・・、了解!」 間髪を入れずにフラックに頷くと、バルコニーに突進して部屋の外に出ようとする。 |
GM |
お互いの指示は、まったく同時だった。 二人はきょとんとして目を交わしたかもしれない。 |
フラック |
戦利品をもって泉のところへいく。 泉< 「お待たせねーさん! さあ、逃げよう逃げよう!」 バルコニーから柵の北に降りて、急いで森の中にまぎれたらきっと逃げ切れるはずだ。 |
泉 |
「どうしよう・・・」 このまま階下に降りて敵を全滅させるのも良いが、首魁のニェル族を討ち取った今、果たしてそれは意味のあることなのだろうか。 「戦略的に意味の無い、無駄な殺生は控えるべきだ。」ジョードヌで常に頭領に言われていた言葉を思い出す。 再び、鈴を鳴らして時間を稼ぐ。その間に急いでニェル族の死体の所に戻ると、フラックにも声を掛けて二人でニェル族の死体を抱えて扉の外に運ぶことにする。 フラック< 「フラックさん、死体を運びます。 急いで!」 |
GM |
梯子をあがってきた最初の人影が、何も見えない暗闇の中に入り込んだことに気づいて、驚き戸惑っている。 泉には、そのショートホーンの姿が透かすように見えるが、相手にはそうではない。 ちり…ん 喧噪の中に、静寂が広がっていく。 泉のならした鈴の音が、あたりから音を奪っていく。 目の前のショートホーンは完全に二覚を失っている。 命中判定:分類/苦無 > ショートホーン 泉:完全な成功! 電光のような泉の攻撃がショートホーンを貫き、一撃でその命を奪う。 次から次へとショートホーンはあがってくるかと思われたが、あにはからんや、泉の術は効き過ぎるほど効いており、階下のショートホーンたちも、突然あたりが全くの静寂に包まれたので困惑して動きが止まっているようだった。 幸い、フラックのところまでは届いていない。 |
泉 |
暗闇の中、梯子を敵が登ってくるのを醒めた気持ちで待つ。 やろうとしていることは、敵が登ってきたら鈴を鳴らして、しじまの術をかけることだ。 そして敵が集中力を奪われている間に、機械的に苦無で攻撃する。 もし敵が多くなったら、乱眼をかけてもよい。 敵が全員行動不能になるまで、それを繰り返す。 どこまで出来るか分からないが、やってみよう。 |
フラック |
泉< 「しょっ、証拠!? 証拠!?」 思いもよらないことをいわれて慌てる。 「く、首をきるわけにもいかないしなあ。 えーと。 どうしよう」 困ったあげく、ニェル族の耳を切り取って持っていくことにする。 |
GM |
泉が梯子の場所までたどり着いた時には、すでに何者かが階下で梯子に手をかけている。 忍術判定:分類/暗闇の術 泉:成功! 泉は闇を呼び出し、周囲を包み込んだ。 ただでさえ、バルコニーから差し込んでくる頼りない光だけで照らされていたに過ぎない、薄暗い室内が、完全な暗闇に包まれる。 |
泉 |
「しまった、配下のショートホーンたちに気づかれてしまったか・・・」 素早く手裏剣を回収すると、ニェル族の遺体を一瞥する。 フラック< 「フラックさん、トレニトさんに見せるので、ニェル族を確かに倒した証拠の品を何か死体から持ってきて!」 自分は・・・そう自分はショートホーンたちと対峙するべく、フラックを部屋の中に残したまま扉のところに急ぐ。 イズミにとって忍術を最大限に使う時がきた。唇を軽くかみ締めて精神を集中する。 小走りで扉に到着すると、右手に苦無を持ったままでゆっくりと左手で鈴を取り出し、暗闇の術を唱える。 そして、梯子のある穴からやがて出てくるであろう敵を待ち構える。 |
フラック |
泉< 「あ、ヤバイ?」 叫び声が下に届いたらしいのを感じる。 支持を求める。 |
GM |
まずフラックが、若干遅れて泉が走り出す。 寝台の上に飛び乗り、フラックが槍を取る。 泉も寝台に近づく。 ニェル族が身を起こしたらすかさず手裏剣を投擲するつもりだったが、起き上がらない。どうやら、毒が効いているようだ。 だが、 「――――――!!!!」 横たわったまま、何とも付かない叫び声を上げる。 二人には理解することができないが、何かの言語のよう、おそらくは魔物の言葉だ。 手裏剣を落とし、泉は片腕でニェル族を捉えると、空いた手で素早く苦無を取り出した。 命中判定:分類/苦無(部位狙い/喉)・無防備状態 > ニェル族 泉:優秀な成功! 喉に命中! > 20ダメージ! > 即死! 急所を一突きされ、ニェル族は倒れる。 同時に、階下で、ごそりと気配がうごめく。 |
フラック |
泉< (武器防具の確保、了解) 泉の合図を頷く。 泉が吹き矢を発射する。 命中したらしい。 (さすがねーさん!) 快哉をあげると走り出す。 |
GM |
命中判定:分類/吹き筒(吹き矢) > ニェル族 泉:優秀な成功! 胸に命中! > 2ダメージ! > 「神経毒:毒性値20」 < 辛うじて失敗! > 「麻痺」! 泉の放った吹き矢は過たず飛び、ニェル族の無防備な胸部に突き刺さる。 驚きと苦痛の気配がする。 泉は速やかに計画通りに行動を開始した。 さて、フラックは……? |
泉 |
「ふむう・・、手際よく倒さねばならない。」 フラックを振り向いて、ニェル族の防具と槍を指差すとその確保をお願いする。槍や防具を使われると戦闘が長引いて面倒だ。 イズミが考えている手順は以下のようなものだ。必ずしもそうなるとは限らないが、あとは臨機応変に対応するしかない。 先ず、吹き矢を発射したら迅速にニェル族に近づき、相手が上半身を起こした所で棒手裏剣三本を打ち込む。1投で三本投射出来るように右手にしっかりと棒手裏剣三本を握り締める。吹き矢の筒は左手だ。 止めはクナイで刺す。クナイを直ぐに装備出来るように場所を確認して、直ぐに取り出せるようにする。出来ればニェル族に声を立てられないように後に回り込んで口を押さえながら喉を突きたい・・・それで終わりのはずだ、きっと・・・ 再び戦闘方針を確認すると、吹き矢の狙いを定め、フラックに合図を送るとニェル族の上半身の肌が露出している部分をめがけて発射する。そして、部屋の中に進入した。 |
GM |
泉はニェル族の位置を確認する。 ここから、狙えなくもない。 とはいえ、剥き出しの顔に命中させるのがいちばん効果が高いと思われる。それも不可能ではなさそうだが、角度の問題からやや困難が伴うだろう。 身体のどこでも良いのなら、たいした問題はないのだろうが。 それにしても、この毒で与えられる影響はどのくらいのものだろうか? 実際のところ、フラックにも泉にも毒に関する知識はなかった。泉の故郷ならば、いくらでも毒に長けた使い手はいたが……。 トレニトは神経を冒す毒といったが、そこから推測するに、弱い効果ならば痺れや麻痺を発症させ、強力な毒ならば呼吸困難や重要器官の麻痺による毒死などが起きるのだろう。 後者ならば良いが、前者だったとすれば、毒を打った後にも迅速な行動を取る必要がある。 |
泉 |
私は常にこれからやり遂げることの善悪を判断できる立場はなかった。 「使命を達成せよ、疑念を持ってはならぬ。」 ジョードヌで果たした任務と、命を賭して戦った人々の面影が浮かぶ。敵も味方も、誰も使命に疑念を持つものなどいなかった。今は静かに寝ているこのニェル族も人間に敵対する動機に関してはどのような疑念もないのだろう。 「是非もなしか・・・」 もし、それが猫の口でなく、人の口であれば、大きな悲しい溜め息となったであろう。 ニェル族の枕元から静かに去るとバルコニーに戻って獣化を解除する。そこで、再武装して吹き矢を準備するとフラックの所にやってくる。ゼスチャーで吹き 矢で攻撃する意思をフラックに伝える。そしてニェル族の人物が扉から吹き矢で狙える射角にあるかどうか確認する。 |
フラック |
泉が魔物をみているのをみて考えているようだと思う。 (困っているのかな?) 猫の姿から表情を読むのは難しい。 |
GM |
泉の出生地である城都――この地ではジョードヌとして知られている――には、あまり魔物は多くはない。どちらかといえば、人族である隣人たちの方と剣を交える機会の方が多かった。 そして、ニェル族という魔物もいなかった。 だからこそ、泉も逡巡したのかも知れない。 賢者であれば言っただろう。 “人族は竜の善き夢から生まれた存在。 魔物は竜の悪夢から生まれた存在。 故に、この二者は決して理解し合うことはなく、どちらかが消え去るまで争い続けるしかない”のだと。 この魔物が生きていて、ショートホーンたちの指揮を執る限り、人族たちの生活は間違いなく脅かされる。 彼らが狙っているのは、この森の近くにあるサウンレイトの町だと、トレニトは言っていた……。 ニェル族は今はただ眠っている。 人族とは相容れない存在であるはずの魔物でさえ、眠っているときは安らぎに満ちた表情をするようだった。 そこには泉が求める答えはない。 自らが決めるしかないのだろう。 |
泉 |
ニェル族の寝ている無防備な顔をまじまじと見つめる。これから命を奪うことになる・・・そこに人間性のかけらでもないかどうか確かめるために。 もし、そこに共感が得られるような痕跡が何もなければ、イズミとしては気が楽だ。何も考えずに暗殺者としての役目を遂行するのみ。 しかし、共感を持つことが出来てコミュニケーション可能とのことになれば、交渉すべかもしれない。多分、だめかもしれないが・・・ ニェル族に対する自分なりの判断を下すべく、しばらく逡巡している。 |
フラック |
あわてて猫のあとを追いかける。 入り口のあたりで息を潜めて様子を伺う。 |
GM |
寝台で眠っているのは、人型の魔物のようだ。 身長は2m近く、逆に体型は華奢だ。 頭にはまったく毛がなく、異様なほど尖った耳と、つるりとした平面の鼻がある。 それ以外は、人間とはたいした違いが見て取れない。 体には、人間が付ける物と同じような胴衣をまとっている。 また、傍らには槍が立てかけられており、金属製の防具も見える。 泉は直感的に、この魔物が、ショートホーンの群れを統率しているニェル族だろうと分かった。 今は寝息を立てているが、眠りは浅そうだ。 |
泉 |
敏捷判定:分類/忍び足(枯れ草の絨毯)・気配隠蔽 泉:猫の足取り 成功! 部屋の中では音を立てないように寝台の脇を通って、何ものかの枕元へと移動する。そこから人物の様子を具に観察する。 |
フラック |
しばらくぽかーんとして猫を見ている。 それから、はっと我に返る。 泉< 「ねーさんはすごい魔法の使い手なんだ!」 驚いたり、敬服したりして声を上げる。 そのころには泉は扉の方に向かっている。 |
泉 |
フラックの足元に猫特有の動作で身をこすり付ける。 「なーん」 フラックを見上げて小さく鳴く。しばらく、じっと見ている。(大丈夫かな?) そして、そのまま優雅に尻尾を立てると、くだんの部屋の中に移動する。 |
GM |
泉が猫の魂に力を与え、喚起していく。 魔力が鼓動し、猫の魂が大きくふくれあがり、やがて、泉の存在そのものを呑み込み、覆す。 一瞬の呼吸。 フラックが見ていた泉の姿が一瞬ぼやけ、視界にとらえられなくなる。 その次の瞬間、泉の立っていた場所には誰もおらず、ただ一匹の猫が座っていた。 |
泉 |
フラックに頷くと、バルコニーのところに引き返す。 振り返って、やはり、フラックの顔を不安げに、そして恥ずかしげに見つめる。 フラック< 「フラックさん、これから起こることで驚かないでね。」 下を向いて小声で恥ずかしそうに話すと、月明かりのシルエットの中、バルコニーの中ほどにゆっくりと踏み出すと、そこで丁寧に服を脱ぎ裸体になる。そして獣化を開始する。 |
フラック |
首をかしげて泉を見る。 (変にはいったら音たてちゃうよね。何かいい方法があるかなあ) 泉が複雑な顔で見てくることに気がつく。 泉< 話をしたそうにしているので、(バルコニーに行こうか?)と指でしめす。 |
泉 |
どうしよう・・・獣化して猫になれば音を立てずに部屋の中に入っていけるかもしれない。 しかし、フラックさんに獣化という現象をどのように説明しよう?いや、言葉を使って説明できる状況ではない。ゼスチャーのみでこの複雑な事情を伝えなければならない。 ちょっと複雑な顔をしてフラックさんの方を見る。 うぅーん、こまった。 「フラックさん、どうしよう?」心の中でそう呟く。 |
GM |
泉の不安が当たり、枯れ草はかさりと小さな音を立てる。 これでは空でも飛んでいない限り、足音を立てずに行くのは至難の業だ。 そう、身軽な猫でもなければ難しいだろう。 |
泉 |
うぬ、直ぐにでも近寄って寝台の上のものの正体を確かめたいが・・ ゆっくりと軽く、床の上の枯れ草に右足を乗せて見る。 |
GM |
フラックはちょうど泉の方を振り返っており、彼女の手招きにすぐに気が付いた。 泉は、扉に手を掛ける。 敏捷判定:分類/隠密・気配隠蔽 泉:成功! フラック:辛うじて成功! 扉ががたついて、微かに音を立てそうになったが、何とか静かに退けることができる。 その部屋には、床一面にうっすらと枯れ草が敷かれている。もしかすると絨毯のようなつもりなのかも知れない。 正面にはテーブルらしいもの、奥には簡素な寝台らしきものがあり、……寝台の上では何ものかが横になっている。 眠っているらしい。 身長2mほどの人型の生き物だ。 |
泉 |
壁に立てかけてある扉を移動させる必要があるがどうしようか?・・・・ フラックさんの方を見たが、思い切って彼を手招きする。 二人で静かに扉を持ち上げて、音を立てないように横にずらしたい。 フラックさんに自分の意図をジェスチャーで説明する。 意図が伝わったら、音を立てないように静かに扉を動かす。 そして、扉があった向こうの部屋の中を覗き込む。 |
フラック |
(敵の詰め所かな。ここが大ボスの家じゃなかったら逃げた方がいいかも)ということを泉に教えにいく。 |
GM |
扉は、ノブがあるわけでもなければ取っ手があるわけでもない。見る限り、壁に立てかけてあるだけのようだ。 気配は……確かに存在する。 多くはない、恐らくは1体。密やかな、静かな気配だから、おそらく気配の主は眠っているのではないかと考えられる。 |
泉 |
フラックに合図して部屋の中に滑り込むと、左手の奥の扉の横に壁を背にして立つ。前方の梯子の穴から何か出て来ないか気を配りながら、同時に扉の向こう側にあるだろう部屋の中の気配も探る。 扉はどのようにして開けるタイプなのか確認する。 |
GM |
フラックは、梯子のある穴の奥から気配を感じる。 下には何体もの生き物がいるらしい。 |
フラック |
泉の後を追って、部屋の中に入っていく。 泉が扉の方に行ったので、 梯子の方をみにいく。だれかが登ってくるような感じであればすぐに泉に警告するつもりで。 |
泉 |
中の部屋を調べる。 泉は中の様子を伺った。 明かりはないが、入り口から月明かりが射し込んでいてほんのわずかながら照らされている。 部屋はがらんとしており何も置かれていない。 右手の奥の方に木製の梯子の付いた穴があり、下の階へと続いているようなのが見える。 左手の奥の方には扉らしい物がある。 泉は、フラックさんに目配せで合図して、進入の合意を得て、ゆっくりと進入する。 |
フラック |
足音を潜めて入り口の近くの壁を背にして立って、中に誰かいないか、音が聞こえないか様子を見る。 |
GM |
二人は露台に飛び移った。 露台は、ほとんどただ設けられているだけも同然で、人族たちが好んで作り、食事や休憩を行うためのものとは違うようだ。 露台の上には建物の二階部分があり、扉もない入り口がぽっかりと開いている。 中には部屋があるようだ。 |
泉 |
ゆっくりと柵の上に登る。柵の上を西側に移動して建物の露台に乗り移る手前で立ち止まる。 建物の露台に乗り移る前に、気配を絶って静かに精神統一を行う。毒のついた吹き矢、クナイ、棒手裏剣、しじまの術を行うための鈴の位置を確認して何時でも使えるように心構えする。 やがて、意を決すると、フラックに合図して、露台に乗り移ることにする。そして、間髪を入れず建物の中の様子を探る。 |
フラック |
泉< 「行こうか、ねーさん」 こそっとよびかけて柵の上に上がる。 |
フラック |
ショートホーン< (やっほー) 通り過ぎていく(らしい)ショートホーンに手を振る。 |
GM |
技能判定:分類/気配感知・嗅覚 ショートホーン:失敗! ショートホーンは周囲に目を配りながら、しかし頭上の二人には気づかずにそのまま通り過ぎていった。 |
泉 |
柵にブル下がりながら、フラックの方を見て頷く。 このまま上手くやり過ごせるように祈るのみ。 |
フラック |
泉の様子をみて、こちらに来るようだったらそのまま。ショートホーンに攻撃をしかけるようだったらあとに続こうと考える。 泉< (ねーさん、どうする?) 声を上げるときづかれそうなので心の中で訊ねる。 |
GM |
ショートホーンはひたすら鼻をうごめかせながら周囲を探索しているが、野生の犬や狼ほどは嗅覚が敏感ではないのかも知れない。 二人がいた場所をしきりに探っていたが、柵の上に指には気づかないまま、奥の方へ進む。 そのとき、風向きが味方した。 今や、二人はこの見張りから見て風下にいる。 この様子なら、やり過ごせそうだ。 |