PBeM
〜Dragon Pursurs〜
竜追い達の唄

騎士王国シルヴァード:
大陸の東部、バーナード地方の列国、最強の国。
剣王ハルッサムによる安定した統治を受け、現在が史上の全盛期と言われている。

:大牙の城:
−謁見の間−
 国王が、他国の使者と面会し、また、市民の嘆願などを聞くための間。
 分厚い石壁で無骨に作られた城内において、もっとも豪奢な装飾が施されている。
 王座の傍らには、近衛兵隊長にして王家の剣術指南役であるドミニク・バージェスが常に控えており、謁見者の動向に目を光らせている。
 騎士などに使命を下すときもこの間が使われる。
投稿(件名…大牙の城:謁見の間)
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大牙の塔
謁見の間
政務室
会議室
研究室
詰め所
騎士団寮
兵士宿舎
一般宿舎
馬厩舎
大食堂
食堂
舞踏場
訓練場
武具庫
書庫
宝物庫
地下牢
王族墓地



 
老魔術師ベリアル

 ハルッサムに頷くと、

カール<

「では、参りましょう」

 ベリアルは呪文を詠唱し…魔術を行使した。

 
 カールとベリアルは、遺跡都市シューレスクの四国の天幕に移動しました。



 
剣王ハルッサム

カール<

 苦笑いを浮かべながら、
「ああ。それでいい。お前に任せよう」

ベリアル<

「それでは、よろしくお願いします。魔術師殿」



 
カール・グスタフ

ベリアル<

 魔法など、今まで一切関わってこなかったカールはベリアルの話に聞き入っていた。
「無限の距離を一瞬で…」
 そして、ぶつぶつと呟きながら、少し考え込む。
「・・・それなら、伝令や、物資の輸送が・・・便利になるな・・・奇襲もこれよりももっと、柔軟かつ的確に・・・」

ハルッサム<

 ブツブツ呟いているとハルッサムから声を掛けられ、慌ててハルッサムの方に向き直り、
「か、かしこまりました。
 では、私はベリアル殿と先にシューレスクに向かい、兵はウォルフが率いて後から来るという事で・・・よろしいでしょうか?」
 状況確認をする。



 
剣王ハルッサム

カール<

「―というわけだ、カール」
 そして、視線で「どうだ」と問う。



 
老魔術師ベリアル

ハルッサム<

 ハルッサムの言葉を受けて、
「あとは私がお話しましょう」

カール<

「そして、魔術師にとって旅路は、馬や徒歩ばかりでいくものばかりではないのですよ。瞬間的に無限の距離を跳躍する技を、私は修得しています。あちらの混乱を少なくし合流を易くする為に、指揮官各のあなたと私が、この魔法で部隊に先だって遺跡都市に行こうということです。
 部隊へのご指示は既に、従者のウォルフ殿がされているはずです」



 
剣王ハルッサム

カール<

「ああ。
 そう、大した事ではないのだ。
 こちらのベリアル殿も、この件に関わっておられてな。
 お前とともに遺跡都市へと向かうのだ」



 
カール・グスタフ

ベリアル<

 緑色の瞳の暗褐色のローブを着た老人に一礼し
「始めまして、騎士、カール=グスタフと申します」

ハルッサム<

 そして、ハルッサムに
(なぜ、イ=サードの魔術顧問の方が?)
 と目で訴える



 
GM

 ハルッサムがカールを呼び止めた、ちょうどそのときで、先ほど退出した近衛兵のひとりが、暗褐色の衣を纏った老人を連れて戻ってきた。
 相当な高齢に見えるが背の真っ直ぐに伸びた老人で、豊かな白い髭を長く垂らしている。眩しそうに細められた瞼の下で、緑色の瞳が穏やかな光を放っている。
「イ=サードの魔術顧問ベリアル殿をお連れしました」
 そして一礼し、戻る。
「ベリアル殿、彼が、先ほどお話した騎士です」
 ハルッサムがカールを示していうと、老人は頷いて、口を開く。
「大魔術師王国で魔術顧問を務めるベリアルと申します。
 お会いしたのは、初めてですね、騎士殿」

 
剣王ハルッサム

カール<

 下がろうとするカールに、
「ああ、待て。もう少しだ」
 といって留める。



 
カール・グスタフ

ハルッサム<

 ハルッサムの言葉に反応するように恭しく跪き、俯く。
 豪奢な金髪がはらりと顔を隠す。金髪は光を含み光り輝く。
「かしこまりました・・・陛下のご期待に必ずや」
 顔を伏せたまま、凛と通る声が謁見の間に響いた。

 カールは顔を上げ、両手を差し出し、腰間の剣を受け取るとまた一礼して、立ち上がる。
「では、陛下・・・そろそろ、兵達の準備もまもなく整う頃でしょう・・・」
 そう言うと、カールは謁見の間を後にした。



 
剣王ハルッサム

カール<

「ああ、その通りだ。…実は微妙に違うのだがな」
 悪戯っぽい笑みを閃かせると、腰間にあった剣を鞘ごと引き抜いて片手で掲げ持ち、いう。
「騎士カール・グスタフ。今より汝を連合軍遊撃隊長に任ず。
 直ちに汝の麾下の兵50を率いて遺跡都市シューレスクへ赴き、白鱗騎士団の100騎と合流、遊撃隊に編入し、その後に汝の判断で動き、連合軍を勝利へと導け!」



 
カール・グスタフ

ハルッサム<

 剣王の話を聞き、僅かに沈黙する。
「…それでは、私に四国の連合軍司令官をサノットのボア=ルドゥ氏より引継ぎ魔物との戦線を盛り返せ…ということでしょうか?」
 顔を僅かに緊張させつつも、これから起こるであろう任務に興奮しているようであった。



 
剣王ハルッサム

カール<

 手を軽くあげて、
「構わんよ。耳に聞こえよいことばかりした聞かぬ君主など、看板以外の役に立たぬばかりか、害にすらなりかねないというものだ」
 そこで僅かに苦笑し、
「お前は少し真面目に過ぎるようだな、もう少し肩の力を抜いていい。私も元は、一介の剣士に過ぎなかったのだからな」
 そして、表情を改め、
「そう、我が国はイ=サード、サノット、ミノッツと共に、かのシューレスクに軍を派遣している。共同で戦線を張り、共通の脅威である魔物どもを駆逐するという目的だ。
 魔物どもは強大な力を持ち、我ら人族にとっては宿敵にして天敵ともいえる存在だ。ここで先手を打ち、その勢力をそぐ事に成功すれば、我らの大願である未開地の制覇、開拓、そして創造竜の発見にも大きな一歩となるはずだ。
 …しかし、哀しいかな、統制が取れていない。
 もとより文化も国土も異なる四国の軍勢、異邦の地でうまくは動けるはずがないと考えてはいたが、予想をはるかに上回る苦戦振りだ。
 最初は順調に行って、以前に魔物どもに奪われた都市を奪回することはできたのだが、戦線が南進し、もともとから魔物どもの勢力化にあったところまで進軍してから、急激的にその弱点を露呈した。
 敵地にあって我々の補給力は薄く、統制も取れておらず、持久力も脆弱に過ぎる。それに対して、魔物たちにとってあの戦場は本土といえ、士気は高く、地にも慣れている。
 優れた補給に加えて優秀な指揮官を持つ魔物どもは、即ち天地人のうち地と人のふたつの有利を得ているわけだ。
 それでも、なんとか連合軍は瓦解を免れ、危ないながらもぎりぎりのところで戦線を膠着までに保っている。
 だから、私はここで、戦況を勝利に傾けるべく、ある手をうつことにした」
 長々と話し、そこで一息入れる。
「とはいえ、奇しくもお前が先ほど言ったとおり、これ以上の出兵には辛いものがある。共通の敵を持つとはいえ、もともとは敵国同士だったものがこのバーマードには多く固まりすぎている。国力を疲弊させては、いらぬ陰謀を生むことになりかねんからな」
 故に、と続ける。
「兵士の数そのものの増強は非現実的。
 ならば、戦力を増加に導くのではなく、戦力の低下を招いているものを取り除く事に決めたのだ。
 これはあまり大きな声で言えることではないが、サノットが希望して我ら三国が認めた指揮官…名をボア・ルドゥとかいったな…の統率力は未熟で、それが連合軍の足並みが乱れる要因となっているのだ。
 ここで私は三国に提案し、代わりの指揮官を我が国から派遣することにしたわけだ」
 そこで、彼はカールを見る。
 分かったか? と確認でもとるような、または何か面白がっているような表情だ。



 
カール・グスタフ

ハルッサム<

 ハルッサムの”疾風”との言葉に僅かに頬を赤らめ、
「陛下、まだまだ半人前の身であります…」
 そして、ハルッサムが人払いしたことに僅かに首をかしげ、
(…聞いていたよりも事は重大なのかもしれぬ…)
 そして、ハルッサムに促されるまま立ち上がり、
「…話は一応聞いております。南の遺跡都市シューレスクでの対魔物戦線のお話と、確認しております。」
 僅かに、眉を顰め、
「しかし、我国は既にイ=サード、サノット、ミノッツと共に、同盟軍を派遣しているはずです。
 これ以上の出兵は我国を疲弊させ…」
 其処まで言いかけてカールは口をつぐむ。
「出すぎた口を…申し訳ありませんでした。」



 
剣王ハルッサム

 穏やかそうな目でカールを見下ろしたまま、ハルッサムは微笑む。

カール<

「さすがは“疾風”といおうか、予定から十分も早い。
 ああ。構わぬ、楽にするがいい」
 そうしてカールを立たせ、ハルッサムも王座から立ち上がる。齢60にも及ぼうというのに姿勢は真っ直ぐに安定し、動作に老人特有の遅滞が全く見られない。40年以上も戦場にその身を置いて戦ってきた熟練の剣士であり指揮官である彼は一切の鍛錬を怠った事は無く、それによって培われ、その身に満ち満ちた生命力と覇気が老いを打ち払っているかのようだ。
「話は、少しは聞いているのだろうな?」
 といいながら、ハルッサムは近衛兵のひとりに頷きかける。
 近衛兵は一礼し、謁見の間を出て行った。



 
カール・グスタフ

 カールは命令を受領する為に謁見の間へと少々慌てながら入ってくる。
「・・・・・・」
 部屋に入ると、無言で兜を脱ぎ、まず、近衛兵長のドミニク・バージェスに一礼し部屋の中央辺りで、恭しく膝まずく。
「カール・グスタフ…命令により、登城致しました」
 頭を垂れたまま、玉座に座る、剣王へと申告する。


 
GM

 長い通路を越えて、大きく頑丈な扉をくぐると、この謁見の間にでる。
 この広間は合計16本の巨大な柱に支えられており、壁には様々な綴れ織りが掛かっている。八対の柱の間には赤い絨毯が敷かれ、入り口から玉座までを導いている。
 謁見の間には常に何人もの近衛兵が侍り、王を警護している。
 彼らの君主である剣王ハルッサムは、老いてなお若々しい光をたたえた涼やかな瞳で、それらを見つめていた。